ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

男が女を愛する時 (When A Man Loves A Woman)

2006年01月19日 | 名曲


 聴いた瞬間から心を揺さぶられるような曲があります。
 素晴らしい曲であることはもちろんだけれど、それ以上に、曲の持つエネルギーと自分の感情との波長がうまく合うのでしょう。
 リズム&ブルースの名曲である「男が女を愛する時」も、ぼくの心を揺さぶってやまない曲のひとつです。


 当時、パーシー・スレッジは、好きな女性のことで悩んでいたそうです。そして、パーシーが当時所属していたセミプロ・バンドのベーシストとオルガン奏者が、パーシーのその気持ちを元にして書いたのがこの曲だということです。自主制作したレコードが認められたパーシーはメジャー・デビューし、この曲も全米1位に輝く大ヒットとなりました。





 イントロで静かに流れるオルガン。
 伸びやかなボーカルがかぶってきます。
 何かを訴えるような、情熱がほとばしるような歌声。
 時には絞り出すように、
 時には吐息のように
 時には語りかけるように。
 なんて熱くて、なんてソウルフルなのでしょう。
 ギターのカッティングがとてもグルーヴィー。
 感情を抑えたかのようなコーラスがまるでゴスペルのようです。


 愛する女性のためならば(それが悪女であっても)、自分がつらい目に遭うことも厭わず、すべてを女性に捧げようとする、一途である意味盲目的な愛情が歌詞に歌われています。その一途さがあるからこそ、聴いているぼくの心が激しく熱く揺さぶられるのだと思うのです。
 考えてみると、女性に対してこれだけストレートに気持ちをぶつけることは年とともになくなってしまったような気がします。
 そのストレートな気持ちを持っていた頃はまだまだ精神的に幼かったけれど、その幼さが懐かしくもあり、同時に、そういう熱い気持ちを失ってしまいたくない、とも思うのです。


 この曲、1991年にはマイケル・ボルトンがカヴァーして、大ヒットさせていますね。ロッカ・バラードっぽくてよりワイルドなボルトン・ヴァージョンもカッコいいですね。





[歌 詞]
[大 意]
男が女を愛する時  彼の心にはそれ以外に何もない
男は世界でさえ  自分が見つけたいい物と取り換えてしまう
彼女が悪い女でも 男にはそれが見えない
女に悪いことはできない、と思い込み  
女が機嫌を損ねると  男は自分の親友にさえ背を向ける

男が女を愛する時  最後の一銭を使い果たしても
必要なものを繋ぎとめようとする
心地よい宿さえ諦め  雨の中で寝ることも厭わない
男はそうするものだ  女に言われれば

男が女を愛する時  僕のものなら何でも君にあげよう
大切な君の愛を繋ぎとめたいんだ
ベイビー、お願いだから意地悪しないでくれ

男が女を愛する時  
女は、男の心の奥深くに惨めさを味わわせることができる
女は遊び心で男をからかっても  男は最後まで気づかない
愛する瞳には決して見えないから

男が女を愛する時  男の気持ちが僕にはよくわかる
だってベイビー、僕は男だから

 
 
 
◆男が女を愛する時/When A Man Loves A Woman
  ■歌
    パーシー・スレッジ/Percy Sledge
  ■シングル・リリース
    1966年3月
  ■作詞・作曲
    カルヴィン・ルイス/Calvin Lewis、アンドリュー・ライト/Andrew Wright
  ■プロデュース
    マーリン・グリーン/Marlin Greene、クイン・アイヴィー/Quin Ivy
  ■録音メンバー
    パーシー・スレッジ/Percy Sledge(vocal)
    マーリン・グリーン/Marlin Greene(guitar)
    スプーナー・オールダム/Spooner Oldham(organ)
    アルバート・ロウ/Albert "Junior" Lowe(double-bass)
    ロジャー・ホーキンス/Roger Hawkins(drums)
  ■収録アルバム
    When a Man Loves a Woman(1966年)
  ■チャート最高位
    1966年週間チャート アメリカ(ビルボード)1位(5月28日~6月3日 2週連続)、イギリス4位(6月25日)
    1987年週間チャート イギリス2位
    1966年年間チャート アメリカ(ビルボード)20位



 
 
 

コメント (10)
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