貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

月も虫も糸のよう・・・!

2021-08-12 10:51:38 | 日記

月も虫も糸のよう・・・!

令和3年8月12日(木)

冬庭や 

  月もいとなる 

     むしの吟

  冬の庭を照らす月は糸のように細く、

生き残った虫もか細い声で鳴いている、

の意。

 元禄二年(1689)の作。

「いとなる」・・・「糸なる」ないし

「網と成る」で、糸のような状態であ

ること。

 一入(いちにゆう)  という想の庵で

巻かれた連句の立句。

◎ 上に見えるのは、細い糸のよう

な月で、まさに冬の庭の上に寒そう

な姿を見せている。

 同時に庭の草むらの虫の鳴き声も

糸のようにか細い歌を聞かせている。

 「いとなる」を月と虫の両方の形容

した句。

 上の月も下の虫もともに冬の寒々

とした庭の添え物として相応しい。