植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

環凍 マニア垂涎の石

2023年07月01日 | 篆刻
ここのところ、ヤフオクの落札は大幅にペースダウンし、かつ一個当たりの落札額も少額になっております。過去20日間で、10件の落札では、計23本の印材を落札しました。1件で、まとめて10個(それ以外に朱墨1本)と4個という出品がありましたから落札件数と石の数は一致しません。

実際は、毎日数件~10件位は入札しているのですが、「深入り」しないようにしているので、ほとんど落札できません。打率で言えばせいぜい0.100程度で10件入札して1件落とせればいいほうです。
今は練習用の印材には不自由していないので、珍しい石・自分が持っていない種類の高級印材・田黄石などに絞ってウォッチし、それなりの上限金額を決めて臨んでおりますが、ワタシの目が肥えてきた(笑)せいか、目を付けた石は軒並み高級石であるのがはっきりしております。そこで、残り数10分から急速に入札件数が増え金額が爆上がりして、一時はワタシが最高値(せいぜい1,2万円)になったとしても、最終落札額が4,5万円というのもざらなのです。

また、入札合戦がヒートアップして深夜に及ぶと出品者の都合で取り消し、というのも常態化しています。
そんななか、10日ほど前、滅多に出品されない超レアな印材を発見し、最終日が待てずになんと35千円という、ワタシにとっては、非常に高額入札をしてしまったのです。
それがこれ。
「環凍印材」という説明で、1.5㎝という小さな石です。しかし琥珀色の半透明の艶やかな石で、白い環凍がいくつも浮いた珍しい美しい石なのです。専門誌には同様の石が必ずといっていいほど紹介されます。
 

結果として、45千円でほかの人が落札してしまいました。それは、ワタシが46千円入札してたら落札できたということにはなりません。恐らく、その落札者さんはもっと高い金額で対抗してきますから、5万6万と吊り上がった可能性が高いのです。それでもたった今でも、もう少し頑張るべきだったか、と臍をかんでいるのです。

さて、その11件の落札総額は36千円であります。中にはほとんど価値のない数百円レベルのものもありますが、1本平均が1,565円ということになります。
その中でめぼしいものをちょっと紹介しましょう。
これは4本で5500円ですが、左の梅の木の紐がある石。恐らく、田黄によく似ていて間違われることもある好きな印材の一つである「連江黄」かも、ちょっと風情があっていいなぁ、と。他の三つも駄石ではなく、彫りやすそうな良材であります。

こちらは印の彫がある「自然石」形の遊印です。裏側には微細な字で漢詩が彫られております。石自体はパリン石かもしれません。

今日届いたのがこの対章で「古寿山 杜陵凍」とラベルには書かれております。杜陵坑の石は、寿山の中でも美しい良石を産出することで知られていて、1センチ角と小さいながらも、なかなか価値があるものだと見えます。

こちらは「鶏血石」もどき、の赤い石です。元祖「鶏血石」とは言えず、種類は不明ですが、流れる模様が変わっていてちょっと興味深い石です。1個で5千円という落札価格と実質の価値は微妙であります(笑)。

この下の石もちいさなもので、高山凍あたりと見えます。これを落札した理由は、印箱が古く高い印材を入れるのに用いられるものだったから。案の定箱の裏は虫食いや黄ばみがあり、輸出時に捺される青いインクの昔の通関証明のスタンプが付いていました(読めませんが)。

ざっとこんな感じですから、2千円前後の良材を手にして、まぁまぁだな、と満足するしかないのであります。

それにしても「環凍」凍石が欲しいなぁ

コメント
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