貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

「別ればや」の解釈!

2021-07-29 10:38:39 | 日記

「別ればや」の解釈!

令和3年7月29日(木)

 7月も余すところ三日、あっという間

に過ぎていく感じ・・・・。

 昨夕は、友人が送ってくれた琵琶湖の

鰻で舌鼓!!!感激の一瞬でもあった。

別ればや 

  笠手に堤(さげ)て 

       夏羽織

   笠を手に提げ、夏羽織も着込んだ

ところで、いよいよお別れの時で

ある、

の意。

 年次不明。

「別ればや」・・・「別れ端や」と

     読めば、別れ際の意。

「別れ端や おもひ出すべき 田植歌」

    (傘下)(曽良宛芭蕉書簡)

  意志を表す助詞の「ばや」と見ることも

できる。

 旅の途中の留別吟。

 羽織の着用に威儀を正す心が示される。

 ◎ いよいよお別れだ。話していると、

名残は尽きませんが、

笠は手に持ったし、夏羽織は着たし、

旅の用意はできておりますぞ。

 この次は、何処で、どうしてお会い

するやら、そのような未来が判らぬ処が

人生ですからなあ。

 そして、別れ別れになって、

直ぐ近寄って手に手を取って

別れを惜しむ。

 これが人生の温かさであり、

寂しさでもありますな。

「別ればや」という言葉には、

心情を押し切ってもう別れましょう

という強い促しがある。

 それが人生だ。惜別の情の涙である。

 別れを告げる友情が愛情の情を

紡ぎ出す。

 作品の年は不明で、元禄年間である

ことは特定される。

 芭蕉晩年の心が投射されている

別離の句である。