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“F1のホンダ” ベテラン技術者の思い

2019-05-31 07:00:00 | 報道/ニュース

5月9日 おはよう日本


ホンダF1開発責任者の浅木泰昭さん(61)。
手掛けるのは車のエンジンにあたるパワーユニット。
レーシングカーの心臓である。
2015年
ホンダはかつて黄金時代を築いたマクラーレンとコンビを組みF1に復帰した。
しかし厳しい結果が待っていた。
エンジンに関するルールが大幅に変更。
対応するために新たに開発したパワーユニットはパワーで他社より劣っていたぶん故障が続いた。
3年間で1度も表彰台に立てずマクラーレンとのコンビも解消。
そこで一昨年 再建を託されたのが浅木さんだった。
ホンダの黄金期のエンジンの開発
その後 市販車でも数々のヒットを生み出すなど
プロジェクトを成功させる手腕を買われて
数百人もの技術者が携わるパワーユニットの開発を指揮することになった。
(ホンダF1開発責任者 浅木さん)
「トップチームとのギャップが大きい。
 その差を突きつけられて
 これを今すぐどうっするんだと言われて
 みんな思考停止。
 どうやって勝つんだっけというところがはっきりしない中で
 やみくもに一生懸命やっているふうに見えた。」
開発の方向性を見失っていた若い技術者たちをどう導くか。
浅木さんはプロジェクトを整理して優先順位をつけるというところから始めた。
まず優先したのはレースを走りきれる耐久性の確保。
その次にかつての武器だったパワーアップを目指すという道筋をつけた。
(浅木さん)
「何年か後に追いついていく考え方にして
 今をベースに1歩ずつ進んでいく。
 地に足をつける
 考え方を変えることにした。」
性能が徐々に改善してレースで結果も出始めたことが評価されて
今シーズンからは過去4回総合優勝の強豪レッドブルレーシングと組むことになった。
すると開幕戦のオーストラリアGPでいきなり3位。
ホンダにとっては11年ぶりの表彰台だった。
トップドライバーからも大きな信頼が寄せられている。
(レッドブルレーシング マックス・フェルスタッペン選手)
「ホンダのチームはとても落ち着いている。
 その様子に僕は感動しているよ。」
浅木さんはF1の過酷な戦いを通して後輩たちにさらに成長してほしいと願っている。
(浅木さん)
「レースみたいに残酷なぐらい結果がわかりやすいところでないと
 責任があいまいなところだと逃げ道がある。
 レースという世界は人間を育てるのに適していると思う。」

 

 

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新空港開業 宮古市 空前の賑わいで・・・

2019-05-30 07:00:00 | 報道/ニュース

5月9日 おはよう日本


3月に開業した下地島空港。
成田空港を1日1往復する定期便の第1便が到着。
満席で乗客を運んできた。
今後 関西や香港を結ぶ便の就航も予定されている。
(乗客)
「LCCなんでとても安く来れましたから
 またぜひ来たい。」
「何度も来てるんですけど空から来るのは初めてなのでドキドキでした。
 海を見てゆっくり過ごす予定です。」
新たな空港の開業で観光客の増加や地域の活性化が期待される宮古島市。
市内を訪れる観光客は右肩上がりに増え
昨年度 初めて100万人を突破。
5年前の3倍近くにのぼっている。
こうしたなか建設ラッシュとなっているのがリゾートホテルである。
今後10以上のホテルやコテージの建設が予定されている。
市の南部にリゾートホテルやゴルフ場を展開する南西楽園リゾート。
現在 敷地内ではホテルの建設が進められている。
この会社ではさらに今年度中に2つの宿泊施設を建設する予定である。
(南西楽園リゾート)
「入域観光客数が200・300万人というのは空港の開港以降すぐ到達してくるのでは。
 このタイミングで整備をしっかりしていくという必要性がある。」
一方 観光需要の高まりに供給が追い付かないという側面も出てきている。
市内中心部の繁華街では賑わいを見せる反面
飲食店に入店できない人が続出している。
(来店客)
「最近特に多い。
 ずっといっぱい。」
(地元の人)
「6軒目。
 ようやく飲めるなって感じ。」
特に深刻なのが住まいの不足である。
市内の不動産仲介の会社では入居を希望する人が200人以上にのぼっている。
ホテルの建設ラッシュのなか
県外からも含め大勢の工事関係者やホテルの従業員が賃貸物件を必要としているため
空き物件はほとんどなく家賃も高騰している。
(たけちゃんほーむ 社長)
「本来宮古島の1Kは家賃の相場が4万くらいなんですけど
 那覇の新都心であれば6万くらい
 宮古島で8万。
 ありえないくらいの現象が起きています。」
地元の人が引っ越したくても引っ越せなかったり
出身者が地元に戻りたくても戻れなかったりする状況も生まれているという。
(たけちゃんほーむ 社長)
「地元の人からするとたくさんの人が入ってくるのは
 観光地になるのはうれしいと思うんですけど
 地元の人がかわいそうなくらい入れないくらいに家賃が上がっている。」
下地島空港の開業でさらに高まる観光需要。
地域の活性化への期待の一方
生じる課題を解決していくことも求められている。






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南アフリカ 「虹の国」はどこへ

2019-05-29 07:00:00 | 報道/ニュース

5月8日 国際報道2019


1994年 南アフリカ マンデラ大統領(当時)
「黒人も白人も胸を張って歩ける人間の尊厳が保証された社会
 虹の国を作ることを約束する。」
南アフリカでは黒人解放運動の闘士ネルソン・マンデラ氏が
アパルトヘイト(人種隔離政策)を撤廃して
誰もが平等に暮らせる「虹の国」を宣言した。
それから25年
マンデラ氏の理想を受け継いで政権を担い続けてきたANCが逆風にさらされている。
新興国として注目される南アフリカだが
いぜん多くの黒人が貧困に苦しみ
白人との経済格差が大きいほか
相次ぐ汚職事件などで国民の間ではかつてないほどANC(アフリカ民族会議)への不満が高まっている。
こうしたなか
白人農家の土地の収用など急進左派的な主張を掲げるEFF(経済的開放の闘士)が
ANCへの批判を繰り返し
若者を中心に支持を伸ばしている。
(野党EFF マレマ党首)
「白人よ 富の独占はさせない。
 もしわれわれ黒人との富の共有を拒むなら破壊してやる。」
(南アフリカ ラマポーザ大統領)
「ANCのメッセージは“国の結束”だ。
 憎しみは持ち合わせていない。」
いつまでたっても縮まらない白人と黒人の経済格差への怒りがある。
世界銀行の統計によると
南アフリカは地球上でもっとも経済的に不平等な国である。
それとともに25年前にマンデラ氏が黒人初の大統領になって以来ANCが進めてきた人種の融和路線への批判が出ている。

南アフリカで最も長い歴史を誇る名門ケープタウン大学。
大学の中心部にはかつてイギリス植民地時代にこの地域を支配した」セシル・ローズの像があった。
しかし4年前大学当局はこの像を撤去した。
今も続く白人優位の社会・経済を象徴していると黒人の学生たちが批判したからである。
像の撤去を呼び掛けたソミヤさん。
ソミヤさんは白人政治家の名前を冠した大学の施設などもついて
名称の変更を求める運動を行っている。
イギリス人の名前が付けられているホールも
ソミヤさんたちの働き掛けで
かつて白人によって奴隷にされた黒人女性の名前に変えられることになった。
(ソミヤさん)
「民主的で自由な南アフリカを目指しているのに
 いつまでも欧州の圧政と植民地主義の歴史が押し付けられるのはおかしい。」
しかしこうした動きに白人の学生団体から反発が出ている。
団体の幹部ピーターズさん。
植民地主義を擁護するつもりはないというが
自分たちの伝統や文化が消し去られようとしていると憤っている。
(ピーターズさん)
「まるで白人の歴史を削除して書き直しているかのようだ。
 現政権の汚職や経済政策の失敗を隠すためやり玉にあげられている。」
黒人と白人のあいだの分断は今や南アフリカの社会全体に広がっている。
1600世帯が暮らす住宅街。
住民どうしの取り決めで
事実上 白人しか暮らせない。
さらにこの住宅街の中では独自の金券が発行され
黒人と白人の共存を掲げる政府と一線を引こうとしている。
この住宅街の物件を販売する不動産会社には
いま入居希望者がひっきりなしに見学に訪れている。
この住宅街に一昨年引っ越しt北ドゥトイトさん夫妻。
長年 黒人を雇って農園を営んできたが
その土地を手放してここへ移り住んだ。
この街は黒人を排除しているのではないかという問いに対して
夫妻は「自分たちの文化や価値観を大事にしたいだけだ」と答えた。
(リニー・ドゥトイトさん)
「誰にも邪魔されず穏やかに暮らしたいだけ。
 この国から“虹”は消えてしまったのです。」

 

 

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選手支えるタッパー 決め手はタイミング

2019-05-28 07:00:00 | 報道/ニュース

5月8日 おはよう日本


“タッパー”は競泳のプールサイドで棒を持つ人たち。
視覚障害のクラスでは
選手にターンやゴールのタイミングをたたいて知らせるタッパーが欠かせない。
鷲尾拓実さん(22)。
Q.見ていると軽快にたたいていますけれどどれくらいの強さでたたいていますか。
(タッパー 鷲尾拓実さん)
「やっぱり気づいてもらわないと困るので強めに。」
鷲尾さんがタッパーを務める富田宇宙選手。
パラ競泳 視覚障害のクラスで400メートル自由形など3つのアジア記録を持ち
金メダルが期待されている。
二人が出会ったのは2年前。
日体大の大学院に進学した富田選手が水泳部に入部。
当時マネージャーだった鷲尾さんが突然タッパーを命じられた。
Q.最初にタッパーをやってくれと言われたときはどんな気持ちだったか。
(鷲尾拓実さん)
「何も知らない状態だったので不安がもちろん大きかった。
 若干ふるえながら
 こんなんでいいのかなみたいな感じでたたいたのをよく覚えている。」
最初は試行錯誤の連続。
模索したのはタイミングである。
選手は壁までの距離がわからないためタッピングが遅いとけがにつながる。
しかし逆に遅いとタイムをロスすることになってしまう。
どのタイミングでタッピングするかがカギを握る。
鷲尾さんは1日6時間におよぶ練習で
富田選手が1本泳ぐたびにタイミングを確認。
たどりついたのがラストひとかき。
タッピングした後 残り1かきで壁に着くタイミング。
するとスピードを最後のぎりぎりまで生かすことができる。
ただ泳法や体調によって変わるラスト1かきのタイミング。
鷲尾さんは富田選手の水を描くストロークの大きさや泳ぎが蛇行しているかなどを見て判断する。
(タッパー 鷲尾拓実さん)
「“今のたたき方どうですか”とか
 “今の良かったですか”というのを富田選手と話し合いながら今の形がある。
 一緒に練習してきたからこそ“最後は自分が”という思いがある。」
(富田宇宙選手)
「彼がやってくれれば
 それがいい結果でも悪い結果でも自分の結果として受け入れられる。
 ほかでは代えられない存在。」
目指すのは東京パラリンピックでの金メダル。
富田選手と一緒にさらなる成長を誓う。
(タッパー 鷲尾拓実さん)
「今以上のタッピングの技術だったり
 富田選手の泳ぎの改善点はまだまだあると思うので
 みんなが驚くようなパフォーマンスを一緒にできたらなと。」



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お台場1丁目 エッグスンシングス お台場店 (Eggs 'n Things)

2019-05-27 07:00:00 | グルメ

  

  

                              (食べログより)

 

 

 

ゆりかもめ「台場駅」より徒歩1分
東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート駅」より徒歩6分
台場駅から391m
アクアシティお台場3F

 

https://www.eggsnthingsjapan.com/store/odaiba.html

 

 

 

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中国 広がる表現への統制

2019-05-26 07:00:00 | 報道/ニュース

5月8日 おはよう日本


中国の若者の間で大流行したドラマ「延禧攻略」。
インターネットで配信され
視聴回数は延べ180億回を記録。
社会現象にまでなった。
ドラマの舞台は清の時代の宮廷である。
王宮の宮女たちが権力闘争を繰り広げのし上がろうとする姿を描いている。
高まる人気を背景に去年8月にはテレビでの放送も始まった。
(視聴者)
「おもしろい。
 敵討ちがとても痛快です。」
「友だちも家族も周りはみんな見ています。」
ところが今年1月
共産党直系の新聞がこのドラマを批判する社説を掲載し波紋を広げた。
宮廷文化の負の面を描くことの影響は軽視できない
”権力闘争は社会主義の価値観と会わない
社説を受けこのドラマのテレビ放送は途中で打ち切りに。
さらにネット動画の配信会社の間で
共産党の意向を忖度して
ほかの宮廷ドラマの配信まで自粛する動きが広がったのである。
締めつけの強化はインターネットの個人ユーザーにも及ぼうとしている。
日本のニコニコ動画に似た中国のサイト。
政府を批判するようなコメントでも検閲を経ずリアルタイムで投稿されてしまう。
政府の役人をからかうようなコメントも。
”女神 来た 来た”
”女神は正月太りしたようだ
このサイトについても共産党は直系のメディアを通じて
1日数百万にのぼるコメント1つ1つ検閲すべきだと主張したのである。
さらに規制は芸術の分野にも及んでいた。
数千人の芸術家が暮らす北京郊外の宋荘地区。
画家の王さん。
2年前 突然政府の役人が来て作品を1つ1つ検閲したという。
その時 当局が問題とした絵。
フランスの画家ドラクロワがフランス革命の民衆の放棄を描いた作品をモチーフにパンダの放棄を描いた。
(画家 王さん)
「私は“文化を表現しただけだ”と説明しましたが
 当局から絵に何らかの思想があると言われ
 暴力を助長しているのではないかと追及されたのです。」
政府の許可がないと展覧会を開くことも難しくなった。
自分の描く絵の内容に当局がどう反応するか意識しながらキャンパスに向うようになったという。
(画家 王さん)
「以前より締めつけが厳しくなったと感じます。
 作品を作るための開かれた自由な環境が欲しいのです。」
ドラマや芸術にまで管理を強める共産党。
中国社会はますます自由にものが言えなくなっている。


 

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中国で進む医療へのAI活用

2019-05-25 07:00:00 | 報道/ニュース

5月7日 キャッチ!世界のトップニュース


北京のイベント企画会社で働く汪さん。
体調がすぐれない日が続いているが長時間待たされることを嫌って病院へは行っていない。
汪さんが今利用しているのがスマートフォンを利用した遠隔医療である。
アプリを起動し性別・年齢・症状を入力すると
それに基づきAIが初期診断を行い
対応可能な医師を教えてくれる。
ベテランで評価の高い医師などユーザーは値段を見ながら選択することができる。
「ほら3秒で先生とつながった。
 内科医がかぜの問診をしてくれます。」
チャットで実在の医師がAIの問診をもとに正式に診断。
「インフルエンザの検査を受けましたか
「受けていません
汪さんは「アレルギー性鼻炎」を診断された。
さらに処方された薬を勤務先のオフィスまで届けてくれる。
(汪さん)
「頼んだ薬が20分以内に届きました。
 便利で病院に行く時間を省けるし
 軽い病気ならアプリの方が安く済みます。」
このアプリを運営する会社によると
AIを使うことで1人の医師が1日に診察できる患者の数は5倍に増えたという。
さらに薬が届く時間が惜しい人には
「1分間診療所」を名付けられた無人クリニックも登場した。
この無人クリニックでも患者の音声や画像を通じてAIが初期の診断を行う。
「熱と頭痛がします。」
ただいま専門の医師におつなぎいたします
するとすぐにAIの問診結果をもとにオンラインでつながる医師が正式に診断。
わずか数分余で薬が処方された。
症状が軽ければ常備されている100種類の薬からその場で購入可能。
置いてない薬もスマホのアプリを通じて自宅などに配達される。
去年からサービスを始めすでに8つの省で合わせて1,000か所に設置されている。
(利用者)
「簡単で便利で使いやすい。」
(平安健康医療科技 担当者)
「この設備で長時間町や夜間診療を受けられない患者の問題が解決します。」
早さだけでなく医療の質を向上させるためにAIを活用する動きも出ている。
北京のベンチャー企業では医師の画像診断をAIが補助するシステムを開発している。
AIがX線などの画像からどこにどの程度の大きさの腫瘍があるかを判断。
問題のある個所を瞬時に一覧にして示し
悪性である確率も提示する。
(医療ベンチャー CEO)
「経験のある医師でも診断書を書くのに」20分かかりますが
 AIなら1分で出来ます。」
問題個所を指摘する正確性も95%以上と高く
近い将来
どんなに優れた医師よりも正しく指摘できるよう目指している。
こうした判定の制度をあげるためには膨大な診断記録をAIに学習させることが欠かせない。
この企業では国内外の一流大学の出た150人余の技術者がしシステムを設計。
実在する医師ががん患者などの画像データのどの部分に問題があるかをAIに学習させる作業を繰り返し
精度を日々向上させている。
これに必要な大量のデータもプライバシーに配慮し匿名化されているが
14億もの人口を抱える中国では集めやすいと指摘されている。
臨床応用に向けてすでに300の医療機関で試験的に利用が始まっている。
あくまで医師の診断をサポートするものだが
業務の効率化や見落としが少なくなると期待が寄せられている。
(医療ベンチャー CEO)
「中国は人口が多く患者も多いのに医師不足です。
 われわれのAI技術で多くの人により良い医療サービスを受けてほしいです。」

 

 

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令和に生きる テクノロジーと人類の未来

2019-05-24 07:00:00 | 報道/ニュース

5月7日 おはよう日本


今年1月に発表された芥川賞。
IT企業で働く上田岳弘さん(40)が書いた「ニムロッド」が受賞作の1つに選ばれた。
科学技術が急速に進歩する社会の中で人間はどう生きていけばいいのか。
小説を通して問いかけている。
(上田岳弘さん)
「テクノロジーの進歩は日増しに早まっている。
 テクノロジーが高まって全てが最大 最高の効率で回ったとして
 そこにたどり着いたときにどうなんだろうという素朴な疑問。
 令和の期間にいろんな人が実感する時代が訪れるのではないか。」
上田さんが書いた小説「ニムロッド」。
テクノロジーの進化と人類の未来を描いている。
ものがたりが進むにつれて舞台は究極の未来へ。
AIで全てが効率的に動く社会である。
人間の多くは自ら考えたり行動したりすることをあきらめ
人間としての個性を失っていく。
(上田岳弘さん)
「機械 AI的なものに奪われていくという言い方をされるが
 そっちへ任せた方がいいという領域が増えていく。
 人間以上に正しいことができる
 良い判断ができるものが生まれてきたときに
 (人間として)存在するかしないかというところが残されると思う。」
小説の中にはそんな社会を背景に
巨大な塔に暮らしながら自らの意思で行動し続けようとする人間が描かれている。
その人物の名は「ニムロッド」。
富や権力などに執着し続け人間臭さを捨てなかったからこそ
個性を失わずに存在し続けたのである。
あらゆるものを手にした彼が最後に心惹かれ集めたのが
欠陥だらけのだめな飛行機。
かつて人類が空を飛ぶことを夢見て作った失敗作の数々である。
カモメの羽をかたどった翼を持ち初飛行で墜落した飛行機
ロケットのようにジェット噴射して垂直に離陸しうまく飛べなかった飛行機など。
ニムロッドはなぜこのような失敗作に心惹かれたのか。
究極の未来では失敗や欠陥にこそ人間らしさを感じる
癒されるようになったからである。
(上田岳弘さん)
「完璧ではないものへの懐かしい気持ち
 やるせない
 憐憫とはまた違って哀惜の念。
 完成すること 最善形 最良の形が世の中に現れ出ることは終わりに近づいている。
 完成と終わりは似ているような気がしている。
 いろんな方向で完成形が見えてきてしまっている世の中。
 すごく切ないと思う。」
しかし最後ニムロッドはそんな飛行機すら集めきってしまい
こんな問いに直面する。。
僕はもう
何をしてよいかわからなくなった。
それでもまだ
人間でい続けることができるのかな。
(上田岳弘さん)
「“人間でい続けられるか”という問いは
 執着できるかどうかというところに行きつく。
 どういうのが人間なのか
 答え自体は今も分からないし昔も分からない。
 未来も分からないのかもしれない。
 人間として生き続けなければ
 存在し続けなければならない。
 そのためには執着が必要で
 何に執着できるのかという問いでもある。
 執着って難しいですよね。
 執着できますか?」



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原恵一監督 新作アニメ映画 デザインの大役 ロシア人に

2019-05-23 07:00:00 | 報道/ニュース

4月26日 おはよう日本


アニメーション映画「バースデー・ワンダーランド」。
主人公は自分に自信がない小学生の女の子。
誕生日の前の日に不思議な世界に入り込み
困難を乗り越えながら成長していくストーリーである。
監督は
国内外で高い評価を受け
去年 紫綬褒章も受賞した原恵一さんである。
(原恵一監督)
「こんなファンタジーなかったぞと。
 それぐらいの自信はあります。」
この作品でキャラクタ-や物語の世界観のデザインなど重要な役割を任されたのが
ロシア出身のイリヤ・クブシノブさん(29)。
日本のアニメの制作現場で外国人がこのポジションを担うのは異例のことである。
(ロシア出身 イリヤ・クブシノブさん)
「本当に信じられなくて夢みたいで
 びっくりした。」
イリヤさんは日本のアニメや漫画にあこがれて5年前に来日。
自ら描いたイラストをインスタグラムで発信している。
表情が魅力的なイリヤさんの作品。
ネット上で人気が広がりフォロワーは160万人を超えている。
原監督もイリヤさんの画集に目がとまったひとりだった。
映画の登場人物のイメージに合うと
イリヤさんに声をかけた。
(原恵一監督)
「イリヤの画集を見たときに感じたのは
 清潔感がある。
 女の子を書くのが好きな作家さんは
 どこかでちょっと色気を誇張するというか
 イリヤの絵にはそれを感じなかった。」
原監督が特に今回の映画で大切にしたのは主人公が入り込む不思議な世界の世界観である。
微妙な異質さをどう描くかもイリヤさんに託した。
(原恵一監督)
「建物・家の設定・家具・小道具すべて彼がデザインしているが
 日本人とは少し違う発想をうまく生かせた。」
作品に登場する街並みは
当初原監督はイギリスの街をイメージしていたが
イリヤさんはあえて文化が異なるロシア風の建物を混ぜ合わせることで
現実とは異なる雰囲気を描きだした。
(イリヤ・クブシノブさん)
「よく原さんといろいろデザインのことを話して
 急に新しいアイデアが浮かんで
 原さんのアイデアも私のアイデアも混ぜて面白い場所になったと思う。」
日本のアニメを志し来日する若者が増えているという原監督。
こうした外国人が活躍できる機会を増やしていけば
日本のアニメの魅力をさらに高めていけると感じている。
(原恵一監督)
「彼が僕に刺激を与えてくれる絵を描いてくれる。
 すごくいい関係だったと思う。
 イリヤみたいな外国から物凄く情熱と才能をもって
 日本のアニメーションに参加したいという人がもっと増えてほしい。 」

 

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南北首脳会談から1年 翻弄される韓国の若者

2019-05-22 07:00:00 | 報道/ニュース

4月25日 国際報道2019


ソウルのトングク(東国)大学。
韓国で唯一“北朝鮮”という名前が付いた学科がある。
北朝鮮の音楽が流れる教室。
この大学の北朝鮮学科では政治から人々の生活まで北朝鮮を徹底的に研究する。
「北朝鮮では若者は軍隊に行ってしまうので
 10歳以上年上の男性と付き合う女性が多い。」
設立以来 北朝鮮関連の政府機関や民間企業に人材を輩出。
南北融和のムードが広がるなか志願者数は去年より2倍近く増えた。
(学生)
「北朝鮮と韓国はウィンウィンの関係になれると思う。
 そのために役立てる人材になりたい。」
一方 国内で広がる融和ムードを冷静に見つめる学生もいる。
トングク大学3年生のキム・ギュジン。
北朝鮮に近いヨンピョン島で生まれ育った。
2010年11月 北朝鮮の砲撃を受けたヨンピョン島。
キムさんの自宅周辺も被害を受けた。
当時中学生だったキムさんは避難して無事だったが
ショックから半年間病院で治療を受けた。
(キム・ギュジンさん)
「とても怖かった。
 家族の誰かが死ぬかもしれないと思いました。
 なぜ何もない島を攻撃するのか
 その当時北朝鮮は敵でした。」
しかし北朝鮮をずっと敵と思い続けることはできなかった。
キムさんの祖母は朝鮮戦争の際に北朝鮮から島に避難した。
死ぬ前に一度ふるさとに帰りたい。
生前 祖母が残した言葉はキムさんの中で北朝鮮に対する認識を大きく変えた。
なぜ南北は対立を繰り返すのか。
どうしたら対立を乗り越えられるのか。
その答えを見つけたいとキムさんは北朝鮮学科の入学を決めた。
(キム・ギュジンさん)
「北朝鮮学科だからといって全員が統一を望んではいません。
 なぜ統一に反対するのか理解できたとき
 何を克服し
 どんな論理が必要か悩みました。」
この春からキムさんは大学を休学し1年半の兵役に就くことになっている。
息子を送り出す母親も複雑な思いでいる。
(キムさんの母親)
「すぐに平和になるとは思いませんが
 希望を捨ててはいません。」
4月 母親が見送るなかキムさんは軍隊に入った。
兵役は韓国人としての責務と考えているキムさん。
それでも南北が本当に和解し兵役が必要なくなる時代が訪れてほしいと願っている。
(キム・ギュジンさん)
「多くの青年が18か月という貴重な時間を南北の分断のために使わなければいけません。
 目の前にある問題をすべて克服できれば本当の平和に向かうことができるのです。」




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米 新しい接待?スエットワーキング

2019-05-21 07:00:00 | 報道/ニュース

4月25日 おはよう日本


朝焼けの街中を集団で1時間ほどサイクリング。
ソフトウェア会社のアドビが取引先の幹部20人を招いて開催した。
(アドビ ベン・ブレナーさん)
「ビジネスで直面している課題や解決策を話し合う
 良い機会としましょう。」
この会社では顧客を集めた大きなイベントに合わせてスエットワーキングの機会を用意。
自転車やヘルメットも経費で買いそろえ
今年はサイクリングだけで27のイベントを開催する予定である。
(参加者)
「素晴らしかった。
 1杯飲むよりはるかに有意義ね。」
「役員室だけではなく
 自転車をの上でビジネスについて話せたよ。」
スエットワーキングが広がる背景のひとつが#MeToo運動。
男女がお酒を飲む場では問題が起きないよう神経を使うようになった。
またメニューにも配慮が必要である。
動物性の食品はとらない人
小麦に含まれるグルテンは避ける人などが増えているからである。
スエットワーキングをビジネスに取り入れて成果をあげている ジェースン・ケイザーさん。
自動車などのエンジンの測定機器を手掛けるメーカーの副社長である。
(パワーテスト ジェースン・ケイザー副社長)
「最近 工場の規模を2倍に増やしたんだ。
 とにかく忙しいよ。」
業績好調の秘密のひとつがサイクリング。
週に数回 取引先と誘い合わせて自転車に乗りながらコミュニケーションをとっている。
「財務計画はどうしたらいいか教えてくれない?」
商談はもちろん
財務の相談や工場の敷地探しの助言まで
サイクリングをきっかけに多くの事を進められるという。
1~2時間で終わるため
気軽に誘える点も魅力である。
(パワーテスト ジェースン・ケイザー副社長)
「スエットワーキングではみんな平等さ。
 組織や社会的な地位が高い人も自転車の上では平等なんだ。」
スエットワーキングはアメリカの働き方も変えつつある。



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パンをプロデュース!

2019-05-20 07:00:00 | 報道/ニュース

4月24日 おはよう日本


東京清瀬市にあるお店には開店1時間前にもかかわらず行列がずらり。
店名は「考えた人はすごいわ」。
高級食パンの専門店である。
小麦粉やバターなどこだわりの食材を独自の製法でしあげて
まるでケーキのような触感を生み出したという。
ユニークな店名に引けを取らない出来栄えにリピーター続出。
去年6月にオープンして以来毎日450本完売している。
「すごいネーミングのパン屋ができたよと聞いて行ってみようと。」
「100回以上来ている。
 一度食べたらやめられない。」
この店を手掛けたのがベーカリープロデューサー 岸本拓也さん。
去年から今年にかけて27のパン屋さんをプロデュースしてきた。
ヒットの秘訣は“ギャップをいかに生み出すか”。
(ベーカリープロデューサー ジャパンベーカリーマーケティング 岸本拓也社長)
「最初は“何だろう?”と思った時に
 “実は正統派な味だ”となると人の心が動く。
 誰かに伝えたくなる。
 そこにビジネスの商機がある。」
一方で
地元のパン屋さんをプロデュースして新たなビジネスを展開しようという取り組みもある。
群馬県桐生市の会社が去年起ち上げたのは
冷凍パンの宅配サービスである。
自慢はパンの種類の豊富さ。
わさびパンなどオリジナルのパンが並んでいる。
地元の評判のパン屋さんを発掘して
それぞれの得意なパンを冷凍して取りまとめて
企業に配送していく。
地元の店にも新たな販路を開拓できるというメリットがある。
(参加しているパン屋 アルファルファ代表)
「新しいマーケット
 東京のオフィスとか。
 夢を考えるような状態で取り組ませていただいている。」
この冷凍パンの宅配サービスは45社が導入している。
「思ったよりもちもち。」
冷蔵庫で1か月間保存がきくうえ
いつでもバラエティのあるパンが味わえると評判である。
(地元のパン屋をプロデュース パンフォーユー 代表)
「少量多種で作れるパン屋とメーカーをどんどんつなぎたい。
 彼らが誇りを持てるようなブランディングをしてあげる。」


 

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清水寺貫主 漢字で振り返る平成

2019-05-19 07:00:00 | 報道/ニュース

4月24日 おはよう日本


約1200年の歴史を持つ世界遺産 清水寺。
この清水寺の貫主を昭和63年の就任以来30年余りにわたって務めているのが森清範さん(78)である。
日本漢字能力検定協会による“今年の漢字”が始まったのは平成7年。
平成の時代
森さんの印象に特に残った漢字のひとつは“絆”だった。
東日本大震災が起きた平成23年に選ばれた漢字である。
「ここに“絆”という字がありますね。
 これは東日本大震災のときでしたね。
 これはやはり一時は大変 長い間みんなが絆 絆と言って
 いまだにおっしゃっているように思います。
 非常に印象的な字でしたね。
 基本的に我々は助け合わな
 支え合わな
 譲り合わなければ生きていけないようなそういう人間の純粋な心がわいてきた。
 そんな年ではないだろうか。
 そんなふうに思うのですね。
 ですからこの“絆”という字は大切にして私たちの生活の中においても重要なこと。」
阪神淡路大震災が起きた平成7年は“震”。
台風や地震など災害が相次いだ平成16年と30年は“災”。
命の大切さを考えさせられる漢字も少なくなかった。
そうしたなか森さんが平成の時代に希望を見出しているのが日本が戦争をしなかったということである。
「平成の時代 いろいろな災いがございました。
 けどね
 大切なことは戦争をしてこなかったということです 平成の時代。
 明治大正昭和ずっと戦争でしょう。
 戦争から戦争に日本は明け暮れていたんです。
 とこをが平成になってありがたいことに戦争をしなかった。
 これからも新しい年を迎えるについて戦争はしないと。
 戦争をしたら宗教も文化も哲学もそんなもの全く関係ないんです。
 ゼロになるんです。
 人が殺し合いをし国土を潰すんですよね。
 こんな恐ろしいことは何があってもしてはならないと
 私は新しい時代に向って申し上げたいですね。」
社会のあり方や人々の価値観が変化し続ける現代。
森さんはひとりひとりが心を見つめなおすことが大切だと考えている。
「新しい時代どういうふうに変化していくのか非常に難しいところだと思うんです。
 私の願いとしたら
 もっと私たちは人間の心というものをよくよく理解し
 心がすべての発信源なんです。
 ですからその心がどのようになっているのだろうかということの学びというものが私は必要だなと
 世の中どんどん変わっていくなかで
 機械化されていくなかで
 人間の心というのはどういうものだろうかと
 もういっぺん元に戻って学んでみるということが大切だと思うんです。」
平成の30年日本が戦争をしなかったことは大切なことだと振り返った森さん。
新しい時代に向けたキーワードを一文字で表すとしたら。
新元号「令和」が発表される前の3月半ば
森さんがあげたのは
「それは新しい時代は“ピース”
 和でしょうね。
 これはやはりみんなが和むということですね。
 “和”というのは和(あ)えるでしょう。
 和えるというのは和え物なんですよね。
 だから甘いものも酸っぱいものもみんな意見違いますわ。
 意見が違うけどそれがよって一つのハーモニーを醸し出すのが“和”なんですよ。
 おまえこれ言うな
 あれするな
 それで“和”ではないんです。
 お互いがみんな寄り集まって一つのものを作り上げていくというのが和え物ではないですかね。
 だから“和”ということですね。」

 


 

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瀬立モニカ メダルのカギは“地元”

2019-05-18 07:00:00 | 報道/ニュース

4月24日 おはよう日本


水の上で力強いパドルさばきを見せる瀬立モニカ選手(21)。
高校1年生の時のけがで腰回りの筋肉が使えない瀬立選手。
忘れられない記憶がある。
2016年のリオデジャネイロパラリンピックの決勝。
トップから10秒以上はなされ最下位に終わった。
(瀬立モニカ選手)
「自分自身がまだ選手としても確立されていなかった。
 まだまだ あまちゃんだったなと。」
あれから2年半。
重視しているのが海外選手に負けない体づくりである。
背筋や腕を集中的に鍛え残された機能を最大まで高めようとしている。
(瀬立モニカ選手)
「リオパラリンピックのときは12秒くらいトップと差があったが
 去年のワールドカップでは差を3秒まで縮めることができた。
 自分たちがやってきたものが積み重ねることで自身につながる。」
世界との差を縮め
東京大会でメダルを目指す瀬立選手。
その裏にはある人たちの存在が欠かせない。
練習に付き添う船を準備するのは江東区の職員。
職員が船やクレーンの免許を取り交代で支援をしている。
東京湾に面し街中に多くの運河がある江東区。
ウォータースポーツで町を盛り上げようと
4年前から地元選手を育成する事業を続けている。
(江東区スポーツ振興課)
「水辺に親しむスポーツで
 カヌーを長く
 シンボルスポーツではないが積極的に取り組んできた。
 江東区出身のパラカヌー選手を全日東京パラリンピックに送り込もうと。」
さらに区は去年新たな練習場所を確保した。
東京パラリンピックのカヌー会場から約5キロ。
本番のコースと同じ向きにある運河である。
風向きや波など自然に影響されやすいカヌー。
本番に近い環境で練習できる地の利を武器に
瀬立選手は地元東京での活躍を誓う。
(瀬立モニカ選手)
「サポートしてもらって
 早めに2020年に向けて
 同じような環境で練習できるのはすごくうれしい。
 今はまだ“表彰台にのぼりたい”としか言えないが
 2020年の東京大会前にはしっかり“金メダルを目指します”と言えるくらい
 練習頑張りたい。」

 

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米中貿易摩擦 東南アジアへ余波

2019-05-17 07:00:00 | 報道/ニュース

4月23日 キャッチ!世界のトップニュース



アジア開発銀行は
中国との貿易に大きく依存する東南アジア経済について
今年の視聴率を去年より0,2ポイント低い4,9%と予測。
東南アジア10か国のうちタイやベトナム マレーシアなど半数の国では
去年を下回る見通しを示している。

タイ商務省が毎年開いている国産品の輸出拡大を図る商談会。
今年は過去最大の約500社が参加し海外から来たバイヤーに地元の食品などを売り込んだ。
去年のGDPが4,1%と6年ぶりの高い水準となるなど好調なタイ経済。
しかし成長をけん引してきた輸出は
中国向けの不調が響き減速感を強めている。
今年1月の中国への輸出は前年同月比で約17%減った。
(タイ商務省 幹部)
「米中の貿易摩擦などの外部要因はわが国にはコントロールできません。」
マンゴーなどのドライフルーツを販売する食品会社。
売り上げの大半を中国への輸出が占めているが
去年の秋以降 注文が大きく減少。
去年1年間の販売実績は当初の見込みを25%下回った。
アメリカとの貿易摩擦が続く中国経済の減速の影響だと感じている。
(食品販売会社)
「米中の貿易摩擦は収入に直接の打撃です。」
商品の生産を委託している工場の経営者を訪ねた。
この工場は自社の商品だけでなく他社から委託された商品も生産しているが
食品販売会社のように中国への輸出が減ったという取引先は少なくないという。
中国に頼り切った販売戦略の見直しを迫られている食品販売会社は
日本などの新たな市場の開拓にともない商品の生産体制を整えてほしいと申し入れた。
(食品販売会社)
「新しい取引先を見つけました。
 日本の有名小売業者です。
 注文に備えて生産体制を準備してもらえますか?」
(製造会社CEO )
「生産拡大の準備はできています。」
(食品販売会社)
「中国の取引先はより慎重になっています。
 中国との貿易リスクを減らすためにはより多くの国に対する販売戦略が必要です。」
一方 米中の貿易摩擦は中国企業の東南アジア進出を加速させている。
企業の会議室や学校の教室向けに液晶ディスプレイの製造販売を手掛ける中国メーカーは
この春からタイでも販売を始める。
タイの販路拡大とともにいま本社で準備を進めているのが
海外初の工場をタイに建設することである。
工場建設の背景には
米中貿易摩擦の長期化を受けて
商品の製造そのものを海外にシフトしようとする中国企業の動きがある。
(中国液晶メーカー タイ法人)
「この液晶パネルはアメリカ市場でも人気です。」
アメリカの制裁措置で中国の工場から輸出するこの製品も10%の完成がかかり輸出は大きく減少。
関税を避けるためにはタイでの工場建設が不可欠だと判断した。
3年後の稼働を目指し工場用地の選定も始めている。
(中国液晶メーカー タイ法人)
「我々の顧客のテクノロジー産業は価格にとても敏感です。
 タイ工場の建設は米中貿易摩擦で生き残るためと
 世界中からの需要に応えるための生存戦略なのです。」
東南アジアの国々にも広がる米中貿易摩擦の余波。
その影響を見極め如何に適応していくか。
企業の模索が続いている。

東南アジアでは輸出が減少する一方で国内需要は好調な国もあるため
景気が冷え込むとまでは言い切れない。
しかし中国が最大の貿易相手国であるだけに中国がリスク要因であることは間違いない。
中国側の統計でみても
東南アジアからの輸入は去年の秋以降 急ブレーキがかかっている。
中国のタイヤメーカーに天然ゴムを供給する企業からも注文が減っていて
新たな市場の開拓は待ったなしという声が聞かれる。
こうした事態が長期化すれば東南アジアの景気にさらに水を差しかねない。
中国ではここ数年 経済発展にともなって人件費が上がっている。
周辺国にビジネスを拡大する意味でも
東南アジア
特に製造業が盛んなタイやベトナムなどが工場の新たな進出先として注目されていた。
そうした中で起きた米中の貿易摩擦が中国企業の背中を押している。
東南アジアの国々としては人件費の安さや人材の優秀さをアピールして投資を呼び込みたいところである。
タイのほかにもベトナムなどで中国企業による工場建設の予定があるという。
東南アジアの国々は中国経済の減速は逆風だとしながらも
いわば“漁夫の利”を狙えるという楽観的な見方がある。
アメリカと中国が互いに関税をかけあうなかで両国の輸出を肩代わりできるのではないかととらえているようである。
しかし世界1位と2位の経済大国の対立は両国に大きなダメージを与えるだけでなく
その悪影響は世界経済に波及する。
そういう意味でも中国の景気減速の背景にあるアメリカとの貿易摩擦がこれ以上エスカレートせず
今のうちに収束してほしい。
そういう思いで東南アジアの国々は米中の協議の行方を注視している。






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