日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

羽田国際線が増枠へ シンガポール航空の戦略

2014-03-31 11:00:00 | ビズ プラス
3月16日 BIZ+SUNDAY


シンガポール航空が開いた記者会見で披露したのは快適さを強調した機内の座席である。
ファーストクラスの座席は革張りの座席に大きなスクリーン。
奥行きは2m余りあって贅沢な空の時間を過ごすことができる。
座席は人の自然な動きに合わせたデザイン。
ドイツのBMWグループと共同で2年かけて開発した。
(シンガポール航空 マックス・スウィー・ワー副社長)
「シンガポール航空はこれまで通り上質なサービスを提供し続ける。」
シンガポール航空が最も力を注いでいるのがサービスの向上。
専用のトレーニングセンターの新人客室乗務員の育成現場。
狭き門を潜り抜けた女性ばかり。
客室乗務員は全体で約8000人。
研修期間は約15週間で業界平均の2倍とも言われている。
サロンケバヤと呼ばれる伝統の衣装を身にまとい
優雅な歩き方や座り方、あいさつの仕方をきめ細かく指導していた。
さらに接客の訓練も実践的である。
(講師)
「お客様がシートベルトをしたくないと言ったらどうするか?」
シートベルトをつけようとしない客にはどう対処すべきか。
講師は答えを示さず自分たちで徹底的に考えさせる。
(新人乗務員)
「『お客様の安全をお守りするためにシートベルトは必要なのです』と言う。」
一つ一つの対応の意味を理解し自分で問題を解決する能力を身につけさせる。
臨機応変で柔軟なサービスができるようにすることを目指している。
(新人乗務員)
「自分で考えなくてはならないので記憶に焼きつく。
 どんな状況に置かれてもすぐに対処することができると思う。」
さらに迫真の避難訓練も定期的に行う。
すべての乗務員が参加し安全対策に取り組んでいる。
優雅なサービスで高い評価を受けるシンガポール航空。
要求水準が高い日本路線への備えに怠りはなく
日本のエアラインとの競争はますます激しくなりそうである。


コメント

実用化目前 日本発の小型無人ヘリ

2014-03-30 16:30:00 | ビズ プラス
3月16日 BIZ+SUNDAY


欧米を中心ににわかに盛り上がりを見せる無人ヘリビジネス。
実は最先端の研究は日本でも行われている。

千葉市稲毛区の運動場で小型無人ヘリの飛行実験が行われていた。
千葉大学 工学研究科 野波健蔵教授(65)は
人が捜査するのではなく
ヘリが自ら考えて飛行する自立制御の技術を16年前から世界に先駆けて研究してきた。
GPSからの信号で位置を確認しながらあらかじめプログラミングされた経路を飛んでいく。
風の強さや向きは一定ではなく刻々と変わる。
自立飛行ではヘリ自身が6つあるプロペラの回転数をそれぞれ制御することで水平を維持している。
これまで制作してきた無人ヘリは約50機にのぼる。
(千葉大学 工学研究科 野波健蔵教授)
「日本は震災とか台風とか自然災害が多い国ですから
 何かあった時に今回の雪害もそうですけど
 まず無人ヘリが飛んで困っている人がいないかどうか
 雪の中で立ち往生している車がいないかどうか
 飛ばせばすぐにわかること。
 まず防災とかそういう意味での減災
 安全安心のまちづくり都市づくりに役立てるのが今求められている。」
しかしこうした技術を防災やビジネスに生かそうという機運は日本にはあまりなかったという。
(千葉大学 工学研究科 野波健蔵教授)
「実際にマーケティングとかそこまで考えていない。
 技術レベルはすごく高いけれども
 その技術をしっかり世界に売りさばいてマーケットを作って
 ちゃんと成果まで持っていく人があまり日本にはいないと感じる。」
野波さんは無人ヘリの技術を事業化するため2年前にプロジェクトを立ち上げた。
呼びかけに応じたのは大手電機メーカーや商社、自治体など約80団体。
定期的に会合を開き意見交換を行っている。
「実際に運用する人のトレーニングをどうするか。」
「ユーザーへのサポートを誰がするのかという視点をもう少し入れて絵を描くといいのでは。」
このプロジェクトをきっかけに野波さんの開発した無人ヘリはまもなく実用化される。
ソーラーパネルが並ぶ太陽光発電所。
これまで作業員が手作業で行っていたパネルの検査に10月から無人ヘリを導入する計画である。
赤外線カメラを使い上空からパネルを撮影することで温度が高くなっている異常個所を素早く検知。
約6000枚のパネルを2時間余で検査することができる。
(中部電気保安協会 豊田雅史さん)
「今 メガソーラー発電所が増えているので
 さまざまな客から声をかけてもらっている。」

Q.大学発ベンチャーの研究が実際にビジネスにつながるには何が必要か?
「出口。
 研究の出口という意味は最終的に“見える化”をするということ。
 どういう具合に社会に貢献するか
 見えるところまで持っていく。
 そこまで責任を持って見届けることが今の研究者には求められている。」

3年前に事故を起こした東京電力福島第一原発。
今も放射線量が高く容易に人が近づけない状況が続いている。
野波さんはいま無人ヘリで原子炉建屋内を調査する準備を進めている。
真っ暗で内部の様子が詳しくわからない建屋内を飛行するために
これまでより一歩進んだ自立制御を開発した。
「これがレーザーレンジファインダーです。」
レーザーでまわりの障害物を検知し3次元の地図をその場で作成するシステム。
これによりヘリが自分で判断し未知の場所にも入って行ける。
「崩落していて通れるところと通れないところがある。
 3次元地図を作りながら隙間をたどっていく。」
さらに長時間飛行できるように自動的にバッテリーを交換する装置を世界で初めて開発した。
「福島県の原発被災地域には困っている人がいるので
 危険なところになかなか人はいけないが
 ヘリは放射線計測気をつけて飛べるのでそういう形で貢献できると思っている。
 いろんなところにこの技術を波及させて
 もう一度日本がものづくり大国として世界に羽ばたくきっかけになれば幸せ。」



コメント

“ホロコースト”後世にどう伝える

2014-03-30 08:00:00 | 海外ネットワーク
3月16日 NHK海外ネットワーク

東京都内の公立図書館や書店で「アンネの日記」の本などが多数破られる被害が相次ぎ
日本でもホロコーストがあらためて関心を集めた。
ユダヤ人の絶滅を掲げたナチスドイツは
ユダヤ人だというだけで子どもや年寄りまで容赦なく捕えヨーロッパの各地から強制収容所に送り込んだ。
そしてガス室に閉じ込めるなどの残虐な手口で次々とその命を奪っていった。

ユダヤ人が建国した国イスラエルではホロコーストの悲劇を後世にどう伝えていくのか。
イスラエルの北部の町ネタニヤで展示されている古い貨物列車。
約70年前にユダヤ人を強制収容所に運ぶために使われた車両である。
当時ヨーロッパの20か所以上に強制収容所が作られていた。
ナチスドイツは占領した地域の鉄道網も活用してユダヤ人を次々に収容所などに送りこみ虐殺していったのである。
車両を展示しようと思いついたロ二・ドタンさん(68)。
9年前に父親の遺品整理をきっかけに祖母の姉妹がホロコーストで亡くなっていたことを初めて知った。
ベルリンで暮らしていた祖母の姉妹は現在のラトビアの首都リガまで列車で移送された後殺害された。
(ロ二・ドタンさん)
「1942年10月26日に強制収容所に送られたユダヤ人の名簿です。
 この中の1人が祖母の妹だった。」
ドタンさんはホロコーストに利用された列車を保存することで後世に悲劇を伝えていかなければと考えたのである。
そして去年 ベルギーでユダヤ人の移送に使われた車両のひとつを見つけ出すことができた。
列車を買い取りイスラエルに運び込んだ。
ドタンさんが進めている車両の展示をホロコーストから生き残った人たちも支援している。
フリードマンさん夫妻は約70年前ふたりは家族とともにそれぞれハンガリーとオランダで暮らしていたが
他のユダヤ人とともに強制連行される。
馬などの家畜を運ぶための狭い車両に無理やりおしこめられ
逃げられないように外から鍵をかけられた。
(ナオミ・フリードマンさん)
「トイレはあそこにバケツがあった。
 昼も夜もなく2日間も水も食事もなかった。」
(ヨセフ・フリードマンさん)
「彼らは列車から仲間を1人ずつ連れ出して射殺した。
 私たちに恐怖感を植え付けるためだけに。」
強制収容所で夫のヨセフさんはガス室まで連れて行かれた。
しかし殺害される直前に他のお収容所に移され一命を取り留めたのである。
(ヨセフ・フリードマンさん)
「ユダヤ人の中にさえこれ以上聞きたくないという声がありますが
 この車両を見て当時の状況を知ってほしい。」
ドタンさんは4月からこの車両を一般公開する。
訪れた人が実際に車両の中に入り触れることで被害者たちの悲劇の記憶を感じてほしいと考えている。
(ロ二・ドタンさん)
「私の世代ではなくこれからの世代にとってこの車両は重要です。
 みんなに特に子どもたちに来てもらいホロコーストの悲劇を知ってほしい。」

ホロコーストの歴史をどう伝えていくのか。
ドイツも同じ課題に直面している。
ナチスドイツやヒトラーを賛美する行為は国民の間でタブーとなり
法律の上でも刑罰を設けるなど厳しい規制が課されてきた。
ヒトラーの著作として知られる「わが闘争」も
ホロコーストにつながる根本となる思想がかかれているため出版が禁止されてきた。
しかし今過去の歴史をより深く理解し今後の教訓とするため
この本をあえてあらためて出版しようという動きも出てきている。
ナチスドイツの総統だったヒトラーの著書「わが闘争」はドイツ民族が優秀な民族だと主張する内容となっていて
ナチスが人々を扇動し独裁政治を広げていくために使われた。
ユダヤ人は寄生虫だ
アーリア民族の対極がユダヤ人

などと極端な反ユダヤ主義を主張。
ホロコーストの思想的根拠となった。
ドイツでは戦時中の反省に立って
ナチスの行為を礼賛することにつながる一切の行為を禁止。
カギ十字の表示やナチス式の敬礼などを公の場で行えば民衆扇動罪が適用される。
「わが闘争」の著作権を持つドイツ南部のバイエルン州政府も
ナチスの危険な思想が再び広がるきっかけとならないよう戦後一貫して出版を禁じてきた。
ところが州政府の持つ著作権が期限切れとなるヒトラーの死後70年の節目が来年末に迫っている。
これ以降は法的には第三者による出版が可能になる。
これを受けて「わが闘争」の出版の準備を始めた研究機関がある。
ミュンヘンにある公立の現代詩研究所である。
研究所では当時の詳しい社会的背景を説明した解説と合わせて出版することで
読者は歴史的な教訓を学ぶことができるとしている。
(現代史研究所 ブレヒトケン副所長)
「ナチズムを分析し国民に説明する。
 それによってナチズムのような思想が広がるのを防ぐのが我々の狙いです。」
しかしこうした出版の動きについてはネオナチなどの極右勢力の台頭につながるのではないかと懸念する声も少なくない。
「今まで関心が無かった若者が本を読み
 ナチスの思想を悪いと思わなくなるのが怖い。」
また本の著作権を持っているバイエルン州政府も出版によって混乱が起きるのではと懸念している。
ただ法的には出版を差し止めるわけにはいかないとしている。
(バイエルン州政府文化省 ギーセン広報官)
「最も重要なのは被害者の感情に配慮することだが
 歴史批判的な観点に基づいた版の公表では学問の自由があるので認めざるを得ない。」
これについてドイツのユダヤ人団体は激しく反発している。
ミュンヘンにあるユダヤ人団体クノーブロッホ代表は自らも強制収容所に送られそうになった経験がある。
ヒトラーの危険な思想が書かれた本を二度と人々の目にさらすべきではないと考えている。
(ミュンヘンのユダヤ人団体 クノーブロッホ代表)
「こんなものは深い深い海の底に沈めて
 国民の目に永遠に永遠に届かないようにするべきです。」

ドイツに大きな負の歴史を残したヒトラーの「わが闘争」。
現代の国民がこの本にどう向き合うべきか。
ドイツでは戦争の終結から70年が経とうとするいま議論となっている。


コメント

民族対立 クリミアのいま

2014-03-29 10:20:00 | 海外ネットワーク
3月16日 NHK海外ネットワーク

ウクライナの民族対立を象徴する地域がクリミア自治共和国である。
18世紀にロシア帝国に併合されたクリミアではロシア系の住民が全体の61%を占めている。
住民たちはロシアの影響力を排除しようとする暫定政府の政策に強い不満を抱いてきた。
一方 14%と少数派なのがイスラム教徒のクリミア・タタール系の住民である。
旧ソビエト時代に中央アジアに強制移住させられた苦難の歴史がある。

住民投票前に行われたロシア系住民の大規模集会で約3千人がウクライナからの分離独立やロシア編入を訴えた。
「ロシアに編入して欲しい。
 クリミアはロシアの土地だ。」
ロシア系住民がロシアとの一体化を求める背景には帝政ロシア時代から続く複雑な歴史がある。
分離独立を目指す地元の政党の支部長キリル・ベロフさん(30)。
祖父の代からここで暮らしてきたが8才のときにソビエト連邦崩壊し国籍が突然ウクライナに変わった。
それでも常にロシア系としての歴史を意識してきたと言う。
(キリル・ベロフさん)
「この肖像画はニコライ2世。
 ロシア帝国の最後の皇帝です。」
ウクライナでは公的な機関やテレビなどでロシア語の使用が原則認められず
ロシアとできるだけ距離を置く政策がとられてきた。
(キリル・ベロフさん)
「パスポートもウクライナ語で書かれています。
 本来ロシア語の私の名前は発音も表記も変わってしまっているんです。」
さらに2月に発足したウクライナの暫定政権はロシア語を公用語から除外。
ロシア系住民の反発は一気に強まった。
(キリル・ベロフさん)
「我々は母国語で映画を観ることすらできません。
 私は自分の祖国がどこかを知っています。
 ロシアにひかれるんです。」
ベロフさんはウクライナ中部の基地に向かった。
そこではロシア系の若者たちで作る自警団やロシア寄りの地元政府が独自に作った軍の部隊が基地を取り囲んでいた。
ウクライナの国旗の横に新たに掲げられたロシアの国旗。
ウクライナ兵の多くは基地を去った。
そしてウクライナの紋章も。
「過去の遺物になればいいんだ。
 必要ならウクライナ政府に送ってやる。」
ロシア系住民の声に呼応するかのように町には住民投票でロシア編入に賛成するよう呼び掛ける看板が次々に出現。
テレビでも
ロシアとともに
ロシアでは公務員の給料が2~3倍
年金もウクライナの2倍
クリミアの春
ロシア!

「給料も年金ももちろん上がるしいい生活ができるようになる。」
「クリミアはロシアなんだ。
 ウクライナとは何の関係もない。」

こうした動きに少数派のクリミア・タタール系の住民は危機感を強めている。
「クリミアはウクライナだ。」
「クリミアから手を引け!」
クリミア・タタールの人たちはイスラム教スンニー派で
18世紀にロシア帝国に併合される前からクリミアで暮らしてきた。
クリミアの人口の14%を占め多数派のロシア系住民とも共存してきたが
いまロシアの脅威を強く感じている。
旧ソビエトの独裁者スターリン。
クリミア・タタールの人たちは第二次世界大戦中ナチスドイツへの協力を疑われ
スターリンによって中央アジアに強制的に追放された。
そこで多くの人が命を落とす。
今回の動きが新たな迫害を引き起こすとタタールの人たちの間で不安が高まっている。
「ここに私たちがいることをどうか認めて。
 私たちはこれまで虐げられてきた。」
タタール系住民の集落で商店を営むセラン・ムジュダバエフさん(45)は
強制移住先のウズベキスタンで生まれ
9才のとき家族とともにクリミアに戻った。
(セラン・ムジュダバエフさん)
「当時は村ごと強制移住させられたと聞かされた。
 私はもうどこにもいかない。」
ムジュダバエフさんはいま家族と離れて暮らしている。
ロシア系住民の襲撃を恐れ3月に妻と子ども3人をウクライナ西部の町に避難させた。
ひとり残って故郷を守ろうと覚悟を決めている。
(セラン・ムジュダバエフさん)
「住民投票には反対です。
 私はクリミア・タタール人です。
 ここ以外に祖国はありません。」
タタール系の住民たちは自警団を作り3人1組で町の警戒にあたっている。
「昨夜は大丈夫でしたか。」
「静かでした。
 パトロールをしてくれて感謝しています。」
「我々は自分の家を守る。
 子どもや妻や親を守る。
 今まで平和に暮らしてきたのにどうしてロシアが必要なんだ。
 どうして。」
コメント

米 中間選挙 両党の動き活発に

2014-03-28 08:00:00 | 報道/ニュース
3月12日 ワールドWAVEモーニング


ホワイトハウスの中を颯爽と走るオバマ大統領。
これは国民に肥満解消のために運動をするよう勧めるPRビデオだが
いまオバマ大統領自身11月の中間に向けて全米を駆け回っている。
毎週のように地方遊説を行うオバマ大統領。
特に力を入れて訴えているのが最低賃金の引き上げである。
今の7ドル余から10ドル余に引き上げる法案を成立させることで
中間所得層を支援し国民の支持を集めたい考えである。
(オバマ大統領)
「大多数が最低賃金の引き上げを支持している。
 今すぐ10ドル10セントに上げる法案を通せばいい。」
(参加者)
「本当に素晴らしいと思うわ。
 感動しました。」
「大統領はいい仕事をしている。
 議会は協力すべきだ。」
多くの有権者が支持する最低賃金の引き上げを全面に打ち出して巻き返しを図りたいオバマ大統領。
しかし看板瀬尾作として掲げてきた医療保険制度改革
いわゆる“オバマケア”をめぐって問題が相次いだことなどによって支持率は低迷したままである。
アメリカABCテレビなどの最新の世論調査では46%と過去最低の水準にとどまっている。
一方の野党共和党。
3月6日 ワシントン近郊で共和党の支持母体である保守派の大集会が開かれた。
保守派の政治団体によるアメリカ最大の集会である。
会場には1,000人を超える支持者が集まり盛り上がりを見せている。
強い政治力を持つ“保守派政治行動会議CPACシーパック”。
総会には2016年の大統領選挙で共和党の有力候補と目される議員らが次々と駆けつけ支持を訴えた。
(共和党 ライアン下院議員)
「相手は疲れている。
 我々の方が活気がある。
 選挙に勝つのは共和党だ。」
(ニュージャージー州 クリスティー知事)
「勝たなければ国が立ち行かない。
 再び選挙に勝つ決意を持とう。」
総会は3日間続き中間選挙に向けて全力を挙げる方針を確認した。
(参加者)
「共和党には勢いがある。」
「共和党が勝つと思う。
 次の大統領もここにいるわ。」
上院の選挙で6議席上積みすれば過半数を獲得できる共和党。
しかし去年はオバマ政権と対立するあまり政府機関の一部閉鎖を招き
国民から厳しい批判にさらされ態勢の立て直しを迫られている。

(ブルッキングス研究所 イレーン・カマルク氏)
「民主党が下院で過半数を確保するのは非常に難しいと思う。
 上院では過半数を維持すると思うが共和党にも勝ち目がある。」

選挙まで半年以上あるため不確定な要素はあるが今のところ共和党に追い風が吹いているとされている。
100議席の上院は
民主党が多数で53議席に対し共和党は45議席。
2議席が民主党系の無所属議員。
このうち約3分の1にあたる36議席が今年改選を迎える。
21議席が民主党でオバマ氏が初めて大統領選に臨んだ2008年に高い支持率のもと一緒に当選した議員のため
ただでさえ今回は苦戦を強いられる見通しである。
一方の下院は435議席すべてが改選される。
現在 民主党が199議席に対し共和党は232議席。
欠員は4。
そもそも選挙区の区割りが共和党に有利に変えられたと言われていて共和党が過半数を維持するとみられている。
オバマ大統領は選挙の顔にならないとして応援演説を断る議員も出てきている。
予備選挙が行われたテキサス州でも民主党の討論会場には
オバマ大統領よりも次の大統領選挙への期待が高まるヒラリー・クリントン前国務長官のTシャツや本、バッジなどが目立った。
民主党の各候補は保守的なテキサス州で選挙に勝つためには
オバマ大統領や政権が掲げる政策と一定の距離を置かざるを得ないと感じられる。
選挙が近ずくほどオバマ離れの動きが加速することも予測される。
アメリカメディアでは中間選挙より早くも2年後の大統領選挙の行方に関心が集まっている。
民主党の大統領候補として支持率が70%を超えるクリントン前国務長官や
意欲がうかがえるバイデン副大統領の動向を伝えている。
一方の共和党は東部ニュージャージー州のクリスティー知事が大統領選挙の最有力候補とみられていたが
スキャンダルに見舞われ支持率が急落した。
これに対し保守派総会で行われたアンケート調査では
保守的な政策を強調した南部手ケンタッキー州のポール上院議員が共和党の大統領候補として大差でトップに躍り出た。
このほか最新の世論調査では副大統領候補になったこともあるライアン下院議員やブッシュ元大統領の弟J・ブッシュ 元フロリダ州知事などが頭角を現している。
秋の中間選挙でもこうした大統領選挙の有力候補たちの動向に注目が集まりそうで
大統領選挙の前哨戦さながらの様相となりそうである。
 



コメント

進化するスマホ その未来は ④“モノをネットにつなぐ”ドコモの戦略

2014-03-27 09:20:00 | ビズ プラス
3月16日 BIZ+SUNDAY


nternet f hings
モノのインターネット
人だけでなくさまざまなモノがネットにつながることで新しいサービスが次々と生まれてきている。

NTTドコモが始めたばかりのペット向けの新サービス。
犬の首輪につけた通信端末を通じその居場所や運動量が飼い主のスマートファンなどに刻々と届く。
ドコモが視野に入れているのがあらゆるモノがネットとつながる世界である。
サービスの数だけ通信料も稼げると睨んでいる。
(NTTドコモ M2Mビジネス部 高原幸一部長)
「人間以外のモノにつけるとどんどん市場が増えていく。
 数億のモノにつなげられる可能性がある。
 そうすることで事業を大きくできる。」
モノとネットをつなげるIoT。
この活用の場として期待されているのが世界で10億台走る自動車である。
世界の通信事業者や自動車メーカーが開発にしのぎを削っている。
ドコモの担当者が大手自動車メーカーを訪れた。
人の声に反応しインターネットから最適な情報を取り出して使えるシステムを売り込んだ。
「おなかすいたなあ。」
「食べたい料理はなんですか?」
「ラーメンが食べたいな。」
「周辺のラーメンを表示します」
ドコモが目指すのは車をいわばスマートフォン化することである。
ドライバーが車に話しかけるだけで様々な要求にこたえてくれるシステムを構築している。
さらに近い将来車同士が人を介さずに直接通信することで
事前に危険を察知し事故を減らすこともできるとしている。
(NTTドコモ M2Mビジネス部 土橋寿昇担当部長)
「ポテンシャルとしては非常に大きい。
 車がつながると状況になると飛躍的にサービス性が向上する。
 そこも含めると何十兆円という市場規模で我々はビジネスできる。」

コメント

進化するスマホ その未来は ③世界を目指す日本のアプリメーカー

2014-03-26 09:20:00 | ビズ プラス
3月16日 BIZ+SUNDAY


コミュニケーションアプリは欧米を中心に利用者が広がるWhatsAppや日本発のLINEなど億単位の利用者を集めている。
2月には楽天がViberを9億ドル
FacebookがWhatsAppを190億ドルで買収した。

いまや世界中でサービスを展開しているLINE。
登録者数はこの1年で2億人以上増えた。
「LINEが一番好き。
 たくさんのともだちが使っているから。」
人気の理由はメッセージと一緒に送るスタンプと呼ばれるイラストである。
イスラム圏では断食月ラマダンにちなんだスタンプ。
台湾では旧正月をテーマにしたスタンプ。
各国の文化や風習に合わせ世界中から人気を集めている。
スタンプの中には有料のものもあり会社の大きな収益源となっている。
利用者の拡大をさらに加速させようと2月に新たな戦略を発表した。
「LINEはスタンプのオープン化を行ないます。」
これまでスタンプはLINEが認めたものしか使えなかった。
この春からは世界中の利用者が自分で作ったスタンプを自由に使い
売買もできるようにしたのである。
(LINE 舛田淳執行役員)
「私たちが置かれている環境は世界なんだと
 世界はいろいろな所でいろいろな流れがあるという中で
 私たちはそれをキャッチして迅速に柔軟に対応することをポリシーにしている。」

第2のLINEを目指せ。
いまアプリを開発するベンチャー企業が続々と誕生している。
2月に東京都内で開かれたアプリの展示会 アプリ博2014.
50を超えるベンチャー企業がアイデアを競った。
手首の動きに合わせて音が出るアプリ。
複数の仲間や同僚と情報を共有するためのアプリ。
動画や画像を1つの画面で表示でき天候も瞬時に伝わる。
(来場者)
「面白いものを作っているな。」
「すごく便利なツールだなと思った。」
このアプリを開発した社員7人のベンチャー企業。
小麦 新井浩司開発リーダーはもともと大手電機メーカーで働いていたが3年前に仲間とともに起業した。
これまで独自に開発したアプリはまだ4つにとどまっているが
スピードとアイデアで急成長する市場に挑もうとしている。
(小麦 新井浩司開発リーダー)
「毎日毎日新しいアプリのニュースが出る。
 もう早く 1秒でも早く出さないと。
 先に出されるとインパクトがなくなるので競争はすごく激しい。」


コメント

進化するスマホ その未来は ②中国スマホメーカー 急成長の秘密

2014-03-25 08:30:00 | ビズ プラス
3月16日 BIZ+SUNDAY


国内のスマホシェア(2013年)
1 アップル 46%
2 ソニー  16%
3 シャープ 12%
4 富士通   8%
5 サムスン  7%

世界のスマホシェア(2013年)
1 サムスン(韓)    31,3%
2 アップル(米)    15,2%
3 ファーウェイ(中)   4,8%
4 レノボ(中)      4,7%
5 LG(韓)       4,5%

去年 販売実績で世界3位に躍進したファーウェイ。
日本のソニーを出荷台数で1千万台上回っているとみられている。
ファーウェイは人民解放軍出身の任正非CEOが1987年に創業した企業。
従業員は15万5000人。
携帯電話の基地局といった通信インフラ事業などを世界140か国以上で展開。
売上高は3兆366億円を誇る通信インフラで世界一の大企業である。
ファーウェイが自社ブランドのスマートフォンを販売したのはわずか4年前。

世界で5200万台のスマートフォンを出荷する中国のファーウェイ。
“1000元スマホ”と呼ばれる1万円台の製品を武器に中国以外でも東南アジアやアフリカなどの新興国でシェアを伸ばしている。
(ボツワナの来場者)
「ファーウェイは価格も手ごろでいいね。」
(マレーシアの来場者)
「サムスンと同じくらい品質もいい。」
さらにファーウェイは軽くて薄い機種を次々と開発し北米などの先進国市場の開拓にも力を入れている。
(ファーウェイ・デバイス 余承東会長)
「サムスン アップルのライバル2社をいずれ超えたいと考えている。」
しかし先進国市場を狙うファーウェイにとって壁となっているのがアメリカなどの厳しい視線である。
アメリカ議会はファーウェイが中国政府や軍によるスパイ活動に関与している懸念が払拭できないとして
国家安全保障上の脅威だと名指ししたのである。
(ファーウェイ・デバイス 余承東会長) 
「ファーウェイはグローバル企業だ。
 本社は中国だが軍や政府との間に特別な関係はない。
 中国には“事実は雄弁に勝る”ということわざがある。
 我々は自らの行動で証明する。」
中国南部の中心地 深圳にある本社。
広大な敷地は200万㎡もあり東京ドーム42個分に相当する。
敷地内には社員寮やレクリエーション施設もある。
本社に勤める社員は4万人。
欧米やインドなどから優秀な人材を集めている。
技術開発の拠点は社員たちが“ホワイトハウス”と呼ぶ。
研究開発費は年間4100億円。
社員の半数は技術開発部門に携わっている。
通信機器の耐久性を調べる検査室。
氷点下20度でも耐えられるかチェックする。
(技術者)
「通信機器は北極で使うこともある。
 どんな厳しい環境や温度変化にも対応する製品を作っている。」
ファーウェイが取得した特許の認定証の数は3万件超で高い技術力をアピールしている。
ファーウェイのスマートフォンを支えるのは実は日本メーカーの部品である。
(ファーウェイ 調達戦略部 謝主生ディレクター)
「主な部品はすべて日本のメーカーから供給されている。
 このパネルも日本のメーカーが作ったものだ。」
液晶パネル以外にもリチウムイオン電池やカメラの画像センサーなど部品の6割以上が日本製である。
こうした部品のひとつひとつはファーウェイの求めに応じてつくられたものだという。
(ファーウェイ 調達戦略部 謝主生ディレクター)
「製品の設計段階からパートナーに加わってもらい競争力のある製品を共に考えている。
 日本メーカーが生産しているものをそのまま調達しているわけではない。」
世界に張り巡らせた販売網は大きな強みである。
「今年はアフリカ市場やインド市場で新たなプロジェクトが始まる。」
世界140か国以上の通信事業者と取引がありそのネットワークを通じてスマートフォンを販売している。
自ら販路を開拓しなくても通信事業者が抱える販売網を使って大量に流通させることができる。
(ファーウェイ 取締役会 江西生事務局長)
「通信事業者と長期にわたり協力してきた優位性があり
 通信事業者のことを熟知している。
 スマートフォンの分野でもさらに成長できると考えている。」


コメント

進化するスマホ その未来は ①世界最大級の展示会 スマホの最新動向

2014-03-24 09:20:00 | ビズ プラス
3月16日 BIZ+SUNDAY


去年 世界のスマートフォンの出荷台数は初めて10億台を突破。
従来型の携帯電話の出荷台数を抜いた。
今後は新興国を中心に増え続け5年後には2倍になると予想されている。

2月にスペイン バルセロナで開かれた世界最大級のスマートフォンなどの展示会。
電機メーカーや通信会社など1800社が参加した。
特に注目を集めたのがスマートフォンと連動する腕時計型のウェアラブル端末。
韓国サムスンのこの商品は走った距離や心拍数を測ることができる。
ソニーが発表したウェアラブル端末は腕につければ1日の運動量や消費カロリーが記録できる。
(ソニーモバイルコミュニケーションズ 鈴木国正社長)
「ウェアラブルで肌につけているからこそ測れるものがある。
 そういう体験全体が『あっ 面白いじゃないか』となって
 さらにブランドも強くなる。」
一方 スマートフォン自体はどのメーカーの製品も見た目や機能に大きな違いはなく驚きはあまり感じられなかった。
価格の安さが勝敗を分けるコモディティ化(一般消費財化)が進んでいると思われる。
それを象徴するのがアメリカの団体が発表した常識破りの25ドルの激安スマホ。
画面を小さくし機能を最小限に絞り込んだ。
さらに旧モデルの半導体を使うことで大幅なコスト削減を実現したのである。
(来場者)
「すばらしいね。」
「25ドルとは驚きだね。
 子どもに上げたいよ。」
(モジラ ジェイ・サリバン最高執行責任者)
「新興国市場に手ごろな値段のスマホを届けることが重要だと思った。
 今後 数年以内に初めてスマホを手にする人が10億人以上生まれると思う。」



コメント

急増する来日中国人観光客

2014-03-23 08:00:00 | 報道/ニュース
3月11日 ワールドWAVEモーニング


3月初め 上海中心部の喫茶店に約100人の中国人が集まっていた。
いずれも日本への旅行を計画している人たちである。
20~30代の若い人が中心である。
(旅行雑誌担当者)
「この読者会では多彩な街 大阪を新たな角度から深く紹介します。」
中国の日本専門旅行誌がその読者を対象に開くこのイベント。
この日のテーマは大阪。
たこ焼きや大阪城など人気の高い食や観光地を紹介した。
生活にゆとりのある若い世代にとって
日本はヨーロッパなどと比べて気軽に行ける旅行先として再び人気が高まっている。
反日デモの発生など中国では日本に対して複雑な気持ちを抱える人がいる一方
今なお日本の文化に関心を持つ人が少なくない。
(参加者)
「日本に行くとみんな友好的です。
 報道されているような日中関係の緊張はないと思います。
 早く大阪に行ってみたい。」
また他の自治体も日本を紹介するイベントを開催。
最近の日本人気の高まりを逃すまいと観光客誘致にやっきになっている。
香川県や福島県など日本各地の自治体など20以上のブースが設けられたこの展示会、
まもなく迎える桜の時期に中国人客を呼び込もうと桜の名所を中心にアピールした。
(来場者)
「日本は景色もいいし伝統文化もすてき。
 事や三味線 それにお寺も見てみたい。」

日本の各自治体などが中国で売り込みを強化する背景には日本を訪れる中国人旅行者の急増がある。
月毎の数は去年9月から5か月連続で過去最高を記録。
今年1月に日本を訪れた中国人旅行者は16万5700人と去年の同じ月の2倍以上となったほか
尖閣諸島をめぐる対立で日中関係が冷え込む前の一昨年と比べても13,9%増加した。
この傾向が続けば旅行者の最盛期を迎える今年7月には一昨年の月間20万人の記録を突破する勢いである。
日中関係が改善されない中でもなぜ多くの中国人が日本を訪れるのか。
理由の1つが通貨人民元の値上がりとともに進む急激な円安である。
2011年8月 1人民元=12円だったが
2014年2月 1人民元=16円台後半で取引されている。
中国人にとって日本での買い物は数年前と比べるとすいぶん割安に感じると言う。

中国の航空会社もこれをチャンスとみている。
格安航空会社は今月から新たに上海ー大阪便の就航を決定。
他の都市への増便も決めている。
中国人観光客がが日本観光に期待することに変化もあらわれている。
中国で唯一の日本旅行を専門にした月刊誌を発行する雑誌社。
去年1月からの発行でいまでは20万部の部数を誇る。
雑誌社のゼネラルマネージャー 袁静さんは
中国人の経済や教育の水準が高まるにつれ旅行に対する考え方も変わってきていると言う。
(袁静さん)
「たとえば問い合わせが多く人気のあった特集が“南部鉄器”です。
 このページは南部鉄器の文化や歴史を紹介しています。」
いま日本を訪れる中国人の間で関心が高まっているのは
日本各地の歴史や文化を感じる伝統的かつその土地でしか買えない商品だと言う。
先祖代々 技術を受けつぐ職人が数量を限定して作る1万円を超える値段の茶わんなど 
雑誌では値段の高い工芸品が紹介されていて読者からも好評だと言う。
(袁静さん)
「中国では工芸品の技術伝承が難しく中には途絶えたものも多くあります。
 だからこそ日本に今も伝わる工芸品の素晴らしさを出来るだけ紹介しています。」
日本を繰り返し訪れる人も増加していて今後は地方都市でも中国人観光客が増えると分析する袁さん。
中国人旅行者の増加は日中関係の改善にもつながるのではないかと期待している。

中国から海外旅行に行く人は去年は9,000万人を超え増加率は年間約20%。
よほど日中関係が悪化しないかぎり中国人観光客をめぐる日本の旅行市場はかつてを上回る活況が期待できる。
しかし日本から中国に行く観光客は減少傾向に歯止めがかかっていない。
去年1年間に中国を訪れた日本人の延べ人数は前の年に比べて18,2%減少し
約287万人と10年ぶりに300万人を下回った。
日中の政治的な関係の悪化に加えて大気汚染や鳥インフルエンザといった中国国内の問題も関係しているとみられる。
日本人向けの観光ツアーを組んでいる旅行代理店にとって影響は深刻である。
上海のある代理店の日本人客の数は2000年代初めの最盛期には年間7万人超だったが
去年はわずか4、500人と16分の1に減り
100人以上いた日本語ガイドも今では6人だと言う。
(日本人向け旅行会社 幹部)
「人員削減と担当業務の見直しで余剰人員の整理を余儀なくされました。」
交流は相互理解の基本となるもので観光もまたそれに一役かっていると言える。
これほど日本を訪れる中国人が増えたとしても中国を訪れる日本人が減少し続ければ相互理解は深まらない。
かつて日本語ガイドを務めていた男性は
また日本人のためにガイドをする日が来るのを待ち望んでいる
と話していた。




  
コメント

“一人っ子政策”緩和 中国の現状は

2014-03-22 08:30:00 | ビズ プラス
3月9日 BIZ+SUNDAY


(3月5日 全人代 克強首相)
「計画出産政策は堅持しつつ
 夫婦どちらかが一人っ子であれば2人目の子どもが持てる政策をしっかりと実施する。」
一人っ子政策の転換に踏み切った人口大国 中国。
背景には急速に進む高齢化がある。
北京市郊外にある老人ホームには約1700人の高齢者が暮らしている。
入居費は日本円で月に約2万5千円。
入居者は年金などでまかなっている。
いま中国ではこうした老人ホームの需要が急拡大している。
(老人ホームマネージャー 張冬梅さん)
「こどもが減ったため家族の中で高齢者の面倒を見ることができなくなった。
 高齢者たちは専用施設に来て自らの健康と幸せを得ようと考えるようになった。」
中国で60歳以上の高齢者は現在2億人余。
全人口の15%に達している。
高齢者の暮らしを支える国の支出は年々増え財政負担の拡大が懸念されている。
一人っ子政策を見直すもうひとつの大きな背景は中国経済を支える若い働き手が減っていることである。
3月に開かれた生産用の機械の展示会に人手不足に悩む企業経営者が多く詰めかけていた。
(企業経営者)
「今 若い人を雇うのは大変。
 以前なら募集すれば10人20人とすぐに雇えたが
 今は2週間かけても人が集まらない。」
一人っ子政策を緩和すれば子供は増えるのか。
実情はそう簡単ではない。
北京市内に住む主婦の崔さん。
衣料関係の会社を経営する夫と5歳の一人娘と暮らしている。
崔さんは一人っ子政策が緩和されてももうひとり子どもを産もうとは思わないと言う。
娘には幼稚園のほかピアノ、英語、ダンスなどの習い事をさせ 
子どもにかかる月々の費用は日本円で約10万円にのぼる。
子どもが増えれば出費はさらに膨らむ。
しかし崔さんは出費の問題よりも自分の時間を大切にしたいことが子どもを産みたいとは思わない大きな理由だと言う。
(崔さん)
「私は自分の時間すべて子どもにささげるというのはいや。
 子どもが欲しくない人にとっては政策が変わっても欲しくないことに変わりはない。」

経済発展に伴って家族を重んじる伝統的な価値観がうすれている背景がある。
ただ人口の大きさは中國を支えてきた強みの一つである。
今後 労働人口が減少に転じれば生産面だけでなく消費の勢いも鈍ることが懸念され
このままのペースで人口減少が進めば
2020年代には潜在成長率が5%台にまで低下しかねない
という指摘も出ている。
少子化対策は中国にとっても待ったなしの課題となっている。

 


コメント

富士重工の“企業城下町”賃上げは広がるか

2014-03-21 07:00:00 | ビズ プラス
3月9日 BIZ+SUNDAY


大手自動車メーカー富士重工業。
今年度 過去最高となる約3100億円の営業利益を上げる見通しである。
北米市場での販売が好調で製造ラインはフル稼働。
労働組合では4年ぶりに3500円のベアを要求し回答日に向けて労使のギリギリの交渉が続いている。
この会社が車の8割近くを生産している群馬県太田市は下請けの部品メーカーが集まる企業城下町である。
町では景気回復の兆しが表れ始めている。
(タクシー運転手)
「ずいぶんタクシーの利用客は増えた。」
「昼間は工業団地方面に行く方も増えた。」
居酒屋も自動車関連の従業員でにぎわっている。
(富士重工 従業員)
「絶対賃金は上がります。
 上げてもらわないと困る。
 それだけ働いているという自負がある。」
(居酒屋店長)
「賃金が上がってうちに落としていただければありがたい。」

富士重工と直接取引をする一次下請けのメーカー。
社員は約700人。
運転席の内装部品などを製造している。
今年度は売り上げが過去最高となる見通しである。
2月 この会社でも春闘が始まった。
組合は業績好調を理由にベースアップを要求。
実に12年ぶりである。
要求額は富士重工業より1,000円低い2,500円。
(しげる工業労働組合 清水功治執行委員長)
「要求した内容に近い回答をいただけることを目指し今後も協議していきたい。」
(しげる工業 正田寛会長)
「最近は非常に生産活動が活発化していて組合員には大変な協力をいただいている。
 それなりの対応が求められるのは承知している。」
この会社の社員 坂本吉隆さん(33)。
景気が低迷していた15年前に入社。
ベアを経験したのは一度だけである。
坂本さんの基本給は22万4千円。
これに残業や休日出勤の手当てが加わり総額は毎月40万円前後。
ベアが実現すれば基本給がアップ。
さらに時間外やボーナスの金額にも反映されるため期待が高まる。
こどもは3人。
4月には次女が小学校に入学。
勉強机などを買いそろえる予定である。
(妻 瑞穂さん)
「収入が増えれば子どもたちの習い事などにまわせる。」
(坂本吉隆さん)
「ベースアップしてもらえれば働きがいも出てくる。」

この町で賃上げの動きはどこまで広がるのか。
地元の信用金庫は2月に取引先の約600社にアンケート調査をした。
対称のほとんどは中小企業で2次、3次の下請け企業が多く含まれている。
調査は意外な結果を示した。
“賃上げをする”と答えた企業は半年前よりは増えたものの10%にとどまった。
2次下請けの企業では今賃上げをするかどうか頭を悩ませている。
従業員は25人。
マフラーの部品を作っている。
この会社の平均的な給与は手当込みで約27万円。
(従業員)
「忙しいからこっちにもまわってくればいい。
 給料の面で。」
丸和製作所 平田茂社長は受注が増えていることからこの春に賃金をあげようと考えて始めていた。
しかし先週、その決心を揺るがす1通のメールを受け取った。
部品の価格を4月から一律2,5%引き下げてほしいという取引先からの要請だった。
(丸和製作所 平田茂社長)
「利益が出るかと思うとコストダウンの要請がある。
 努力して利益を出すように工夫するが工夫した分をコストダウンで持っていかれてしまう。」
海外のメーカーと激しい競争にさらされている自動車業界。
下請けのメーカーには常にコストダウンの要求がつきまとう。
ある部品の納入価格は1戸当たり50円で利益率は3%。
価格を2,5%下げれば利益はほとんど出なくなる。
賃上げに回す余裕がなくなってしまうのである。
(丸和製作所 平田茂社長)
「加工賃をアップしてくれれば非常にスムーズに社員の給料はアップできる。
 そうなればありがたい。
 取引先がコストアップしてくれたことはいまだかつてない。」

すでに賃上げを見送った企業もある。
プラスチック部品をつくる2次下請け 田中樹脂工業 田中正裕社長。
賃上げできない大きな理由は去年行なった多額の設備投資である。
約1,900万円かけて導入したプラスチックの加工機械。
生産能力は2割アップした。
取引先からのコストダウンの要求に対応するためである。
(田中樹脂工業 田中正裕社長)
「こういう機械を導入していかないと
 これから先の仕事は特に自動車産業はついていけないと思う。」
いまは社員の賃上げよりも設備投資を優先せざるを得ないと言う。
(田中樹脂工業 田中正裕社長)
「なんとか仕事を続けて従業員のためにも会社を守らなければいけない。
 いまうちの状況では賃上げは全く無理。」


 






コメント

“防災ビジネス”高知県のブランド戦略

2014-03-20 09:20:00 | ビズ プラス
3月9日 BIZ+SUNDAY


南海トラフ大地震を想定し全国に先駆けて様々な防災対策を勧めてきた高知県。
そのノウハウを生かして県外で防災ビジネスを育成して高知県ブランドとして全国に売り込もうとしている。

高知県 尾崎正直知事。
この日 防災製品を手掛ける東京都内の企業を訪問した。
高知県内で作られた防災製品を売り込むのが目的である。
(高知県 尾崎正直知事)
「どんなに転がっても油が漏れないタンクを
 工業会 技術センターと一緒になって開発したのがこちらです。
 津波火災を防ぐことにも貢献できるのではないか。」
知事自身が先頭に立ち製品のクオリティの高さをアピールする。
(ミドリ安全 松村不二夫社長)
「知事みずから販売の一線にというか1人の販売員になって感心している。」
(高知県 尾崎正直知事)
「高知県は外に売り込んでいく機能がそんなに強いわけではない。
 そういう意味では私も少しでも汗をかいてと思っている。」
2月 横浜で開催された防災グッズなどの見本市。
250の企業と並んで高知県もブースを構えた。
掲げられたのは“防災先進県”の看板。
高知県内の中小企業が作った製品などを県の職員がPRする。
高知県庁の課長や主査もこの日は一営業マンとしてブースへの呼び込みを手伝う。
衣料品メーカーが作ったポケットが13個あるベストはさまざまな物を身につけたまま避難できる。
地震の際 天井の落下を防ぐ建築資材は歯科矯正の部品メーカーが開発した。
(出展した企業の担当者)
「知名度のない会社が全国で勝負しようと思ったら高知県の名前はいい効果だと思う。」
中小企業を全面的にバックアップする高知県。
背景にあるのは県内のものづくりへの危機感である。
大きな産業が無く下請けの中小企業が多い高知県の製造品出荷額は年間4700億円。
全国最下位である。
そこで新しい産業の育成に取り組もうと防災に目をつけたのである。
高知県は南海トラフ巨大地震が起きた場合 全国最大規模の津波が押し寄せ大きな被害が想定されている。
避難や備蓄などの防災対策が進むなかそのノウハウをものづくりに生かせないか。
2年前 高知県は年間1億円の予算をつけ防災製品を新たな産業にするプロジェクトを立ち上げた。
(高知県 工業振興課 松岡孝和課長)
「防災と言えば“高知県”というような名前が出てくるくらいまで
 南海トラフの対策もしながら経済の方もそういったことで活性化していく。」
まず行ったのは優れた防災製品に県の認定いわば“お墨付き”を与えることだった。
認定のための審査会。
審査員には通販会社や大学教授など専門家を起用。
単に合否を決めるだけでなく売れる商品にするためにどうするべきか。
さまざまな角度からアドバイスを行う。
この日 審査に臨んだのは食品メーカー アグリックス四万十 造田英昭社長。
高知産の食材を使用した炊き込みご飯の缶詰は常温で4年間保存できる。
1缶あたり2人前の350グラムで価格は600円。
避難所の備蓄食料として自治体への販売を見込んでいた。
(大手防災製品メーカー 営業部長)
「できれば1人用の個食タイプの方がやりやすい。」
(自治体防災対策課)
「いかに多く備蓄するかと我々は考える。
 もうちょっと価格が安くなれば。」
分量や価格がニーズとずれていると指摘された。
造田さんは早速 製品を改良することにした。
新たな缶詰は1缶150グラムで350円。
自治体だけでなくスーパーや通販でで個人に向けた販売も目指すことにした。
(アグリックス 四万十 造田英昭社長)
「いろんな分野の方の話を聞かせてもらうとまた違った見方が出来て
 こういった商品の開発にも参考にできる。
 非常にありがたい審査会だったと思う。」

高知県のプロジェクトのおかげで業績を伸ばした企業も現れている。
防災用の浄水器を製造するベンチャー企業 アクアデザインシステム 武田良輔社長。
この日訪れたのは愛知県。
医師や自治体の担当者などを前に製品をPRした。
ポンプで押し出す浄水器。
アタッシュケースで持ち運べるサイズの浄水器。
県からのアドバイスをもとに次々と製品化してきた。
「オレンジ色の水がきれいな水になっています。
 なにもかも抜けてしまいます。」
この日は1機30万円のアタッシュケース型の製品が売れた。
6年前の起業当初は会社の知名度が低く販売で苦戦していた武田さん。
県のバックアップを受けてからこの2年間で約6000万円売り上げた。
(アクアデザインシステム 武田良輔社長)
「高知県が防災登録製品という認定制度を作ったおかげで
 ひとつのベンチャー企業以上の商品ブランド力が高まったのではないかと感じる。」

高知県が育成する防災ビジネスはこの2年間で69の認定製品が誕生した。
高知県では来年度から営業力を強化するため
大都市圏に県の職員を常駐させ企業に代わって営業活動を行なうことにしている。 
コメント

“南相馬とともに歩む”被災地に移住した米女性

2014-03-19 09:20:00 | 報道/ニュース
3月9日

原発事故の影響が続く福島県。
3年が経とうとするいまも多くの人が故郷に戻れないでいます。
南相馬市と姉妹都市の関係にあるのがアメリカ オレゴン州のペンドルトン市である。

アメリカ人のケイト・オバーグさん(25)。
震災から9か月たった2011年 福島県南相馬市に移り住んできた。
(お茶の師匠 黒田玲子さん)
「地元の若い人は遠くに行ってしまった。
 そのときケイトが来てボランティアをして。
 涙が出るような人でしょ。」
(ケイト・オバーグさん)
「私の日本のお婆ちゃん。」
ケイトさんが南相馬市でボランティアを始めたのは高校生のときのホームステイがきっかけだった。
初めての海外で当時は戸惑いもあったが 人から暖かい を受け3週間の滞在は忘れられない思い出となった。
(ケイト・オバーグさん)
「当時の私は世間知らずでした。
 そんな私に南相馬の人はとても良くしてくれたんです。」
ホームステイから5年。
福島第一原発で事故が起きる。
南相馬市では一時5万人以上とも言われる住人が避難を余儀なくされた。
避難所も住まいを追われた人たちであふれた。
そのころケイトさんは故郷のアメリカ西海岸オレゴン州のペンドルトン市にいた。
遠く離れた日本から届く悲しいニュースに心を痛めていた。
(ケイト・オバーグさん)
「大好きな場所や人たちがこんなひどい目にあうなんて信じられませんでした。
 何かしたくてじっとしてはいられませんでした。」
ケイトさんはアメリカでチャリティ活動に奔走する。
食事会を開いたりして200万円の義援金を集めた。
震災の2か月後には南相馬市を訪問。
避難所のボランティアに加わった。
そして彼女は傷ついた人たちの助けになろうと南相馬市に移り住むことを決めたのである。
ケイトさんはいま保育園や小中学校で英語を教えている。
当初 日本語は全く話せなかったが熱意にうたれた地元の国際交流協会が受け入れ先を紹介してくれた。、
原発事故の影響もあり南相馬市では外国人の指導助手が一人もいなくなった時期もあった。
地元の人たちはケイトさんを喜んで迎えた。
(保育園の副園長 近藤能之さん)
「子どもたちはケイト先生が来るのを楽しみにしている。
 放射能のリスクがあるのにこちらに来て早くから活動していたから
 すごいね、とみんな言っていた。」
ケイトさんが移り住んだ頃 南相馬市の一部では放射線のレベルが高く立ち入り禁止になっている地区もあった。
ケイトさんも全く心配していなかったわけではない。
町内放送が流れると思わず線量計を窓際にかざしたこともあったと言う。
そんなかなでも週末には毎週のようにボランティアに参加してきた。
がれきの除去や被災した家の掃除など力仕事もこなした。
(ケイト・オバーグさん)
「私がいることで
 南相馬は怖がられているわけじゃない
 忘れられてはいない
 と感じてほしい。」
こうした活動で新たなきずなも生まれた。
仮設住宅に暮らす泉さん夫妻は自宅が原発の20キロ圏内にあり戻れる見通しは立っていない。
そんな泉さんを励まそうとケイトさんはたびたびここを訪れている。
(ケイト・オバーグさん)
「馬に乗りに来てください。」
(泉勝明さん)
「ケイトの家に行って馬に乗ろうか。」
(泉邦子さん)
「おばあちゃん おじいちゃん 一人暮らしの人にケイトは荷物を運んであげる。
 重いでしょと持ってあげる。
 すごいと思った。」
今では家族のような付き合いである。
ケイトさんはいま情報発信にも力を入れている。
地元のラジオ局に2週間に1度出演。
自分の言葉で地域の素晴らしさを伝え“被災者を勇気づけたい”と考えている。
(ケイト・オバーグさん9
「東北の復興は同じような被害を受けた時にどうすればいいのか
 世界中のお手本になると思います。」
たくさんの触れ合いを通じて南相馬市の住民となったケイトさん。
今後も復興の道のりに寄り添っていくつもりである。
(ケイト・オバーグさん)
「復興はまだ終わっていません。
 長い時間がかかると思います。
 私を愛してくれる人 私の愛する人がここにはたくさんいます。
 ずっと南相馬市は私の故郷です。」

ケイトさんの出身地であるペンドルトン市と南相馬市は姉妹都市として
お互いに高校生をホームステイさせる事業を続けていたが
震災後はペンドルトンからの訪問は中止されていた。
それが今年からは高校生の派遣が検討されている。
外国人のボランティアの人たちは繰り返し被災地を訪れたり
比較的長い活動を続けてくれる傾向があるということである。
たとえば宮城県石巻市では震災から3か月経った頃
日によってはボランティアの半数近くが外国人ということもあった。
海外からの支援の感謝を忘れずに
一人一人が被災地を支える気持ちをいつまでも持ち続けることが大切だとあらためて感じる。 

コメント

日中の絆 小説に込めた思い

2014-03-18 11:50:26 | 海外ネットワーク
3月9日 NHK海外ネットワーク


宮城県女川町の水産加工会社で技能実習を受けていた中国人20人が実習中に震災に遭った。
当時 この会社の専務の男性は命がけで彼女たちを津波から守り帰らぬ人となった。
この出来事は当時の温家宝首相が感謝 中国でも広く共感を呼んだ。
中国ではこの出来事をもとに書かれた小説が出版された。
日本語にも翻訳されている。

震災をテーマに描かれた小説「津波、命がけの絆」。
宮城県の縫製工場で働く中国人の実習生が会社の社長で津波から逃れる
しかし会社の社長は津波で命を落とすというあらすじである。
日本人と中国人の間に生まれた絆が随所に書かれている。
大災害には情けもないが人間には情がある。
大災害にあたっては、助け合いに国境は関係ない。

上海在住の中国人作家 于強さん(69)。
小説の作者である。
地方公務員として日中間の交流事業に携わって に注友好をテーマに執筆活動を続け
東日本大震災が起きた時 于さんは日本にいた。
息子とその家族が住む千葉県をたまたま訪れていたのである。
孫を連れて近くの小学校に避難した。
(于強さん)
「体育館のガラスは余震で大きく揺れとても恐ろしかった。
 怖がる孫2人を連れて帰りニュースを見るとすさまじい映像が流れていた。」
そんななか目にしたのが宮城県女川町での出来事だった。
水産加工会社 佐藤水産の専務の男性が会社の中国人実習生20人を無事に避難させた後
自らは津波に巻き込まれなくなったというのである。
専務は日本語が離せない実習生たちを 高台に避難させた。
そしてほかに残された人がいないかを確認しにひとりで会社の方に戻ったという。
実習生の1人がその時撮影した映像にはみるみるうちに水が流れ込んでくる様子が映っている。
専務が命がけで守った実習生たちは被災から1週間後に全員帰国の途に就いた。
(于強さん) 
「魂が揺さぶれるような人間愛は本当に感動的で感激した。
 この出来事を題材に東日本大震災についての小説を書きたいと思った。」
于さんは女川町のこのエピソードをはじめ震災に関する膨大な資料を集めた。 
そしてその情報をもとに構想を練り小説を書きあげたのである。
(于強さん)
「自己犠牲をいとわない専務の姿勢に感銘を受けながら小説を書き続けた。
 途中で筆を止めることができなかった。」
息を切らし、全員一気に山を駆け上がった。
「皆 気をつけて。
 私は行かなければ!」
中国人従業員たちの安全確保を優先してから家族を助けに向かったのだ。
他人を優先した自己犠牲の精神は崇高と言うほかない。

小説の題材になった実習生たちはいまどうしているのか。
2人に中国で話を聞くと
震災からしばらくは非難する時に受けたショックから引きこもりがちになっていたと言う。
しかし時がたつにつれ専務がいなければ今の自分 
被災地のために何かできないかと考えるようになった。
(元実習生)
「震災を通して人間どうしの本当の感情
 国境を超えた愛を感じました。
 私は絶対再び日本に行くと決意しました。
 家族は心配し反対しましたが時間をかけて説得しました。」
ふたりは他の仲間とともに震災から約11か月後に麻ぽ長和町を訪れ同じ会社での実習に参加した。
震災から3年がたった今も自分たちを救ってくれた専務への思いは忘れてはいない。
(元実習生)
「専務はなくなってなんかいない。
 私たちの心に生き続けている。
 彼のおかげで私たちも生き続けているのです。」
「小説を通して専務がしたことを奥の中国人に知ってもらいたいし
 “私たちは決して忘れない”ということを日本人にもわかってもらいたい。」

被災地で生まれた日本と中国の間のきずな。
于さんは日中関係が冷え込む今だからこそ をもっと多くの人に知ってもらいたいと思っている。
(于強さん)
「震災の中でる両国民の間にこんなにも感動的な人間愛が生まれたということを
 心にとめて交流を深めてもらいたい。
 小説が今後の両国の関係改善の中にとっていい方向に働くよう願っている。」
 
この于強さんの小説は中國では5000冊
さらにインターネット
于強さんはこの作品だけでなく女川町の人たちとの直接の交流を通して
国境を越えて助け合うことの大切さを訴えていきたいと

コメント