植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

土地は固定資産だが 地震で移動する流動的な資産でもある

2023年07月30日 | 雑感
本日は日曜日でありますが、「土用の鰻」の日だそうです。昨日、そうと知って駅ビルの地下でウナギのかば焼きを奮発して買ってまいりました。
ワタシは貧乏しているわけではありませんが、生来の貧乏性なので、これをいっぺんにぺろりと食べることはいたしません。ひと串二切れを、半分残して翌日(今日)頂き、ひと串で二度おいしい、というのがよろしいのであります(笑)


そして、今日は境界線の測量立会、の約束になっています。
裏のおばさん(93歳)がだいぶ前から、老人性の認知症になってきて、いつまでも一人暮らしをさせられないという事になりました。しかも末期のすい臓がんだそうです。娘さんたちと相談して近くの介護施設に入所、今住んでいるところを引き払ったのです。

おばさん(当地ではおばあさんとは呼ばないのが習わしです)は、早くにご主人を亡くし、一人住まいが長かったのですが、大変な働き者でしっかりしていたので、誰に頼ることもなく、借家の家賃も払い続けて来ました。そして、いよいよ室内の荷物(残置物)も片づけられて、恐らく地主さんは更地にして新たに家を建てるかあるいは第三者に売るかということだろうと思います。

その所有者さんは、当地でも昔からの指折りの資産家であります。そうした方のやることで間違いはないので、境界線の確認などは家内に任せておこうと思います。というより家内の方がしっかりして経験豊かだったりします。

実は、ワタシは子供の頃から「隣地との境界トラブル」を体験しております。
以前住んでいた九州大分の自宅は、背後が小高い山で、家自体丘の上、半分ほどが裏山に囲まれている状況でした。裏山はご近所さんが所有して竹藪と雑木・雑草が生い茂る放置状態だったのを記憶しています。

そこでその境界は、ワタシ達が引っ越していく前から丸石・自然石を積み上げた石垣でした。高さは1~3m位、かなりの段差があったのです。この石垣は、基本的には片手でも持ち上がるほどの丸みがある石を素人が積んだように見えました。そして長い歳月の間に、あちこちで崩落し始めたのです。特に竹藪がせり出したあたりは根がどんどん地中を伸びていくので全体が膨らんでいました。地震などがあると、少しづつ石垣が崩れ、ゴロゴロした丸石が、自宅内に転がってきていました。

するとある時、その山の地主さんから「お宅は石垣を壊して地所を広げているのではないか」とクレームをつけて来たそうです。ワタシは当時中学生でしたから詳細は存じませんが、裏山もワタシの家も同じ所有者だったので、境界杭などは無くてあくまで石垣の一番下を境界としていたようであります。

それから数十年後、こちらに来て家内の親の代から所有するわずかな農地(地目は畑か雑種地だったか)があって、境界確認の必要に迫られて出向いたことがありました。ここもやはりマサキかなにかの低木が境界杭かわりに植えられていました。家から遠く離れた場所なので管理もしていない地所だったのです。
すると、長方形の4隅の一か所の境界の木が消えていて、お隣の所有者が作る畑が侵食していたのです。近在の区画はすべて長方形、直角に線引きされているのに、うちとの境界だけ、そこだけが斜めになっていました。おそらくずいぶん前に境界の木を引っこ抜いて、じわじわと耕作地を拡充したのではなかろうかと思います。
争っても仕方がないので、現状に合わせて境界杭を打ち直し、実測面積は減ることになりました。

まだあります。
今、仕事場になっているコンビニ店舗の隣地は、先代の親戚(いとこ)の自宅になっていて、戦争から引き揚げてきて住むところがなかった親戚一家にその一角の土地を貸したのがスタートだったのです。以後その土地は親戚が買い取ったようですが、ある時、別の目的で市役所が測量・境界確認に来ました。すると測量士が血相を変えてウチに来たそうです。
「お隣の塀の向こう側(つまり親戚の敷地内)に境界杭がある」、大変悪質だというのです。親戚は車庫部分を大きく取るために塀を作る時、うちの地所側に塀を建てたのですね。
まだ存命だった従弟の奥さんは家内に向かって「先の大地震の時に杭が動いたのだろう」と言ったそうです(笑)

人間の欲には際限がなく、相手が親戚だろうがなんだろうが「土地」に強い執着を持つ人が多いのです。それは、日本という国の国土が狭い中に大勢の日本人が住んで来たせいでもありましょうし、地価が高かったので資産価値が高いせいでもあります。

地震が多い国なので、地面が動き境界線が動くのだ、という「特性」があることも忘れてはならないのでしょうか。
コメント (2)
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