アフガン
友人から、
ぺシャワール会のホームページ http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/kaiho/96nakamura.htm
に掲載されている中村哲さんの報告を読むと、
本当の意味で伊藤君を死に追いやったのが、
テロリストではなく、対テロ戦争であったのだということが良く分かります。
と書かれたメールが転送されてきた。
抜粋された中村さんの報告は、このようなものだった。
<対日感情の動き>
日本国内で議論が沸騰した「インド洋での後方支援=給油活動」は、幸いほとんど現地で知られておらず、「最大の民生支援国」であることが政府・反政府を問わず、好感を持って迎えられていた。
在日アフガン大使も、日本が(アフガンの国土に)兵力を送らぬことを望むと述べている。このことが私たちにとって大きな安全になっていたのは疑いがない。
しかし、六月になって「日本軍(Japanese Troop)派遣検討」の報が伝えられるや、身辺に危機を感ずるようになった。
余りに現状を知らぬ軽率な政治的判断だったと言わざるを得ない。
日本が兵力を派遣すれば、わがPMS(ペシャワール会医療サービス)は邦人ワーカーの生命を守るために、活動を一時停止する。
これまで、少なくともアフガン東部で親日感情をつないできた糸が切れると、自衛隊はもちろん、邦人が攻撃にさらされよう。
私たちはアフガン人が「故郷を荒らす日本兵」を攻撃するのを止めることができない。悲しむべきことだが、これが冷厳な現実である。
この末期の段階で軍事行動に協力する愚かさの帰結を、身にしみて知ることになろう。
(ペシャワール会報96号:2008年6月25日発行より)
現地を知り尽くした中村哲医師の、信頼できるこの指摘を、
見逃したor見て見ぬふりをした政府の罪は決して軽くないだろう。
学者や評論家やジャーナリストも同じではないか?
国家の思う平和と、 民の願う平和と、
同じことばなのに、それはまるで別物のようだ。
中村哲さんが以前から訴え、危惧していたことが現実になってしまったのに、
まだ為政者たちは、その過ちに気付いていないのだろうか?
気付かないふりをずっと続けるつもりなのだろうか?
29日に佐世保を訪れた外務省日米地位協定室長のコメントが
昨日の新聞に出ていた。
彼は、放射能漏れの情報伝達が遅れたことを謝罪し、
発覚から一カ月近くなってやっと訪問したことにも、
「批判があれば、甘んじて受け止めたい」と言った。
が、そのあと、
佐世保市長や市議会が、 原因が究明されない中での原子力艦船寄港拒否
を示唆したことについて、
「原潜を含む米軍の存在は、わが国の安全に重要な役割を果たしており、
入港の差し止めを米に申し上げる考えはない」と述べたのだ。
「申し上げる考えはない」と。