貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

奇抜な境地

2019-05-22 08:33:00 | 日記

奇抜な境地

令和元年5月22日

古池や 蛙飛びこむ 

       水の音

 貞享3(1686)年春の作。

「静かな春の日、さざ波もなく、

水の淀んだ古池の辺りは

ひっそりとして何の物音もない。

・・・・・・・・・・・・・・・

 すると、

「チャポン。」

と、蛙の飛び込む音によって

静寂の世界に動きが与えられ、

また元の静寂に還るという

奇抜な境地を捉えた代表作」

と説明も加えられている。

 

旅人と 我名よばれん

      初しぐれ

 貞享4(1686)年冬の作。

「笈の小文」の最初の句。

その旅に出立する前、其角亭で

送別の句会の吟。 

 この句の前文に、

「神無月の初、空定めなきけしき

身は、風葉の行末なき心地して」

とあるように、旅への思いが

込められている。

 その他、

「行く春や鳥啼魚の目は泪」、

「閑さや岩にしみ入る蝉の聲」、

「此秋は何で年よる雲に鳥」、

「行秋や手をひろげたる栗のいが」、

「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」

の句碑がある。

 

 ふるさと芭蕉の森公園の

バショウももっと根っこを張って!

と願って次の地へ。