7月25日 おはよう日本
東京渋谷区にある出版社の屋上。
2週間に1回通っている大学生たちがいる。
撮影しているのは新国立競技場である。
2年間に撮り溜めた写真は街の景色が変わりつつあることを感じさせる。
前回のオリンピックでも東京の町は大きく変貌を遂げた。
都心の丸の内・銀座は戦後の高度経済成長で大混雑。
そこで新宿・渋谷などの副都心が開発された。
これらを結ぶ高速道路なども整備。
東京の骨格ができあがったのである。
2度目のオリンピック
東京はどう変わろうとしているのか。
50年前に形作られた東京の町はいま
時代に合わせて再び変わろうとしている。
中でもその姿を大きく変えようとしているのが丸の内周辺エリア
そして有明・豊洲などの湾岸エリアである。
日本を代表するオフィス街 東京丸の内周辺エリア。
変化のキーワードは“おもてなし”である。
いま街には外国人観光客やビジネスマンが急増。
そこでホテルや商業施設の開発が相次いでいる。
去年開業したキッチンや洗濯機が付いた長期滞在型のホテル。
都心では珍しい日本旅館もオープンした。
新たな東京の顔として世界にアピールしようとしている。
(三菱地所)
「“脱オフィス”で商業や文化的な機能を取り入れることで
働く人だけではなくそれ以外の方々にも来てもらえる街にしていきたい。」
さらに劇的な変化を遂げているのが豊洲・有明などの湾岸エリアである。
埋め立て地でかつては工場などが立ち並んでいたこの地域。
いま今高層マンションの建設が相次ぎ
この5年で人口は20%以上増加した。
中心にある豊洲駅は 1日平均21万人が利用する混雑ぶり。
鉄道会社は協力するとポイントが得られる時差通勤を呼びかけている。
(東京メトロ)
「ほかの駅ではなかなか見られない状況。
さらに再開発も進んでいるので予想しきれない。」
街で目立つのはベビーカー。
子育て世代もどんどん増えている。
今年4月には小中一貫校も新たに開校。
630人の全校生徒は5年後には倍以上に増える見通しである。
4年前に引っ越してきた一家。
銀座までわずか15分という近さと見晴らしの良さ。
27階のベランダから建設中の水泳の競技場が見える点も気に入っている。
「日常の中にオリンピックがある。」
オリンピックをきっかけに代わる町のこれからが楽しみだと言う。
「身近に感じますね。」
「日常の中にオリンピックがある。
そんな感じ。」
オリンピックをきっかけに変わる街のこれからが楽しみだと言う。
「町が1週間2週間ごとに来るたびに違うので
交通の便もよくなったり
生活もしやすくなるのかな。
街がどうなっていくのか
すごく楽しみですね。」
街には新しいサービスも浸透している。
有明に住む男性が自慢の愛車で向かった先は銀座。
自分が使っていない間マイカーを有料で利用してもらおうというのである。
ネットを通じてマイカーを共有するサービス。
都内でも湾岸エリアの住民の利用が特に多いという。
(サービスを利用する男性)
「新しい価値観を作りたい人や興味がある人。
そういう人が多いんじゃないかなと思います。」
急成長する湾岸エリア。
課題は住民同士のつながりである。
この日は盆踊り大会が開かれた。
(豊洲町会 会長)
「マンションの方なんですけど
祭りが大好きなんで
町会にもいろいろ協力していただいています。
お互いに理解し合ってコミュニケーションをとりながら
我々と新しい住民が一緒に取り組んでいきたいと思っています。」
新しい住民たちに積極的に運営に関わってもらう。
盆踊りに訪れた人は2日間で約4,000人。
湾岸エリアに新たな町が生まれつつある。
前回のオリンピックのときは都市に必要なインフラが公共事業として整備されたことで
街の姿が大きく変わった。
今回は商業施設やマンションなど時代のニーズに合わせて民間が作っていることが大きな特徴である。
2020年の東京オリンピックは成熟した東京の姿を世界に示す機会にもなりそうである。