植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

石を磨く 偽物と本物の違いを知る

2023年10月31日 | 篆刻
ヤフオクで落札した石印材で真っ先にすることは、「石を磨く」であります。
まず、特に田黄石(擬きを含む)の場合人造石である可能性、あるいは安い天然石を田黄石に見せかける細工をしているかをチェックするのです。

例えば、この4千円で落札した「田黄」と説明書きにあった石。ワタシもこんな角石で光沢のない石、しかもたった4千円で印材の王様田黄石が入手できるとは思っていません。ここ半年以上前から印材の落札価格が異様にヒートアップして、体感的には以前の2,3倍くらい出さないと落札できないという状況なのです。

そこで、コレクターのワタシもいわば時間つぶしでヤフオクの出品物を眺め、安かろう悪かろうを承知で入札するという状況に陥っているのです。この石もそんな感じで、ありました。もう届いた瞬間から4千円の価値が無いことは確信しました。すぐにサンドペーパーを濡らして磨いてみたのです。
ザラっとした風合いでいかにも田黄の色に似せておりますが、案の定中の地色は薄い灰褐色でありました。細めのサンドペーパーで更にこすっても透明度は低く「艶」も出ません。彫りやすいかどうかは別にして、正体不明の駄石であります。
ついでに同じ業者が出品していた「田黄石標本」というものは1,000円で一緒に落札したのです。石の大半が白っぽい雑質の石ですのでそもそも印材には不向きであります。しかし、ちょっと全体を丸く磨いて彫れそうな場所だけを平らに磨けば使えそうなものに見えました。1個100円しないものなので、損も得もないレベルですね。
そうはいっても、明らかに粗悪な代物を平気で出品して欺く。というスタンスに見えます。そしてその評価は約400件の成約で92点!、これは驚異的な悪い評価点であります。落札者の10人に一人が悪い、という評価をしているのは滅多にありませんよ。もう速攻で「ブラックリスト」に載せました。これで間違えて次に入札することはありません。こういう人はいずれ締め出されると思います。その時には得したようでも、長いスパンではいつか凋落の日が待っています。
ビッグモーターも今回倒産したパチンコ「ガイア」も然りであります。

一方ワタシが「フォローリスト」に載せている出品者さんが3者います。これらの業者・個人は①商品説明が正確 ②きちんとした鑑定眼があるので偽物・まがい物がない ③良質の印材を提供していて入手したものにも満足できる、といった方たちであります。
これがそのお一人から最近落札したものです。

写真上は、1番上のものが「天青石」という初耳の石で、水色が美しく、てっぺんの茶色の部分が表面の殻であったと思えるものです(2,700円)。この種の石は大変珍しくコレクションに加えたいと思いました。左の薄い透明度のある紐(ちゅう)付きの石は「老性芙蓉」と書かれていて、「黄芙蓉」という銘石と思われます。側面にも全面に細かな細工が施されていて、石の価値の高さを想像させるものです(3,600円)。白っぽい丸石は「善伯 瓦紐」と表示されていて上部の丸い小さな穴に紐を通すようになっています。善伯洞は良材を産することで有名な印材の産地(水坑)なのです。(1,000円)

下の写真は「青田石」です。左の石は藍星の入ったものでワタシが好きで4,5本保有しています。藍色の部分が広いほど珍重され高価になります。(1,400円) 右の小さな2つの石は「封門」と言われる青田石の中でも最上位とされる良質な材でありますが、ワタシ自身今一その区別や特徴が理解できていないのです。信頼できる出品者による石の種類説明なので、よく磨いてみて一般的な青田との違いを観察しようと思いました(1,000円)。

ついでに今とても興味深く、疑心のうちながら期待を膨らませている石があります。10/15に1,500円で落札した「パリン(巴林 )灯火凍」であります。

中国篆刻の祖と言われる「文彭先生」は、それまでお抱えの彫師に象牙を使って印を彫らせていたのですが、たまたま入手した「燈光凍」を彫ってみたら、これが気に入って以来自分で石を彫るようになったというエピソードが残っています。ワタシはその燈光凍なる幻の印材を探しているのです。出品物の説明「灯火凍」とはちょっと違うのです。本物が1500円のわけがない、やっぱり別ものなんですね(残念)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本日は休養日  何もしないぞ

2023年10月30日 | 雑感
今日という今日は、何もしない完全休養に当てようと思います。この半年ずっと体調不良に悩まされながらも頑張ってきました。

10月は、ほぼ毎日誰か人と会い、会社の決算資料を作成し、さまざま決まった日時にまにあわせるべく時間との闘い、石に向かっての悪戦苦闘、公職の会合・・・、消耗し、寝付けず何度も夜中に目が覚め、朝4時過ぎから活動を始める、といった過去に記憶が無いほど大変な思いをいたしました。楽しんだのは3日間の北海道旅行。

数日前にやっと公募展の最後の作品を仕上げて、先生に送付しました。最初に出した「全国書道展」の結果が、特選というワタシにしては結構な賞になり、そして落選した「日展」作品を、国立新美術館に赴いて搬出する、ことで一連の篆刻作品を公募展に応募する、という生まれて初めての試みが一応終了したのであります。一番ほっとして安心したのはどうやら家内のようで、これで安心して眠れると嫌味を言われております。

昨日は、次男のお嫁さんのご両親がはるばる岐阜の方から来られたので、マイガーデンやメダカプールなどを案内し、夜は大磯プリンスホテルで両家揃っての中華料理のディナーをいたしました。

やれやれ、やれやれ、なのであります。

来月は、また月初から菩提寺の重要な行事があって数回出向かねばなりません。篆刻講座という名目で、数か月前からお世話になって居る篆刻家の先生と初めて会うことになりました。
金融機関勤務時代の支店の会があり、ワタシが幹事の取りまとめをしているので、11月の3年ぶりの亡くなった「支店長を偲ぶ会」も待っています。気が抜けない日がまだ続くのですが、とにかく、健康な体あってのことでもありますね。

本当に久しぶりの休養日で、やっと期限などのプレッシャーから一時的に解放された今日だけは、何も縛られずボーーーッとしたいのであります。

ゴミ出しが済んで、畑のピーナッツを収穫し、キャベツなどについたアオムシや害虫の卵を除去してきました。お隣さんから植木屋さんが入るのでよろしくお願いします、と挨拶されました。
逆の隣に住む家内のいとこから、「家を建て替える」のでいろいろ頼みごとをされています。建設中に家財道具をウチの倉庫で預かってくれとか。今朝は、建設中に何か「空とか雲」とかを書いた紙を上の方に置くのでそれを書いてくれ、庭のアジサイがお爺さんの形見なのでいったん掘り起こして建て替えが終わるまで植えておいてくれなどと頼まれました。

これからメダカに餌をやります。

何もしないつもりでも、息をするがごとく、やることはやらないと仕方ないのであります。
そうだ!久しぶりに昼寝をするぞー
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田舎のネズミが花の東京をふらつく

2023年10月29日 | 旅行

昨夕は、ユーミンが好きだと歌った「14番目の月」であったようです。次の夜から欠ける満月より十四番目の月が好き♬、という歌詞でありました。
疲労困憊でようやく自分の仕事場にたどり着き、いくつかのやりたいことをなんとか片づけて隠れ家をでたのが5時を回っておりました。

朝早く起きてブログを更新して、一つ印を彫ろうと頑張りました。60年来の旧知の友人の娘さんの日本画展に行くのに、彼女に落款用印を作ろうと思ったのです。しかし、このところの多忙と体調不良などでまったく余裕が無く、当日まで彫れなかったんですから、1時間ちょっとで彫ろうなんてどだい無理でありました。

当地平塚から、最初の目的地が「六本木」というところにある国立新美術館であります。「くにたち」ではありません。自慢ではありませんが、ワタシは横浜の金融機関に就職し、そのほとんどを神奈川県内の本支店で過ごしました。3年ばかり日本橋の東京本部、それから40歳代で1年間だけ蒲田の町工場へ出向という憂き目にあった以外、東京には縁が無く、下北沢・渋谷やら世田谷など、学生の頃には、お付き合いのあった女性とデートで行った以降は、全く縁遠いエリアでありました。

会社員生活38年のうちの3年間の日本橋は、そこから東京駅へ徒歩、そして平塚駅との行き帰りですから、東京を知って探訪したわけでもありません。基本的には全く東京という所を知らないまま定年退職し、それ以降は東京に行くことは年に数回あるかどうかでありました。それもほとんどが羽田空港ですから、東京に行ったといえるかどうか。

その大都会の真ん中方面に数十年ぶりに出かけることになったわけです。第一の目的がその六本木にある美術館の地下にいって、先ごろ出品した篆刻作品、落選したので搬出する(持ち帰る)のです。通常は、会派・社中が取りまとめて団体扱いで持ち込むか、取次の出入り業者さんに額装から搬入・搬出まで依頼する個人扱いであります。地方から応募するには専門業者さんに依頼するのがお金がかかっても一番リーズナブルなのです。ワタシは、純然たる個人応募で、篆刻の先生に「専用」の額縁を貸してもらう、書道の先生に頼んで額装してもらう、を経て東池袋のサンシャインシティに搬入いたしました。

審査はどこでやるかは知りませんが、結果通知書が送られてくるという説明でした。それが届いたのが「落選品の搬出日」の二日前であります。その前に入選したら電報が来ると聞かされ、そもそも入選する見込みが全くなかったので、搬出は予定の行動でスケジュール表にも書いてあります。

そうして、東海道線に乗って出かけたわけです。田舎のネズミのワタシは、東海道線の東京までは全部知っています。しかしもう山手線になるとさっぱりわかりません。六本木にどうやって行くのかも知りませんし、そこから美術館への道も。頼りはアイフォンの乗り換え検索と地図アプリですが、これもあてにはなりません。地下鉄を使って2度も3度も乗り換えるという離れ業は到底無理であります。時間もかかるし。で見つけたルートが「新橋」で降りて歩いて「汐留駅」に行き大江戸線で一発で行けるというものです。新橋までなら考えずに行けます。ところが徒歩で汐留がまず難関、表示される地図には高速道路などばかりで簡単にたどり着きません。今来た道を引き返して信号機のある歩道を見つけてやっと汐留駅に着きました。それから六本木となるのですが、地下鉄の駅というのはだいたい複数の路線があり、上り下りでホームの階数が違ったり改札が全く離れていたりします。迷路のような通路を行ったり来たり、エスカレーターを上ったりおりたり、「カフカ」の小説みたいなものです。

なんとか、六本木にたどり着いたものの今度は方向が定まらず、これもなんどか行きつ戻りつしながら到着しました。

平塚駅を出たのがたしか8時50分、着いたのは10時半でありました。
入館証を貰い搬出口に入ると、一種異様な雰囲気です。人気は無く縦横に走る地下の通路と窓のない小部屋が無数にありました。

こんな通路が新美術館の地下に張り巡らされているのです。
そこでようやく私の作品を返して貰って、六本木駅に戻り池袋に向かいました。大都会の街中は人であふれハロウィンがどうしたとか、なんとかで、ごったがえしていました。田舎のねずみは「今日は何かのお祭りですか?」と尋ねたいところでした。

どうやったら池袋に行けるの?タクシーか?と思いましたが、都内の土曜日に交通渋滞があるのは予想できるし、いくらかかるかもわかりません。なにせ土地勘ゼロであります。一番簡明なのはとにかく山手線の駅に地下鉄で行く、でありました。結局は大江戸線に乗って代々木に向かいました。随所で道に迷いながらやっとJR代々木駅で電車に乗りましたが、結構あるんですね池袋までは。

池袋もまた大混雑、しかも構内・駅の外も複雑怪奇でどこがどこやらさっぱりわかりません。メトロポリタン口方面という「待ち合わせ場所」などわかるはずもありません。電話で何度も確認しながら10分近くうろうろ致しました。
そしてまた迷い道で、画廊まで何度も街角で立ち止まり10数分かかりました。
日本画家さんの名前は「岩野雅代」さん。6歳と9歳の娘さんがいて絵のモチーフのほとんどが少女なのです。せがれの新居に一つ買いたかったのですが、倅のお嫁さんが出産予定で、それが孫娘。そのマンションに他所の娘さんの絵を飾るのはいささか憚られるところでありました、

それから遅い昼食をハンバーガーで済まして帰路につき、自宅へ戻ったのが夕方4時でありました。東京で2つの用事を済ませるのに8時間を要したという計算になります。抑うつ状態で、何日も寝不足が続き、見知らぬ土地をほっつきまわったのですから疲れないはずもありません。

夕食は頂き物ながらなんと「飛騨牛」のすき焼きが待っていました。人生酷いことばかりではありませんね。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ようやく節目の公募展への出品手続き終了

2023年10月28日 | 篆刻
昨日も大忙しでありました。朝4時に起きて植物に水やり、メールチェックとブログの更新を終えたら、やりかけだった三つの印の仕上げと側款を入れ完成させ、すぐさま書道教室に向かいます。
これがその一つ


昨日の書道教室では、日本書道美術院への出品作の作品の仕上げで、半紙に表題やら落款を入れるのが目的でした。そこそこ書けて、これでよしとしました。お昼の1時間は、ティータイムで教室の皆さんはこれが楽しみで来ているようなものです。1時過ぎに帰宅して「昼ごはん抜き」で最後の作品の仕上げと発送準備にかかります。
こんな感じになります(これは仮置き)
落款などを書いた半紙を所定の大きさに切り、自分の雅号印を捺したら、折れないように段ボールで補強したレターパックに印と一緒に入れて郵送します。先に書いた3個の印は別の方に郵送します。レターパックを二つ郵便局に持ち込んだらもう3時を回っていました。これでようやく一息ついてメダカの餌やりであります。メダカのプールが屋上に10個以上あり、ほぼ毎日1個ずつ水を全部交換するというローテーションを行います。計算上は2週間ほどで、全ての容器を洗い汚れた水の交換ができることになります。

精神安定剤のお世話になるようになって半年、睡眠導入剤を処方されたのが3か月前であります。夜の眠りが浅く夜中に幾度も目が覚めて慢性的な睡眠不足でありました。日中は数時間おきに何とも言えない不安感に苛まれる、脱力感・疲労感が募るという「抑うつ状態」にあって、今年は非常に厳しい体調の中で、なんとか乗り切ってきました。

そして、昨日の「日書美展」作品の発送が終わってやっと今年の「書道・篆刻」の公募展への挑戦が終了しました。ずっと気がかりで、精力と気力・時間と精魂を注いだ4か月間が終わって本当にほっとしたのでしょう。昨晩は8時半に床に入り、今朝6時前に目覚めるまで、夜中に1度しか目が覚めませんでした。安心して熟睡できたのでしょうね。

本日は午前中、国立新美術館に落選した篆刻の額装を貰い下げに行きます。ついでに今日が最終となっている旧友の娘さんが開いた個展に顔出しします。彼女は、日本画家さんで中学時代の同級生だったお母さんから頼まれて、作品に捺す印を作ってあげた縁なのです。
こういうのを展示しているようですが、どうも小品の一つも買わないと帰してもらえないかもしれません。笑、ワタシが行く、と連絡したら、そのお母さんが時間を合わせて画廊に来るというのです。
もし自分の身が同じような事で篆刻の個展でもやれば、やはり一つでも誰かに買って欲しい、と思うでしょうから。日展の作品搬出用に大きなバッグを持っていきます。それに入るような大きさの作品ならお付き合いしましょうかね。

本当なら、お土産に一つ印でも彫るところなのですが、こう毎日忙しいとちょっと間に合いそうにありません。もし、頼まれたら後日彫って差し上げようとは思いますが。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラフトもサッカーもこだわりが必要かなぁ

2023年10月27日 | スポーツ
昨日は今月2回目のゴルフでありました。若いころシングルを目指し猛練習を続けた結果、腰を痛めて以来、ほとんど練習場に行くことも止めて、楽しむだけのゴルフとなりました。さほどスコアに拘泥することも無く、緊張感・真剣身も無くいわゆるアベレージゴルファーというところです。
最近では、年齢と多忙から、ゴルフに対する優先順位は下がってきて、月に1度やれば良かろうと言った次第であります。ただし、一つだけ拘っているのが、カートに乗らずひたすらコースを歩いて回る、であります。

定年後、運動不足、高血圧・高血糖などを指摘され、かかりつけ医からジョギングやウオーキングを勧められましたが、ジョギングでは足の筋肉の肉離れや背中の筋肉を痛めるということが続きました。また、ウオーキングは時間がもったいないし、知り合いに出くわすのが嫌なのです。

そんなわけで、月一とはいえ貴重な歩きのゴルフで、一日2万歩を達成して、適度な疲労もありスコアに関係なく満足しております。ただししつこく言いますが、忙しいのでゆっくりお風呂に浸かったりはしません。ホールアウトしたらすぐさまプレー代を清算して一目散にゴルフ場をあとにします。途中で地元養鶏場直売の卵の販売店があるのでお土産として地鶏の卵に拘って買うのは忘れませんが。

帰宅後には、今度は頼まれていた篆刻印の仕上げが待っています。印三つを彫り、丹念に補刻をしたら側款を入れ、印箋に押捺してワタシの名前などを書いた紙と一緒に郵送します。お金は頂戴しません。見ず知らずの人に「書道チャット」を通じて知り合い依頼されるのです。もうそんな人が20名以上になりました。赤の他人でいまだに電話で会話したことも無い人が大半ですが、グループlineでいまでに仲良く情報交換しております。「縁」を自分で作って手繰り寄せる、そんな事が篆刻の愉しみの一つになっています。

で、昨日のメインが「プロ野球ドラフト会議」でありました。
このブログで幾度も触れていますが、我が巨人軍が近年弱くなり優勝できなくなったその根源になっているのが「ドラフトの失敗」であります。
即戦力に拘るあまり、目先で活躍しそうな大学・社会人のトップクラスの指名をする ②競合してくじ引きで外す(11連敗?位しました)③伸びしろのある高校生に目がいかずスカウティングがおざなり、などであります。

即戦力という22歳以上の選手(特に投手)はだいたいその選手のピークに差し掛かっています、いくらか投球術や新しく変化球を覚えたりはしますが、体がすでに出来上がっていて、球速が更に伸びることは稀であります。一方で、専門のフィジカルコーチが付いていないアマチュア野球で、チーム事情から酷使して肩を痛めていることも多いのです。

巨人が即戦力として獲得した大学・社会人は、特A級の選手指名しては競合し、ずっとくじで外しているので取れていませんでした。一方ポテンシャルの大きい未完の高校生を軽視してきたために、いまだに下から有望な高校卒投手が出てきません。3,4年のじっくりした育成を前提にすれば将来のエースが沢山いるはずなのです。その証拠に2018年に6位という下位指名でとった「戸郷翔征」はこの3年で巨人の実質的なエースになりました。

阿部新監督になって、ドラフト戦略をどうするか期待してみていましたが、見事に裏切られました。5名の支配下選手の指名は全員大社だけ。「優勝していないので即戦力を重視した」と水野コーチが述べていましたが、ここ何年も即戦力に偏った補強をしています。過去10年で高卒選手のドライチは岡本・堀田賢慎 そして昨年の浅野翔吾の3人だけ。ドラ2では10年でたった二人です。
選手層の厚みが弱まり弱体化した巨人はここ3年優勝を逃しています。「即戦力」に拘った結果と言っていいのです。 救いは競合したドライチ「西舘勇陽」の当たりくじを引いたことでしょうか。前、原監督が「東海大学関連」の選手を優先したごとく、今度が中央大学出身の阿部監督で、同大の西舘を指名したのはあまりいい印象はありませんが。 


そして、昨年のドラフトで浅野以外の大社選手、萩尾匡也、田中千晴、門脇誠、船迫大雅がそこそこ活躍したので、味をしめたとみています。でも優勝もしていないし、門脇がレギュラーとなっただけです。スカウトや編成が馬鹿なのですよ。 

ワタシが採点するなら、今回のドラフトは巨人はせいぜい50点、バランスが悪く手っ取り早い年嵩の社会人ばかり、支配下はたった5人です。
将来を見据えた高校生は育成のみ。しかもさほど期待できそうな選手はいません。
何年か先を見据えて将来活躍する逸材を発掘し、ファームできっちり育てることに拘るようでなければ強いチームにはならないと思います。来年も優勝は無理でしょうね。

そのドラフト会議の中継が終わる前に、今度はなでしこジャパンの公式試合がありました。今回はオリンピックのアジア二次予選の初戦です。アジアからは2か国だけが出場枠が用意されています。まぁアジアでは断トツの実力がある日本ですから、落選の憂き目にあう懸念はありません。
 
前回のワールドカップの時は女子W杯のテレビ放映が無いという、ありえない事態になりました。今回は放映権が安かったのでしょう。カザフスタンでほとんど無観客状態のインド戦でありました。
芝生がぼこぼこで整備されていないのでボールのバウンドが不規則に跳ねるし、観客がいないのでなんとなく練習試合の雰囲気でありました。本来のなでしこのレギュラーメンバーの半分くらいしか出ていないせいもあって、前半1点に終わり、なんとも緊張感のないだらけた試合に見えました。目についたのがコナーキックで、ニアサイドへ蹴ることへの拘りでありました。ほとんどがワタシのお気に入りの「猶本光ちゃん」、彼女は低いライナー性のコーナーキックをひたすら手前の選手の頭に合わせることに拘っているようでした。前に行っている選手の頭にすらせてシュートや次の攻撃に繋げる練習をしていたように見えました。

それでも、後半は監督が的確な指示とはっぱをかけたのでしょう。遠藤やら長野などの主力を投入し、サイドチェンジやフォーメーションを変えた采配が的中し後半は6点を奪いました。収穫はサンフレッチェから初召集された中嶋淑乃選手、足元の細かい技術が卓越していて、ドリブルに拘っているストライカー・ドリブラーであります。彼女はパスを選ばす、あえて密集の中でもドリブルに拘ってプレーしていました。こうでなくっちゃ。男子で言えばあの「三苫薫」を彷彿とさせる選手で、新しい攻撃のオプションになれそうですね。

そんなわけで本日のお題はスポーツでこだわることに拘ってみました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする