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オーストラリア “マタハラ”解消へ 企業の取り組み

2015-04-30 07:30:00 | 報道/ニュース

4月20日 キャッチ!


3月 アメリカ国務省が2007年に創設し
人権擁護や女性の地位向上などに貢献した女性を表彰する世界の勇気ある女性賞
日本人として初めてある女性が受賞した。
マタハラnetの代表小酒部さやかさんである。
小酒部さんは妊娠や出産などを理由に
職場で不当な扱いを受けることに悩む女性の支援活動を行っている。
近年 セクハラやパワハラという言葉が広く使われるようになったが
最近問題になっているのがマタハラ
マタニティー・ハラスメントの略で妊産婦に対する嫌がらせの意味である。
たとえば妊娠や出産などで休んだ社員の業務をカバーさせられた同僚が
会社にではなく休んだ社員に怒りを向け精神的・肉体的な嫌がらせが行われている。 
また妊娠や育児を理由に休んだり早退することを許さない職場風土や
「妊婦を雇う余裕が無い」と会社から退職を迫られるといった事態が起こっている。

マタハラの背景にある問題を解決しようとオーストラリアでは国を挙げて本格的に取り組みを始めている。
オーストラリアでは1世帯当たりの子どもの数は平均1,9人。
子どもが3人という家庭も珍しくなく出産や育児には社会の理解があると見られていた。
ところがオーストラリア政府の人権委員会が去年発表した報告書によると
仕事を持つ女性の2人の1人が
妊娠中や育児休暇明けなどに職場でマタハラを受けた経験があるというのである。
マタハラが無くならない理由として報告書では
“育児や家事は女性の仕事”という考え方が依然として社会に根強く残っているためと指摘している。
オーストラリアでは2009年に職場での差別を禁じた「フェアワーク法」が施行されている。
その法律には差別禁止項目に“妊娠”が明記されている。
差別が悪質な場合には裁判を起こされるケースもあることから
それぞれの職場はマタハラ撲滅への対応に追われている。
オーストラリアの金融機関でつくる労働組合は組合員に対する研修を始めた。
(講師 V・ブラックさん)
「出産・育児でどのような制度があるか組合員の皆さんも全然知らないんです。」
マタハラが起きる要因の1つとして
妊娠をした女性が受けられる制度について雇用主だけでなく女性たち自身もよく知らないことが取り上げられた。
(参加者)
「関連する法律もあるし資料もいろいろ配布されている。
 正しい情報を知りそれを教えてあげることが大事です。」
またマタハラが起きにくい環境を作ろうと制度を充実させる企業もある。
オーストラリアの大手通信会社は3年前に育児休暇を拡充。
最大12か月延長させることを可能にした。
2人の子どもの出産でそれぞれ半年間の休暇を取得したサンドラ・カーターさん。
会社側から十分な理解が得られたためマタハラは全く無かったと言う。
(サンドラ・カーターさん)
「友人には復帰できずに退職した人が多くいます。
 子どもがいても働く機会があるのはとてもありがたいです。」
(通信会社 担当者 T・ロデリックさん)
「わが社の男女比は改善され多くの女性が働き続けている。
 働く人が考え方を変えることで柔軟な職場が実現できる。」


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公害克服で培った環境技術を世界へ

2015-04-29 07:30:00 | 報道/ニュース

4月20日 おはよう日本


全国有数のカルスト台地 平尾台。
今年も恒例の野焼きが行われた。
野焼きではしばしば作業する人が火の手に巻き込まれる事故が発生する。
作業は細心の注意をはらいながら行われるが万一に備える。
消火剤の原料には天然素材が使われ
散布しても化学合成したものに比べ環境への影響を抑えることが出来るのが最大の特徴である。
(平尾台野焼き委員会 前田康典会長)
「今回 化学薬品というよりも自然に優しい消火剤があるということでぜひとも使ってみたい。」
消火剤の開発を進めるせっけんメーカー。
約100種類のすべての製品にオリーブオイルや米ぬかなど天然素材を原料に採用している。
社長の森田隼人さんは
環境というキーワードは北九州市の公害克服の歴史とも深くかかわると言う。
昭和30年代 北九州市はものづくりの町として繁栄した。
その一方 煙突の煙は七色の煙と言われるほど大気汚染が進んでいた。
(石けんメーカー 真理田隼人社長)
「環境問題でいうと
 1970・80年代でいうと一部の人は熱心にしているけれども一般的にはそうではなかった。
 石けんは環境や肌に優しいのがわかってきて。」
天然素材の製品に切り替えた結果
売り上げが激減し会社は17年連続の赤字となり経営危機に直面した時期もあった。
その後時代の移り変わりとともに環境に優しいというコンセプトが受け入れられ
今では主力商品のひとつに成長した。
メーカーでは新たな挑戦を始めている。
これまで培ってきたノウハウを応用した消火剤の開発である。
すでに住宅火災用は実用化され
現在は林野火災用の開発を進めている。
ここでも使うのは天然素材だけである。
膨大な量の消化剤を散布する林野火災では
環境への影響が抑えられる天然原料の消化剤が大きなメリットとなる。
(石けんメーカー 波多江修一研究員)
「石けんをベースとしたこの消化剤
 環境技術が十分利用できる可能性があると思っている。」
東南アジアなどでは原野の火災が問題となっている。
広く分布する泥炭と呼ばれる炭化した腐葉土が堆積した地層から自然発火するのである。
こうした火災で1年間に出る二酸化炭素は年間の日本の排出量に匹敵するとの指摘もあり
地球温暖化の原因の1つとされている。
去年、メーカーの研究員がインドネシアを訪れた。
開発中の消化剤を泥炭火災に使えないか調査するためである。
自社の消化剤で環境への負荷を和らげるだけでなく
地球温暖化の防止にも役立てないか研究開発を進めている。
(石けんメーカー 森田隼人社長)
「環境にも優しい技術というのは
 特に北九州という公害克服年から出てきている技術という意味でも
 世界に向けてもっともっとに音の技術を提供していきたいという風に思います。」
環境汚染という苦い経験を克服してきた北九州市。
その経験に基づく技術が世界を舞台に活躍しようとしている。

 

 

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ネパール 伝統の舞 受け継ぐ日本人

2015-04-28 08:00:00 | 報道/ニュース

4月18日 おはよう日本


ネパールで1000年以上前から続く伝統の舞チャルヤー・ヌリテャ。
サンスクリット語でチャルヤーは修行
ヌリテャは舞。
舞うことで自らを仏と一体化させ
悟りに近づく修行の1つとされている。
ネパールの首都カトマンズ。
仏教建築物が数多く残る仏教都市である。
世界文化遺産に登録されているものも多くある。
密教の僧侶階級に属する人たちの修行の1つが伝統の舞チャルヤー・ヌリテャである。
その舞は長い間門外不出とされ寺院の中でのみ踊られてきた。
しかし厳格な修行に励む人たちが少なくなり正当な継承者が激減。
伝統の舞を守ろうと60年ほど前にやむなく教えを一般に公開した。
しかし担い手は増えず
今では存続の危機とまで言われている。
そんな中この舞を継承しようという日本人がいる。
日本の大学でネパール語や文化を教えている岡本有子さん。
18年前から毎年のようにネパールを訪れ数千種類あると言われる舞の習得に努めている。
(岡本有子さん)
「気づいた人たちがやらないと伝統の舞は消滅・先細りしてしまう。」
幼いころからモダンバレエを習い踊ることが好きだった岡本さん。
大学生のとき海外で民族舞踊を見てその伝統に大きな魅力を感じた。
そんななかネパールである人物に出会う。
それがチャルヤー・ヌリテャの第1人者として知られていたラトナカジさん。
岡本さん人に見せるためではなく修行ののために踊る舞に感銘を受けた。
日本人として初めて弟子入りし
4年間現地に滞在して学んだ。
ラトナカジさんが亡くなってからは息子のプラジョワールさんに指導を受けている。
プラジョワールさんにとっても岡本さんの存在は伝統を守っていくために欠かせないと言う。
(プラジョワールさん)
「岡本さんは踊りに自らをささげています。
 細やかな動きまで習得していますし私たちと同じように学んでいます。
 彼女なら伝統を受け継いでくれるでしょう。」
修行を続けて18年。
岡本さんはネパールの国立劇場での公演に挑んだ。
有力な僧侶階級の人たちの前で初めて舞を披露する。
会場には多くの関係者が集まった。
自らの舞を認めてもらう大切な舞台。
岡本さんは何度も何度も動きを確認する。
岡本さんが披露したのはナイラートマと呼ばれる女性行者の舞。
初めて人前で踊り高く評価された思い出深い舞である。
歌に合わせてひとつひとつの動きに集中して踊る。
舞台が終わると観客は岡本さんの舞の素晴らしさを称えてくれた。
「岡本さんの舞はとても良かったです。
 我々の文化を世界に広めてくれるのは素晴らしいことだと思います。」
(岡本有子さん)
「チャルヤーを守っていこうと心を込めて行ったステージなので
 その気持ちが古くからの方々にも通じて今日やった意味はすごく大きかった。」
ネパール伝統の舞チャルヤー・・ヌリテャ。
その魅力を伝える岡本さんの活動はこれからも続く。



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“春の憂うつ” PTAどう関わる?

2015-04-27 07:30:00 | 報道/ニュース

4月14日 おはよう日本


PTAの活動と言えば
登下校の見守り
備品を購入するための別マーク集めなど
多岐にわたる。
しかし不安や疑問の声も出ている。
PTAはマニュアルも無い
引き継ぎ書もあるような無いような
実態がわからない
など仕事が見えない不安。
役員のなり手が見つからずくじ引きやじゃんけんという決め方。
フルタイムの仕事を持つ女性は3年連続くじ引きで委員を任された。
日中の会合に参加するためには何度も有給休暇をとる必要があったという。
(PTA経験者)
「集まることに意義がある。
 決定したという決定事項にするために集まりがあって行くという感じ。
 私はことし1年間何事もなく終わればいい。
 それしか考えていない。」
(東京大学 瀬地山角教授)
「中長期的にデザインをする人が誰もいないことが一番の問題。
 3年後のPTAをどうするべきか誰も考えていない。
 しかも前例を踏襲することが一番コストがかからない構造が大きな問題。」
東京大田区にある小学校。
小学4年生のクラスでPTAの委員決めが行われた。
役員が仕事の内容や量を詳しく説明した。
「保護者のまとめ役
 当番表作成
 校庭解放
 防犯パトロールなどいずれも年1回。」
すると一つの委員に複数が立候補するケースが出てきた。
(立候補した保護者)
「立候補する気持ちになる。
 仕事の内容が実際分かると。」
「最初に仕事がわかっていた方が予定が立てやすい。」
立候補者が出る理由は2年前に始めた改革にある。
当時の委員9人のうち6人がフルタイムで働く母親。
ひんぱんに開かれる日中の会議など今までのやり方では続かないと改革に乗り出したのである。
(PTA会長 平川理恵さん)
「PTA活動そのものが組織披露しているのか
 なんだかわからない中でずっと行われてきた。
 改めて精査していくべき。」
まず行ったのが一番要望が多かった業務の見える化
それぞれの仕事内容やスケジュールを洗いだしてマニュアルにし
何をするのか誰にでもわかるようにした。
そして負担だった業務をスリム化
子どもと直接関係のない地域のお祭りやコーラス、ママさんバレーの手伝いなどを廃止した。
さらに会議の回数も半分以下に。
改革メンバーの1人 PTA役員の村上好さんも活動にかかわりやすなったと感じている。
仕事をしながら3人の子どもを育てる村上さん。
以前も役員を務めた経験があるが
多いときは週に4回学校に行くこともあった。
しかし今会合は月に1回あるかないか。
依然集まって行っていた活動報告などはインターネット上で共有するようになったためである。
PTAのために会社を休むことも減り活動に前向きになったという。
(PTA役員 村上好さん)
「PTAをやると楽しさや学校が身近に感じられる。
 みんなが一緒になってみんなで子育て
 そういう関係がPTA活動として醍醐味。」

 

 

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人形浄瑠璃文楽 新たな挑戦でファンの拡大を

2015-04-26 08:45:00 | 報道/ニュース

4月11日 おはよう日本


人形浄瑠璃 文楽。
300年を超える歴史があり
ユネスコの無形文化遺産にも登録されている。
高層ビル群の中に突如現れたのは人形浄瑠璃文楽の檜舞台。
3月21日に東京港区の六本木ヒルズで野外公演が行われた。
六本木で文楽が上演されるのは今回が初めてである。
4日間の公演は連日盛況で若者や外国人の姿も見られた。
にぎやかな音に誘われて覗き見る人の姿も見られた。
文楽は1体の人形を3人で動かす。
顔にも表情を持たせ細かな感情を表現する。
300年の伝統の中で培われてきた技術である。
(見物客)
「もっとこういう上演を増やしてくれれば親しみやすいので
 ぜひまた来たい。」
(外国人見物客)
「日本の伝統と現代的な場所との組み合わせが新鮮で興味深かった。」
今回用意されたのは1日半で設営できる組み立て式の仮設舞台。
文楽は普段屋内の劇場やホールで上演するが
人が集まる場所に出向いて行こうと新しく用意された。
初めてのお披露目に選ばれたのが若者や外国人が集まる六本木である。
東京出身の人形遣い 豊松清十郎さん。
文楽の世界に飛び込んで40年以上
劇場を離れた大規模な野外公演はこれが初めてである。
馴染みのない人にも文楽を気軽に観てもらえる野外での舞台に期待を寄せている。
(豊松清十郎さん)
「表を歩く人にも音が聞こえるので立ち止まってご覧いただく人もいる。
 そういう点でも文楽の宣伝にすごくなる。」
打って変わって
コンピューターによって合成された歌声 ボーカロイドに合わせて
スクリーン上で文楽の人形が躍る映像作品。
東京の会社が制作したこの作品は古典的な物語をハイテク技術を駆使して現代風にアレンジした。
若者に受け入れられやすいジャンルに進出することで
伝統文化に親しみを感じてもらおうという狙いである。
去年から各地の映画館で上映され
文楽に興味を持つ若者も少しずつ増えている。
(豊松清十郎さん)
「こういう試みをどんどん続けていき文楽をまず知っていただく。
 知っていただいた後で本格的なものをご覧いただけるようになったらいいと思う。」
観客を待つだけでなく
劇場を飛び出す文楽へ。
300年の歴史を守り続けるための新たな挑戦である。

組み立て式の舞台を使った公演は今後年に2回
東京と大阪を中心に行われる予定である。 


 

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浮世のパック

2015-04-25 07:30:00 | 編集手帳

4月18日 編集手帳

 

失恋を嘆くはがきを読み終えて、
その人はひと呼吸を置き、
「青春」と語って結ぶ。
つぎに受験勉強の悩みを打ち明けるはがきを読み、
「青春」と結ぶ。

ほとんど無名、
36歳の愛川欽也さんがTBSラジオの深夜放送『パック・イン・ミュージック』で語り手を務めはじめたのは1971年(昭和46年)である。
高校生だった小欄の耳には、
その一語がいまも残っている。

慰めでも、
励ましでもない。
“おれもそうだったよ”という共感の言葉だったろう。
袋小路に追いつめ られた心境でいるとき、
フッと広い場所へ連れ戻された気持ちになったのを思い出す。
愛川さんが80歳で死去した。

番組名の「パック」は、
シェークスピアの戯曲『夏の夜の夢』に登場する妖精の名前に由来する。
そのセリフにある。
〈泥沼とおり、
 土手を越え、
 藪(やぶ)から茨(いばら)をかいくぐり、
 おいらの音頭で、
 どこへでも〉(新潮文庫)

思えば、
ラジオの深夜放送から、
映画の愉快な脇役へ、
情報番組の司会へ…と舞台を変えながら、
人々が憂(う)き世の泥沼や藪を歩み通す音頭をとってくれた人である。
「青春」の感謝もこめて、
陽気な妖精を悼む。

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究極のエコ“H2” ②水素の時代へ 課題克服への挑戦

2015-04-23 07:30:00 | 経済フロントライン

4月12日 NHK経済フロントライン


長崎から船で3時間。
人口4万人の五島市。
ここで3月 二酸化炭素を出さずに水素を作る日本初の実験が始まった。
周囲を海に囲まれた五島市。
そこに設置した風車で発電し水素を生み出そうというのである。
火力発電による電気で水素を作る場合二酸化炭素が出てしまう。
風車を使えば発電するとき二酸化炭素を出さずに済むのである。
(五島市 再生可能エネルギー推進室 北川数幸室長補佐)
「全くCO2を排出しないクリーンなプレミアム水素がつくれると思う。
 できればナンバーワン
 一番最初に取り組んでいきたい。」
より効率的に水素を作ろうという取り組みも始まっている。
6日 東芝は水素エネルギー研究開発センターを立ち上げた。
重要な部品を金属から特殊なセラミックスに変えたことで
作れる水素の量が3割増えた。
5年以内の実用化を目指している。
(東芝 次世代エネルギー技術開発推進室 亀田常治技術主幹)
「少し先の技術という風に考えられていると思いますけれども
 着実に技術開発を進めればわりと短期の間に実現できるような技術になると思う。」

水素を運びやすくするための研究も始まっている。
千代田化工建設は水素を液体に閉じ込めて運び取り出す技術の開発に成功した。
それを可能にしたのが
「この中にこの液体の500倍の体積に相当する水素ガスが含まれています。」
この会社では大量の水素を運ぶことが出来るようになれば世界が変わると考えている。
各地で風力発電や太陽光発電によって作られた水素を大量にタンカーで運び
水素がエネルギーの主役になる時代が来るというのである。
(千代田化工建設 岡田佳巳技師長)
「最終的な目標は
 まだ人類がタイ規模に利用していない水素を1つの商品として
 世界で初めての水素エネルギーを扱う新しいビジネスモデル。
 一日も早く大規模に水素が利用できるようなところに持っていきたい。」


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究極のエコ“H2” ①暮らしを変える“H”エネルギー

2015-04-23 07:30:00 | 経済フロントライン

4月12日 NHK経済フロントライン


去年初めて発売された水素で走る自動車。
二酸化炭素は全く出ない。
排出するのは水だけである。
水素はほかの乗り物でも使われ始めている。
バス、タクシー、フォークリフト
究極にエコな乗り物が身近になろうとしている。

暮らしの中にも水素は浸透している。
名古屋市に住む伊藤さんのご家庭では
照明やテレビなど家で使う電気の多くが水素から作られている。
発電する装置は都市ガスの配管とつながっている。
都市ガスには水素が混じっていて
その水素を取り出して電気を作っているのである。
水素で発電を始めた結果電気の使用量が大きく減り
電気代はひと月5,000円ほど安くなった。
水素で発電しているかては全国で10万軒を超えている。
(伊藤伸地さん)
「電気料金がすごく節約できるとかエコ CO2削減に貢献できるとか
 いろいろ話を聞いた中で
 個人レベルでは微々たるものかもしれないが少しでも貢献できたら。」

町のエネルギーを水素で賄う“水素タウン”をつくる挑戦も始まっている。
人口15万の山口県周南市。
化学工場の一角に積まれている白い物体は水素を作るのに大きなカギを握っている“塩”。
この工場では塩から薬品を作っているがそのときに一緒に出てくるのが水素である。
1時間あれば水素で動く車約300台を満タンにできるほどの量である。
これまで使い切れずにいた。
こうした余った水素は動物園などで使われている。
ゾウの飼育に必要なお湯や電気を水素でつくっているのである。
(周南市徳山動物園 担当者)
「ゾウにはわからないですけど新しい時代の取り組みとして導入した。」
将来は家庭や学校、病院でも水素を活用していこうとしている。
(水素のまちづくりに参加する企業 岩谷産業 廣田博清専務)
「産業革命に匹敵するようなエネルギーの革命が起こると
 その元年を迎えたという感じで
 エネルギーとしての水素ガスにかかる期待は大変大きいものがある。」



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中国の汚職取り締まり マカオに余波

2015-04-22 07:30:00 | 報道/ニュース

4月10日 おはよう日本


中国本土をはじめ世界中からマカオを訪れる観光客。
目当てのひとつがカジノである。
一方でカジノは汚職の舞台とも指摘されてきた。
習近平国家主席は去年マカオを訪れ
不正な資金のやりとりを徹底して取り締まると強調。
「カジノ産業の監督管理を強化しなければならない。」
マカオのカジノ産業は急速な勢いで成長してきた。
しかしその収入が去年初めて減少に転じ
その額は1千億円以上にのぼった。
汚職の摘発を恐れて
カジノを利用する官僚や国有企業の幹部の利用が減ったことが影響しているとみられている。
カジノはどのように汚職の舞台として利用されてきたのか。
中国本土で不正に金を受け取った官僚やその指示を受けた関係者は
仲介業者に依頼し複数の地下銀行を通じてマカオに送金。
マカオに到着した後口座から金を引き出す。
(元仲介業者)
「仲介者の役目は客が大金を持たずにマカオでギャンブルできるようにすること。
 仲介業者に頼めば口座を開く必要もなく
 客は自分の個人情報を提示しなくて済む。」
こうしてマカオで多額の資金を手にした官僚らはVIPルームでバカラ賭博をする。
バカラは配られたトランプの合計の数が
胴元とプレーヤーのどちらが大きいかをあてるギャンブルである。
ギャンブルは形だけで資金の出所を隠すマネーロンダリングが行われていたケースもあったと言う。
典型的な方法は
資金をチップに変え胴元側とプレーヤー側に同額ずつ賭ける。
(ディーラー)
「元手は100万
 胴元側に50万 プレーヤー側に50万ずつ賭ける。
 プレーヤーの数字が大きければ胴元に賭けた50万はなくなるが
 プレーヤーに賭けた50万は2倍になって手に入る。」
それぞれに同額を賭けた場合
負けた方のチップは没収されるが
勝った方には同額の配当があり
これを繰り返すと手数料分を除いてほとんどが手元に戻る。
そしてカジノから発行された小切手を銀行に持ち込んで換金。
出所が不透明な資金はカジノで買った金に化けるのである。
中国政治の助言機関で委員を務めた劉夢熊さん。
5年前 閣僚経験のある地方政府のトップの親族から
“カジノのチップをわいろとして払えば都市建設計画参入に便宜を図る”
と持ち掛けられたと証言した。
(劉夢熊さん)
「1,000万(1億5,000万円)のチップを買って送れば
 地方政府トップの兄との会食をアレンジしてくれるということだった。
 世界第2位の経済大国の中国の官民癒着の裏金がマカオのカジノを支えていたのだ。」

 

 

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女性警察官 活躍のカギは

2015-04-21 07:30:00 | 報道/ニュース

4月10日 おはよう日本


深夜の繁華街で少年や少女の歩道をしているのは女性の警察官である。
子どもや女性が被害にあう犯罪が相次ぐなか
女性警察官に求められる役割は広がっている。
このため警視庁は女性警察官の採用を積極的に進めている。
2,000人余だった女性警察官は
この10年で1,5倍の3,500人に増えた。
原宿警察署に勤務する赤池律子さん。
夫は都内の別の警察署に勤務している。
警視庁では女性警察官の8割が職場結婚である。
土日も関係なく泊まり勤務もある警察官同士の夫婦。
子どもの世話や家事は夫婦で分担してやりくりしている。
(赤池眞一さん)
「もうだいぶ慣れたので今は楽しくやっている。」
ただこれまで子どもが急病になった時など夫は休みがとりにくく苦労してきたと言う。
(赤池律子さん)
「主人が休ませてほしいと言っても職場からいい顔をされない。
 そうすると主人の職場での立場も厳しくなってくるのかなと思うと
 自分が休むしかないんだなと思ってやっていた。」
こうした課題を乗り越えられずに辞めていった女性警察官は退職者の約4割にのぼっている。
そこで警視庁は子育て経験を持つ警察官を“子育てアドバイザー”に任命。
子育てしやすい職場づくりに乗り出した。
最も重要視しているのが男性管理職の意識改革である。
警視庁は男性管理職などを対象に子育てアドバイザーによる指導を度々行っている。
(子育てアドバイザー)
「子どものいる男性には早く帰るよう
 休みを取るように声かけをしてほしい。
 育児ができる職場環境を作ってほしい。」
長年男性中心だった警察では“男は仕事が最優先”という風潮が根強く残っているからである。
(管理職)
「今までそんなに子育てに関して積極的に考えたことはなかった。」
「これまで配慮が足りなかった部分があるのかなと。」
さらに子育てアドバイザーは出産を控えた夫婦に対して必ず個別に面談を行っている。
夫が休みを上司に申告しにくいときには
夫と上司の間に立つことも制度化された。
(子育てアドバイザー)
「必要があれば私たちの所属のほうからご主人の上司にお願いすることは可能なので
 いつでも行っていただければ。」
(男性警察官)
「大変な時はしっかり自分のほうから休みたいと言えるようにしていきたい。」
(子育てアドバイザー)
「警視庁全体で
 女性も男性も仕事と子育てがしやすい環境はこれからどんどん整備されていくと思うので
 組織全体でバックアップしていきたい。」

 

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子どもの肥満を防げ!

2015-04-20 07:30:00 | 報道/ニュース

4月9日 おはよう日本


文部科学省が発表した全国の子どもの肥満発生率(小学6年生)で
肥満傾向の子どもの割合を男女別にみると
国が初めて調査した昭和43年に比べて
女子が2倍
男子が3倍にまで増えている。
子どもの肥満は放置すると大人同様に動脈硬化や糖尿病につながる危険があり
病院での治療が必要になることがある。
そうなる前に早い段階での対処が重要とされている。

子ども専門の肥満外来がある国立成育医療研究センターには年間50人ほどの子どもが治療に訪れ
中には入院が必要となるケースもある。
患者の1人 12歳の子どもの腹部の断面を撮影した画像。
外側には皮下脂肪
内臓の周りには内臓脂肪が大人以上に蓄積されていた。
(国立成育医療研究センター 堀川玲子医長)
「患者の多くに肝機能障害があったり
 糖尿病予備軍がよくみられる。
 高脂血症が起きると若い年齢から動脈硬化が進んでいく。」
子どもの肥満の背景には何があるのか。
1万人の子どもを追跡した大規模調査からは
・朝食を食べない
・睡眠時間が短い
・運動不足
といった生活習慣の乱れが子どもの肥満に強く影響していることがわかった。
(国立成育医療研究センター)堀川玲子医長)
「肥満の原因は食生活 生活習慣そのもの。
 生活のリズムの崩れがある。」
こうしたなか肥満の原因となる生活習慣を改善する取り組みで全国的に注目を集めている小学校がある。
山形県飯豊町立第一小学校。
2年前から肥満対策の特別教室を開き取り組みを進めた結果
6割の子どもに改善が見られたと言う。
放課後に開かれる特別教室に参加するのは1年生から6年生までの肥満傾向がある17人。
生活習慣の改善にチャレンジしたいと参加を希望した。
この地域は冬場に雪が多く
外で遊ぶ機会が少ないことや
登下校もバスを利用するようになったことなどから運動不足の子どもが増えているとみられる。
特別教室では子どもたちに楽しみながら運動習慣を身に着けてもらおうと様々な工夫をしている。
校内に設けられたウォーキングコース。
単調にならないように始点ごとに歩き方を変え
ゲーム感覚で1周200歩のコースを周回する。
子どもたちの腰には歩数計。
歩いた歩数を毎日記録し
目標に達したら家で低カロリーのおやつがもらえる仕組みである。
さらに運動に対する苦手意識を取り除く工夫も。
使うのはバランスボール。
楽しく遊びながら筋肉を鍛えて脂肪を燃焼しやすい体をつくる。
運動が苦手な子どもでも慣れればバランスを上手く取れるようになる。
(飯豊町立第一小学校 浅田千嘉子養護教諭)
「『できるじゃない』と言われてだんだんと運動が好きになってくる
 自信を持ってくる
 自己肯定感も高まる。」
子どもの生活習慣を改善するには保護者の協力も欠かせない。
家庭にチェックリストを配り
睡眠時間や食事の量など生活全般の見直しを意識してもらっている。
取り組みの成果は着実に表れている。
特別教室に参加した3年生の渡部史鵬(ふみゆき)君。
1年前の渡部君は急激に体重が増えて
20%を超えると肥満とされる指数が18,8%になっていた。
特別教室に通うことでこの1年で指数を11,5%にまで減らすことに成功した。
家庭でまず見直したのが食習慣である。
大皿で出していた料理を食べすぎないよう1人分の小皿に盛るようにした。
苦手な野菜もできるだけ多くとれるよう工夫している。
以前は好きなものを好きなだけ食べていた渡部君。
食べすぎを防ぐため1口で30回以上噛むようにしている。
野菜たっぷりのバランスの良い食事がとれるようになった。
特別教室に参加して1年。
毎晩体重計にのることが習慣になり
自己管理もできるようになった。
(飯豊町立第一小学校 浅田千嘉子養護教諭)
「少しずつ改善を図れば将来も元気に健康に暮らしていけるという
 ひとつのきっかけづくりとして取り組んでいる。」


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インド 若者が求める新たな出会い

2015-04-19 07:45:00 | 報道/ニュース

4月8日 おはよう日本


インドの人たちにとって何よりも盛り上がる結婚式。
新郎新婦は親が決めた見合いで知り合った。
宗教やカーストが同じ男女の結婚が一般的なインド。
見合い結婚が実に9割と言われている。
しかし経済成長がめざましいインドでは若者の価値観に変化が芽生えている。
慣習に縛られず自ら結婚相手を探したいという人が増えているのである。
「経済成長やライフスタイルの変化で両親の世代とのギャップを感じます。
 宗教やカーストがすべてじゃないわ。」
そんな若者たちに人気を集めているのが
若い男女に出会いの場を提供する会員制の“合コンサービス”である。
会員になるのに宗教やカーストは関係ない。
会員は20代後半~30代前半。
IT企業の社員や弁護士など新興富裕層の人たちが中心である。
この合コンサービスを利用してこれまで50組がゴールインした。
(参加者)
「仕事が忙しくて出会う機会がないからこのお膳立ては助かるわ。
 人生のパートナーをここで見つけたいと思っています。」
新たな出会いの場はネット上にも広がっている。
あるベンチャー企業はスマートフォンの動画を見ながら男女がチャットするアプリをインドで初めて開発した。
あらかじめ登録された写真やプロフィールから気に入った相手を選び話すことが出来る。
アプリで特に配慮されたのが女性の利用者の安全対策である。
会話をした後気に入らなければ女性側は男性からの連絡をいつでも拒否することが出来る。
アプリを愛用しているサンジュラ・タンキューさん(20)。
ニューデリーの女子大で政治学を学んでいる。
価値観を共有できる男性との出会いを願うサンジュラさん。
しかし異性と出会うチャンスはほとんど無いと言う。
(サンジュラ・タンキューさん)
「女の子たちは皆友達を通してでないと安全に男性と出会えません。
 このアプリを使うと世界が広がります。」
このアプリを使えば知らない男性とも安全に配慮しながらチャットを続けられると言うサンジュラさん。
毎日のように利用している。
サンジュラさんは10回ほどチャットをして信頼できると思った男性と会うことにした。
待ち合わせ場所は人目に付く市内のカフェ。
相手は同じ年の大学生。
スマホと同じく会話は弾んだ。
1時間後 すっかり打ち解けた2人が店から出てきた。
「また会うかはわかりません。
 でも彼は面白くて価値観も似ています。」
経済成長とともに大きく変わり始めたインドの男女の出会いの場。
恋愛や結婚の選択肢も広がろうとしている。



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沖(おき)の太夫(たゆう)

2015-04-18 07:30:00 | 編集手帳

4月13日 編集手帳

 

海風にのって滑るように飛(ひ)翔(しょう)するアホウドリは、
白い大きな翼が太平洋の青によく映える。
5月になれば日本近海の繁殖地を離れ、
北への渡りの旅に出るのだろう。

絶滅していた小笠原諸島で先月、
初の繁殖が確認された。
媒(なこうど)島に飛来したペアが、
島で発見された雛(ひな)の親であることがDNA分析の結果から分かった。
小笠原に新たな繁殖地を作るため伊豆諸島・鳥島から移送された雌と、
鳥島生まれの雄のつがいである。

小笠原にはもう1組、
鳥島から移送された雄と尖閣諸島生まれの雌のペアがいる。
3年連続で巣作りしているが、
雛の誕生には至っていない。
巣に近づく雌を雄が攻撃する激しい夫婦げんかは年々収まり、
仲睦(むつ)まじい様子を見せているというから、
いつかはと期待したい。

アホウドリは絶海の孤島に棲(す)むため人を恐れず、
陸での動きが緩慢なことから、
羽毛採取の標的となった。
侮蔑的な名称には、
絶滅寸前にまで追いつめた人間の醜さが映し出されている。

アルバトロスと英語で呼べば、
ゴルファーにとってイーグル(鷲(わし))を超える栄誉である。
別名の「沖(おき)の太夫(たゆう)」こそ、
優美な姿にふさわしい。

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インドネシア庶民派大統領 その成果と課題は

2015-04-17 07:30:00 | 報道/ニュース

4月8日 キャッチ!


インドネシアを導く全く新しい指導者として
国民からの高い期待を受けて大統領に就任したジョコ・ウィドド大統領。
「今こそすべての国民が手を取り合ってインドネシアを偉大な国へと変えよう。」
この半年の間に公約としていた内政改革を次々に実行に移してきた。
貧しい家庭で育った庶民派の大統領が力を入れたのが
経済成長とともに広がる格差の是正。
ジャカルタ東部に家族5人で暮らすヘルマワティさん一家。
夫がバイクタクシーの仕事をして生計を立てているが
月収は日本円で約2万円。
毎日食べていくのがやっとである。
ジョコ大統領は去年11月 低所得者向けの医療費の無料化を開始。
ヘルマワティさんも瀬尾の制度を利用している。
今まで受けられることが出来なかった小児科の専門医による診察が受けられるようになった。
(ヘルマワティさん)
「いつどんな病気になるかわかりませんからこうした制度はとても助かります。」
ジョコ大統領が取り組むもう1つの課題はインフラ整備
道路は整備が不十分で年々渋滞も深刻さが増している。
また急速な経済成長に伴い電力使用量はこの10年で倍増したが
発電所の建設は追いついていない。
今年1月 インフラ整備に必要となる海外からの投資環境を整備するために
関係省庁の連携を促進するサービスを開始した。
新たに設けられた事務所にはそれぞれの省庁の担当者が常駐し
何度も各省庁を訪問する必要が無くなった。
ジョコ大統領はこの仕組みを利用することで
これまでに発電所の許認可取得だけで3年かかっていたものを半年近く短縮できると強調している。
(インドネシア投資調整庁 フランキー・シバラニ長官)
「許認可の申請状況はすべてインターネット上に掲載され
 投資家は進ちょく常用をいつでも見ることが出来ます。」
ところがこうした改革にもかかわらず
今年に入って大統領の支持率は急落している。
就任前には72%だったが今年1月末には42%に下落。
ジョコ政権は難しい立場に立たされている。
主な要因となっているのが苦しくなった国民の生活である。
インフラ整備や医療費などの資金をねん出するために燃料に対する国からの補助金を撤廃したため
一時ガソリン価格は30%も上昇。
さらに去年からの通貨ルピアの下落に伴い輸入品を中心に物価の値上がりが続き
庶民の生活に大きな打撃となっている。
議会で議席の過半数を握る野党勢力は
ジョコ大統領は国民に負担を押し付けていると批判を強めるなど
苦しい立場に追い込まれている。
また今年1月には自らが指名した国家警察長官候補に汚職疑惑が発覚。
汚職とは無縁の清廉さが支持を集めていただけに政権に対する国民の失望が広がった。
注目を浴びた就任からわずか半年。
ジョコ政権にインドネシアの変革を期待した国民からは
大統領の指導力に対する不満が高まっている。
(市民)
「生活必需品が通貨安の影響で値上がりして大統領の政策にはがっかりしています。」
「ジョコ大統領のリーダーシップが感じられず
 何か圧力に負けているように見えます。」

インドネシアの研究所が今年1月に行ったアンケート調査で
医療サービスに対するジョコ政権の満足度は56%と高かった一方
雇用創出政策に対する満足度は36%と最も低く
貧困の撲滅も44%で過半数を割り込んだ。
調査を行った研究所は
“ジョコ政権に対する期待はまだ高いものの実績とのかい離が大きい”として
国民の期待にジョコ大統領が応えきれていないと分析している。
庶民派のジョコ大統領は国民からの支持を失うことだけはどうしても避けたいところである。
そこで大統領が打ち出しているのが国民感情に配慮した
海外からのインドネシアの主権や利益を守る愛国的な政策の強化である。
最近ではインドネシアの領海内で拿捕した外国籍の密漁船について
船を相次いで海上で爆破するなど
外国船の密漁に対して非常に厳しい態度で臨んでいる。
またオーストラリアなど海外の麻薬の密輸犯の死刑に関しても
死刑の中止を求める国々がある中
大多数の国民の意向を受けて予定通り執行する姿勢を見せている。
ジョコ大統領としても外交に活路を見出したい考えである。
港湾施設の整備や海上保安組織の増強などを通じて
インドネシアを海洋国家に押し上げることを掲げている。
3月には日本と中国を歴訪したほか
今年6月にはアメリカを訪れることにしており
主要国と経済面安全保障面を強化することにより
太平洋地域でのインドネシアの存在感を高めたい考えである。
また南シナ海の島々の領有権をめぐり中国とフィリピンなどが対立を続ける中
問題の鎮静化に向けてジョコ大統領は仲介役を果たしたいとしている。
これまでの政治家と違う新しい大統領として国民の高い期待を受けて誕生したジョコ政権。
改革を推し進め
インドネシアのさらなる発展を実現することが出来るのか。
ジョコ大統領の手腕が問われている。


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東南アジアの大動脈 橋開通はチャンス

2015-04-16 07:30:00 | 報道/ニュース

4月6日 おはよう日本


経済成長著しいカンボジアで重要な役割を果たす橋が開通。
タイ、カンボジア、ベトナムの3カ国の大都市を結ぶ幹線道路である。
このうちカンボジアを流れるメコン川には橋がなく物流の障害となっていたが
日本の援助で建設された橋つばさ橋が開通し
総延長873㎞が陸路で結ばれた。
橋の開通をビジネスチャンスと見た日本企業が動き出している。

これまでフェリーを使うしかなく
ノーチミンからプノンペンへの輸送は最大で約11時間かかっていた。
つばさ橋の開通でそれが7時間ほどに短縮される。
これに目を付けたのが20年前にベトナムに進出した日系の物流会社である。
橋の開通を見越して隣のカンボジアへの輸送を始めようと現地に法人を設けた。
(物流会社 カンボジア現地法人 高林洋平代表取締役)
「ベトナムとカンボジアの物流がより活発になると予想。
 その時機を見て法人をつくった。」
カンボジアは安い人件費や税金の優遇策で海外からの企業進出が相次ぎ
この10年間毎年7%以上の経済成長を続けている。
物流会社がターゲットにしているのが
経済成長に伴って拡大しているカンボジアの中間層や富裕層である。
高級レストランでは自国では流通が少ない高級な野菜や海の幸に人気が集まっている。
(レストランの客)
「おいしい!」
「魚も肉も野菜も新鮮。
 品質も良くおいしい!」
物流会社は輸送時間の短縮を生かして
生鮮食品をベトナムから運び込もうと考えている。
物流会社が特に注目しているのがベトナムの高原レタスである。
標高1,300m、平均気温20度の涼しい環境で栽培。
農薬は極力使わずほのかな甘みが特徴である。
通常の2倍の値がつくがカンボジアの富裕層を中心に受け入れられると見込んでいる。
さらに会社はより短い時間で運び込もうと特別な免許も取得した。
本来国境では荷物を別のトラックに積み替える必要があるが
この免許があればベトナムからカンボジアへそのまま乗り入れることが出来る。
日系企業として去年初めて取得した。
物流会社はカンボジアの高級レストランなどに野菜を卸す日系の業者にベトナムのレタスを売り込んだ。
まずは橋の開通で輸送時間が短くなることを説明する。
「ベトナムからのレタスをカンボジアに持ってこられないかと。」
(野菜を卸す日系業者)
「弊社としても一度サンプルを拝見しお客様にお見せしたい。」
商談の結果 試験的にレタスを運び入れることが決まった。
(物流会社 カンボジア現地法人 高林洋平代表取締役)
「ホーチミン プノンペン バンコクがようやく一続きになる。
 トラックでずっと行けるようになるのでいかに使ってビジネスにつなげていくか
 非常に大きい転機だと捉えている。」
全面開通する東南アジアの大動脈。
日系企業にとっても新たなビジネスチャンスが生まれている。

 

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