7月10日 サンデーモーニング
太平洋のハワイ諸島やタヒチ島付近の広い海域で、レア・アースが発見された。
この海域の深い海底の泥の中に高品位のレア・アースが豊富に含まれていることがわかった。
レア・アースは17種類の金属元素のことで
他の元素とは違った独自な性質を持つ。
Scスカンジウム Yイットリウム Laランタン Ceセリウム
Prプラセオジム Ndネオジム Pmプロメチウム Smサマリウム
Euユウロピウム Gdガドリニウム Tdデルビウム Dyジスプロシウム
Hoホルミウム Erエルビウム Tmツリウム Ydイッテルビウム
Luルテチウム
レア・アースは、ハイブリッドカーのモーター、LED電球の発行部品、
液晶テレビの液晶画面など最先端の技術には欠かせない。
これまで陸地で採れていたレア・アースは採れる地域に偏りがあり、
鉱物の中にわずかしか含まれていないため抽出に手間がかかりコストも高かった。
中国は世界の97%を生産しており、日本は中国からの輸入に頼っている。
このような独占状態の弊害が2010年9月の尖閣諸島沖中国漁船衝突事件で、
中国は日本へのレア・アースの輸出を一時制限した。
レア・アースが中国の外交カードに使われたのである。
価格は半年間で3倍以上と急騰している。
よってレア・アースを安定的に確保することは
日本のこれからの産業を推進していく上で重要な課題といえる。
今回発見された海域には900億トンもの膨大なレア・アースがあるとみられている。
陸地の鉱物よりも海底の泥からはレア・アースが抽出しやすいこともわかった。
しかし公海のため日本は自由に採取できないが、
同じ泥が日本の排他的経済水域のなかにも含まれている可能性が高い。
今回の発見がレア・アースの安定的確保につながるとして期待されている。