11月16日 BIZ+SUNDAY
東京町田の住宅街。
今年母親が無くなり家を相続した山川俊英さん(52)。
空き家になった家をどうするかが山川さんの悩みである。
(山川俊英さん)
「自分で済むのか
保全するのか
借りてくれる方を探すのか
売却か。
近隣の方の不安も空き家ということであるだろうから何らかの形で方向を定めないと。」
山川さんが訪ねたのは不動産会社東急リバブル。
いま空き家ビジネスに力を入れている。
今年8月 空き家の悩みにこたえる新たなサービスをスタート。
家を売ったらいくらになるか
貸した場合のメリットデメリットは
様々な相談に無料でのっている。
これまでこうした相談に別々の窓口で対応してきた会社。
空き家ビジネスがこれから大きく伸びると見込んで今回1本化した。
山川さんの場合は
売ると3400円余
一方 貸すためには700万円のリフォーム代がかかるが月15万円の収入が見込めることが分かった。
会社では家を売りたい人には解体費用やリフォーム代を立て替えるサービスも始めている。
資金がない場合でも空き家を売りやすくするためである。
(妻 山川恵美子さん)
「金額の面での負担というのは私たちの生活もありますし
ありがたいと思った。」
問い合わせはこれまで150件。
空き家の売買を促し収益につなげようとしている。
(東急リバブル 空き家サービス 小林浩課長)
「中古住宅を求められる方も増えてきているので
空き家をそうした方のニーズにこたえるよう市場に提供していく。」
一方 都心で増えているのが賃貸マンションなどの空き部屋。
借り手のいない部屋をどうビジネスにつなげるか。
布団を置いて家電製品も設置。
宿泊施設にしてしまおうというのである。
ターゲットは増え続ける外国人観光客。
部屋の写真を見た外国人の反応は
(アメリカからの観光客)
「すごくいいサービス。
キッチンもあるし日本にしては広いわ。」
(イスラエルからの観光客)
「この部屋に泊まったら地域の人と話したりいろいろな体験ができるわね。」
このビジネスを立ち上げたのはベンチャー企業とまれる。
(とまれる 三口聡之介社長)
「東京オリンピックが決まって2020年には外国人観光客が2000万人になる。
今すでに空き家があるんだからそこに泊まれるようにすればホテル不足は一気に解決する。」
会社が注目するのは外国人を増やすための国家戦略特区。
これまで宿泊施設として利用することができなかった賃貸マンション。
これが来年の春には規制緩和で利用できるようになることを見込んでいる。
このビジネスに賃貸マンションの所有者も期待を寄せている。
石渡憲一さんは都内に賃貸マンションを3棟持っているがその1割が空き部屋である。
(賃貸マンション所有者 石渡憲一さん)
「賃貸だと季節によってなかなか埋まらない期間があるし
収益が上がってくれば面白い仕事になる。」
(とまれる 三口聡之助社長)
「今まで賃貸としては需要がなかったかもしれないが
旅行者にとっては非常に価値のある部屋はいくらでもある。
ホテルや旅館とは違うサービスが出来る。」