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キューバ 新時代へ 市民生活は今

2015-03-31 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月15日 NHK海外ネットワーク


キューバはアメリカが半世紀以上にわたって厳しい経済制裁を科している。
そのため車の大半は革命前のアメリカ製か
革命後に輸入された旧ソビエト製である。
キューバの車事情からもこの国の波乱に満ちた歩みがうかがえる。
1959年のキューバ革命。
親米政権が倒されカストロ政権が誕生した。
新政権はアメリカとの国交を断絶。
当時のソビエトに接近し社会主義の道を歩み始める。
しかし後ろ盾だったソビエトが崩壊したことで経済は慢性的な不振に陥った。
国民の平均的な月給は今も3千円程度と言われる。
キューバが国民の暮らしを支えてきたのが配給所である。
食料や油などを求めて人々が訪れているが
経済の低迷で品物は大幅に減っている。
長引くアメリカの制裁で物資不足が続いている。
キューバがアメリカとの国交正常化に動いたのは経済を立て直したい狙いがあるからである。
「制裁はすべての市民に悪い影響を及ぼしている。」
制裁が解除された場合とりわけ勢いがつきそうなのが観光の分野である。
超大国アメリカと対峙してきた歴史がそのまま観光資源になるとみている。
ハバナの中心にある革命広場には
キューバ革命の中心人物 チェ・ゲバラの巨大な肖像画が描かれ観光客に人気の場所となっている。
(イギリスからの観光客)
「歴史や博物館に魅力を感じる。」
(ベラルーシからの観光客)
「特別な雰囲気にひかれる。」
革命博物館もキューバ革命を売りにした施設である。
革命直後の時代に使われた武器や先王器などが展示されている。
キューバが世界に誇るラム酒の製造過程を見学してもらう施設も
連日ヨーロッパなどからの人たちでにぎわっている。
国交正常化でアメリカからの観光が自由になれば売り上げはさらに伸びると期待を募らせている。
アメリカ人の訪問が増えるのをチャンスとして生かそうと準備を進める人たちがいる。
観光に携わる人たちを育成する専門学校では
このところ英語力を磨きたいという生徒が目立つ。
社会主義のキューバではこうした授業も無料のため
必要に応じて学ぶ期間や内容を決められる。
(生徒)
「コックになる勉強をしている。
 英語は胎児なので学んでいる。」
(英語教師)
「キューバではもともと英語に興味を持っている人が多かった。
 観光の仕事に就きたい人も多く英語を話せないとだめだとわかっている。」
キューバでのビジネスを拡大しようとすでに動き始めているアメリカ人もいる。
フロリダ州で牧場を経営するジョン・ライトさん。
ハバナ市内のホテルに拠点を設け
畜産だけでなく観光業への進出にも意欲を見せている。
(ジョン・ライトさん)
「将来的には自由貿易や観光クルーズなど様々なビジネスの機会が広がる。
 観光と農業で大きなチャンスがある。」
アメリカの観光業への進出を迎え討とうとしているのが
社会主義を通じた友好国としてキューバでの実績がある中国やロシア系の企業である。
観光客の移動の足となる大手のバス会社はいずれも中国との合弁企業。
中国系の旅行会社を経営するワン・チェン社長。
キューバの国営企業と提携し観光客を受け入れてきた。
約20年にわたって市場を知り尽くした強みはアメリカ相手でも揺るがないとしている。
(中国系旅行会社 ワン・チェン社長)
「長年仕事をしてきたので有利。
 競争相手には負けない。」

社会主義のキューバでは原則すべての職業は国営で公務員が行うことになっているが
ここ数年 政府が許可すればレストランやお土産屋など個人でもできる職業が増えている。
街にはアメリカとの国交正常化を控え毎日のように新しい店がオープンしているのがみられる。




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ベトナム 時代の流れで変わるイラスト

2015-03-30 07:30:00 | 報道/ニュース

3月14日 おはよう日本


ベトナムの町中で見かける色鮮やかな看板。
フランスに勝利した“ビエンビエンフーの戦い”から60年を記念したイラストである。
こうした看板でベトナム政府は国民に政策を宣伝したり協力を呼び掛けたりしている。
ベトナムでイラストを国威発揚に使い始めたのは“独立の父 ホー・チ・ミン”と言われている。
ホー・チ・ミンは1940年代の植民地時代に民衆の団結を呼びかけた絵を描いた。
時代を映し出す作品たち。
“ニクソンよ 血で償え!”はベトナム戦争中に士気を高めるために描かれたもの。
“1975年 統一の春”は戦争終結と南北ベトナムの統一を祝ったもの。
ベトナムには各地方の政府に少なくとも1人
全国では700人以上の政府専属画家がいる。
イラストの特徴は色鮮やかな色彩とシンプルな構図。
そして簡潔な文言。
こうすることで国民にメッセージが明確に伝わると言う。
(元政府専属画家)
「こうしたイラストは新聞などと違って一目で内容がわかるのが強みです。
 政府にとってはメッセージを伝えるうえで一番効果的な手段です。」
しかし70年以上にわたり国威発揚に利用されてきた政府によるイラストは
最近は存在感が薄くなっている。
首都ハノイにあるギャラリー。
並べられているのは1950年代~80年代に政府が各地に掲示していたイラストである。
かつて国民を鼓舞したイラストは
今はノスタルジックなお土産として外国人が買い求めるものにになってしまった。
(観光客)
「シンプルだけど味があるね。
 リビングやキッチンにちょうどいいよ。」
政府のイラストに代わって最近大通りで目立つようになってきたのが企業広告である。
(市民)
「いい場所には政府の宣伝を見かけなくなりました。
 企業の広告ばかりになりましたね。」
「チラッと見るぐらいで政府のイラストには関心ありません。」
さらにインターネットの普及で
イラストは個人の意見を発表する手段になっている。
企業広告のイラストレーター ホアン・アイン・ドクさんは
経済的に豊かになるにつれ人々のモラルが低下していると感じてきた。
(イラストレーター ホアン・アイン・ドクさん)
「従来の政府の宣伝ではなく
 個人の意見を発信するイラストを描きたいと思っています。
 それは社会問題に対して自分の意見を表現するためのものです。」
ドクさんは仕事の合間に社会問題などを扱ったイラストを毎日1枚ずつ描き
インターネットに投稿を始めた。
道端に平然とゴミを捨てた女性に怒りをおぼえて描いたイラスト。
いくら着飾ってもゴミ袋のように中身が空っぽではだめだというメッセージである。
(ホアン・アイン・ドクさん)
「自分たちも同じような怒りを覚えたことがあるという反応がたくさんありました。」
去年5月 南シナ海で中国とベトナムの船が衝突し中国に対する抗議デモが広がった。
ドクさんが描いた中国をけん制する一方で必死に抑える警備隊のイラストは
特に大きな反響を呼んだ。
“国内での衝突は何も生み出さない 仕事に戻ろう”と呼びかけた。
抗議デモの対象が外国企業に飛び火していく中でいち早く自制を促したと
このメッセージに多くの人が共感した。
新聞にも大きく取り上げられ
この絵を印刷して張り出した工場もあったという。
(ホアン・アイン・ドクさん)
「投稿を見た人たちがデモや暴動に参加しないようインターネットで呼びかけてくれたんです。
 ユーモアたっぷりに描くことで
 笑いながら社会問題について考えてくれればと思います。」
政府からのメッセージを人々に伝え続けてきたイラスト。
国の統一から40年を経て
メッセージの送り手は政府から市民に移りつつある。


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“あの日”の星空 記憶を胸に

2015-03-29 07:30:00 | 報道/ニュース

3月13日 おはよう日本


東日本大震災の起きた4年前の3月11日の夜
被災した地域ではこれまでにないほど多くの星が輝いていたことをご存じだろうか。
当時被災した多くの人たちが様々な思いでこの星空を見つめていた。

仙台市にあるプラネタリウム。
震災が起きた日の被災地の星空を再現したプログラムが上映された。
あの日星空を見た人たちの記憶が紹介されている。
余震の恐怖に震えながら
いつでも外に出られるように服を着たまま
ずっと空を見ていた
なんでこんなに星がきらきらときれいに輝いているんだろう
こんな大きな災害のあった夜なのに
4年前の3月11日
宮城県は地震による停電がほぼ全域で続いていた。
さらに昼間は降り続いていた雪がやみ
空気がとても澄んでいた。
停電と気象条件が偶然重なり
被災地の空にこれまでにないほど多くの星が現れたのである。
一度に多くの人の命が奪われた日。
被災した人たちはどんな思いであの星空を見上げていたのか。
プログラムを制作した天文台は体験談を集めた。
(津波で夫を失った女性の手記)
流れ星は
天国へ向かう魂なのだというエピソードがふと頭をよぎり
その多さに耐えられなくなり目を伏せてしまいました
あれほどつらい星空は
これまでもこれからも
決して見ることはないだろうと思っています
(母親の行方を捜していた女性)
千年に一度の天変地異に突き落とされた私たち
それでもなお
そこから立ち上がるんだと
天の星々は溢れる光で私を奮い立たせてくれました
自らの体験を寄せた人の中に
あの日に感じたことを4年たった今あらためて思い起こしている人がいる。
仙台市の阿部美奈子さん。
地震の直後に近くの小学校に避難した阿部さんは
あまりの被害の大きさにしばらく途方に暮れていたと言う。
この先どうやて生活していけばいいのか
不安に押しつぶされそうになっていた阿部さん。
勇気づけられたきっかけは当時小学5年生だった次男の燿さんの一言だった。
(阿部美奈子さん)
「子どもがとても嬉しそうな顔で外から走って帰ってきた。
 『すごく星がきれい』って。
 大人は下を向いて不安しか感じない中
 どうして子どもは上を向けるんだろうって思いました。
 私が下を向いて泣いてはいけないんだなと思いました。」
あれから4年
燿さんは中学3年生になった。
この春 京都の高校に進学することが決まっている。
大好きなサッカーを続けるため強豪校を選んだのである。
仙台を離れる燿さんに阿部さんは伝えたいことがあった。
燿さんが仙台を離れる5日前
阿部さんはプラネタリウムを見ようと誘った。
頭上に広がるあの日の星空。
阿部さんがつづった思いが会場に流れる。
思い切って重い頭を上に向けてみた
するとそこに広がっていたのは
こぼれ落ちてきそうな星、星、星・・・
見たこともない美しい星空にためていた涙が一気にあふれ出した
子どもはこんな時でもそれに気づくことができるんだ
こんな悲惨な状況でも
美しいものや楽しいものを見つけられる素敵な子どもたちを
なんとしても守っていかねばと
弱気になっていた心に喝を入れられた
忘れられない夜だった

(阿部美奈子さん)
「苦しいときがこれからきっとたくさんあって
 下を向きたくなるようなことがあっても
 あの時も上を向いたんだっていうのを忘れないでいれば
 自分一人ででも上を向いていける。」
(阿部燿さん)
「こう母の本当の気持ちを知ってすごくうれしい。
 こういう風に思っていてくれたというのが本当にうれしい。
 あの日の星空をもう一度見て
 元気づけられた。
 力になる。」
プラネタリウムでおみがえったあの日の星空。
4年たった今なお震災を体験した人々の心に語り掛けている。


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月島3丁目 ビーラインカフェ (Beeline Cafe)

2015-03-28 19:39:46 | グルメ



 

 

ペット可

勝どき駅 徒歩2分
月島駅  徒歩7分

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みんな お供をして旅立ってしまった

2015-03-28 08:00:00 | 編集手帳

3月21日 編集手帳

 

ポスターの文字「上方落語」をプレイガイドの担当者は“ドカタ”落語と読み間違えたという。
桂米朝さんが初めて東京で独演会を催したときのこぼれ話を、
劇作家の大西信行さんが『落語無頼語録』(角川文庫)に書き留めている。

漫才人気に押されて絶滅寸前に追い込まれた過去が、
上方落語にはある。
古老を訪ねては忘れられた噺(はなし)を拾い集め、
現代に通じる笑いのセンスで洗い上げて高座にかける。
それを独力で成し遂げたのが米朝さんである。

研究者と表現者が別人ならば、
世に似た例はあろう。
動物学者として絶滅危惧種の蝶(ちょう)を幾つも再発見したのみならず、
みずから蝶に身を変じて美しく舞ってみせた人をほかに知らない。

〈人はみな吾(われ)と同じく祈るらんわが米朝の命ながきを〉。
歌人の吉井勇が八代目桂文楽に寄せた一首を借りて“米朝版”に改変してみたが、
落語ファンの誰もが抱いた願いであったろう。

米朝さんが89歳で死去した。
喜(き)ィ公(喜六)に清(せい)やん(清八)、
茶金(ちゃきん)の旦那(『はてなの茶碗(ちゃわん)』)から鞍馬の天狗(てんぐ)(『天狗裁き』)まで、
みんな、
お供をして旅立ってしまった。
そんな気がする。

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宗教指導者に聞く“ISの実像”

2015-03-27 07:30:00 | 報道/ニュース

3月11日 キャッチ!


アメリカ主導の有志連合による空爆やイラク軍など地上部隊の攻勢を受けながらも
勢いを保ち続けているIS(イスラミックステート)。
そのISを含めイスラム教徒の8割以上を占めているのがスンニ派である。
カイロの中心部にあるアズハルモスクは10世紀に建てられた。
そのモスクと大学、
研究機関を束ねる宗教機関が「アズハル」である。
イスラム教スンニ派の最高権威とされ
穏健派イスラムの総本山といわれている。
そのアズハルのトップがアハマド・タイブ総長である。
人々の生き方や考え方にかかわる宗教的な見解を示す機関の指導者として
スンニ派諸国の指導者たちに大きな影響力を持っている。
(宗教機関アズハル アハマド・タイブ総長)
「ISは若者を集めえ危険な思想を植え付けています。
 彼らはイスラム教の思想と政治を代表しているとは言えません。」
世界中から2万人を超える外国人戦闘員を集め
イラクとシリアで勢力を広げてきたIS。
その指導者が去年イスラム国家の樹立を一方的に宣言したバグダディ容疑者である。
予言者ムハンマドの後継者でイスラム世界の指導者である“カリフ”を自ら名乗り
世界に衝撃を与えた。
ISはいま極端な宗教解釈をもとにどんどん過激化している。
イラク北部の博物館に侵入しメソポタミア文明の歴史的遺産を次々に破壊。
世界遺産の遺跡までも破壊し
すべては預言者の教えだと主張する。
(ISの戦闘員)
「予言者は偶像を破壊するよう命じた。」
異なる宗教の人々も迫害している。
ヤジディ教徒の女性たちを拉致し
7世紀の時代に存在した奴隷制を復活させたとして正当化している。
さらに日本人を含む外国人を人質に取って殺害するなど残虐行為を繰り返すIS。
タイブ総長はイスラムの教えとは全くかけ離れたテロ集団に過ぎないと指摘した。
(宗教機関アズハル」アハマド・タイブ総長)
「イスラム教は異なる宗教にも
 愛情・慈悲・許し・尊敬を唱えています。
 ISは仲間にならないものは不振入者で
 殺害すべきだと主張する。
 これは我々が考えるISの最も危険な部分なのです。」
イスラムの本来の教えとは相いれないテロ組織IS。
なぜこれほど極端な解釈に世界の若者たちが引き寄せられるのか。
タイブ総長は欧米諸国でおイスラム教徒への差別
そして中東諸国では経済成長とともに生まれた貧富の差が背景にあると説明する。
そうした社会に不満を募らせる若者たちが
平等な社会を実現した理想郷だと信じ
シリアやイラクのIS支配地域に向かうと言う。
(宗教機関」アズハル アハマド・タイブ総長)
「ISは欧米やアラブ世界で疎外された若者の状況を利用しています。
 若者たちはイスラムの解釈を誤り
 革命実現が信じられる場所に集まっているのです。」
しかしイスラムの正しい教えを浸透させ
過激主義の拡大を食い止める責任は宗教者にこそあるとタイブ総長は言う。
世界の100か国以上から留学生を集め宗教教育の中心地となってきたアズハル。
そのアズハルは今ISの危険思想の拡大に
かつてないほどの危機感を強めている。
タイブ総長は去年以降
コーランの誤った解釈をただすため」教育プログラムを見直したほか
各国の聖職者を招いた研修も増やし
過激思想の万円を防ぐ対策を始めたことを明らかにした。
(宗教機関」アズハル アハマド・タイブ総長)
「アズハルの教材を見直し
 テロ組織に関する情報や
 ISの思想への反論を載せました。
 また世界中で聖職者への研修も行っています。」
危険なテロ組織のせいでイスラム教へのイメージが傷つけられるほどの危機感。
タイブ総長は過激派組織の勢力を弱めていくには
世界中の聖職者や各国政府は手を携え
宗教や社会の問題をより深く考えていく必要があると指摘する。
(宗教機関」アズハル アハマド・タイブ総長)
「テロの脅威は中東だけでなく欧州にも及んでいます。
 世界中の人々が一致してテロに立ち向かうべき時だと感じています。
 国や個人の利益を棚上げにしてISの壊滅を優先させることが重要です。」
イスラム教の極端な解釈をもとに世界に脅威を広げるIS。
過激な組織に対抗しようという宗教者の模索が続く。

 

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ASEANラオスの経済潜在力

2015-03-26 07:30:00 | 報道/ニュース

3月10日 キャッチ!


インドシナ半島の中央に位置し
タイやベトナムと国境を接するラオス。
内陸にあるため開発が遅れていたが
域内各国を結ぶ経済回廊が整備され交通の要衝として発展。
1人当たりのGDPはカンボジアやミャンマーより高い約1,700ドル。
8%を超える高い経済成長を続けている。
このラオスを新たな投資先として検討しようと
ジェトロ(日本貿易振興機構)視察団が派遣された。
参加したのは中小企業の経営者など30人。
首都ビエンチャンから車で30分ほどのところにある工業団地を訪れた。
広さ110ヘクタール。
去年8月にラオス政府と台湾企業の共同出資によってオープンしたが
すでに35の企業の進出が決まっている。
電子部品メーカーなど3つの日系企業が進出している。
ラオス政府はここを含む2か所の工業団地を経済特区に指定。
進出企業に法人税の減免など特典を与え投資を呼び掛けている。
(工業団地 経営者)
「ここは交通の便がよく
 タイへの輸出に最適だ。
 経済共同体の発足でラオスの貿易はより活発になるだろう。」
次に視察団が訪れたのはラオス南部の中心都市サバナケット。
ここはミャンマーからベトナムまでの約1,400キロを結ぶ東西経済回廊沿いにある。
タイのバンコクまでは約670キロ。
車で10時間で行き来できる。
この町で操業する日系おもちゃ製造工場。
子ども向けの入浴剤とその中に入れるおもちゃを作っている。
350人の従業員の多くは
現金収入の少ない農家の出身で会社の寮に住み込みで働いている。
ラオスの平均賃金はタイの3分の1。
進出企業にとって大きなメリットになっている。
(従業員)
「前はこんなにたくさんの会社はなかった。
 基本給は約1万円だけど給料はさらに増えている。」
さらにラオスの大きなメリットはタイ語が通じること。
オーダーメードのかつらを作る工場。
この会社はタイに工場を持っているが従業員の賃金高騰化や高齢化に直面している。
そこで若い従業員が確保できるラオスに進出し
ベテランのタイ人の指導の下かつら作りを行っている。
この会社では新たに工場を建設し生産を拡大しようとしている。
現在はタイの工場を経て日本に出荷しているが
将来的にラオスでの一貫生産を目指している。
(アデランス 皆川伸彦さん)
「日本から直接オーダーを受けて
 日本に直接納品することを目指す。
 1,000人規模の操業状態で来年半ばに完成させたい。」
視察に参加した経営者たちはラオスに進出するメリットを感じている。(視察に来た経営者)
「タイ語が自由に通じて
 非常にタイ人と気質が似ている。
 タイ人の管理者がここにきて管理できる。
 タイとの互換性
 タイの子会社として進出するメリットを感じる。」
ジェトロでは去年7月 新たにビエンチャンに事務所を設けた。
(柴田哲夫所長)
「ひとつは地理的特性。
 メコンの要衝にあるということ。
 2点目はGDP成長率7~8%の高い成長率を維持していること。
 政治的社会的に安定している。
 そして自然災害が少ない。
 ただこのメリットを生かすも殺すも物流にかかっている。
 いかに国境を超えるコストと時間とリスクを抑えられるか。
 この国の将来を左右すると思う。」

首都ビエンチャンの日本人商工会議所には71の企業が登録していて
4年前の2倍以上に増えている。
すでにタイに工場を持っていて一部の生産工程をラオスに移す
タイプラスワンの企業が多くなっている。
タイの3分の1と人件費が安いこと
ラオスでは水力発電がさかんなため電力供給が安定していて
電気代もタイの半分程度と安い。
ジェトロのビエンチャン事務所には月に200人ほどが進出の相談に訪れているほどで
これからさらに進出企業が増えることが予想される。
ラオスの課題はまず物流。
経済回廊は整備されたものの
実際に走ってみると道路が一部で損壊していて通行に時間がかかるといったことはままある。
また行き来する荷物の量がまだ少ないため
物流コストが割高になってしまうのが現在の課題である。
それから各企業とも人材確保の難しさを口にしている。
もともとラオスの人口は700万人弱。
しかも工場で働いた経験のある人はごくわずか。
このため進出企業は働き手を農村に捜しにいかなければならない。
そして苦労して雇っても工場の仕事が合わないとやめてしまう人が多い。
2~4割の従業員が数か月でやめている。
どの企業も離職率を下げるため
自前で寮を整備するなど従業員を定着させるための環境づくりに苦労している。
ビエンチャンの街は中国語の看板が多い。
そして韓国や中国の車が多い。
ラオス政府によるとラオスへの投資額は
中国が日本の9倍
韓国が1,7倍となっている。
中国とラオスにはもともと長い経済支援の歴史があるだけでなく
最近は中国の開発業者が高層マンションの建設を進めるなど
ラオス経済に深くかかわっている。
韓国も自動車販売で低価格路線を打ち出しシェアを拡大している。
これに対し日本のラオスへの進出は今のところ製造業が中心で
業種に広がりがないと指摘されている。
今後ラオスでは外資企業の投資に対する規制緩和が進む見通しである。
こうしたチャンスを生かしASEANで利益を生み出す基盤を作ることができるのか。
日本企業にとっては高い情報収集力と迅速な経営判断が求められている。



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スペイン 台頭する新政党「ポデモス」

2015-03-25 07:30:00 | 報道/ニュース

3月9日 キャッチ!

 

今急速に支持を逢つけている政党「ポデモス」は
去年1月に結成されたばかりで
反緊縮策を掲げる急進的な左派政党として知られている。
podemos=私たちはできる
財政緊縮策に真っ向から反対して
インターネットを駆使した選挙運動で知名度を一気に上げた。
また各種世論調査の平均値では
去年11月にトップの与党国民党の支持率に追いつき
その後も2大政党に割り込む形で激しく争っている。
党員の数も見る見るうちに増えて今では35万人を超える規模になっている。
反緊縮策を掲げて今年1月にギリシャで誕生したチプラス政権への支持を表明していて
スペインでも年内に実施される予定の総選挙で
同じく反緊縮策のポデモス党がどれだけ得票を伸ばすのか注目されている。
スペインでは4人に1人がいまだに失業している状態で
25歳以下の若者層については50%以上の失業率が続いている。
ポデモス党の党首 パブロ・イグレシアス氏は36歳という若さで
スペインの名門マドリード・コンプルテンセ大学で政治学の教授を務めていた知識人である。
テレビの討論番組の司会者としても知られており
その知的なキャラクターが特に若者の間で人気を集めている。
(静岡県立大学 松森奈津子准教授)
「EUに対してもっと自立した政策を取り
 市民の声が反映される“本当の民主主義”を作ろう
 我々にはできると
 インターネットやテレビ討論などを利用し力強く訴える若々しい新鮮な政党が現れました。
 外見こそラフだけれども
 礼儀正しく理路整然と討論しクリーンなイメージを作り出しています。
 2011年5月にマドリードで起きた大規模な抗議運動に端を発しています。
 この市民運動は主要なポストを独占してきた2大政党制や
 癒着してきた銀行などと決別し
 市民の手に政治を戻そうという主張に基づくもので
 その後スペイン各地で何度も起こる抗議運動のもとになりました。
 ポデモス党はこの流れの中
 2014年1月に30人の知識人による署名で結成されました。
 選挙を控えたこの時期に不正疑惑を攻撃されるのはポデモス党だけでなく
 与党国民党も裏帳簿問題などで追及されています。
 通常この時期であれば2大政党間でお互いに汚職問題などをたたき合い
 その他の政党が口をはさむといった状況ですが
 今回は2大政党やその他の諸政党が一致してポデモス党を攻撃しています。
 政権与党だけでなく諸政党にとって脅威になっているということだと思います。
 もしポデモス党が絶対多数の単独政権に就くことになれば
 民主化後のスペイン政治を大きく転換する政策を打ち出し
 国内の社会構造とEUをはじめとする外交関係において大きな変化が生じる可能性があります。
 なれ合いのようになってしまっている既存の政治文化を打ち破ろうとする点で
 ポデモス党に潜在的な意義を認めることができるかもしれません。
 実際の政権運用という点では
 政治家として経験の浅い党員たちが
 自分たちの理想を現実にうまくすり合わせていけるのか疑問が残ります。」

 

 

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大豆の確保も・・・ 日本の食を守れるか

2015-03-24 07:30:00 | ビズ プラス

3月8日 BIZ+SUNDAY

大手商社 伊藤忠商事。
大豆の輸入戦略を指揮する大北昌彦課長。
暮らしに欠かせない味噌や醤油などの原料である大豆の確保が難しい状況になっていると言う。
牛肉の消費が拡大するなか牛のエサとなる大豆を中国が大量に輸入しているためである。
この日向かったのは輸入大豆を使う大手みそメーカー ハナマルキ。
中国の影響で調達が難しくなっている現状を副社長に説明した。
(伊藤忠商事 大北昌彦課長)
「中国が買った後に買うと言っても本当に残っていない状況なので。」
(ハナマルキ 副社長)
「中国によって価格が
 我々が高いものを買わざるを得ない時代がもう足音を立てえ来るような気がしてしょうがない。」
世界の大豆を飲み込もうとする中国。
その影響で日本とアメリカの関係が変わろうとしている。
かつて世界一の大豆輸入国だった日本。
そのほとんどをアメリカから調達してきた。
しかしいま中国が輸入を拡大しその量は日本の20倍を超える年7,000万トンに達する。
アメリカが中国への輸出にかじを切るなかで大豆の安定確保が難しくなっている。
日本の商社が新たな調達先として注目しているのが南米ブラジルである。
ブラジルに駐在する伊藤忠商事 前田憲哉さんが訪ねたのは
年間20億を売り上げ「大豆王」と呼ばれるブザットさん。
大豆を作っている畑の広さは東京ドーム5300個分。
しかしここにも中国が手を伸ばしていた。
(ブザットさん)
「俺の大豆は大半が中国向けだ。
 彼らはとても積極的だよ。
 偉大な買い手だ。
 俺たちは大歓迎さ。」
ブザットさんはアメリカや中国系の企業と大豆の取引を行っている。
大豆が世界でひっ迫する中で価格決定の主導権を握っている。
アメリカの企業から買い付けの電話が入った。
(ブザットさん)
「60㎏21,10ドルで受け渡しが3月と4月だね。
 こちらの考えは大体22ドル。
 21,5から21ドルの間なら話をしますよ。」
先に注文が入っていた中国系の企業に断りの電話を入れる。
「20,80ドル?
 それはまた安いな。
 また何かあったら連絡してください。
 ではまた。」
自分で決めた価格以外では売らない。
強気の交渉である。
(マルコス・ブザットさん)
「誰に売るかなんて決まりはない。
 みんな平等です。
 価格次第だね。」
前田さんは今後多くのライバルを抑え
大豆王に価格交渉で優位に立つ難しさを感じていた。
(伊藤忠商事 前田憲哉さん)
「中国企業を含めて競争はどんどん激しくなっていて
 新たなプレーヤーがどんどん出てきて
 そうなればなるほど僕らは買える機会は減って来るので
 危機は感じます。」 

 

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“食”に忍び寄る異変 震源地は“爆食中国”

2015-03-23 07:30:00 | ビズ プラス

3月8日 BIZ+SUNDAY


牛肉をめぐる争奪戦が世界で激化し値上がりにつながっている。
さらに牛のエサになる大豆の調達も難しくなっている。
味噌や醤油などが将来 充分に確保できなくなる恐れが出ている。
もしかしたら当たり前に食べているものが食べられなくなるかもしれない。
食をめぐる異変の震源は13億の人口を抱える中国。
きっかけは去年1月 中国政府が表明した食料政策の転換である。
人口の増加と経済成長による所得水準の向上から牛肉の消費が拡大。
国内の生産だけでは賄いきれず輸入額台に大きく舵を切ったのである。

牛肉の約6割を輸入に頼る日本。
その確保が難しくなるのではないかという危機感が広がっている。
牛肉を扱う商社  双日食料の池本俊紀部長。
主力商品は脂身の多いばら肉ショートプレートは牛丼やコンビニの弁当などに広く使われている。
これまでは安定して手に入れることが出来たが
中国の輸入拡大に伴い価格が上がり
必要な量を確保できない事態に直面している。
(双日食料 池本俊紀部長)  
「量を満足に買うことができない状況。
 日に日にひどくなる。」
この日 外食産業向けに牛肉を加工する業者に状況を説明した。
半年前は1キロ760円だったショートプレートが1、155円と5割も値上がりした。
(取引先)
「正直びっくりしました。
 ここまでとは。
 他国に買い負けて消費者に満足できる量が供給できなくなる時代が
 本当に来るのではないかと感じている。」
なぜ中国で急激に牛肉の輸入が増えているのか。
去年11月北京で開かれた食の見本市。
牛肉などの輸入拡大に政府が方針転換したことをうけ世界中のバイヤーが集まった。 
中国の1人あたりのGDPは消費が拡大するといわれる3,000ドルを超え
今や7、000ドルに達する勢いである。
食の西洋化が進み牛肉の消費が爆発的に増えている。
これまでほとんど牛肉を食べなかった地方都市でも消費は拡大いている。
北京から西へ500キロ 中国内陸部にある山西省の輸入牛肉を扱う加工場。
この工場ではオーストラリアから牛肉を輸入している。
加工が追い付かないため今年さらに施設を拡張する計画である。
牛肉の輸入で3億円を売り上げるバイヤー。
Q.牛肉がすべて中国に奪われてしまうと日本では心配しています
「それなら私から買えばいいじゃないですか。
 山西省に来ればいいわ。
 いくらでもありますから。」
中国で買い負ける状況が続く日本。
ショートプレートの確保が難しくなるなか
商社の池本さんが対策に乗り出した。
ショートプレートの代わりにこれまでひき肉用にしていた部位を使おうと考えたのである。
(双日食料 池本俊紀部長)
「食べたいものが食べられなくなることは絶対に起こってはいけない。
 それは非常につらいことだと思うので
 日本を守っていかなければいけないというのが私たちの使命だと思っている。


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オウム無差別テロの“あの朝”

2015-03-22 07:30:00 | 編集手帳

3月20日 編集手帳

 

その人は数年前、
東京都内の小学校から命を考える催しに招かれた。
児童たちの前で1枚の白い紙をくしゃくしゃに丸め、
静かに広げた。

「このシワはいくら伸ばしても消えません。
 これが犯罪被害者の心の傷です」。
高橋シズヱさ ん(68)である。
地下鉄サリン事件で、
霞ヶ関駅の助役をしていた夫(当時50歳)を奪われた。

オウム真理教による無差別テロから、
きょうで20年になる。
13人が亡くなり、
6000人を超す負傷者が出た。
たまたま乗った地下鉄で事件に遭い、
いまも寝たきりの人がいる。
深い傷痕は心にとどまらない。

宗教 に名を借りた犯罪者の集まりであること。
若者をたぶらかす術策を心得ていること。
人の命を虫けらのように扱って恥じないこと。
現在の世相に過去の悪夢を重ねて映す人もいるだろう。
いまもまた、
海外から届いたテロ事件の報道に心を凍らせつつ迎えた“あの朝”である。

〈あたまには電極立つる微電流たえずながせるむごたらしくも〉(小池光)。
オウムが洗脳に用いた電極付きのヘッドギアが詠まれている。
無数の白い紙をくしゃくしゃにした狂気を、
時空を超えて憎む

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夢を胸にかざして一歩ずつ

2015-03-21 07:30:00 | 編集手帳

3月18日 編集手帳

 

追っ手から逃れる必要もあってか、
江戸時代の遊(ゆう)侠(きょう)は皆、
歩くのが速かった。
三度笠(がさ)を胸に当て、
手を離して歩いても笠は落ちなかったという。
国定忠治にまつわる伝説を、
作家の子母沢寛が随筆につづっている。

速足で歩くことでみずから風を起 こし、
その風圧というピンでおのが胸に何かを留める。
昔の渡世人にとっての“何か”が三度笠であったとすれば、
その人が胸に留めたものは夢だろう。

競歩の国内レースで、
鈴木雄介さん(27)が世界記録を塗り替えた。
男子三日ならぬ三年会わざれば刮目(かつもく)して見よ。
3年前のロンドン五輪は36位に終わっている。
伸び盛りとは、
そういうものだろう。
いつか世界で金メダルをとって、
競歩の魅力を広めたいという。

両足が同時に地面を離れてはいけない決まりである。
〈駈(か)けるに駈けられぬその厄介な制約は、
 ちょうど夢の中で悪者に追いかけられるときの動きのようで…〉(講談社編『東京オリンピック 文学者の見た世紀の祭 典』)。
三島由紀夫は初めて見た競歩の印象をそう記している。

厄介な制約に耐え、
夢を胸にかざして一歩ずつ。
人生のような競技である。

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江東区富岡1丁目 モンナカーノ

2015-03-20 16:39:10 | グルメ



 

 

ペット可

地下鉄東西線 門前仲町駅 6番出口徒歩2分
都営大江戸線 門前仲町駅 6番出口徒歩2分 

 

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夢の新技術“ゲノム編集”

2015-03-20 07:30:00 | ビズ プラス

3月8日 BIZ+SUNDAY


生命の設計図 遺伝子を自在に操作する技術ゲノム編集がいま企業の間で注目を集め始めている。
ゲノム編集はたとえば食料の分野では
腐りにくいトマトや
養殖しやすいおとなしいマグロ
伝染病に付いブタなどが作れるとされている。
これまでになかった商品が生まれることで新たなビジネスにつなげることが出来る。
ゲノム編集の産業化を目指して国もプロジェクトを立ち上げている。

中央大学理工学部 原山重明教授。
ゲノム編集で新たなエネルギーを生み出す研究を進めている。
ライトの下で育てているのは内部に油を蓄えている特殊な藻。
乾燥させると油を取り出すことが出来る。
自動車の燃料にも使えると言う。
「バイオディーゼル(バイオ燃料)がこれから出来上がるということになる。」
とれる油の量をどう増やすか注目したのがデンプンである。
でんぷんの量が減れば油が増えると考えた。
そのためにはデンプンを作る遺伝子の機能をなくす必要がある。
しかしこれまでは遺伝子を狙い通りに壊すことは簡単ではなかった。
薬品や放射線にさらし何万回に1回成功するかの低い確率で
成功は偶然に頼ったものだった。 
そこで原山さんが注目したのは狙ったとおりに遺伝子を壊すゲノム編集である。
遺伝子の配列を読み取り性格にターゲットを切り込む技術。
原山さんは1万を超える遺伝子の中からデンプンを作る遺伝子だけを壊すことに成功した。
油の量は1,5倍に増えた。
(中央大学理工学部 原山重明教授)
「生産性という意味でかなりの効果が期待できる。
 水分変わっていくと思う。」
この研究に注目しているのが自動車部品メーカーである。
デンソーでは6年後に油を大量生産する技術を確立したいとしている。
(デンソー 基礎研究所 福田裕章さん)
「ここからバイオ燃料をつくる技術を作り
 日本の国内に広げていって
 できれば日本の中の燃料は日本で確保するといった世界を作りたい。」
アメリカではゲノム編集の技術が実用化の段階に入っている。
ゲノム編集によって肉の量が増えた牛。
暑さに強く世界中で飼育されているが肉が少ないことが欠点だった品種。
そこで筋肉の成長を抑えるミオスタチンという遺伝子に注目。
ゲノム編集で切り込みを入れ働かなくした。
牛の肉は腰回りを中心に通常の2倍に増えた。
今後 アジアや食糧難に苦しむアフリカに売り込む計画である。
この牛を作ったベンチャー企業はいま新たな品種 “角の無い乳牛”を開発している。
角を切るための膨大なコストと手間を無くし農家の負担を減らすねらいである。
乳牛から取り出した細胞をゲノム編集。
そこにもともと角を作らない肉牛の遺伝を入れると角の無い乳牛が生まれる。
すでにイギリスの大手畜産会社から出資を受けているということである。
(バイオベンチャー企業 ファーレンクルッグCEO)
「もう時代は変わった。
 遺伝子は神秘的なものではなくなった。
 私たちの目の前には大きな可能性が広がっている。」


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米女性 キルトに込めた思い

2015-03-19 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月8日 NHK海外ネットワーク


アメリカ中西部カンザス州で暮らす主婦のシンディ・パリーさんは
東日本大震災のことをアメリカの人たちにもっと知ってもらおうと活動を続けている。
(シンディ・パリーさん)
「みなさんも9.11のテロの時テレビから目が離せなかったでしょう。
 3月11日の東日本大震災も私にとって同じように大きな出来事でした。」
アメリカ人の父親と日本人の母親のもと日本で生まれたシンディさん。
小中学校の2年間は東京で過ごし
いまも大勢の親せきや友人が日本にいる。
東日本大震災が起きたときシンディさんの夫マークさんは仕事で大阪にいた。
すぐに電話で夫の無事を確認したシンディさん。
被害が大きいことを知り日本の新聞を持ち帰るよう頼んだ。
(シンディ・パリーさん)
「大震災のことが頭から離れなくなってしまった。
 日本で生まれた私にとって日本は大切な場所ですから。」
想像を絶する震災が起きたことに衝撃を受けたシンディさん。
長年 続けてきたキルトで震災の恐ろしさを表現しようと考えた。
キルト1枚作るのに3か月かかるが震災後はふるさと日本への思いからキルトの創作に打ち込んだ。
「この作品では津波であらゆるものが破壊されたことを表現した。」
当時 自分が受けた衝撃の大きさを伝えようと
夫が日本から持ち帰った新聞の紙面を布にプリントした。
右下には津波に襲われた日本を見て嘆く女性。
暗く悲しい色合いで押し寄せる津波を表現した。
(シンディ・パリーさん)
「津波が来たとき人々は何を思ったのでしょうか。
 あっという間に押し寄せた大きな波。
 逃げることもできない・・・。」
キルトを作る地被災した人への思いがますます強くなっていったと言うシンディさん。
去年11月 初めて被災地を訪れた。
大きな被害を受けた陸前高田市や気仙沼市などを回った。
(シンディ・パリーさん)
「自分の目で見ないといけないと思ったのです。
 1本の松が津波に負けずに『頑張ったよ』と立っている気がしました。」
シンディさんが復興への思いを込めて作ったのが作品は
陸前高田市の奇跡の1本松の力強さと
大船渡市に植えられた桜の木の話からアイデアを得た。
のぼっていく太陽と力強く咲く日本の花 桜。
新しい命が芽生える様子を現した。
シンディさんはこれまでに作ってきたキルトを通じてアメリカの人たちに震災のことを伝える活動を始めている。
(来場者)
「日本の大震災を知らない人に伝える良いきっかけになると思うわ。」
東日本大震災をモチーフにしたキルト。
シンディさんはこのキルトがアメリカと日本の架け橋になって
被災地への思いが広がってほしいと願っている。
(シンディ・パリーさん)
「日本が東北が復興することがどんなに大変か。
 何年もかかることでしょう。
 大震災を忘れてはいけない。
 そのことをアメリカの人にもわかってもらいたいのです。」

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