ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

レフト・アローン (Left Alone)

2007年11月21日 | 名盤
 
♪自分的名盤名曲222


レフト・アローン (Left Alone)
■1959年
■作詞…ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)
■作曲…マル・ウォルドロン(Mal Waldron)
■演奏…マル・ウォルドロン・トリオ with ジャッキー・マクリーン
☆マル・ウォルドロン(Mal Waldron/piano)
☆ジュリアン・ユーウェル(Julian Euell/bass)
☆アル・ドリーレス(Al Dreares/drums)
---------------------------
★ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean/alto-sax)
試聴はこちら(1曲目)


 いや~、昨日はお騒がせしました。無事PCの復旧ができました。気にかけて下さった皆様に改めて御礼申し上げます。(^^)
 

 さて、今夜はマル・ウォルドロンの「レフト・アローン」を聴いています。
 この曲は、タイトルは知らずとも、メロディーだけでもご存知の方、案外多くいらっしゃるのではないでしょうか。日本では、かつてのジャズ喫茶における超有名盤で、一般にもとても人気のある曲です。
 また、1986年の角川映画「キャバレー」(出演…鹿賀丈史、倍賞美津子ほか)のテーマ曲としてマリーンが歌い、ヒットさせています。


     
     マル・ウォルドロン


 この曲は、同タイトルのアルバム、「レフト・アローン」の1曲目に収録されています。アルバム「レフト・アローン」はベツレヘム・レーベルが誇るベスト・セラーで、マル・ウォルドロンの代表アルバムでもあります。
 マルは名ジャズ・シンガー、ビリー・ホリデイの伴奏者としても知られていて、1957年4月からビリーの他界(1959年7月)直前まで行動を共にしていました。そのビリー・ホリデイがこの曲の作詞者です。


 この曲の歌詞は1959年春、サンフランシスコへ向かう飛行機の中で書かれたといいます。7時間もかかるフライトの間、ビリーはマルと語り合いながら歌詞を書いていったということです。ビリーはマルの付けた曲を気に入り、しばしばステージでも歌っていたそうですが、残念ながらビリー自身の録音は残されていません。


     
     ビリー・ホリデイ


 ビリーが没した翌年の1960年、マルの強い希望でビリーへの追悼盤としてアルバム「レフト・アローン」が録音され、歌のパートの代わりにジャッキー・マクリーンがアルト・サックスで一世一代の素晴らしい演奏を聴かせてくれています。この演奏はマルのみならず、ジャッキーの人気をも高めました。


 暗く、切ないムードに満ちた名曲です。重くて暗いピアノのイントロに続いて、ジャッキーのアルト・サックスが哀愁に満ちたメロディーを切々と歌い上げています。聴く者の胸を締め付ける、というか、しみじみ泣けるサックスのメロディーです。マルのピアノは絶妙な間で、サックスに語りかけるように弾かれています。このあたりのマルは、さすがに歌伴を長く務めているだけあって、共演者の魅力を引き出すことに長けています。マルの名伴奏がジャッキーの好プレイを演出した、と言ってもいいのではないでしょうか。


     
     ジャッキー・マクリーン


 ちょっと信じられないんですが、アルバム「レフト・アローン」は日本以外での評価はあまり高くないそうなんです。しかし日本でのマル・ウォルドロンや「レフト・アローン」の人気は群を抜いているものがあります。マルは日本の印象を、「まるで故郷に帰ったようだ」と語っています。よほど熱烈な歓迎を受けたんでしょうね。


 「レフト・アローン」は、気分が沈んでいる時とか、今夜のような静かな秋の夜にぴったり合う名曲・名演です。この曲もおそらく、いついつまでも聴きつがれることになるのでしょうね。




【レフト・アローン】 
心を満たしてくれる愛はどこにあるの?
去らなくてもいい人はどこにいるの?
私を傷つけ、そして見捨てる彼ら 私は取り残され一人きり

家と呼べる家はない
さまよう必要のない場所もない
街でも都会でも あぁ 私は取り残され一人きり

求めれば見つかると人は言う
でもそううまくいくものじゃない

たぶん運命が彼を通り過ぎるようにしているの
いえ、おそらく死ぬ前に会えるはず
心はひらいているの
でもその時まで 私は取り残され一人きり







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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
良かったですね。 (土佐のオヤジ)
2007-11-21 21:40:00
パソコン、良かったですね。
記事を読ませていただいて、パソコン音痴の僕は、固まってしまって、コメントする事もできませんでした。(←トンチンカンな事を言いかねないので・・。)
さて、「レフト・アローン」は、僕も大好きですね。言われるとおり、この時期ピッタリかもしれません。早速聴いてみようと思います。
返信する
土佐のオヤジさん (MINAGI)
2007-11-21 22:56:49
いやあ、たいへんお騒がせいたしました~(^^;)
気にかけて頂いてありがとうございました。
ぼくもまだまだPCは分からないことだらけなんですが、毎日使うものだし、さすがにちょっとは勉強しなければ・・・、なんて思いましたよ。(今頃・・・汗)

「レフト・アローン」、雰囲気ありますよね。ぼくも今夜はこのアルバムを繰り返して聴いてて、部屋の中がジャズ・クラブのような空気になってます~(^^)
返信する
Unknown (ジェイ)
2007-11-22 08:50:14
MINAGIさん、復活おめでとうございま~す!
データーも全部ご無事で?凄いです!流石です!

で、この「レフト・アローン」。
ビリー・ホリディのこれも聴きたかったですね。
返信する
おっは! (Nob)
2007-11-22 11:15:14
PC復活!良かったですね~
自力で直したんですか? 
うちのが壊れたらMINAGIさんに教えてもらお♪(笑)

そうそう、この「LEFT ALONE」は、LPで持ってます。
ジャケット白黒なんですよ~ これ ↓
http://ameblo.jp/nobworld/entry-10007951325.html
日本だけでの人気曲というのは意外でした!
マリーンバージョンは角川映画のテーマ曲になってましたよね。
返信する
ご無事で何よりでした(●^o^●) (ひろ)
2007-11-22 12:06:41
こんにちわm(__)m ひろです♪ パソコンは時として暴走するので珠にはマメにバックアップをお薦めします\(~o~)/ 報酬は・・・プライスレスなので80年代のロックを広めて下さいm(__)m お待ちしております(^_^;)
返信する
あ、すみません・・・ (Nob)
2007-11-22 13:21:44
「キャバレー」のテーマって書いてありましたね・・・(汗)
私、MINAGIさんのPCよりも重症かも~
返信する
ジェイさん (MINAGI)
2007-11-22 14:22:03
ありがとうございま~す。
なんとかデータも全部戻ってまいりました~(^^)
いえいえ、yosiさんやひろさんが教えて下さったからこそですよ。ほんとに助かりました。

どうして歌入りの「レフト・アローン」を残さなかったんですかね。晩年のビリーの歌はかなり衰えてたらしいですが、ビリーならではの表現が聴きたかったですね。
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Nobさん (MINAGI)
2007-11-22 14:31:22
こんちわ!
ありがとうございます~
いや~、自力ではムリでしたね。ひろさん、yosiさんのアドバイスがあればこそ、ですよ~。(^^)

この白黒ジャケのレコードは知らなかったな~。
一種のコンピレイション・アルバムみたいな感じですね。
ドナルド・バードのスターダスト、興味があります。

日本だけ突出した人気がある、というのはちょっと信じられません。
でも本国ではあまり売れなかったから1960年代半ば頃以降はずっとヨーロッパに住んでいたのかもしれませんね。

返信する
ひろさん (MINAGI)
2007-11-22 14:35:30
こんにちわです~

>マメにバックアップをお薦めします
 あ、たいへんお世話になりました~。はい、バックアップすることにいたします~。(^^)

>80年代のロックを広めて下さい
 80年代ですか。その頃からそろそろ洋楽ロックを聴かなくなってきたんですよ。でも知っている曲があったらちょいちょい取り上げてみますね。
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Nobさん (MINAGI)
2007-11-22 14:38:42
どうもご丁寧に~
Nobさんもぼくと同じく(^^)律儀ですね。
なんのなんの、気にしないで下さいませ。
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