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接戦州フロリダ “スーパーPAC”の戦略は

2012-10-31 08:11:56 | 報道/ニュース


  10月30日 おはよう日本


  アメリカの大統領選挙は接戦となっている8つの州の情勢が
  全体の勝敗を左右しそうである。
  中でもフロリダは人口が最も多く両陣営とも支持の獲得に力を入れている。
  両陣営は次々と新たなテレビ広告を流している。
  (オバマ大統領陣営のテレビ広告)
  500万人超の雇用がうまれ 輸出は41%増 住宅価格も上昇した
  あなたの1票を
  そうすればともにアメリカを前進させ続けられます
  (ロムニー氏を支持するテレビ広告)
  ここ数年米国は踏んだり蹴ったりだ
  オバマ大統領にはこれ以上まかせられない
  方向転換できる人 ロムニー候補が必要だ


  巨額の資金を投入してテレビ広告を流しているのは
  多くは“スーパーPAC”と呼ばれる政治団体。
  個人や企業から寄付金を上限なく集めることができるこうした団体は
  今回の選挙から登場した。
  “投票日までに約240億円を使う”としている
  最大の資金力を持つ京を統計のスーパーPACの責任者は
  フロリダ州に重点的に投入すると話している。
  (共和党系スーパーPAC責任者)
  「フロリダは最も重要な州でロムニー勝利のために絶対落とせない。」
  運動で両陣営が最も強く訴えているのが景気の回復である。
  フロリダ州は失業率8,7%と全国平均を上回る厳しい経済状況。
  このスーパーPACは景気への不満を抱える有権者が最大のターゲットという。
  (ロムニー氏を支持するテレビ広告)
  オバマ大統領は我々を前進させると言った
  しかしどこの向っているのか
  景気回復は最悪2,300万人が正社員に慣れず借金は5兆ドル増えた
  前進ではなく後退させている 


  前回オバマ大統領に投票した建設作業員の男性は4年間失業を繰り返してきた。
  毎日流される膨大なテレビ広告を前に今回はどちらに投票すべきか悩んでいる。
  「多くの有権者がテレビ広告の影響を受けていると思う。
   できれば投票日までにだれに投票するか決めたいがまだどうするかわからない。」
  フロリダ州では1割前後の有権者が誰に投票するのかを完全には決めておらず
  スーパーPACの責任者は
  こうした人たちに対しては最終盤のテレビ広告が威力を発揮すると言う。
  (共和党系スーパーPAC責任者)
  「テレビでいろんな議論が展開されるだろう。
   有権者は最後に見たテレビ広告を思い出しながら投票ブースに入るので
   投票に大きな影響を与えるだろう。」
  態度を決めきれていない有権者をどちらが引き寄せるのか。
  投票日まで1週間
  巨額の資金を投じた選挙戦は激しさを増している。

  
  

   
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“便利さ”に潜む“リスク”

2012-10-30 08:03:28 | 報道/ニュース


  10月21日 サンデーモーニング


  他人のパソコンをウィルスに感染させそれを遠隔操作し犯行予告を行った事件で
  逮捕された4人の男性について誤認逮捕の可能性が高いことを
  警察庁が公式に認めた。  
  「警察・検察をはめてやりたかった 醜態をさらさせたかった
   という動機が100%です。」
  今月10日 事件の真犯人とみられる人物から届いたメールは
  ヨーロッパのサーバーを経由するなど発信元がわからないようにしつつ
  自らの犯行であることを明かしたのである。
  今回の事件では容疑者として逮捕された19歳の男子大学生が
  否認していた容疑を一転して認め
  保護観察処分を受けるなどさまざまな波紋を呼んだ。
  (大学生が住むアパートの大家)
  「警察が来て大学生の『俺じゃない』という声が聞こえた。
   そのまま連れて行かれて
   そのまま帰ってこなかった。」
  (街の声)
  「いつ何時巻き込まれるかわからない。」
  「どう防御していいのか分からない。」
  「おっかない時代になってきた。」

  この事件では警察の専門的知識が犯人のレベルに追い付いていない状況も垣間見えた。
  取り締まりが困難なほど複雑で巧妙化するネットの犯罪の背景にあるのは
  あまりに急激な技術の発展である。
  インターネットはいまや誰でも手軽に扱え
  便利で身近なツールとして日々の生活に欠かせない存在となっている。
  しかしその便利さと引き換えに私たちは多くのリスクを抱えることとなった。
  そのひとつがサイバー犯罪の増加。
  ネットの掲示板を利用し犯罪行為を勧誘する闇サイトが横行している。
  ハッカーによる情報流失がもたらすプライバシーの侵害や機密情報の漏えい。
  さらにネット掲示板を使ったいじめ問題では
  子どもが加害者にも被害者にもなる状況が生まれ自殺などに至る深刻なケースも。
  様々な犯罪や問題を引き起こすネット技術の発展の一方で
  中東や北アフリカで広がった“アラブの春”と呼ばれる民主化運動や
  日本で広がった反原発デモ
  中国全土に広がった反日デモでもネットの力がその運動を広げた。
  手軽さや便利さの一方でも大きな影響力やリスク。
  しかし私たちはこうした技術を十分使いこなしているとは言えない状況である。

  (早稲田大学 加藤諦三名誉教授)
  「残念ながら人間の歴史を見るとゆがんだ発展をする。
   『リスクを伴っているから技術の発展をやめよう』と言ってもこれは無理。
   技術がすごい発展をして高度技術社会になればなるほど
   恩恵を被る人も犠牲者もでる。」

  技術の進歩がもたらす二面性。
  たとえば大規模な土木工事に必要不可欠なダイナマイトは戦争にも使われた。
  また安全神話をうたった原子力発電も福島原発事故では
  技術をコントロールすることの難しさがあらためて明らかになった。
  そして遺伝子操作やips細胞などバイオテクノロジーは
  医療面での期待の一方で倫理面では様々な問題を抱えている。
  新たな便利さを手に入れる一方で技術の発達に振り回されリスクを負うジレンマ。
  人間はこうしたジレンマとどう向き合えばよいのか。
  「海底2万マイル」「十五少年漂流記」などの作品で知られる
  フランスの作家 ジュール・ヴェルヌ(1828-1905)は
  科学技術の進歩の中で築き上げた社会は人間の愚かさゆえに滅ぶ姿を描き
  科学技術には“人間に許された限界がある”のでは
  と問いかけている。

  (早稲田大学 加藤諦三名誉教授)
  「アメリカにギャラップという調査がある。
   『これから生活が良くなりますか?』と聞くと
   七,八割の人が『良くなります』と答えた。
   『幸せになりますか?』と聞くと
   『悪くなる』という人の方が圧倒的に多い。
   便利さを求めるのは人間の性だけれども
   それに従っていると行き着くところは幸せではない。
   技術とは何なのか 何のための技術なのか
   技術の原点に立ち返って考える時だ。」

  (街の声)
  「いったん手にしたものをやめようと言うのは簡単だけど難しい。」
  「テクノロジーが発達しても人間は進歩できない動物だと考えてやっていかないと。」
  「全部が全部便利になる方向性が良いとは限らない。」

  
  
  
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チェコ大統領選挙 日系人が立候補へ

2012-10-29 08:01:26 | 報道/ニュース


  10月26日 おはよう日本


  来年行われるチェコの大統領選挙に
  現地で旅行会社などを経営する日系人の男性が立候補する意向を表明した。

  (オカムラ・トミオ氏)
  「私自身と同様に国民の多くがこれまでの政治に失望している。
   今こそ変化が必要だ。」

  チェコの大統領選挙に立候補する意向を表明したのはオカムラ・トミオ氏。
  オカムラ氏は東京板橋区生まれの40才で
  6才のとき母親のふるさとである当時のチェコ・スロバキアに移住した。
  チェコで旅行会社などを幅広く展開するオカムラ氏は
  メディアにもたびたび登場し
  先週投票が行われたチェコの上院議員選挙に立候補して初当選を果たしている。
  大統領選挙に立候補するには
  来月上旬までに5万人以上の国民の署名を集める必要があるが
  オカムラ氏はすでに2万5,000人超の署名が集まっているとしている。

  (オカムラ・トミオ氏)
  「私は半分日本人ですので
   当然日本のことが好きで
   チェコと日本の懸け橋になりたいと思っています。」

  調査会社が今月発表した世論調査では
  オカムラ氏の支持率は7,9%で
  前首相と元首相に続き3番目だった。  
  チェコの大統領選挙は来年1月11日と12日に投票が行われる。
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ウィンドウズ8で巻き返しを

2012-10-28 17:53:49 | 報道/ニュース


  10月26日 おはよう日本


  マイクロソフトの新しい基本ソフト「ウィンドウズ8」が
  日本をはじめ世界各国で一斉に発売。
  パソコンの操作方法を一定させるウィンドウズ8。
  ユーザーの人気が
  パソコンからタブレット端末へ移る中で出遅れたマイクロソフトが
  巻き返そうという狙いがある。

  (マイクロソフト社 スティーブ・バルマーCEO)
  「ついにウィンドウズ8の登場だ。」
  世界140以上の国と地域で発売のウィンドウズ8。
  発売前日の25日マイクロソフトはニューヨークで大規模なイベントを開いた。
  ウィンドウズ8でパソコンの画面は大きく変わった。
  おなじみのスタートメニューがなくなりタイルが並んだようなデザインである。
  そのタイルを手で触って操作するタッチパネルの機能が採用された。
  なぜ今回ここまで大きな変更に踏み切ったのか。
  マイクロソフトが1995年に発売した基本ソフトウィンドウズ95.
  大ヒット商品となりパソコンの普及が爆発的に進んだ。
  しかし最近は消費者の人気がタブレットやスマートフォンに急速に移り
  パソコンの販売は伸び悩んでいる。
  タブレットなどの市場ではライバルのアップルに主導権を握られている。
  このためマイクロソフトは
  ウィンドウズ8でタブレットの市場を取り込む作戦に打って出たのである。
  これはウィンドウズ95以来17年ぶりの大変革だと位置付けている。
  (マイクロソフト社 スティーブ・バルマーCEO)
  「マイクロソフトにも消費者の新時代が来た。
   パソコンにもタブレットにも対応できる。」  
  今回マイクロソフトは
  基本ソフトを一新したことをより明確に消費者に伝えようと
  初めて自社ブランドのタブレットも投入する。
  マイクロソフトが新たに投入したタブレット端末「サーフェス」は
  ふたの部分を取り付けてキーボードとして使うこともできる。
  これをアメリカやヨーロッパなどで先行して売り出す。

  しかし課題となるのはライバルのアップルに比べて
  アプリケーションシフトが圧倒的に少ないことである。
  マイクロソフトではソフト開発会社に
  ウィンドウズ8に対応したソフトの開発を働きかけている。
  ニューヨークにあるゲームメーカーでは
  パソコンで遊べる人気のゲームをタッチパネルで操作できるようにした
  新しいゲームを開発した。
  (ゲームメーカー タミー・マンガネロ副社長)
  「わが社の人気ゲームは
   マウスで右クリックして旗を立てる仕組みになっていたが
   指で操作するにはどうすればよいか
   何度もテストして違和感なく仕上げました。」

  パソコンで作り上げてきた市場を足がかりに
  アップルに対抗しようというマイクロソフト。
  競争の行方が注目される。

  

  
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イタリア 州知事選挙 “候補者”はブルドッグ

2012-10-28 08:07:34 | 報道/ニュース


  10月28日 おはよう日本


  選挙事務所の前の犬のポスター。
  シチリア州の知事選挙では犬のステファノ候補に投票しようと呼びかけている。
  オスのフレンチブルドッグのステファノが候補者。

  イタリア南部のシチリア島はイタリアの中でも経済状況は厳しく
  失業率も国の平均の2倍近くに達している。
  今年7月には財政の運営に行き詰まって州知事が辞任を表明。
  マフィアとの癒着も非難されていた。
  「政治家は私たちちの税金を盗み身内の利益ばかり考えている。」
  
  犬のステファノ候補への投票を呼び掛けているのは
  飲食店を経営する飼い主のベナルドさんたちのグループ。
  「人々は起こっている。
   お先真っ暗だ。」
  「もうやってられない。
   うんざりだ。」
  もちろん犬が本当の硬派者になることは出来ない。
  “今の政治なら人間より犬に任せた方がましだ”
  という怒りから犬に1票を投じようという痛烈な抗議行動である。
  「いかに多くの市民が憤っているか示すためだ。
   政治倫理を問う挑戦だ。」
  ステファノ候補の街頭演説も行われた。
  ただしベナルドさんが報道官として代わりに話をする。
  「政治家は皆やめてもらおう。
   政治家はシチリアを台無しにした泥棒だ。」

  異例の選挙運動はメディアでも大きく取り上げられ
  島内各地から賛同の声が上がっている。
  「ステファノに投票する。
   利己的な政治家はもういらない。」
  「政治家への一撃だ。
   これは抗議の票だ。」

  厳しい暮らしと政治の腐敗。
  犬のステファノに投票しやり場のない怒りをぶつけよう
  という運動が広がりを見せている。
  もちろんステファノへの票は無効票になる。
  ただ投票のあとベナルドさんたちは開票所で
  ステファノに何票が投じられたか
  中継して公表することにしている。


  
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マンハッタンに住む

2012-10-27 08:02:39 | 海外ネットワーク


  10月20日 NHK海外ネットワーク


  ニューヨークの中心部マンハッタンは生活が便利だが家賃が高い。
  マンハッタン中心部のある物件。
  家賃は800万円 広さは1200平方メートル。
  室内には長さ20mのプール。
  映画俳優や金融関係者などが代わる代わる借りてきた。
  来月には新しい借り手が入居する予定である。
  (高級物件専門の不動産業者)
  「とても豪華で高額な不動産の賃貸が増加し続けている。
   ニューヨークの不動産はとても好調で不動産不況は終わったと言える状況だ。」

  金融や芸術、ファッションの中心地マンハッタンには世界中から人が集まる。
  賃貸住宅は値上がりが続き
  中心部では家賃が今年5%以上上昇しているという。
  手が届く物件で快適に過ごす知恵と工夫を凝らすのもマンハッタン流。
  1ルームマンションは一見するとベッドが見当たらない。
  ベッドの収納は友人の建築家に依頼して特別にあつらえた。
  「ぼくはマンハッタンの中心部に住みたいと思っていた。
   だけど広い部屋を借りるだけの余裕はなかった。
   工夫したことで広い部屋にいるように感じられる。」

  インターネットには
  驚くほど狭い部屋の住人たちが自慢のアイデアを投稿している。
  7平方メートルの大豪邸にようこそ。
  日常生活に必要なものは棚に。
  衣類 サプリメント 調味料 バス用品。
  電子レンジの横には靴 その上にはプリンターまで。
  バスルームはこちら。
  4人で共同で使ってるんだ。

  家賃は月約6万3,000円。
  男性は建築家で事務所としても使っている。
  狭くても便利。
  こうやって足を壁に置けるんだ。


  もともと倉庫だった部屋。
  広さは約8平方メートル。
  天井の高さを利用して収納を上へ上へと伸ばした。  
  ほら ヨガだってできるわ。
  ベッドは部屋でいちばん高いところにある。
  ここが気に入ってるの。
  女性はアーティストで創作活動にふさわしい環境だと自慢している。
  見て!
  ニューヨークが裏庭なの。
  セントラルパークもすぐ近くよ。


  こうした狭い部屋は
  実はすべて25年以上前に建てられた古い物件である。
  ニューヨーク市が防災上の理由で
  40平方メートル以下の部屋をつくることを25年前に禁止したのである。
  しかし家賃の高騰によって広い部屋は高根の花に。
  その結果 狭くても安い物件に人気が集まっているのである。

  セントラルパークの横にある築80年のアパート。
  15平方メートル以下の部屋が20ほどある。
  空き一部屋出たことを知った男性が早速見に来た。
  広さは6平方メートル足らず。
  不動産業者は新たにシャワールームを設置した。
  入居者を募り最も高い家賃を払う人に貸し出す。
  (空き部屋を見学した男性)
  「不便な場所に住む代わりに広い部屋で満足するのか
   それとも広さ・台所がない部屋で妥協するのかという問題だ。
   ニューヨークに住むのならこのジレンマにだれもが直面する。」
  (不動産業者)
  「部屋の紹介を初めて2日目だが部屋を見ずに申し込んだ人もいる。
   この価格帯(12万円以下)の物件は関心が高い。」
  部屋は8万円で借り手がついた。

  (米建築協会ニューヨーク支部 リック・ベル代表)
  「ワンルームのアパートは増加傾向にある。
   これによって
   ニューヨークのような大都市の中心部に人が集まる流れが加速している。」

  アメリカンドリームを追う人たちの街マンハッタン。
  夢の実現の足場となる自分だけの小さな部屋を求める人たちは
  これからさらに増えそうである。 
  
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ミャンマーで奮闘 日本人ビジネスマン

2012-10-26 07:41:10 | 海外ネットワーク


  10月20日 NHK海外ネットワーク


  
  反日デモを機に中国のリスク分散という意味でも
  日本企業にとってミャンマーの重要性が増している。
  ミャンマーへの国別の投資額は
  1中国 2タイ 3香港 4韓国 5イギリス 6シンガポール ・・・
  13日本
  中国が一気に進出し日本は13番目にとどまっている。
  各国に乗り遅れまいと官民挙げて進出の機会をうかがっている。

  阪急阪神エクスプレス 海外事業担当 小高毅さん(43)。
  すでに代理店を通してミャンマーで事業を始めている。
  さらに現地に支店を作って本格的に進出すべきかどうか
  最終的な見極めを任されている。
  「今日より明日の方が絶対楽しいという感じがある。」
  日本向けにスーツの生産を行っている取引先の縫製工場は
  工場の規模を拡大し続けていて生産量は3年前の1,5倍に増えている。
  人件費が中国の約5分の1という安くて豊富な労働力を背景に
  注目が集まるミャンマー。
  今後 日本の製造業が相次いで進出してくれば
  小高さんにとっても大きなビジネスチャンスになる。
  (工場の責任者)
  「駐在事務所ができるともっとスムーズに仕事ができるのではと期待しています。」
  (小高毅さん)
  「日本人が来てモニターすることで早く現地に会社をつくって
   御社の役に立てるように頑張りたい。」

  期待は膨らむ一方 現地で克服しなければならない課題は山積みである。
  物流の生命線となるのが道路網。
  取引先と空港をつなぐ道路はがたがたで
  空港に着くころには荷物が散乱してしまうトラブルが頻発している。
  「ハンガーをかけて運ぶようなコンテナだと荷物が落ちることもある。
   困った事故が起きやすいのでいつも頭を痛めている。」
  荷物の扱い方にも不安が残る。
  空港では梱包の仕方に問題を見つけた。
  「薄いシートが1枚しかかかっていない。
   雨が降ると濡れてダメージになる。
   日本だとどんな雨が降っても大丈夫になっている。」
  小高さんは日本の常識とはかけ離れた物流の環境に戸惑う。 
  現地でひとつひとつ課題を解決していかなくてはならない。
  視点を置くオフィス探しも大変。
  各国から企業が押し寄せているため
  オフィスとして使えるビルやホテルの部屋にほとんど空きがない。
  「事務所として貸し出す予定はないということですね。」
  「厳しいですね。
   どんどんあたっていきます。」
  小高さんに与えられた期間は2か月。
  残り1か月を切り現実に直面し疲れもたまる。
  行きつけの飲食店を訪れては日本人の店主に悩みを打ち明ける。
  「従業員を雇いたいけれど雇う前に会社をどうするか
   本社の結果が出てこない。」
  同業他社の中には先行して進出しているところもある。
  熾烈な競争を勝ち抜かなければならない。

  韓国の縫製会社ではライバルの韓国の物流会社がすでに運送の多くを担い
  取引を広げるのは容易ではない。
  「他の勝者と取引もあるようですが韓国や日本の物流企業ですか。」
  (韓国の縫製会社社長)
  「うちの製品をヤンゴンから日本に運ぶ仕事をしている会社は数多くある。」
  早く足場を固める必要性を痛感している。

  小高さんは状況を確認しに来たアジア地域を統括する上司に
  進出を急ぐよう迫った。
  「みんなでスピードを上げていかないと乗り遅れるリスクがありそう。
   決めるスピードは韓国系とか中国系に比べると後れを取りそうなので
   できればそこについていきたいと思っているんです。」
  (小高毅さん)
  「お客さまがいるところに我々がいち早く入っていって
   できればベストは
   『お待ちしてました 物は動かせるように準備していましたので
    つくることに専念してください』と。
   チャンスや魅力はいっぱいあるんじゃないかと感じています。」

  ミャンマーに大きな期待をかける日本企業。
  数々の課題に直面しながらも出遅れまいと奮闘している。

  いまヤンゴンの日本人商工会議所の会員は60社あるが
  今年になってヤンゴンだけでなく首都のネピドーにも事務所を持っていたり
  経済特区の開発にも乗り出していたりしているが
  インフラの整備が遅れているだけに
  企業の本格的な進出にはまだ時間がかかりそうである。
  日本は期待に応えられるように改革の後押しをしていきたいものである。


  
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活況に沸くミャンマー

2012-10-25 07:18:12 | 海外ネットワーク


  10月20日 NHK海外ネットワーク


  経済制裁の緩和で外国製品が急激に増えているミャンマーの生活は
  大きく変わろうとしている。
  今月ヤンゴンで開かれた日本製品の見本市には約5万人が詰めかけた。
  特に多くの人でにぎわったのが
  日本の企業が会場の設けたミャンマー版100円ショップ。
  (店員)
  「お椀が良く売れています。
   珍しくてミャンマーにはないものですからね。」

  経済の改革・開放政策に舵を切ったミャンマー。
  15年ぶりに販売が再開されたアメリカの清涼飲料水は早くも大人気。
  街には外国の製品があふれている。
  最も目立つのは輸入中古車の急増。
  輸入制限の撤廃で
  中古車の価格はこの1年足らずで4分の1から5分の1に下がった。
  市民の間で高まる車の購入熱で
  信号待ちのドライバーに車のチラシを売る商売まで始まった。
  買い替えを進める車のカタログ。
  車の種類は豊富で人々の消費意欲を刺激している。

  消費ブームを引っ張っているのがミャンマーでも比較的豊かな人たちである。
  ヤンゴンに住むジン・マウン・エイサン(34)。
  先月初めて日本の中古車を約120万円で購入した。
  車は幼稚園に通う娘の送り迎えに大活躍である。
  「自分の車を持ててとてもうれしい。」
  ジン・マウン・エイサンは7人暮らしで
  政府機関で公務員として働いていたが4年前外資系海運会社に転職した。
  英語を話せることが決め手だった。
  月給は40万円と前の約25倍で生活は一変した。
  「電子レンジもトースターも洗濯機もあるが古いから買い換えたい。」
  夢は次から次へと膨らんでいく。
  「今度テレビを見に行こう。
   42インチの薄型テレビ。」
  「以前は経済制裁の影響で外国製品は限られたものしかなかった。
   今度は2人の娘たちにそれぞれiPadを買おうと思っている。」

  若者の間では
  参入が相次ぐ外国企業への就職のチャンスをつかもうという動きが広まっている。
  外国企業ではビジネスの公用語として英語が不可欠である。
  ある英語教室には約1,000人が通っている。
  ジン・ミン・タンさん(24)は英語教室に週2日通っている。
  「英語を上達させたいです。
   そしていい仕事に就きたいです。」
  ジン・ミン・タンさんはミャンマー北部出身。
  同郷の友人5人とアパートで共同生活を送っている。
  友人がそろうと決まって始まるのが就職についての情報交換。
  「ホテルに就職口があるらしい。
   給料は結構いいみたい。」
  「でも英語の能力がかなり必要になる。」
  (ジン・ミン・タンさん)
  「夢は自分で仕事を始めることだが
   そのためにもまずはいい会社で働ければいいと思う。」

  ヤンゴンをちょっと離れると昔ながらの生活が今も続いている。
  地方ではほとんどの人が細々と農業を営んでいる。
  夫婦と4人の子どもの一家は野菜を育て自給自足に近い生活をしている。
  子どものおもちゃもすべて手作り。
  村には舗装道路がなく橋もない。
  ヤンゴンから車と牛車を乗り継いで2時間。
  日本からの直行便で一緒になった田中一郎さんに農場へ案内してもらった。
  そこでは原野を切り開いて飼育材などを栽培していた。
  田中さんはミャンマー各地で地元の大学教師とともに
  農業の技術指導を続けている。
  ミャンマーの人たちが自立できるようになるためである。
  (農業指導 田中一郎さん)
  「商業には皆さん目を向けますが農村地帯まで目を向けませんので。
   農民の生活自体は変わっていませんし収入も増えていません。
   やはり農作物の収量を上げるのが先決ではないかと思います。」
  (ヤンゴン大学教授 イエさん)
  「ミャンマーは農業の国で80%が農業従事者だから
   農業が発展すれば皆うれしい。
   日本など外国はミャンマーの農業に投資してほしい。」
  
  アジアの発展から取り残されてきたミャンマー。
  今始まった変革の動きを地方にも広げることが国民全体の生活の向上につながる。




   

  

  
  
  
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銀座2丁目 Shari The Tokyo Sushi Bar

2012-10-24 18:30:36 | グルメ


   (ホットペッパー)

    

    

  




  銀座一丁目駅 5番出口 徒歩1分
  http://www.shari-ginza.com/
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ミャンマー直行便 12年ぶりに再開

2012-10-24 07:54:19 | 海外ネットワーク


  10月20日 NHK海外ネットワーク


  ミャンマーは民主化に伴って各国のミャンマー詣が活発化するなか
  日本からの直行便の乗り入れが始まった。
  週3便 成田からヤンゴンまで7時間のフライト。
  第1便は企業の代表などで満席となった。
  ミャンマーへの関心の高さをうかがわせている。
  (住友林業会長 矢野龍さん)
  「将来の成長のために役に立てると思います。
   もちろん我々もビジネスオポチュニティーも考えて視察団に加わりました。」
  (会社経営 田中一郎さん)
  「この2年くらいで急に変わったと感じます。
   人が活発に動いている変化が急激に起こっていると行くたびに感じます。」
  ヤンゴン空港ではミャンマー政府代表らが出迎えた。
  (ニャン・トゥン・アウン運輸相)
  「東京とヤンゴンを結ぶフライトは
   日本とミャンマー両国の社会や文化、ビジネスの交流に貢献するでしょう。」
  この日を待ち望んでいたニョ・ニョ・カインさんは
  全日空ヤンゴン支店で16年前から働いている。
  直行便が休止された後も同僚と支店を守ってきた。
  ミャンマーの改革が進めば再び日本から大勢の人が来ると確信していたからである。
  「飛行機を見て12年間離れていた親せきが戻ってきたような感じです。」
  (全日空ヤンゴン支店長 濱田敏徳さん)
  「毎日100人を超える日本人が訪問しているので
   このまま企業の進出が進むと
   150人200人になる日が来ると思っているので
   大きな飛行機をぜひ持ってきたいと思っています。」

  ミャンマーのシンボル シュエダゴン・パゴダ。
  ミャンマー市民は週に1度は訪れると言うが最近は外国人の姿が目立つ。
  外貨獲得のために観光客の誘致に力を入れるミャンマー。
  去年の外国人観光客は27万人で5年前より倍増した。
  ショッピングセンターも相次いで誕生した。
  おしゃれな店が増え若者たちでにぎわっている。


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マリリン 7日間の恋

2012-10-23 19:44:51 | DVD


  原題:MY WEEK WITH MARILYN                             
  


  製作年:2011年
  製作国:イギリス/アメリカ 
  ジャンル:洋画 > ドラマ
  監督:サイモン・カーティス
  製作:デビッド・パーフィット、ハーヴェイ・ワインスタイン
  製作総指揮:ジェイミー・ローレンソン、サイモン・カーティス、
        イヴァン・マクタガード、クリスティーン・ランガン、
        ボブ・ワインスタイン、ケリー・カーマイケル
  脚本:エイドリアン・ホッジス
  原作:コリン・クラーク
  音楽:コンラッド・ポープ
  出演:ミシェル・ウィリアムズ、エマ・ワトソン、ケネス・ブラナー、
     エディ・レッドメイン、ドミニク・クーパー、ジュリア・オーモンド、
     ゾーイ・ワナメイカー、ダグレイ・スコット、ジュディ・デンチ

  
  2012年で没後50年となる世界のセックス・シンボル、マリリン・モンローの
  秘めた恋をミシェル・ウィリアムズ主演で描いたドラマ。
  1956年、ローレンス・オリビエが監督・主演を務める
  映画「王子と踊子」の撮影のためロンドンを訪れたモンローは、
  初めて体験する海外での撮影のプレッシャーと、
  夫との確執により仕事に集中することができずにいた。
  さらに演技方法でオリビエとも対立し孤立してしまったモンローは、
  ただひとり的確な助言をくれた第3助監督のコリン・クラークと親密になっていく。
  クラークの回想録をもとに映画化。
  ウィリアムズがモンロー役を演じ、
  共演にはエディ・レッドメイン、ケネス・ブラナー、
  ジュディ・デンチ、エマ・ワトソン、ドミニク・クーパーら豪華英国俳優が集う。
                                (映画。com)
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米大統領選終盤 ユダヤ社会の支持は

2012-10-23 10:51:28 | 海外ネットワーク


  10月23日 おはよう日本


  アメリカ大統領選挙3回目のテレビ討論会は“外交”がテーマ。
  会場となるフロリダ州ではこの外交を材料につばぜり合いに勝利しようと
  ロムニー陣営が攻勢をかけている。

  最大の激戦州のひとつ南部フロリダ州。
  ロムニー陣営は勝敗のカギを握るとみて
  党大会の開催地に選ぶなどここを重視してきた。
  そのフロリダで終盤戦勝敗を左右する大きな要因になっているのがユダヤ社会の動き。
  オバマ大統領の演説が行われる建物の前では
  これに反対するユダヤ系の住民たちが集まって
  イスラエルのためにもロムニー氏だと訴えている。
  従来 民主党を支持する人が圧倒的に多いユダヤ社会。
  しかし今回は共和党のロムニー候補を支持するという人が少なくない。
  そのわけは外交政策である。
  オバマ政権がイスラム社会との融和を目指す政策をとってきたことが
  ユダヤ系住民からは母国イスラエルに厳しすぎると受け止められ
  不満が高まっている。
  ユダヤ系団体はこの最終盤にフロリダ州に数億円を投じて
  オバマ外交を批判するテレビ広告を流した。
  世界は謝罪ではなく強いアメリカを求めている

  ユダヤ系の人たちの間ではロムニー陣営に参加する人が増えている。
  マーシャ・スターンさんはこれまで民主党を支持してきたが
  今回初めて共和党のロムニー候補の支持に転じた。
  「オバマ大統領はイスラエルに冷たいわよね。」
  「アメリカは世界をリードしなくちゃいけないのにね。」
  (マーシャ・スターンさん)
  「オバマ大統領のイスラエル政策でいいことなんか一つもないわよ。」
  こうしたユダヤ社会の情勢が接戦が続くフロリダで
  ロムニー候補がわずかにオバマ大統領をリードする要因ともなっている。

  (米シンクタンク中東外交担当 マシュー・ダス氏)  
  「フロリダ州などでユダヤ人票は選挙の勝敗を分けるカギになりうる。」

  間もなく始まる最後のテレビ討論のテーマは“外交”。
  オバマ、ロムニー両候補は勝敗のカギを握るユダヤ社会の存在を強く意識しつつ
  激しい議論を繰り広げるものとみられる。

  
  
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閉塞感の中でのノーベル賞

2012-10-22 07:17:44 | 報道/ニュース


  10月14日 サンデーモーニング


  ノーベル賞は“日本が受賞した賞”と語った京都大学の山中信弥教授。
  日本中が大きな喜びを持ってこの受賞を受け止めた背景には
  日本が抱えるここ最近の不安だらけの状況がある。

  かつて日本が表彰台の常連だった国際数学オリンピック。
  しかし最近は総合ランキングも低下。
   国別順位 2009年  2位
          2010年  7位
          2011年 12位
          2012年 17位
   2012年 国別順位 1位韓国 2位中国 3位アメリカ
  日本の学力低下を懸念する声も聞かれる。
  高等教育のレベルを見ても年々海外留学者数が減少。
  海外に研さんの場を求める若者の数も減っている。

  世界の大学ランキングでも日本の大学の順位は少しずつ下落。
    2012年QS大学ランキング
     1位 マサチューセッツ工科大学
     2位 ケンブリッジ大学
     3位 ハーバード大学
    30位 東京大学(2007年17位)
    35位 京都大学(2007位25位)
  特許の出願件数や注目度の高い論文の数といった数字についても
  頭打ちだったり他の先進国に抜かれるといった状況である。
  加えて日本の研究環境の悪さや研究資金の不足もしばしば指摘されており
  こうした状況を嫌って環境に恵まれた海外
  とりわけアメリカへの頭脳の流失も続いている。
  2008年のノーベル物理学賞受賞者 南部陽一郎さんはアメリカ国籍を取得。
  同じ年 化学賞を受賞した下村脩さんの研究拠点もアメリカ。
  青色発光ダイオードの発明で世界的に有名な中村修二さんも
  やはりアメリカにわたっている。
  
  今回のノーベル賞受賞とは裏腹に将来が不安な日本の学術研究。
  さらにこうした分野にとどまらずここ最近は
  日本の国力そのものの低下を感じさせるデータも増えている。
    国際競争力ランキング(世界経済フォーラム)
     2010       2011       2012
     1スイス      1スイス      1スイス
     2スウェーデン  2シンガポール  2シンガポール
     3シンガポール  3スウェーデン  3フィンランド
     4アメリカ      4フィンランド  4スウェーデン
     5ドイツ       5アメリカ     5オランダ
     6日本        6ドイツ      6ドイツ
     7フィンランド    7オランダ     7アメリカ
     8オランダ      8デンマーク   8イギリス
     9デンマーク    9日本       9香港
    10カナダ      10イギリス    10日本 
  大きな要因として挙げられるのが膨大な財政赤字や経済の低迷である。
  そこに追い打ちをかけるかのような
  去年の東日本大震災と福島第一原発事故。
  領土をめぐる混乱ぶりにも日本の国力低下が影を落としているようにも見える。
 
  そんな日本の状況を揶揄するかのような風刺画が
  先日 中国のチャイナ・デイリー紙に掲載された。
  日の丸のハチマキにメガネをした年老いた男性は痩せ細った腕に筋肉はなく
  星条旗の袖から出た手が皮をつまみあげる。
  活力を失った日本をアメリカという黒子が支えているように皮肉っている。
  一方 アメリカ大統領選では共和党のロムニー候補まで
  日本を名指ししてその衰退を口にしたのである。
  (共和党 ロムニー候補)
  「我々は日本ではない。
   10年あるいは1世紀にわたる衰退と苦難に陥っている国に
   なるつもりはない。」

  世界が指摘する日本の国力低下。
  しかし必ずしも悲観するものではないと語る専門家もいる。
  (IT生命誌研究館館長 中村桂子さん)
  「日本の国力を高めるためには
   人を大事にすること。
   ところがこの20年くらい人を大事にしなくなった。
   お金や便利さがありさえすれば人は幸せになれると信じてきた。
   1人1人の力を生かしていかなければならない。
   それを国力と呼びたいし
   その国力を作る能力は日本に十分ある。」

  数多くの挫折を乗り越え今回のノーベル賞受賞に至ったという山中教授は
  日本の国力について語る。
  「日本は言うまでもなく天然資源は限られているが
   しかし研究成果、知的財産は無限に生み出すことができるし
   それが国の大きな力になる。」

  
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エチオピアの魅力 世界に発信

2012-10-21 08:34:31 | 海外ネットワーク


  10月13日 海外ネットワーク


  マラソン王国のエチオピアは数々の名ランナーを輩出してきた。
  干ばつによる飢饉などに苦しんできたが
  政治が安定してきたことで外国からの投資が増え
  都市部を中心に急速には転している。
  経済成長率は8年連続で10%を超え
  首都アディスアベバでは空前の建設ラッシュが続いている。
  
  2年前にバッグの小さな工房がアディスアベバにつくられた。
  工房を作った鮫島弘子さんはエチオピア人の革職人11人と働いている。
  (鮫島弘子さん)
  「エチオピアのものがこんなにいいんだ。
   こんなにいい製品でこんなにいい皮のものがあるんだって
   可能性があるなと思う。」
  鮫島さんが魅力を感じたエチオピアの羊の皮。
  標高3,000mの高地で育つエチオピアの羊の皮は
  薄くて柔らかくしかも丈夫で品質は世界最高水準と言われている。
  工房の設立はタイミングにも恵まれていた。
  従来 羊の皮は多くが加工されることなく国外に輸出されていたが
  政府が4年前に皮産業の育成に乗り出した。
  その結果 バッグの材料になる質の高いなめし皮が
  エチオピア国内で手に入るようになったのである。
  
  鮫島さんがエチオピアを初めて訪れたのは10年前。
  デザイナーをしていた化粧品メーカーを退職し
  工芸品のデザイン講師として青年海外協力隊に参加したときだった。
  出会った人の多くが先進国からの援助に慣れ
  働く意欲を失っていたことに当初失望したと言う。
  しかし一つの出会いをきかっけにその考えは変わった。
  現在共同経営者として鮫島さんを支える革職人 ヒルト・ゼレケさんとの出会い。
  夜通しで作品を仕上げるヒルトさんに心を動かされ
  ここで彼女とものづくりをしていきたいと強く感じたということである。
  「一生懸命作っているのを見て
   1個作ったものがすごく大切にされる。  
   こういう世界観のものづくりをしていきたいし
   世界観を発信できるようなブランドにしたいなって。」
  (革職人 ヒルト・ゼレケさん)
  「弘子と仕事をするのはとても素晴らしいわ。
   彼女のデザインは新しくすてき。
   難しいし時間もかかるけど私たちは大好きなの。」

  エチオピアらしいデザインを打ち出したい。
  そこでモチーフにしたのは名物のフルーツジュースのチマキ。
  3つの層になったジュースをイメージしてバッグの基本となるデザインを考えた。
  新たなデザインへの準備も進めている。
  1700年の伝統があるキリスト教の一派のエチオピア正教の十字架。
  エチオピア正教の十字架は教会や地域ごとに違いデザイン性に富んでいる。
  これを新たな製品のデザインに生かそうと考えている。
  「すごく独特でおもしろい。
   そういうところに色々とインスピレーションをもらっている。」

  鮫島さんは工房を開いた2年前から職人たちを育ててきた。
  しかし求める水準に届かなかったため日本での販売を1年延期。
  今年4月からようやく販売が始まったが
  高い品質を維持することは簡単ではない。
  妥協をせず職人に直接ダメな点を伝える。

  鮫島さんはヒルトさんとアディスアベバの集合住宅で生活している。
  生活費を節約するためである。
  ふたりの目下の課題は生産量を増やすことである。
  それには新しい職人の育成が欠かせない。
  時間がかかっても育成に力を入れていくことにしている。
  「品質を維持しながら量産するのは難しいわ。」
  「少しずつね。
   卵だって産んですぐには歩かないっていうものね。」
  (鮫島さん)
  「みんな本当に援助で食べさせてもらったりしなくても
   自分たちで働くことができる。
   だけど働くチャンスが日本より少なかったりして
   そういう人たちと一緒に仕事をすることが私にできることなのではないか。
   製品を通してエチオピアが持っている美しさや可能性を伝えたいなと思う。」

  高い経済成長率だが地方に行くとインフラの整備も遅れている。
  まだまだ世界最貧国のひとつで国際的な援助に頼っているのが実情である。
  それだけにこうした自立や産業の振興につながる活動は重要である。

  


  
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アフガニスタン“奇跡の小麦”物語

2012-10-20 19:54:43 | 海外ネットワーク


  10月13日 NHK海外ネットワーク


  アフガニスタンはかつて農業立国だった。
  小麦は乾燥に強い在来種のおかげで100%近い自給率だった。
  しかし長引く戦乱で小麦畑は荒れ果て
  農家の多くも国外に避難したため生産量は激減した。
  (小麦農家 アサドゥラさん)
  「40年前はあたり一面小麦畑だった。
   生産量も多かった。
   子どもも畑仕事を手伝ってくれていい思い出もたくさんある。」

  アフガニスタン北部で代々小麦を栽培してきたアサドゥラさんは
  戦火を逃れ隣国パキスタンへ避難していたが
  9年前に帰国し小麦づくりを再開した。
  (小麦農家 アサドゥラさん)
  「カルザイ政権が誕生し
   国際社会が農業を支援してくれると聞き期待していた。」
  しかしいざ栽培を始めると思わぬ壁にぶつかった。
  (アサドゥラさん)
  「これがアメリカから提供された種子。
   水があればよく育つがここは水が少ないので育ちが良くない。」
  アフガニスタンは雨が少なく大半の畑でかんがい施設が整備されていない。
  乾燥に弱い品種だったため見込んでいた量のわずか2割しか収穫できなかった。
  子ども7人を抱えるアサドゥラさんは
  このままだと乾燥に強く高値で売れる麻薬の原料のケシの栽培に
  手をださざるを得ないと考えている。
  (アサドゥラさん)
  「小麦を栽培し続けても十分な稼ぎは得られない。
   政府や国際社会の新たな支援がなければケシ栽培をするしか生きる道はない。」

  青々とした小麦が一面に広がる昔のような風景は二度とみることはできないのか。
  ところが思いもよらぬ場所から希望の光が差し込む。
  アフガニスタンから約6千キロ離れた日本の横浜市立大学。
  「ここにあるのがアフガニスタンから1955年に採ってきた小麦の遺伝資源。
   それがすべて穂の形で保存してある。」
  半世紀以上前にアフガニスタンで採取された在来種の小麦が保存されていた。
  この小麦は1955年に
  小麦のルーツを探るためアフガニスタンを訪れた日本の探検隊が採取したもの。
  アフガニスタン全土をくまなく回り
  500種類近い小麦を日本に持ち帰っていたのである。
  保存と研究の責任者である横浜市立大学 坂智弘教授は
  持ち返った小麦なら今のアフガニスタンの環境でもでも適応できるはずだと考え
  現地での栽培に乗り出した。
  (横浜市立大学 坂智弘教授)
  「戦争・内戦ですべてなくしてしまったアフガニスタンに何ができるのだろう。
   研究を現場に戻す。
   役立たせたい。」
  去年11月 アフガニスタン政府と協力して初の種まきを行った。
  蒔いたのは保存されていた小麦から増やした342種類の種子。
  一粒でも多く順調に育った欲しいと祈るような思いで収穫の時を待った。
  それから約8か月後
  青々と大きく育った小麦と一方で病気にかかって変色した小麦もあった。
  それでもほぼすべてが順調に育った。
  現地のスタッフたちは実の大きさや量など生育状況を確認した。
  (現地スタッフ)
  「小麦がまたアフガニスタンに戻ってきた。
   感激している。」
  坂教授も収穫に合わせて現地を訪問。
  予想以上の成果が上がったと報告を受け手ごたえを感じた。
  来年からは
  病気や乾燥に強く実をたくさんつけるものを交配させ
  新たな品種の開発を始める。
  (横浜市立大学 坂智弘教授)
  「干ばつに強く質の高い品種の遺伝子をかけあわせて
   “スーパー小麦”をつくりましょう。」
  (現地スタッフ)
  「ずいぶん時間がかかったが
   半世紀ぶりに在来種の小麦が復活して感激している。
   アフガニスタンと世界のためにこのプロジェクトをなんとか成功させたい。」
  
  乾燥した大地で力強く育った希望の小麦。
  坂教授はアフガニスタンの人たちに品種改良の技術を伝え
  この小麦を全土に広げてほしいと願っている。
  (坂教授)
  「大変なところでも食料・小麦が生産できて人々が食べられる。
   それが目指すところ。
   50年ぶりに小麦栽培の材料を返してそこから1歩進めた。
   それは最初の1歩であり
   これから10年20年の最初のステップなのかなと感じている。」

  アフガニスタンの治安回復の兆しは見られない。
  それが復興の妨げとなっている。
  日本は農業分野を中心に支援を続けてきた。
  小麦以外にも稲作の技術指導も行っていて
  JICAによると試験場でのコメの生産は3倍に増えたということである。
  人材育成にも力を入れており留学生の受け入れも行っている。
  そうした支援が実を結び
  再び緑豊かな国になるかどうか
  治安の回復にかかっている。


  
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