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秋の気配が色濃くなってきました。朝はいっそう涼しくなり、夜には虫の声も聞こえます。
秋の夜というのは、夏の喧騒が終わったあとの、どことない寂しさが漂っているような気がします。そういう夜に聴くジャズもまたいいものです。
叙情的な、あるいはリリシズムに満ちたジャズ・ピアノというと、やはりまずビル・エヴァンスの名が挙げられますよね。昨夜はそのエヴァンスの『ムーン・ビームス』と『ハウ・マイ・ハート・シングス』を聴いていました。
この2枚のアルバムには、いずれも1962年5月17日、5月29日、6月5日に行われたセッションが収録されています。つまりこれらの作品は、表裏一体の姉妹篇ともいえるもので、『ハウ・マイ~』にはスウィンギーな曲を、『ムーン・ビームス』にはスロー・バラードを中心とした選曲になっているようです。
『Moon Beams』
Released 1962.11
Label Riverside
1.Re:Person I Knew
2.Polka Dots And Moonbeams
3.I Fall In Love Too Easily
4.Stairway To The Stars
5.If You Could See Me Now
6.It Might As Well Be Spring
7.In Love In Vain
8.Very Early
『How My Heart Sings!』
Released 1964.1
Label Riverside
1.How My Heart Sings
2.I Should Care
3.In Your Own Sweet Way
4.Walking Up
5.Summertime
6.34 Skidoo
7.Ev'rything I Love
8.Show-Type Tune
◆『Moon Beams』 & 『How My Heart Sings!』
■Produced by Orrin Keepnews
■Engineered by Bill Schwartau
■Recorded 1962.5.17、5.29、6.5
■Personnnel
Bill Evans (piano)
Chuck Israels (bass)
Paul Motian (drums)
リリシズム漂うジャズ・ピアノというと、甘さに流されてスウィング感を削がれてしまったりするものが散見されますが、これらエヴァンスの作品は緊張感を保ちつつもよくスウィングし、エモーショナルであり、とても充実した音を聴くことができます。
これらの作品が収録された前年(1961年)、実はエヴァンスは彼にとって最高のベーシストであるスコット・ラファロを交通事故のために失っています。おそらくそのショックの大きさは計り知れないものだったでしょう。
そして、ラファロの事故死という衝撃を乗り越え、ベーシストにチャック・イスラエルを迎えて取り組んだのが、この2枚のアルバムというわけです。
このセッションでもエヴァンス独特の美の世界が見事に表れています。そして美を表現しながらも、決してそれに流されてはおらず、エヴァンスのスタンダード・ナンバーに対する美しい解釈、卓越したセンス、理性と知性は、曲群にいっそう鮮やかな光彩をもたらしていると言えるのではないでしょうか。
静けさが染み入るような秋の夜です。遠くで犬の鳴き声がします。窓を開け放って涼しく澄んだ空気を味わいながら聴くビル・エヴァンス。「秋の気配」をぜいたくなご馳走に変えてくれるかのような、リリカルなピアノです。
ビル・エヴァンス♪
月の綺麗な今夜
私も彼のピアノと虫のセッションを楽しんでみます♪
雲のない空にポッカリと月が浮かんでいますね。
静かな夜にはエヴァンスのピアノがよく合います。
虫の音まで音楽に聞こえますよね。
何で秋になるとジャズが恋しいのでしょう。コジカナなんて聴いてると涙がでそうになります。(ホントかよ!って突っ込みはナシですよ~!)
CDを前にすると、お互い物欲との戦いになりますよね。
コジカナ、ぼくもジワリときますよ。マイ・バック・ペイジとか、マイ・フーリッシュ・ハートとかヨッシーズ・デライトとか。。。突っ込みを入れるどころか、気持ち、分かります。(^^)
スローな曲なのに、スウィンギン&エモーショナルって、ホント、仰る通りですね!
ワタシも思わず浸ってしまいました。
(『ハウ・マイ・ハート・シングス』は未聴なんです
聴いていると、そう、思わず浸ってしまうのです。まるで絵でも見ているかのような気持ちにさせてくれる一枚です。
「ハウ・マイ・ハート・シングス」はやはり同じセッションから収録されているだけあって、「ムーンビームス」と同じ香りがします。スウィンギーだけれど熱すぎず、聴き易い作品だと思いますよ。