アレクセイ・ゲルマン監督の'98年作品『フルスタリョフ、車を!』をDVDで見ました。
「1953年冬ロシア、スターリンが人類の半数の運命を握り、側近ベリヤは次々と国民を収容所に送った。反ユダヤ主義の色濃い時代、当局のでっち上げた医師団陰謀事件でユダヤ系の医師が多数逮捕された。大粛清の再開か!それでも人々は生活し、国を誇りに思っていた。スターリン時代の終焉が近いとも知らずに‥‥。主人公のクレンスキー少将も陰謀の犠牲者だ。秘密警察は替え玉まで雇って彼を罠にはめる」「Part1」の字幕。ボイラーマンが夜帰ろうとすると、路上の車から現れた男たちに捕えられ、路の脇にある収容箱に監禁されます。解放されたボイラーマンが車に轢かれると、彼は再び拘束されます。
クレンスキーの家の人々。鏡に写った少年が私で、いとこの姉妹はユダヤ人、両親は北へ移動させられた、と語る声。反シオニストの赤旗記事を誇らかに叫ぶ少年たちに、私は虐められます。
軍医で少将である父はアカデミー会員で大病院の院長だと語る声。大勢の医師たちを引き連れ病院内を視察する父・クレンスキー。楽隊の演奏。車に乗り夜の町を走るクレンスキー。やがて車は衝突します。
クレンスキーを探すカメラは浴場などを巡り、彼の家に着くと、妹からの伝言を彼に伝えますが、そんな妹はいないとクレンスキーは言います。旅券を取り上げられる男。市電に乗り、車に乗り換え、お茶を飲むクレンスキー。パーティでは、あなたは病気だと言われます。一人で屋外へ行き、「小鳥の少将、小舟で失踪」と繰り返し口ずさむクレンスキー。トラックから現れる大勢の男。クレンスキーは知人の女性の家に泊まらせてもらい、彼の家には大勢の男がつめかけ、部屋の中のものを次々と差し押さえていきます。
「Part2」「毛皮店のボイラーマンは一昼夜ブタ箱で過ごし‥‥」の字幕。彼はまた収容箱に閉じ込められます。黒い車列。子供に囲まれ棒で殴られるクレンスキー。そこに現れた当局の者に写真を撮られ、彼は捕えられます。トラックの荷台に横たわって運ばれるクレンスキー。家では便座がなくなったので探してこいと言われ、私は反抗します。密閉された荷台に入れられたクレンスキーは、他の囚人たちにレイプされます。トラックを降ろされ、身なりを整えさせられて、収容所の診療所に着いたクレンスキーは、瀕死の男を診断させられますが、男は間もなく死にます。スターリンが死に、一旦家に戻る彼でしたが、トラブルの元と考えられ、息子からも当局に密告されそうになります。しばらくしてスターリンの死が公になり、クレンスキーは逮捕も処刑もされずに生き延びます。楽隊が演奏する中、シベリアから西への列車が発車します。ボイラーマンは「リバティ!リバティ!」と叫んで喜びますが、列車の中で他の乗客に襲われ、なぜ自分ばかりがイジメられるのかと泣き叫びます。貨物列車の荷台ではクレンスキーが他の乗客と食卓を囲み、頭に乗せたコップに酒を注いでもらうのでした。
ほとんど脈絡なく様々なエピソードが続く印象で、ロシア版のフェリーニの映画を見ているような気になりました。縦の構図が多く、コントラストのきいた白黒の画面はやはり魅力的で「、銀幕」という言葉を思い出させる、そんな映画でもあったようにも思いました。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
「1953年冬ロシア、スターリンが人類の半数の運命を握り、側近ベリヤは次々と国民を収容所に送った。反ユダヤ主義の色濃い時代、当局のでっち上げた医師団陰謀事件でユダヤ系の医師が多数逮捕された。大粛清の再開か!それでも人々は生活し、国を誇りに思っていた。スターリン時代の終焉が近いとも知らずに‥‥。主人公のクレンスキー少将も陰謀の犠牲者だ。秘密警察は替え玉まで雇って彼を罠にはめる」「Part1」の字幕。ボイラーマンが夜帰ろうとすると、路上の車から現れた男たちに捕えられ、路の脇にある収容箱に監禁されます。解放されたボイラーマンが車に轢かれると、彼は再び拘束されます。
クレンスキーの家の人々。鏡に写った少年が私で、いとこの姉妹はユダヤ人、両親は北へ移動させられた、と語る声。反シオニストの赤旗記事を誇らかに叫ぶ少年たちに、私は虐められます。
軍医で少将である父はアカデミー会員で大病院の院長だと語る声。大勢の医師たちを引き連れ病院内を視察する父・クレンスキー。楽隊の演奏。車に乗り夜の町を走るクレンスキー。やがて車は衝突します。
クレンスキーを探すカメラは浴場などを巡り、彼の家に着くと、妹からの伝言を彼に伝えますが、そんな妹はいないとクレンスキーは言います。旅券を取り上げられる男。市電に乗り、車に乗り換え、お茶を飲むクレンスキー。パーティでは、あなたは病気だと言われます。一人で屋外へ行き、「小鳥の少将、小舟で失踪」と繰り返し口ずさむクレンスキー。トラックから現れる大勢の男。クレンスキーは知人の女性の家に泊まらせてもらい、彼の家には大勢の男がつめかけ、部屋の中のものを次々と差し押さえていきます。
「Part2」「毛皮店のボイラーマンは一昼夜ブタ箱で過ごし‥‥」の字幕。彼はまた収容箱に閉じ込められます。黒い車列。子供に囲まれ棒で殴られるクレンスキー。そこに現れた当局の者に写真を撮られ、彼は捕えられます。トラックの荷台に横たわって運ばれるクレンスキー。家では便座がなくなったので探してこいと言われ、私は反抗します。密閉された荷台に入れられたクレンスキーは、他の囚人たちにレイプされます。トラックを降ろされ、身なりを整えさせられて、収容所の診療所に着いたクレンスキーは、瀕死の男を診断させられますが、男は間もなく死にます。スターリンが死に、一旦家に戻る彼でしたが、トラブルの元と考えられ、息子からも当局に密告されそうになります。しばらくしてスターリンの死が公になり、クレンスキーは逮捕も処刑もされずに生き延びます。楽隊が演奏する中、シベリアから西への列車が発車します。ボイラーマンは「リバティ!リバティ!」と叫んで喜びますが、列車の中で他の乗客に襲われ、なぜ自分ばかりがイジメられるのかと泣き叫びます。貨物列車の荷台ではクレンスキーが他の乗客と食卓を囲み、頭に乗せたコップに酒を注いでもらうのでした。
ほとんど脈絡なく様々なエピソードが続く印象で、ロシア版のフェリーニの映画を見ているような気になりました。縦の構図が多く、コントラストのきいた白黒の画面はやはり魅力的で「、銀幕」という言葉を思い出させる、そんな映画でもあったようにも思いました。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)