貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

別れの寂しさ

2021-07-02 10:35:53 | 日記

別れの寂しさ

令和3年7月2日(金)

見送りの 

  うしろや寂し 

     秋の風

    前書き「野水が旅行を送りて」

 秋風が吹く中、旅立つあなたを

見送ると、その後ろ姿が

何かしら寂しげである、

の意。

貞享五年か元禄元年(1688)の作。

 野水への餞別の吟で、

底本に野水の脇も録される。

◎ これは、友と集まっていたが、

一人去って行く後ろ姿を皆が見ていて、

秋風の寂しさを感じたというのである。

 先ずは、別れの寂しさがある。

遠ざかって小さくなっていく

後ろ姿の寂しさがある。

 さらに、去る人の裾や笠が

秋風に揺らめく寂しさがある。

 心は二重三重に、秋風の風情を

感じている師の勝手な想像?