貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

暑さ倍増 殺生石!

2021-07-22 11:42:57 | 日記

暑さ倍増 殺生石!

令和3年7月22日(木)

石の番や 

  夏草赤く 

    露あつし 

                
   前書き「殺生石]。

    石から漂う異様な臭気に、

見れば夏草は赤く焼け、

露までが熱い、

の意。

 元禄二年(1689)の作。

 「石の番」・・・殺生石一帯に発する

      有毒ガスの匂い。

 那須温泉に近い殺生石一帯の

荒涼とした景色を捉えたもので、

4月19日の吟。

 紀行では、採用されず、本文に

「蜂、蝶のたぐひ、真砂の色の見え

ぬほどかさなり死す」

と石の毒気のことが記される。

 ◎ 栃木県の温泉明神の裏手の山腹に

殺生石というのがあり、絶えず有毒ガス

を噴き出し、夏草は赤く焼けて、

この辺りの露は熱いという。

 浅間山近くに、石(せき)尊(そん)山(さん)

 という山があり、泉が噴き出すと直ぐに

真っ赤になる。

 学者の説明では赤くなる泉は

鉄分が多いからだという

 石尊山では、血の滝、血の川と呼んで

いるが、確かに夏になると、異臭を

発している。

 それと同じような赤いガスを出すところ

があるのだろう。

 自然には、そういった不思議な泉や

ガスの噴出がある。

 夏に見たなおさら暑い景色を詠んでいる

芭蕉は、自然の神秘な営みを畏れ敬う

境地であったろうか。