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しゃにむに居座り続けるほど、首相の椅子はそんなに良いものか

2011-07-04 11:38:15 | 編集手帳



  7月1日付 読売新聞編集手帳


  初夏、ホトトギスがキョキョキョと鳴く。
  「てっぺん欠けたか」「特許許可局」…日本人はその声を、さまざまに聞きなしてきた。
  “新説”を『読売歌壇』より。
  〈聴き做(な)すに特許許可局とは鳴かでドッキョコリタカ独居懲リタカ〉(板坂寿一)

  選者、小池光さんの評に「鳥は変わらず、人の耳が変わる」とある。
  2年前に掲載された一首だが、
  発表された2010年国勢調査の集計を見ると、
  いよいよそう聞こえてきそうである。

  一人暮らしの世帯が31・2%と3割を超え、
  夫婦と子供の世帯(28・7%)を初めて上回った。
  少子高齢化の落とす影が、
  また少し濃くなったようである。

  子育て支援も一項目に含む「社会保障と税の一体改革」政府・与党案がきのう決まったが、
  政権の金看板に据えた改革のはずなのに、
  菅首相は閣内からの反対論を恐れて閣議決定を見送るという。
  計略のつもりであったにせよ、
  陣を表明した首相の求心力とはこんなものだろう。

  しゃにむに居座りたいほど、
  首相の椅子とは座り心地の良いものなのだろうか。
  やがて蝉(せみ)の声が「ツクヅクオイシイ」と答えてくれそうな気がする。
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