ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ポール・マッカートニー 『Back in the u.s.』 (DVD)

2005年07月21日 | 名盤




 2、3年前の暮れだったと記憶していますが、
 ポール・マッカートニーのライヴ映像が、深夜にテレビで放映されるというので、とっととスキーを切り上げて、その番組をとても楽しみに帰って来たことがあります。
 ポールが来日公演を行った年じゃなかったかなぁ。


          そして


 翌日、開店時間とともに店に飛び込んで、このDVD買いました!





 「何度でも見たくなる」作品です。
 ドキュメンタリー・タッチで編集しているため、「ポールのライヴ」をリアルな雰囲気で味わうことができました。とくに観客席の様子にも重点を置いて撮影しているので、これがDVD映像にはかりしれない現実味と臨場感とを与えています。
 「All My Loving」で涙ぐむ中年男性。「Jet」で大はしゃぎするミリタリー・ルックのロー・ティーンの女の子。「Let It Be」で感極まってしまった黒人青年。「Back In The U.S.S.R」で興奮する女性たちなどなど。


 舞台裏の様子もふんだんに見ることができます。
 ツアー・クルーのアット・ホームな雰囲気がとてもわかりやすく伝わってきます。
 ツアー最終日、「The Long And Winding Road」のイントロが始まると同時にスタッフ達がハートのついたカードを一斉に掲げ、これを見たポールが思わず涙ぐんでしまう場面はちょっと感動ものです。胸が詰まって一瞬歌えなくなったポールを見たぼくは、恥ずかしいことに貰い泣き(ちょっとですよ)してしまう始末でした。





 サウンド・チェックとして演奏される曲も収録されていますが、これがまた面白いのです。
 「Hey Jude」のハード・ロック・ヴァージョンをはじめとして、メンバーの夫人やガールフレンドたちが思わず踊りだしてしまう「Matchbox」、「Coming Up」などは、本番さながらの迫力ですね。


 客席でジャック・ニコルソンやトム・クルーズ、ジョン・キューザック、マイケル・ダグラスなどの面々が、ステージをたっぷり楽しんでいる姿を見ることもできます。


 


 肝心の演奏シーンですが、一番印象に残っているのが、バンドのチームワークの良さと、パワフルかつ非常に洗練されている、技術的レベルの高さです。
 といって、ポールに必要以上に規制されているわけではなくて、みんながとてもリラックスしつつ、自分のパートを完璧にこなしている、という感じでした。
 「Maybe I'm Amazed」で、ドラマーのエイブ・ラボリエルのあまりのエキサイトぶりに、クールなキーボーディストのポール・ウィックスのテンションまでどんどん高まっていくさまは、見ていて微笑ましいですね。
 「The End」のトリプル・ギター・バトルも強烈にホットです。


 このツアーのバンドメンバーを紹介しておきましょう。
     ☆ポール・マッカートニー/Paul McCartney (vocal, bass, guitar, piano)
     ☆ポール・"ウィックス"・ウィッケンス/Paul "Wix" Wickens (keyboards)
     ☆ラスティ・アンダーソン/Rusty Anderson (guitar)
     ☆ブライアン・レイ/Brian Ray (guitar, bass)
     ☆エイブ・ラボリエル・ジュニア/Abe Laboriel Jr. (drums)





 とにかくバンド、観客、スタッフすべてが心からショウを楽しんでいます。それも郷愁ではありません。ビートルズをリアルタイムで知らない30代以下の世代が非常に多く、これは年々「ビートルズ・ファン」が増えていることの裏づけにもなるでしょう。親子でファン、という家族も珍しくはないですからね。


 見ているこちらまでがいつの間にか興奮している、とても楽しい一枚でした。
 ところで、ドラマーのエイブ・ラボリエルJr.って、あの世界最高峰のベーシストのひとりであるエイブ・ラボリエルの息子なんですね。




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