植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

ナツメちゃんからはるかちゃんに乗りかえる

2022年02月28日 | 植物
 昨日は暖かな強風が吹きつけてきました。世間ではどうかは知りませんが、ワタシとしては、例年より2,3週間遅れの「春一番」であります。屋上のメダカたちも、「水がぬるんできた」ので水面に上がってきて餌探しを始め、水面が波立つようになりました。
 最近、「ハクセキレイ」がこのメダカたちを狙ってきているのです。冬眠中は張った氷に阻まれ、水底でじっとしているメダカに手を出せなかったのです。メダカプールの上にはダイソーで買った金属メッシュパネルを置いていますが、ます目が粗くて小鳥は容易く魚に嘴が届くようです。ネットを買ってこなければなりません。

 これから植物たちが本格的に眠りから目覚めて芽吹きや花蕾をつけ始め、ワタシも園芸家の端くれとして忙しくなります。昨日は強風の中国皇帝ナツメを処分しました。5年経つのに満足に実が付かず、つくのは害虫ばかり。そもそも中国原産というのが、とても不愉快なのです。実のならない果樹は邪魔なだけです。せっかく南向きで、建物を背にしている風も吹きつけない絶好の立地です。

 ウチの菜園・果樹園は目いっぱい植えているので、新たになにか植えたければ、どれかを処分しなければなりません。スクラップアンドビルドなのです。 他の柑橘類(デコポン・清見オレンジ・はるかなど)が並んだ日当たりがいいその植え込みで、家内に絶賛された「はるか」を追加して植えることにしたのです。
 もうあきらめて、ナツメをのこぎりで伐り倒し、根っこを除去しました。かなり大きくなって幹の太さは10センチほど、ナツメの根は、蔓のように地下を2mくらい這っているので全部取り除くのは重労働でありました。

 ほとんどが砂地の植え込みなので果樹を育てるのはちょっと物足りません。果樹は、有機たい肥を中心にして肥沃な土であると、美味しくて甘い果実をつけてくれます。砂地だと強い風が吹けば根が持ち上がったりもします。
 1m近い深さと直径の穴を掘り、大量の元肥(落ち葉、有機物・たい肥・腐葉土)を一番底に投入し、赤玉土と黒土を砂に混ぜ込んで、「水はけと水持ち」両方を満たす土にします。大量に黒土を運び込んだそばの畑から砂土と交換で、客土するのです。根っこは栄養分と水分を求めて地中深く延びていくので、そこに10年持つような肥料を埋めておくのです。

 秋に撒いた土中の害虫殺虫剤(ダイアジノン)が効いていたか、ヨトウムシやコガネムシの幼虫・蛹は見つかりませんでした。根を傷めると生育障害が出ます。幼苗は特に根を齧られない様注意しなければなりません。

 恐らく今日、明日には注文した「はるか」の苗が届くと思います。これでなじみの花屋さんで、一般園芸用培養土と腐葉土を買ってきます。ホームセンターで買えば品数も豊富で安いのですが、園芸用品は顔の見える個人のお店で出来るだけ買うことにしています。その方がお店の人も喜んでくれるでしょ。

 これで順調にいけば、来年か再来年には甘いはるかちゃんが食べられるようになります。ナツメちゃんごめんね、でも実を生らせないあんたが悪いんだよ。
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外人、開幕に間に合うんかい?

2022年02月27日 | スポーツ
靴屋さんが車輪から降りて歩いてコーヒーを飲んだ。これを見て巨人の助っ人外人だと気づく人はよほどの巨人通であります。Matthew David Shoemaker (シューメーカー)、Zelous Lamar Wheeler(ウィーラー)Adam Brett Walker II (ウォーカー)Gregory Polanco ( 愛称El Coffeeーエルコーヒー)の4人が、今年巨人で期待される「助っ人」であります。毎年新たな外国人が入団し、ほとんどが活躍しないまま消えるので名前も顔も覚えられません。日本語に直して顔と名前を一致させようかと思います。(笑)

 今年もコロナのせいで、日本に来れないまま国内のキャンプが進行しています。練習試合はすでに行われており、とうとうオープン戦も始まりました。去年の事を思い起こすと、同じくキャンプインが遅れ付け焼刃で開幕戦に出たとたん、新外国人テームズは慣れない人工芝の外野で、ちょいとジャンプしただけでアキレス腱断裂 となりそのまま退団しました。調整不足・準備不足は明らかだったのです。

 オミクロンのおかげで、国際線の規制は続いており、海外からのスポーツ選手もなかなか入国できません。するとアメリカの暖かいところで自主トレーニングするしかありませんが、ちゃんとした球場でスタッフがおぜん立てするというような環境ではなかろうと思います。知り合いと軽くキャッチボールをして軽くジョギング程度でおしまいでしょう。

 そんな事前の心構えと身体的な準備不足のまま3月に来日し、ぶっつけで野球をやってもうまくいくわけも無いのです。毎年大物メジャーリーガーとして巨人に入った選手はコロナが無くても、あらかたが役に立たず、半数以上が1年で首になりました。日本の野球を舐めてるか、MLBで相手にされない程衰えたか故障持ちでありました。直近では、名前は忘れましたが秋に緊急入団した選手、スモークなどあっというまに消えてしまいました。

 そして練習試合やオープン戦が外人抜きで始まりましたが、冴えません。まず打てない、ベテラン野手のバッティングが上がってきていません。この時期は育成も含めて1・2軍ぎりぎりの若手の試用期間でもあります。期待の高卒2年目中山・秋広がどこまで伸びてきたか、が焦点です。若い選手は今がチャンスなんですね。それから腐りかけていた中田翔!日ハムからきて借りてきた猫状態でした。このキャンプには20Kg体重を増やして自信満々のようです。まだ、衰えるには早いのです。太った猫では困ります、虎になってほしいのですが。

 巨人では昨年ドラフトで「即戦力」と目された赤星・山田龍聖 ・外野手岡田などを使ってみたいのです。また、投手ならば手術や故障を克服してきた、ここ数年ドラ1.2である「鍬原・堀田・山崎」などがようやく本格的な投球が出来るようになっているのが楽しみなのです。万全になってるはずの「平内・戸郷・高橋」はいずれも今年も期待できません。コントロールが悪く力任せに上半身の力で投げ込むとかえって球威が無くなり、棒球になって痛打されています。戸郷のように地肩が強い選手は、ウェートトレーニングと走り込みで下半身を鍛えて、低い姿勢から手投げにならないようにできれば威力が増すのにバカなんでしょうか。

 先発を任せられるのは菅野と今村、外国人一人くらいかもしれません。これに昨年のドラ一翁田投手や山崎伊織が入って来さえすれば十分戦えます。昨年の終盤まともな投手がおらずローテーションを5人にしたら総崩れになった、その失敗を繰り返さないで欲しいのです。

 あとひと月で開幕というのに、こんなんで大丈夫か?助っ人は間に合うのか?私設巨人軍監督としてはやきもきするばかりです。
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対岸の火事 洞ヶ峠を決め込むのはどうかと思う

2022年02月26日 | 時事
 昨日も国会で、なにやら議論しておりました。Go-Toを早くやれだの、子育てがどうだの、秘匿出産がどうした、など呑気なものであります。

 東欧でのロシアの軍事侵攻は、西の方にある島国にとっては対岸の火事なのでしょうか。政府も表立っては、経済制裁するとか厳重に対処するとか言っていますが、たいした効果もなく及び腰にしか見えません。挙句にロシアの大使には報復すると脅かされています。

 昔中国の杞という国の人々が、空を見上げて空が落ちてこないかと心配したことから「杞憂」という言葉が生まれ、起きるはずのないことを無用の心配、取り越し苦労することを指します。時の中国を統治していた周の国から領地を与えられてできた小国です。幾度も国替えで漂浪し、確たる領土が無かったために、不安でいろいろなことを心配しなければならなかったのです。.

  もうすぐ来る3.11のあの大震災は、政府も原発関係者も、大津波は発生するはずがないと長い間「杞憂」で片付け、絶対安全だと宣伝しました。そして起きた後は「想定外」という言葉で責任回避しております。

 太平洋戦争末期、日本がロシアの侵攻・参戦によって北方領土を奪われたのを忘れたのでしょうか。ロシアが領土拡大(ソ連時代からの失地回復)の「軍事的・地勢的」な要衝としてベラルーシ、クリミアなどを支配下に置いたのも、本当は狙いをつけていたのがウクライナの奪還でありました。ウクライナを占領するつもりはない、二つの共和国を作ってロシア民族の安全確保する、という表向きの声明とは裏腹に、予想通り首都キエフに迫り、今日明日にも制圧されるかもしれません。早速、現政権を倒せ、ウクライナ軍でクーデターを起こせと煽り、とうとう、ウクライナ政府と交渉すると言い始めました。

 これは交渉では無く「無条件降伏強要」であります。ウクライナの国民や兵隊、現政府の要人の生命安全を保障するから、政権を降りろと迫っているのです。嘘ばっかり、その後は、親ロシア政権樹立→ロシアへ併合となり、旧政権の人間は抹殺されるでしょう。

 西側諸国は手の届かないところで遠吠えし、虚勢を張って強がってタダでは済まさんぞとと言うだけ。兵士一人送るつもりもなく抗議と批判だけで終わらせようとしているように見えます。自国に難が及ぶのを恐れ、全面に出ようとしません。中国が後ろ盾にあることは言うまでもありませんが、中国はロシアが試金石で、ロシアの成功体験によって、「台湾」に侵攻・占領して一気に中国が支配してしまうつもりなのです。

 これを杞憂と笑いますか?。そして台湾を飲み込んだら次のターゲットはどこですか?。東側・中国ロシアにとっての、軍事上最も目障りで隣接した小国が「日本」であります。核兵器は無く、アメリカから押し付けられたお古の戦闘機や兵器と、戦うことが無いため安心して就職先に選んだ日本国自衛隊の防衛です。憲法はほとんど他国から攻撃を受けた時のことを想定しておりません。それは「アメリカ」が守ってくれるから平気さ、という幻想によって成り立っているからです。

 中国などにとっての日本は、いざ覇権戦争(第三次世界大戦)が起きたら、最も激戦地区となる軍事上の最重要エリアであります。目の上のたん瘤で、そこにアメリカがミサイルを隠し持っているから邪魔で仕方ないのです。アメリカで言えばあのキューバと同じです。日本は海を隔てていると言っても、ロシアや中国とは国境を挟んだ隣国であります。戦車隊など陸上部隊の展開が望めない太平洋上の孤島であります。北朝鮮だって目と鼻の先です。そしてみんな核ミサイルを発射できるのです。

 もし沖縄方面から中国、北海道にロシア、原発のある柏崎から一斉に艦船が押し寄せ上陸してきたときに、「抵抗したら東京に核ミサイルを落とすよ」と言われて、アメリカ軍がどう反応するでしょう。自衛隊は25万人います。アメリカは4万人前後の米兵を日本に駐留させています。核兵器を持った洋上艦隊が、日本国民を守るため、いきなり核ミサイルで応戦する判断をアメリカが下すとは思えないのです。昔ベトナムからほうほうの体で逃げ帰りました。アフガンから撤退し、イラクから兵を引き上げ、今回も知らんぷりなすがままのエゴイスト国家であります。

 ロシアは今回10万人ほど の兵をウクライナに投入したそうです。ウクライナの軍人は予備役と合わせて50万人だそうですが、侵攻に備えて配備し待ち構えていても、空爆によって一挙に軍事拠点が無力化し軍用飛行場も制圧され、首都さえ風前の灯火なのです。 

 また、チェルノブイリはウクライナ領にあります。あの原発事故を引き起こした稼働中の施設が、両軍の交戦する真っただ中にあるのです。これが爆発したら、史上最悪と言われた核汚染の再来であります。

 平和ボケした日本が、高みの見物を決め込んで確たる姿勢を見せない(動かない)というのが現状です。これを洞ヶ峠を決めこむと言います。明智光秀の重臣だった筒井順慶は、信長を倒した光秀を洞ヶ峠に陣取ったまま動かず、見殺しにしました。その後、寝返った功で秀吉には所領の大和の国を安堵されますが、ほどなく病死し、その後継者の代でお家騒動やらなにやらで取り潰しとなり筒井家は断絶したそうであります。

 ワタシのこんな想像や心配が「杞憂」で終わることを願ってやみません。
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狂人の支配する大国

2022年02月25日 | 時事
 ロシアのウクライナ侵攻を書かざるを得ません。ワタシが死んだ後も恐らくこのブログは、、古家にうち棄てられ忘れられたままの古雑誌のように、何年かあるいは何十年かはそこにとどまっていくはずです。
 この戦争が起きたこと、そしてその時に何を感じていたのかを書き留めておくのは決して無駄にはならないだろうと思うのです。

 一つの国にいある部族や民族、宗教などの対立で内戦状態になることは今までも幾度となくあることです。今回は、事前にロシアよりの勢力をウクライナ内に送り込んで、内戦工作を起こし、ロシア系住民を守るための平和維持軍を派兵するという「理屈」をひねり出しました。一方で、「NATO」の加盟をめぐって外交努力に応じるふりをしていました。もし周辺国を含めウクライナなどがNATOに入らない、ことを西側諸国が正式に認めれば進軍しない、という両面作戦でどちらになってロシアにとって優位性が増す結果となります。

 軍事行動は脅かしで、派兵しないと予想していました。プーチンがまともな精神と高い政治判断能力があれば、戦争を選択するはずがないと思ったのです。すでに、かれは使いきれない想像もできない程の財産を集め、権力を生きている限り恣に出来る体制を築いております。豊富な石油資源、世界に広げたKGBのネットワーク、中国との連携、核兵器、政敵の駆逐など盤石の態勢で、表向きには国民の圧倒的な支持も得ているのです。これ以上何かを獲得しなければならない必然性には乏しいのです。
 
 戦争を引き起こせば、何か月か後に恐らくウクライナは掌中に収まるでしょう。しかし、国際的には反発を強め、特に西側諸国は団結してロシアを警戒し敵対することになります。さまざまな制裁を受け止めなくてはならなくなります。国内外で強引な領土拡大の手法を批判する民意も高まるし、戦争による犠牲も軽視できません。大きなリスクを背負い込むことになりました。

 思えば、ロシアという国は「何でもあり」「やったもの勝ち」道理などどうでもなるという歴史を繰り返してきました。終戦間際の日本に不可侵条約を破棄して日本へ攻め込み、樺太から北方4島を略奪したまま今に至ります。大陸に取り残された日本兵を数万人抑留しシベリアで強制労働させてほとんどを餓死させました。
 その後も、チェチェン紛争やアフガン侵攻、クリミア併合と世界最大の領土を持つこの国は、近隣諸国を隙あらば、わがものにしようとしてきました。

 ロシア民族は80以上の民族で構成される多民族国家でありますがその中心は白系ロシア人です。その国民性は残酷で野蛮、プライドは高いが知能が低い、というイメージでしょう。ボリシェヴィキ (共産党の前身)がロマノフ王朝を倒した時、そのニコライ一族を使用人もろとも全員銃殺したのです。日本で行われた蛮行や今の映画で見聞きするロシアンマフィアの非道ぶりなど、ロシア人の血に流れる残虐性や好戦性は変わらないのです。

 もう一つの特徴は、西暦600年頃から一つの国として成立した時からずっと「帝政」であったということです。モンゴルから支配された時代を挟んでキエフ大公国・モスクワ大公国、帝政時代を経た後もスターリンやレーニンといった独裁者が実質的に統治した「王政」国家であったのです。ゴルバチョフさんやエリツィンさんによってソビエト連邦は解体されましたが、社会主義国家・民主主義の仮面を被った独裁政治はプーチンさんが継承し、国民も多くはそれを是としてきたのです。

 そこで、その王様(ロシアのツアーリ)は、狂人習近平率いる中国共産党と結託して、戦後の世界を二分する一方の勢力となっております。手にしているのは核兵器と、莫大な天然資源を有する広大な領土、国が人権無視しても自分の生活さえ良ければいいという愚民たちであります。

 ワタシは、あの安倍さんが「ウラジミール」と呼んではしゃいだロシア外交を思い出します。さんざん人参ぶら下げ(画餅 )られて貢物を差し出し、もてなした挙句に、何も返す気が無いと正式に声明を出されて真っ青になっていました。あの露助たちにいいようにコケにされたのです。

  北京オリンピックのフィギュアのコーチエテリ・トゥトベリーゼ をロシアでは、熱狂的に支持しているそうです。強くなるためには、いたいけな少女をどんな目に合わせてもいいのだ、ドーピングも許されるのだと。そんな国民性なのです。

 このままいくと、プーチンさんが死ぬ前に、プーチンさんが狂人になってぶっこわれることにならないよう祈るよりない気がします。まともな判断が出来る神経が失われ、猜疑心と孤高の頂上心理によって「何をやっても許される」と思い込んで日本を含めた近隣諸国に向かって、核ミサイルをぶっ放すことを恐れるのです。

 元はと言えば、中国・ロシアを常任理事国として「拒否権」を持たせるという戦後間もないパワーバランスで立ち上げた国連が機能しなくなったことに起因します。常任理事国が当事者となる国際紛争・戦争に対応できないのです。そして、トランプ、バイデンという自国国益優先主義の大統領が、なんとか世界平和のフレームを維持してきた世界を混沌に誘い、抑えてきた勢力の台頭を許したとも言えるのではないでしょうか。
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いつもいい一日とは限らない

2022年02月24日 | 雑感
昨日は、ショッキングなことや悲しい事、つらいことで一日が終わりました。

 LINEに金融機関の現役時代の友人から訃報を貰いました。35年ほど前に勤務していた川崎支店の同僚で、10歳も年下の女性が病気で亡くなったそうです。細身で色白の笑顔が奇麗な娘さん、寿退職して以来、仲間ともほとんど音信が途絶えていたのです。連絡をくれた人によると10年ほど前に乳がんを患ったそうですが、亡くなったのと関係があるかもしれません。

 自分よりずっと若い方の知り合いが亡くなるのはとても切ないものであります。闘病生活はさぞかし辛かったろう、残されたご家族は悲嘆に暮れているだろうと考えると、日課の篆刻の手がなかなか動きませんでした。みんなともお付き合いが無く、コロナという時節柄家族葬なので弔問に行くのも難しいのです。

 すると九州の兄から体調が思わしくないので、次男の結婚式には出ないとの連絡が来ました。糖尿病が悪化したというのです。5年ほど前にあった時に血糖値が高い、という話を聞きましたが、病院にも行かず気にしていない様子だったのです。それがこの数年のうちに症状が進み抜き差しならない状況にまで陥ったそうです。九州の男は、気軽に病院には行きません。ワタシの父親も、50歳過ぎて高血圧でしたが、医者はあてにならない、自分で治すものだといって柿の葉っぱなどを食べていました。

 近所の親子で「藪医者」と評判の町医者にかかって薬漬けになって、一時寝たきりになったそうです。薬漬けのせいかどうかは知りませんが、糖尿病は、正しい知識と正しい療法を用いないと、どんどん進行する恐ろしい病気であります。かく言うワタシも、10年ほど前に「境界型糖尿病」の宣告を受けました。

 遺伝による生まれつきの因子で発症する「1型糖尿病」と生活習慣などに由来する後天的なものを2型というそうです。境界型というのは、すでに一生付き合うしかないレベルに達して、塀の向こうに落ちたら最後戻ってこれない境界線の上に立っているという意味です。薬と食事療法と有酸素運動をきちんと守って体重を減らせば、その数値は正常となりますが、油断して体重が増えたり糖質を沢山摂取すればすぐ悪化いたします。もう健康体には戻れないので、一年中、常に血糖値が急激に上がらない様、出来るだけ体を動かすように心がけなければならないのです。

 ワタシは、体重計と尿糖検知薬でチェックしながら、血中糖分の最近の平均値を表わすHbA1cの値が現状維持していて、普通の生活が保てております。甘いものはちょっとだけ、炭水化物は極力減らし、たんぱく質を多く食べております。難消化性デキストリンを飲み物に入れ植物繊維は不可欠であります。牡蛎はミネラル豊富で膵臓の機能回復に欠かせない食品の一つです。エアロバイクを30分、夕食後のステッパーを30分踏んで、体内の血液に溢れる糖分を先にエネルギーに変えて消費するのです。

 そして、今度は帰宅途中に「放置車両巡回車」に出くわしました。ここ数年駅から離れた老人ばかりの住宅地で見かけるようになりました。十何年ほど前か、駅前や繁華街の短時間の駐車違反を取り締まるため「民間委託」することにしたのです。「都市部を中心に常態化し、交通事故や交通渋滞を引き起こすなど、国民生活に著しい弊害をもたらしている 」ため駐車違反を強化して取り締まることなったのです。これは、実際は天下りや癒着となる民間団体を作り、定年後の警察官の再雇用とも言えます。あの交通安全協会がその象徴的存在です。

 こんな人通りのない住宅地、広い市道に数10分駐車して何の交通の妨げになり事故を誘発するというのか。ごく最近、近所で年老いたご両親が施設に入ったため、留守の実家を見に来てちょっと車を置いていた路地に駐車した息子さんの車に反則金を払わせたという実例がありました。うちの町内でも20数軒が要介助の独居老人、そうでなくても若い人は少なく、昼間にこの辺に来る車は、ほとんどが宅配やケアマネージャーなどが仕事に来ているのです。コインパーキングなど一つもありません、ただただ寂れ年老いた老人がひっそり暮らしている「限界集落」なのです。

 自治会長であるワタシは、見かねて監視員に「こんな場所で取り締まるのは年老いた住民にとって不利益を被る」誰も迷惑駐車などしない、と抗議しました。彼らに言っても仕方ない、警察にいくしかないのですが。とりあえず警察には電話をいたしました。

 そんなこんなで、なんとも心が騒いで落ち着かない一日でありました。糖尿病にはストレスが禁物なんです。
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