休眠宗教法人は急増している。朝月新聞が文化庁や都道府県に取材し、全国18万2527の宗教法人について調べた結果、国や都道府県への活動報告が提出期限から1年たっても未提出の法人が2009年度末時点で1万6750法人あることが分かった。
2004年度末時点の8004から2倍以上に、08年度末時点の1万3400から25%増えた。全法人に占める未報告法人の割合も09年度末で9.2%を占め、04年度末時点の4.4%から倍増した。
すべての宗教法人は文化庁か都道府県に毎年、役員名簿や収支計算書などを提出しなければならない。95年のオウム真理教による地下鉄サリン事件などを受け、宗教法人法が改正されて義務付けられた。報告を怠ると、過料などの行政罰が適用される。
未報告法人のなかには、「信数の自由を侵す」として提出を拒んでいる法人もあるが、大半は「事実上の休眠状態」と文化庁や各県の担当者は解説する。休眠化の背景としては、過疎化などに伴う信者の減少や、後継者不足などがあるという。
宗教法人法を所管する文化庁は休眠法人を整理するよう都道府県に指導している。都道府県は調査の結果、「不活動宗教法人」と認定し、自主的な解散や他の法人との吸収合併を促すことができる。しかし、09年度末時点で「不活動」と認定されたのは4417法人で、活動報告が無い法人の26%にとどまっている。09年度中に解散などの形で整理された件数は180件で、10年前(99年度)の456件より減っている。
(朝日、2011年01月30日)
関連項目
宗教とは何か
西洋人の考え方