ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ハーヴェスト (Harvest)

2007年04月04日 | 名盤

 
 今日は風が強く、寒さを感じる一日でした。そんな中、聴いていたのがニール・ヤングの4枚目のアルバム、「ハーヴェスト」です。このアルバム、1972年2月に発表され、その年のちょうど今頃の時期にチャートを駆け上がり、ミリオン・セラーとなりました。
 ギター、ベース、ドラムス、ピアノのベーシックな演奏に加え、バンジョー、ハーモニカ、スティール・ギター、ストリングスなどの多彩な楽器群を使用していますが、トータルな音はいたってシンプル。アコースティックな、土の香りのするサウンドです。


     
 
 
 このニールの4枚目のアルバムは、本来ならライヴ・アルバムとして発表されることになっていたのですが、ブートレッグ(海賊盤)が出回ってしまい、そのあおりを受けて発表はいったん中止され、あらためてスタジオでレコーディングされたものが発表されることになった、という裏話があります。
 
 
 ニール独特の、丸みを帯びた少し高い声、とても存在感がありますね。優しさと寂しさを感じます。歌詞を見てみるとかなり思索的で、英語が分かるとニールの主張していることがもっとダイレクトに伝わるのになあ、なんてことを思わせられます。


     


 収録されているのは全10曲。その中で耳に残るのは、やはり全米チャートでトップになった「孤独の旅路(Heart Of Gold)」です。"金の心"を探して放浪する男の姿を描いた曲です。力強いアコースティック・ギターのカッティングと、哀愁を帯びたハーモニカが曲を引き立てています。
 「歌う言葉」では、ニールの独特の音色のエリクトリック・ギターがまた違った魅力を醸し出しています。

 
 アコースティックなんだけれど、骨太の音楽だなあ。演奏は、激しくはないけれど、しっかりロックしていると思いますね。
 バック・ミュージシャンは、いつものクレイジー・ホースではなく、このアルバムのために集められたナッシュヴィルの面々(ストレイ・ゲイターズ)ですが、その演奏はカントリー・フレイヴァーに満ちていて、ニールの歌声とうまく溶け合っているようです。ちなみに、バック・コーラスにはクロスビー、スティルス&ナッシュの三人にジェイムス・テイラー、リンダ・ロンシュタットなどが参加するという豪華版です。


     


 ニール・ヤングは濃くて、とても手応えがありますね。あらためてそう思いました。
 やっぱりこのアルバム、ニールの数多い作品の中でもベスト3に入るものだと思います。



◆ハーヴェスト/Harvest
  ■歌・演奏
    ニール・ヤング/Neil Young
  ■リリース
    1972年2月1日
  ■プロデュース
    エリオット・メイザー & ニール・ヤング/Elliot Mazer & Neil Young ①②④⑤⑥⑧⑩
    ジャック・ニッチェ/Jack Nitzsche ③⑦
    ヘンリー・レヴィー & ニール・ヤング/Henry Lewy & Neil Young ⑨
  ■収録曲
   [side-A]
    ① 週末に/Out on the Weekend
    ② ハーヴェスト/Harvest
    ③ 男は女が必要/A Man Needs a Maid
    ④ 孤独の旅路/Heart of Gold
    ⑤ 国のために用意はいいか?/Are You Ready for the Country
   [side-B]
    ⑥ オールド・マン/Old Man
    ⑦ 世界がある/There's World
    ⑧ アラバマ/Alabama
    ⑨ ダメージ・ダン/The Needle and the Damage Done
    ⑩ 歌う言葉/Words (Between the Lines of Age)
    ※All songs written by Neil Young
    ※⑨Live at Royce Hall - UCLA
  ■録音メンバー
    ニール・ヤング/Neil Young (lead-vocals, electric-guitars, acoustic-guitars, piano, harmonica)
    [ストレイ・ゲーターズ/Stray Gators ①~⑧,⑩]
     ベン・キース/Ben Keith (steel-guitar)
     ジャック・ニッチェ/Jack Nitzsche (piano, steel-guitar⑤⑧⑩)  
     ティム・ドラモンド/Tim Drummond (bass)
     ケニー・バトリー/Kenny Buttrey (drums)
    [ゲスト・ミュージシャン]
     テディ・アーウィン/Teddy Irwin (acoustic-guitar④)
     ジョン・ハリス/John Harris (piano②)
     ジェームス・マクマホン/James McMahon (piano⑥)
     ジェームス・テイラー/James Taylor (banjo-guitar, backing-vocals④⑥)
     リンダ・ロンシュタッド/Linda Ronstadt (backing-vocals④⑥)
     デヴィッド・クロスビー/David Crosby (backing-vocals⑤⑧)
     グラハム・ナッシュ/Graham Nash (backing-vocals⑤⑩)
     スティーヴン・スティルス (backing-vocals⑧⑩)
     デヴィッド・ミーチャム指揮 ロンドン交響楽団/London Symphony Orchestra Conducted by David Meecham②⑦
  ■チャート最高位
    1972年週間チャート  アメリカ(ビルボード)1位、イギリス1位、カナダ1位
    1972年年間チャート  アメリカ(ビルボード)1位




 

コメント (4)
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