別れの寂しさ
令和3年7月2日(金)
見送りの
うしろや寂し
秋の風
前書き「野水が旅行を送りて」
秋風が吹く中、旅立つあなたを
見送ると、その後ろ姿が
何かしら寂しげである、
の意。
貞享五年か元禄元年(1688)の作。
野水への餞別の吟で、
底本に野水の脇も録される。
◎ これは、友と集まっていたが、
一人去って行く後ろ姿を皆が見ていて、
秋風の寂しさを感じたというのである。
先ずは、別れの寂しさがある。
遠ざかって小さくなっていく
後ろ姿の寂しさがある。
さらに、去る人の裾や笠が
秋風に揺らめく寂しさがある。
心は二重三重に、秋風の風情を
感じている師の勝手な想像?