植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

認知症は現代病、他人ごとではない

2023年07月05日 | 健康
ワタシは長年、「腰痛」と「肩こり」に悩まされております。いわゆるリフレクソロジーとかマッサージ店、温泉での「按摩さん」などには20代後半からお世話になっております。会社員(金融機関)で、現役の頃は年中かかっていました。

定年後も、スマホやパソコンいじりはエスカレートし、加えて篆刻などの細かい作業もあって、背中のはりやら肩こりは尋常ではなく、毎週、箱根のマッサージの達人Tさんに来ていただいております。また、かつての職場の後輩で、東大卒のエリート、偉くなったのに急に「鍼灸師」を目指すと言って会社を中途退職したI君は、いまや県内に「鍼灸院」を2か所経営し立派な先生となっております。月に一度は、奥様と夕食がてら拙宅に来て、家内と二人分の施術をしてもらっています。似たような人間でやはり同じ金融機関勤務東大卒で、だいぶ前に落語家になったM君もいますし、人生はどこで切り替わるかわからんものです。

昨日は火曜日、Tさんにたっぷりもんでもらって体がほぐれたせいか、眠気を催し、久しぶりに午後に2時間ほどぐっすり眠ることが出来ました。ここのところ忙しく、寝不足でもあったのですね。ところが、夕方食事を終えた6時、その時間に、かのI鍼灸師からLINEの連絡が来ました。もうすぐ(18時過ぎ)に平塚に着きます、というのです。アッと思ってLINEを見返したところひと月前に7/4に施術の約束をしていたのです。彼のところにもいろいろあって二月間が空いたので、半ボケのワタシもすっかり忘れていて、そろそろ今月こそ来てもらおう、と思っていた矢先だったのです。

こちらはお腹がいっぱいですが、夫婦でお腹を空かして当家にやってくるので、急遽、ケンタッキー・フライド・チキンと、オクラなどの食材を買ってきました。いつもお客様待遇で、地元の和牛ステーキなどを食べさせていたので、普段のワタシ達のつましい食生活を知ってもらうのもたまにはいいでしょう。

肩こりに腰痛に、いささかのボケが混じって、すっかり年寄り気分であります。ワタシが終わって次は家内がマッサージをうけるのであります。

そこでテレビをつけたらWOWOWで「ドントサレンダー・スナイパーズアイ」原題/Fortress: Sniper's Eyeをやっていました。ブルースウィリスの『ドント・サレンダー 進撃の要塞』 の続編でありました。途中から見始めたので題も内容も・ストーリーもわからなかったのですが、いかにも2流映画の雰囲気。ところがベッドにブルースウィルスが横たわっているシーンで、!?と思い当たることがあったのです。
ブルースウィリスといえば、大好きなシリーズ「ダイハード」で一流俳優の仲間入りをし、以降アルマゲドンなど数々のアクション映画の主役級で活躍した名優です。なんと今はまだ68歳、ワタシと一歳上の若さですが、「元俳優」という肩書がついています。だいぶ前からおつむが薄くなって、かなりの年配だと思っていたのです。

ウィルスは、2022年3月に娘さんから「失語症」のため俳優を引退すると発表されました。すでに認知症を発症していたのです。その前に行われたゴールデンラズベリー賞で、わざわざ特別賞として「2021年公開映画で見せたブルース・ウィリスの最低演技賞」が設けられました。これは彼の病気のなせる結果で、映画を撮影するのにセリフを覚えられない、演技が緩慢で撮り直しの連続だった、と伝えられていました。彼の病気が公表された後上記の賞は当然ながら取り消されました。

そんなことを思い浮かべてこの映画を観たのです。準主役で、施設に乱入してきた悪党の集団のリーダーとのかつての確執がストーリーのメイン・主題であったのですが、登場シーンは極端に少なく、無表情で短いセリフの彼は痛ましく見えました。クライマックスに近づいての肝心のアクションシーンにも、ほんの短い時間でしか出てきません。撮影中に監督やスタッフは異変に気付いていたはずなのです。しかし、すでに撮影は始まり、事前の大々的な宣伝も行われて多額の予算が投じられていたので、下ろすわけにはいかなかったのでしょう。

この映画は全般に「緊張感」が乏しく、展開自体に無理があるご都合主義的な(雑な)映画で、監督・脚本など「続編」にありがちなチープな映画でありました。ウィルスは2022年だけで9本くらいの映画に主演級で出ているそうです。この後、Survive the Game あたりが最後の主演映画であったようです。ウィルスさんの名前だけで映画を売ろうとする意図が見え見えであります。
前頭側頭型の認知症というのが公式の病名ですが、まだ68歳でこの先の本人やご家族の行く末が案じられます。

で、話はまた鍼灸師のI君に戻ります。彼の奥様のお母さんが2か月前に亡くなったのです。体が弱かったと聞いていましたが、それ以上に気になっていたのがその夫(つまり奥様の実父)の病気です。だいぶ前から「認知症」を発症していて、典型的な「老々介護」、夫婦お互いに深刻な病気を抱えて暮らしていたのです。お母さんの亡きあとも、一軒家に一人暮らしで様々なトラブルを抱えている、ことが一人娘であるI君の奥様の言葉や表情から如実に感じられました。

旦那さんの鍼灸院の仕事をサポートしながら、定例的に認知症の父親の面倒をみなければならない、そんな状況がこれからずっと続くのです。裏のおばさんも、半年ほど前に認知症で施設に入所しました。

無論、他人ごとではなく、このワタシも認知症の「一歩手前」の可能性もあるのです。
 

 
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