植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

夏休み 木彫りの表札をやってみる

2022年07月31日 | 篆刻
明日からもう8月なんですね。

年金生活の年寄りにとっては、暑いだけで何もうれしくありませんが、学生児童にとっては待ち遠しい夏休みであります。
夏休みと言えば「宿題」、ワタシらが子供の頃は「夏の友」などというドリル・宿題帳がありました。それに加えて、習字・絵日記・自由研究・図画工作などの宿題があり、休みの間遊びまわっていい、というものでもありませんでした。二学期の開始が近づくにつれ、手付かずの宿題を親がハッパをかけて間に合わせるなんてことが風物でもありました。

ウチの倅がまだ小学生の頃、周りにたいそうな豪傑の御学友がいました。中でもとりわけ強烈な個性のA君、夏休み明けの登校日に、宿題を持っていくことになりました。課題に自由工作があって、何か段ボールや木片などで作品を作るというテーマであります。当然ながら、彼は計画的にそんなものを作るようなタマではありません。当日、出がけに家の玄関か何かにあった置物をひっつかんで、自作品として提出したそうであります。

それが、あの有名な熊が鮭をくわえる木彫りのお土産物であったそうです。ご丁寧に、工夫したこと・苦労したことというコメント欄には「毛の模様を彫るのが難しかった」と(笑)。その後彼がどんな目にあったかは存じませんが、少なくとも他の宿題も推して知るべしでありましょう。

 宿題や課題の無いワタシは、一年日々が「自習時間」であります。しかし、学ぶべきことや今まで知らなかったことはこの歳になっても山ほどあります。新たなことへの取り組みは自分への刺激にもなるし、知らなかった楽しみを得るきっかけにもなります。

 そして篆刻を続けるうち、たまには息抜き、毛色の変わったことをしたいと思うようになりました。最近やり始めたのが、絵柄を刻むという試みであります。セガレの結婚式で配るため、めでたい字を彫った印作りに励んでいます。そこで、4人の小学生が出席するので、その子たちに動物の絵を彫りました。


 次に、以前からあたためていた趣向・挑戦が「木彫り」です。以前このブログに紹介しましたが、日本篆刻界で大変著名であった故河野隆先生の義兄が、かつての勤務先の上司でした。その上司は河野先生に木彫りの「表札」を彫って貰ったと自慢していました。
 また、毎週揉んでもらうマッサージ師のTさんは、祖父の代から「木彫りのダルマ」が趣味で、マッサージを受けて「うとうと」しながら、木彫りの話を聞いていたのです。更に、だいぶ前にヤフオクで落札した「書道用品・篆刻用品まとめて」の中に、10本ほどの木彫用の専門家向け彫刻刀が紛れ込んでいたのです。これで、何かを彫ってみようと考えていたのです。

そこで、ウチの玄関には表札が無いことを思い出しました。数十年前は先代が自分と家族の名前を紙に書いて枠に収めていたのですが、とうの昔に亡くなりました。3名中2名が鬼籍に入ったので取り外したまま、ウチは表札なしであったのです。

これはやるっきゃない。篆刻は十分経験しております。石を木材に変えるだけであります。

早速近所のホームセンターに行って表札用の木材を購入いたしました。材質は「山桜」です。よく使われるのは欅(けやき)イチイ、檜あたりでしょうか。桜でも「ソメイヨシノ」は生長が早くめきめきと大木になります。それに比べて「山桜」はなかなか成長せず、7.8年前種から育てた「山桜」はまだ、1m程度で花も咲きません。恐らく大木に育つまで数十年かかり、材質が緻密で経年劣化もゆるやかだろうと思いました。

木彫りは、小学生の時版画で彫刻刀をふるって以来の事であります。いや、子供の夏休みの課題で、たしか本箱を作るのを手伝いました。それ以来か。
ケガをしない様に注意しながら、のんびりやろうとおもいます。ワタシには提出期限の2学期があるでなし、宿題でもありませんから。


8月、夏休み。そういえば、教員をしていた亡父が、夏休みにワタシに木彫りの船を作ってくれたことがありました。親の命日は1週間前でした。夏休みの教員は、基本的には暇だったのでしょう。角材を鑿を使って舟形を削り出すのを飽きずに眺めていたのを思い出します。出来上がった船は「戦艦」を模したもののようでしたが、肝心の甲板から上の細工が出来る前に新学期となりました。それから何年もその木彫りの船は、貧しくおもちゃの無かった少年期のワタシにとっては、大切な宝物であったのです。
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物には言い方というものがある

2022年07月30日 | 時事
先日当地区で開催する予定の「納涼盆踊り」実行委員会が開かれ、関係者60名ほどが公民館に集まりました。

オミクロンBA5の感染力はすさまじく、日本全土で拡がっているのです。盆踊りの主催はワタシたち自治会長で構成される「自治会連絡協議会」です。この3年ほとんどのイベントの中止を余儀なくされて、イベント大好き、飲み会好きの会長は、欲求不満の塊で、今年はすべて敢行する、と公言していました。

ところが、あまりの感染拡大でどうやら各方面から「中止にしてくれ」「うちの団体は参加できない」と言う声が会長に押し寄せたらしいのです。そうして、冒頭、準備委員会を開く前に、開催の是非を確認したいと仰いました。全員の賛意を確認しないと本題に入れないと。

そこで自治会長初め、出席者の4割ほどの団体の代表者から順番に意見を聞くことになったのです。自治会は10町あり、ワタシを含め消極姿勢や中止を主張する会長が4名、以降賛否両論が半々で発言を終了し、会長が総括する段になって「今聞いている範囲では、およそ半分の人が賛成のようだが、中止の意見が多い様である。何より主催側の自治会で3町が反対し、割れるようでは成り立たないので、盆踊りは中止にしたい」と言い放ちました。ビックリ!!であります。あれだけ肩入れして推進していた張本人が中止と言い出したのですから。

そして、役員席で、会長の隣にいつも座る公民館長(女性)に同意を求めたところ衝撃的な発言が出ました。
「私は、中止しようなど考えてもいなかったし、そんな意見が出るとも思ってもいなかった。子供たちが楽しみにしていて、ここまで多くの人が準備してきました。そんな人をがっかりさせる中止には反対です!」とマイクも要らない程の大声で叫んだのです。

公民館長は、市役所教育委員会から任命・委任されたれっきとした公務員です。公民館は、教育機関の一つで、公民館主催の行事や事業を運営します。それが、地元の市民が企画運営する盆踊りというイベントについて、それぞれの団体長が出した意見を集約して中止とした「決定」に、まっこうから反対すると述べたのですから( ゚Д゚)の2乗でありました。なんなんだこの女は、と思ったのはワタシだけでは無かろうと思います。この館長は、以前は中学校の教員だったようです。この人種に有りがちですが、自分が一番偉く正しい、と思い込んでいるのでしょうか。

「大変残念ながら、皆さんの出した結論を尊重します。ここまで努力頂いた会長やお集まりの皆さんに敬意と感謝を申し上げます」となんで言えないのかなぁ?ものは言い様で、そう述べれば立派な館長さんだな、と思うのに。

そういえば、このところ耳を疑う(目を疑う)ような、偉い人の発言が目につきます。

 まず、故安倍さんに対して国会で追悼演説に内定していたディックヘッド甘利さん、「安倍派には、全体を仕切るだけの力もカリスマ性のある議員もいないので、当分集団指導体制しかない」とメルマガで書いて大顰蹙を買っています。安倍派の人たちは激怒し、追悼演説も結局は白紙に戻ったようです。
 賄賂を貰ったとばれたら、すたこら大臣職を投げ出して睡眠障害で入院した御仁、その後も何度も事実と異なるでまかせをテレビで言って周囲をあきれさせ、とうとう小選挙区では落選したのです。

「おまゆう」という言葉がぴったりです。麻生派 の重鎮がどうして他派閥にけちをつけるんでしょうか。リップサービスでも「安倍派には領袖にふさわしい錚々たる人材が揃っているが、甲乙つけがたいのでトップを決めるのは時間をかけてほしい」位の事が言えないのでしょうか。言えないんですね(笑)

更に、安倍さん銃撃で俄に注目を集めた統一教会問題です。これで聞かれた元福田総理大臣の倅、福田達夫総務会長 は「信者から個人的に協力して貰っているが団体としては無関係。何が問題なのかわからない」と取材に答えたのであります。

福田さん、あんたたちの総大将の首を取られたのが、統一教会への寄付の被害者なんですよ。霊感商法などで脅かして金を巻き上げる反社的な活動を行っているカルト教団なんですよ。マスコミも政界も他国でも、政治家に金が流れ不透明な協力関係にあると大騒ぎしているのに「問題が無い・わからない」とは
何なんでしょう。馬鹿なの?嘘つきなの?
「自分は、親から受け継いだ世襲議員なので、そうしたことは周りに任せていてさっぱりわかりません。頭が悪いので難しいことも理解できません。でも『私は自分自身を客観的に見ることができるんです。あなたと違うんです』」位の事が言えないのでしょうか。(笑)


与野党を問わず、数十人の議員が寄付を受け選挙協力をもらい、祝電やイベントの出席をして「統一教会」汚染が深刻であることが徐々に明らかになってきました。議員さんがたの言い訳や珍問答は、ここではとうてい書ききれません。

しかし、話すのが商売なのでしょう? 選良と呼ばれる尊い職業なのでしょうよ。口から出る事には責任を持って、嘘や詭弁を避け常識で理解できる中身にしてもらえないでしょうか?
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黒塗りの下に 生のグロテスクな代物がある

2022年07月29日 | 時事
ワタシがまだ学生の頃、大学の寮に寄宿していました。その時の先輩が横浜税関でアルバイトをしていたのです。その内容が、輸入外国ポルノの局部をマジックで黒塗りする作業だと聞きました。最初は大興奮しても、3日も経てば見飽きて、ただグロテスクと感じて気持ち悪くなるそうです。それでもワタシ達はお土産にもらった戦利品のマジックをどうにかして落とそうとバターを塗ったりアルコールで拭いたり(笑)。

日本は言わずと知れた「検閲大国」で、「猥褻物」はもろに見せてはならない決まりであります。よその国では知りませんが、映画や動画にぼかしが入る数少ない国で、映画はいまだに映倫なるものが審査し、モザイクが掛かっております。インターネットが普及し、洋画でもなんでも無修正で見られる時代なので、そうした映像の審査が必要なのか、有効なのかはだんだん曖昧になっています。もっとも過激な暴力や残虐シーンはやはり一定の制限がかかるのもやむないと思いますね。

戦前戦後を問わず、出版物には官憲による検閲が入ることも多く、長年、思想や信条・表現の自由が侵害され毀損されてきたことは紛れもない事実でもあります。

そこで思い出すのが、例の森友問題です。あの安倍さんの名前を冠して設立しようとした小学校創設の夢を膨らませた籠池夫妻への国有地払い下げに関わる一連の認可売買書類などに政治的な配慮が働き、不当に安値で取引されたという問題で、お役人たちが開示した文章は黒塗りだらけで何も読めない状態でありました。あの自殺した赤木さんがなぜ改ざんに関わったかも黒く塗りつぶされたのでした。

今回「旧統一教会」がにわかにクローズアップされたのは、「安倍さんが銃撃され亡くなった事件」がきっかけであります。銃撃した山上容疑者の母親が統一教会に無制限に寄付したため、親族が二人自殺するなどして精神面でも経済面でも追い詰められたことが明らかになってきました。

そこで、統一教会が霊感商法で法外な値段でガラクタを買わせた過去が取りざたされ、団体法人名を世界平和統一家庭連合 に変えることを承認された経緯がにわかに問題となってきたのです。これはオウムがアレフとか光の輪に変えたことと同じく、反社会的宗教団体であることを隠して、違法の勧誘活動と宗教活動(資金集め)に必要不可欠であります。一般社会でそうとわからないように生き延び団体の勢力を拡大してくるための隠れ蓑で、看板を付け替えただけで本質・実態は変わりません。

看板の付け替えやめくらましが最も得意なのは政府与党です。今回、GX(グリーントランスフォーメーション)実行推進担当相、新興企業を支援する「スタートアップ担当相」 などの意味が分からない大臣を新設するそうです。コロナ関連で言えば、唐突に「BA・5対策強化宣言」 を創設すると発表しました。政府は関知しないで、都道府県の判断でやればいい、という相変わらずの無責任、まんぼうの看板の付け替えで間に合わそうという魂胆であります。

で、黒塗りの庁内書類が開示されました。肝心な「名前の変更を認める理由」が塗りつぶされております。これは、その理由を開示すると教団側に不利益を生じる懸念があるといっておりますが、さにあらず。変更を認める理由が、実態を反映しない不当で社会通念上許されないレベルであった(こじつけ)が故、文化庁が「非難されるのを避ける」ために塗りつぶしたとしか考えられません。また、時の文科大臣下村さんが、どれだけ統一教会から働きかけを受け、安倍さんからどういう指示があったのかも大変重要なポイントであろうと思います。

ワタシは思うのです。行政上、疎明し証拠書類として永久的に保存する公文書、そのほとんどが税金の使い道など、国民の権利に直結する資料でもあります。もし、納税者からその開示を求められた場合、国家間の外交機密文書や厳密な意味での個人情報を除いて、何一つ隠してはならないと。自己検証ほど、真実を糊塗するものはない、といのは自明の理であります。行政や政府が内部で判断し決定した内容が誤りであった、あるいは、特定の人物を利する、邪な意図に基づくものであれば、当事者に開示の範囲を任せるなど愚の骨頂であります。

黒塗りの下に、どれだけグロテスクで醜いおぞましいものが隠されているとしても、国民やマスメディアも目を背けることなく、直視できる決まりを作ることが肝要であります。もう隠し事や誤魔化しを見るのはうんざりであります。
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1年間で成長したのか?

2022年07月28日 | 雑感
「一年前のブログがこうでした」、とGooblogから毎日メールで知らせてくれます。恐らく、更新が少ない人、停止中の方に、「材料」を提供し、ブログの活性化を促すためであろうと思います。

ワタシは、一年前に植物の状態がどうであったとか、何をしていたかというのを思い起こすことが出来るので大変重宝しています。一番は「篆刻」や書道の腕前の上達・進捗がチェックできるという利点であります。毎日摸刻し、印を彫り続けているので、知らない間に少しづつは篆刻の技術が上がっていると見え、一年前に得々として写真を掲載している印の出来の拙さに驚くやら情けないやら。
今取り組んでいる篆刻印は倅の結婚式用に配る小印で、福・寿を刻んでおります。全部で40個弱の内27個が出来ました。彫っている印をたまに掲載していますが、もしワタシが飽きもせず一年後にまだ篆刻をやっていたなら、やはり今日の印の不出来を嘆くことになろうと思いますね。PCで写真をドアップにしてみると、その線の出来が悪いところがよくわかります。これを見ながら、仕上げをするのがよさそうです。


一方、この1年は書道教室が閉鎖休業にもよりますが、篆刻を優先し自治会で時間が少なくなったあおりで、書道の稽古がほとんど出来ておりません。これは反省すべき点、いくら忙しくても大変なことがあろうと、やるべきことを怠る理由にしてはならないのです。
先日は地元・町内の催しでお年寄りなどを集めた「写経教室」を開催しました。と言ってもコロナ禍でのイベントなのでおっかなびっくり、総人員15名と小規模でありました。ワタシ自身、一度も写経なるものをやったことが無いので、いい機会であったのです。

自治会長であるワタシは、やはりこういう催しについて「責任」があるので、非接触式の体温計を買い、出席した名簿・一覧表に測定値を記入、コロナ感染があった時の為に連絡先を記入いたしました。写経などは多分、黙って集中して書くものでしょうから、感染リスクが少ないのでオミクロンが猛威を振るう中でも大丈夫だろうと決断したのです。折しも雷鳴が轟き猛烈な雨も降りましたが。予定した人は一人だけ欠席でした。

ダイソーで写経セットを売っています。これに安い筆ペンや鉛筆など数種類の筆記具を用意しましたが、ワタシは書の練習なので小筆に硯を持参し、毛筆で枠も無い半紙に、般若心経を一気に書き上げました。勿論下手で初めて書いた拙書なので、写真を載せて端を晒すことはいたしませんが。

自治会で当町内の単独の催しが静かに終わりました。皆さんが喜んでくれたかどうかはわかりませんが、ワタシ自身は、初めて写経を書いた充実感と、自治会でのイベントが曲りなりに無事終わったことに満足できた半日であったのです。

因みに昨年の7月27日は「臨書を臨書する」という表題で、日下部鳴鶴先生の「十七帖」の臨書本や古本「風俗画報」 の紹介でありました。やはり自治会やらなにやらで1年前もあまり書道の稽古が出来ていなかったようで、書作品はこの1年ほとんどブログに載せておりません。今日は、篆刻だけでなく筆も持ち、練習を再開しようと思います。ちょっとずつでも進歩せねば、と思います。その前に草取りと自治会の回覧文書の作成が待っております。
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地球温暖化と100m走と印泥

2022年07月27日 | 時事
猛烈な暑さであります。
アメリカでは、40度を超えて山火事が発生し、多くの人が熱さのために気を失ったとか。ヨーロッパでも同様であちこちで山火事が起きているのだそうです。中国では記録的な猛暑、降雨と熱波に見舞われています。

こうした異常気象、温熱化によって直接死ぬ人はさほど多いわけではありません。しかし、長期的に見れば確実に地球温暖化がすすみ、温帯地方が熱帯に近くなり南極・北極の氷は解け、永久凍土・氷河も溶けています。

すると、年々海水温が上がり、水位も上がって、地球全体の国土が水没し始めているのです。一方環境破壊で、アマゾンは山林が焼かれ、アジア・ユーラシア大陸で大きな湖が消失、とんでもない勢いで中国の西部で「砂漠化」も進行しています。こうした環境変化によって農作物も打撃を受け「世界規模の食糧危機」も懸念されるようになりました。

それなのに、どの国も本気で地球温暖化を食い止めようといたしません。支配者たちは自分の利益だけを追い求め、また国民も然り。国同士では何一つ学習効果が無く、相変わらず領土や宗教・資源をめぐって諍いと戦争の繰り返しであります。

地球が誕生してから、46億年だそうです。人類は30万年くらい前に猿人から進化して誕生したとされています。有史始まって以来いつのまにか、地球上の王者になったと勘違いした人類は、それまでの様々な動物の種を滅ぼし、植物生い茂る山野を切り開いてコンクリートやアスファルトでかためた文明を作り出しました。人種間の覇権争いに宗教を利用し、他の国から国土や財産を奪い人を殺しました。結果としてわずか地球史ではわずか1/15333という目瞬き程度の時間で、地中埋蔵資源を掘り荒らし自然を破壊して、地球規模の環境を変化させました。

人間は万能なの?そんなに優秀なの?。種族間で殺し合うのは類人猿と人類だけだそうです。それが何万年経っても変わりません。
例えば100m短距離走の世界記録は9秒58 です。子供の時に観た東京五輪でのボブヘイズが確か10秒でした。50年でわずか0.42秒縮まったに過ぎません。その間スポーツテクノロジー・用具・栄養学・筋肉増強薬剤などがどれだけ進化しても、その程度であります。

ワタシにとっては、人類は何も進歩していない。むしろお金や富を絶対視するために、共存して助け合うという精神をだんだん失った分、退化しているとさえ思います。

暑いです。例によって話は飛びますが印泥は、何百年経っても品質が変わらないというのが基本であります。書作品に捺した朱がそのままの色合いで保存されるのです。しかし、近年では「印泥の質が落ちて何年も経たないうちに黒ずんでくるようになった」と嘆く専門家の先生がいます。先日も、さる印泥コレクターさんから、自分の自慢の印泥を中国人の先生に見せたら「腐ってる」と指摘され大変落胆したそうです。

印泥が腐るのは、印泥に含まれる有機質「艾(もぐさ)」かひまし油の腐敗や酸化によるものだと思います。従来、印泥の成分には朱砂 ・辰砂=硫化第二水銀 とひまし油、艾で、これに「八宝」として、麝香・真珠・紅宝石、紅珊瑚、金箔、 瑪瑙、珊瑚 」などを加えるのですが、それらは基本変質するものではありません。ひまし油は、植物性の天然油で純度が高く、長期間貯蔵した良質の油を使えば変質が抑えられるようです。

理論的・経験的に印泥は簡単には腐敗しない、それなので数十年~100年以上経過した古印泥は珍重されてきたのです。私自身、数十個の印泥を所蔵していますが「腐敗する」とは思ってもいなかったのです。中国でも、共産党政権になり国営化が始まってから、急速に印泥の質が落ちて色が悪くなりベタベタになる、油が分離するといった品物が増えたのです。それには、秘伝の製法が途切れ、良質な材料が枯渇したと言われています。つまりもともと質が悪いから時経るに従って劣化したのだと考えていました。

しかし最近では、考えを変えました。印泥が腐る元は「気温の上昇」にあるとにらんでおります。中国で、今から50年以上前には冷蔵庫などありません。室温(室内の冷暗所)で保存していても印泥は腐らなかったはずです。しかし、地球温暖化で中国全土の平均温度が上昇しているのは間違いないことです。印泥を高温多湿の中で放置していれば腐るか油が分離してベタベタになる、これが問題だと思うようになりました。

すると、古い印泥をもう一度全部チェックし直し、赤黒くべたべたになったものは思い切って捨てましょう。未使用分は構わずセロファンを剥がして試し捺しし、良質で十分使用に耐えるものと、この数年程度で製造販売された高級品は、冷蔵庫に保管する、しかないかと考えています。

電気料金が上がり政府が節電を言う中、家人は扇風機でなんとか間に合わせようとしております。そこで、ワタシが新たに印泥専用の冷蔵庫を買い求め、一年中冷やして保存する、としたら何を言われるか。それが目下の問題であります。
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