貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

「初の字」を賞美!

2021-07-18 10:19:53 | 日記

「初の字」を賞美!

令和3年7月18日(日)

初時雨 

  初の字を我 

     時雨哉

 折からの初時雨。

 この初の字が付く時雨こそ、

私が愛してやまないものだ、

の意。

 元禄六年以前の作。

 「初の字」・・・この字に、賞美の心を

込めて詠むのが、芭蕉たちの通例。

◎ 「初時雨」は、冬の季語。

  従って、蕉門の人々が連句の集まりを

する時に、初対面の人にこの句を贈り、

挨拶代わりにしたという。

 この句を見て、先ず気がつくのは、

漢字が多く、黒々としている。

 つまり、四角張った挨拶と見えることだ。

 と同時に、挨拶の度が過ぎて、

滑稽にも思えることだ。

 そこに、初見の人とも笑い合える余裕も

ほの見える。

 芭蕉の俳句に見える状況の多重化が

面白い。

 この句は、いつ生まれたかは、不明。

 元禄の間、つまり芭蕉晩年の作だとされた。

 私も「初」の字,好んで使っている。