植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

タムタム アジアンタム

2023年04月30日 | 植物
大昔流行った遊びで「タムタムタムタムメンソレータム 」というのがありました。指で片方で広げた手の指の先を突いて人差し指と親指の間を「メンソレータム」と唱えながらなでるのです。良いメンソレータムと悪いメンソレータムを示すのにこれを2回繰り返し、「次にやるのはどちらか」と聞くのです。

パッと見たとき全く区別がつかないのですが、種明かしをすると「いいメンソレータム」をやる時「いい?」と聞いてからメンソレータムの指を動かすのです。そう言わないでいきなり「メンソレータム」をやれば悪いほうになるということですね。おそらくこの遊びを知ってるのは60歳以上の人でありましょう。

タムタムと言えばワタシの好きな観葉植物「アジアンタム」であります。ワタシがまだ50代でバリバリの銀行マン(笑)であった時、自分の仕事場でこれを育てたことがあったのです。そのころ、横浜の本社ビルで関連会社に転籍していて10人ほどの部下がいる独立した部門を任せられていました。会社の社長などの役員が出入りしないのをいいことに、やりたいようにやっていたのです。

恐らく、その本社ビルで、行員自ら観葉植物を買ってきて、自分のデスクのそばで水やりしていたのはワタシだけでありましょう。アジアンタムは、和名はホウライシダと呼ばれ、多くは熱帯地方の湿度が高いところに自生しています。シダ植物なので乾燥に弱く寒さにも弱い、なので日本では観葉植物として室内で栽培するのが一般的です。わずかな空気の流れにも反応してさわさわと揺れる葉っぱがとても涼しげで、面倒な部下たちを押し付けられていたワタシのストレスを和らげてくれるのでした。

自分が休みの日には女性の派遣さんに頼んで「霧吹き」で水やり、土日は段ボールの中に入れて乾燥しないように大事にしていました。

そして定年退職してから、アジアンタムを家で育てることにしたのですが、なぜかうまくいかず、すぐに葉っぱがチリチリになり枯れ込み、根腐れしてしまう、ということが続いたのです。シダ類なので乾燥させないよう一日何度もスプレーで「葉水」するのが有効なのですが、忙しく千種類以上の植物を管理しているためおろそかになったのでしょう。

アジアンタムは、葉っぱが薄く水をはじく、茎も細いので保水力に乏しいのです。①直射日光に弱い→葉っぱがチリチリになりもとに戻らない ②湿潤を好むが水をやりすぎると根腐れる ③エアコンなど風が当たると弱い ④寒さに弱く最低5度以上に保つ など環境が少しでも適合しないと枯れ込んでしまう難易度が高い植物なのです。室内でも四季に合わせて水やりの仕方を変え、置き場所を動かし、鉢増しを繰り返して根詰まりを防ぐなど常に注意しなければならないのです。

幾度も枯らしてしまって、諦めていましたが半年ほど前、性懲りもなく安い200円の小さなポット入りの小苗を2個買ってしまいました。しかし、仕事場の出窓に置いているうちやはり徐々に弱ってきて、葉っぱが無くなってしまいました。その時、なんとか蘇生させようと考えたのが「トイレ」であります。トイレならば必ず一日に数度入り便座に腰を下ろすことになります。小用でも汚さないよう座ることにしております。その時、必ずシリンジすると水やりを忘れずに済むし、日も当たらず風にもあたらない、室温も安定していて絶好の環境だと気づいたのです。

すると、ダメになったかと思った一つから小さな茎が伸び緑が付き始めたではありませんか。してやったり、蘇りました。安住の地を見つけハードルが高かったアジアンタムを育てられるめどがついたのです。


そして、ひと月前、いつも行くカナちゃんの花屋さんで、また「アジアンタム」を見つけてしまいました。600円という破格の安値(笑)、買おうとすると店員さんはワタシの顔を見つめ「あれ?Mさん(ワタシ)、アジアンタムは苦手じゃなかったの?」と言うのです。顔なじみなので、以前これを枯らして悔しがっていたのを覚えていたのですね。

もう大丈夫、コツをつかんで育てる場所も確保したからと、したり顔で600円を支払いました。

マイオフィスのトイレの中で、元気です。新たに新葉も伸びております。霧吹きで壁が汚れるので何かカバーをしなければなりませんね。

そして昨日カナちゃんの花屋さんに赴いたとき、数メートル先に陳列してあった観葉植物のポット苗数十個の中でまた見つけてしまいました。ワタシレベルになると、遠いところから葉っぱをみるだけでわかってしまうんです(笑)。
それが「コーヒーの木」の苗です。100均でも売られています。
コーヒーは言うまでもなく豆を採取するためのもので、葉っぱを楽しむのは本筋ではありません。わが国では地植えできないので、鉢植えで室内に置くのが一般的なので観葉植物扱いされるのです。また、花も一晩で枯れるので幻の花と言われるそうです。


6,7年前、大分のマッサージ店で見かけた鉢植えのコーヒーに赤い実がついていたのをとてもうらやましく「やってみたい」と思いました。それで屋上の温室において栽培して4年ほど順調に育っていたのですが、温度管理に失敗して枯らしたのです。直前に1個だけ実がついていたのに・・・・(´;ω;`)

アジアンタムはクリアした、次はコーヒーの木だ!

屋上は強風・乾燥・高温と悪条件になるので、そもそも観葉植物は冬越し以外屋上栽培は不向きであります。今度は、冬は室内で、春から秋にかけてはできるだけ屋外で栽培するというやり方でやってみようと思います。工夫と熱意があって、失敗をばねに苦手を克服する、これは園芸以外にも共通する上達の極意でもあります。
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死ぬまでに見て損はないマイナー映画

2023年04月29日 | 雑感
毎日欠かせない楽しみが「映画」であります。

昔はブラウン管テレビで、しかも地上波のみのアナログ放送でしたから、映画の持つ美しい映像や音響、ダイナミックな臨場感などは全く感じることが出来ず、本当にいい映画を観賞しようと思ったらお金を払って映画館に行くしかありませんでした。
子供のころは白黒テレビで、丸みがかった小さな画面でした。大きく見せるために中に液体が入った四角いレンズみたいな拡大器具をつけたりしてましたね。

しかし、テレビ自体の大型化・液晶画面の進化・デジタル技術の進歩などでこの20年ほどで飛躍的な変化を遂げました。映画・動画にしてもVHSとかいったビデオテープが、DVDなどの大容量の媒体に移行したので、本来の微細にわたるなめらかで鮮やかな映像を目にすることが出来るようになりました。映画好きにとっては大変ありがたい世の中になりました。

また、CMつきで編集されて短くなったテレビ放映の映画も、BS放送の導入をきっかけに、インターネットやお金さえ払えばノーカット・CMなしで見られる動画・映画の配信サービスや映画専門Chもたくさんあります。

そんなおかげで、忙しい合間でも一休みしながら、あるいは夕食後のひと時をじっくり見たい映画が観れるという贅沢な日常になりました。その中心はWOWWOWであり、ケーブルテレビで契約している映画専門チャンネルであります。園芸・篆刻・メダカ飼育・ブログなどをやっているとだいたい3時ころにはワタシのスタミナが切れ一日分のバッテリーが上がる状況になります。するとそこから2,3時間は、スマホでゲームをし、LINEを送り、メールをチェックしたりしながら、音楽を聴いたり映画を見たりできる「至福」のリラックスタイムになるのです。

そこで最近観た映画の中で最も印象に残った面白い映画を紹介しましょう。「死ぬまでに見ておきたい(あまりメジャーでない)映画」の一つといっていいと思います。知ったかぶりしても仕方ないので監督名やら出演者名は省きます。

まずは「女神の見えざる手」であります。2016年のアメリカ映画で、非常に優れたロビイストといわれた主人公スローンが「銃規制強化法案 」を議会で通すために雇われて、銃器を売る側の巨大で莫大な資金を持つ組織に立ち向かうストーリであります。そこにはピストルを撃ったり派手なアクションシーンはありませんが、双方に仕掛ける情報戦に緊張感があり、議員を自陣に取り込むための罠や買収など、次々に計算し尽くされた策略を描き出します。スローンは様々な手を使って情報を入手・操作し上司や同僚にさえその手口・戦術を明かしません。敵か味方もわからないだまし合いの中でアメリカが抱える銃社会の問題点を浮き彫りにします。詳細な筋書きは、あまりにも複雑で様々な要素があって書ききれません。随所に施した伏線がより面白くしています。

情報戦で勝ち、相手陣営を打ち負かしたスローンが、情報収集に関わる違法行為で5年の刑を受け、出所するところがエンディングであります。刑務所から出てくる主人公がふと視線をある方向に向けるのです。何かを見つめるその視線の先をこの監督は写さないままエンドクレジットが流れる、というのがいかにも印象的な佳作であったと思いました。

次はフランスのコメディー「バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー 」2022年のまだ新しい映画であります。言うまでもなくアメコミ「バットマン」のパロディーで、最初から最後までパロディーと下ネタ、下品でくだらないジョークのオンパレードであります。ストーリーは(有ってないようなもの笑)、売れないさえない俳優がたまたま運に恵まれて「バッドマン」に抜擢されます。ところが、身内が倒れたという知らせを聞いて、バットマンのパクリのスーツを着たままバットモービルもどきの車で公道を走ったら交通事故にあい記憶喪失になる。そこから実際の犯罪に巻き込まれて、自分が正義のヒーローだと勘違いしながらになり切りで活躍をする、という他愛ないものです。

くだらなくてどこが悪い、と開き直った映画なのでツムツムをやりながらリラックスできる映画です。(多分)子供にも見せられることを前提に制作しているとみえて、短小用のコンドームとか、居眠り運転防止装置で、シートから電動バイブが上下するなど、下品なのに女性の裸やセックスシーンは見せず、安心して家族でへらへら笑えるのですね。とかくフランス映画というと抒情的で、しかも悲しい結末という印象がありますが、これは真逆で楽しめました。

最後は韓国映画です。ワタシは20年来韓国王朝ものの連続ドラマが好きで、チャングム・イサン・トンイ・馬医など「イ・ビョンフン 」さんが手がけた歴史ドラマは全部見ました。韓国・朝鮮は、歴史的には国家が存立するようになって現代までほぼ一貫して「王政」の国でありました。その中心は13世紀からの李王朝です。20世紀初頭に「日韓併合」で韓国から王政はなくなりましたが、北朝鮮は金日成が建国して以来「金一族」による王政が今なお続いていて、朝鮮民族が「王」を天に抱いてかしずき、政治を王様にゆだねるという精神性が長く根付いていると感じております。

さてその韓国の「王になった男」という2012年の映画は、ハソンという道化役者が光海君という王様に瓜二つであったことから、王様が暗殺の危険にさらされ病んで人事不省に陥った時、その代役として半月政務をこなす、というあらすじであります。韓国映画に共通の、ありえないようなご都合主義の設定ではありますね。賎民であった主人公が、光海君の側近に指導されながら「王」としての自覚にめざめ、 光海君とは全く違うキャラクターで笑い、おどけ、そして国を熱く思うようになる、という展開であります。その王妃にはあの「トンイ」で好演した美しく清楚な女優さん「ハン・ヒョジュ」が扮していました。主人公は、この王妃の弟が罪人として処刑されるかもしれず廃位になる心配があった王妃をかばい、笑わそうとするのがいかにもけなげなのです。

残念ながら、韓国映画特有である、流血シーンが多く周囲の重要人物が死ぬ、涙を流す、というシーンが多く見受けられました。王を守ろうとした毒見役の幼女や警護官が亡くなるというような痛ましいシーンは本当はやめてもらいたいものですが。

かの道化師が、暴君を諭すために意見した王妃の弟を放免したり、重税を課した役人を罪人として処罰し、大規模な地主に有利な税制を変えようとするのです。 政務に復帰し影武者を始末させようとした光海君が、「明の皇帝のご機嫌取りよりも国民の方が大事だ」、と叫び民を守るために善政をしようという道化師の言動が日誌に残されていたのを読んで、翻意し道化師を開放することで映画は終わります。韓国では歴代興行ベスト10あたりだそうですからマイナーと言っては失礼ですね。

昔楽しみにしていた毎週の「水曜ロードショー」の案内役故水野晴郎 さんが口にしていた「いやー、映画って本当にいいですね」のフレーズを思い出しました。世の中には世界で数百万本の映画が作られたそうです。死ぬまで一日1本観るとして、あと何作の映画と出会うのか、楽しみであります。
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GWが始まります えらいことになりますな

2023年04月28日 | 雑感
本日から1日前倒しの「ゴールデンウィーク」に突入いたします。

ワタシは既にして職に就いておりませんが、一方で、朝から様々なルーティーンがあり、「毎日サンディー(日曜日)」ではなく、毎日が出勤日・年中無休であります。5時起きで食事がすんだらマイガーデンと仕事場に赴き、店舗敷地内のごみ拾い・草むしり、植栽・鉢植えの水やり、それが住むとブログの更新からメダカの餌やり・水替えなどをやっているうちにもうお昼になります。午後は、晴れればガーデニング、寒かったり雨が降れば篆刻・書道中心の趣味兼仕事が待っております。世の中が大型連休だろうが無かろうが基本的には関係ないのです。

世間では、今回は、今日28日の金曜日が「湘南ひらつかアウトレット」の開業日にあたります。その場所は厚木市との市境で、国道129号の沿線であります。たぶん3年くらいかけてこの大型商業施設を建造しておりましたが、首都圏であり・GWにかかっている、コロナがもう怖くないという感染症の分類に入る、旅割の拡大・継続など、県内外から人が集まる要素がぎちぎちに詰まっているのです。今日は朝から国道の上り下りともに大混雑・大渋滞が予想されるので、基本的には「近づかない」しかありません。

また、近所の平塚競輪場では5/2から競輪の「GⅠ」で最も権威がある大会「 第77回日本選手権競輪」というレースが6年ぶりに平塚で開催されるそうです。ワタシには全く興味がないものですが、各地からギャンブラー・競輪好きの怪しい人種がわんさかつめかけてくるのです。ワタシの会社が管理するコンビニの駐車場にも無断の長時間駐車が数多く発生しますね。道行く人が増え車が増え、地元にとっては迷惑千万なのですが・・・

そんななかでこのGWには、のんびりしたことが言っていられません。
今日はこれから書道教室。
月末には友人の鍼灸院の先生夫婦がやってきます。
月初には、遠方にいる長男親子や横浜・近在にいる次男三男夫婦が、彼らの実家(私たちの住む家)に帰省してるのです。全員集合しての企画が恒例のBBQ、家内の誕生会なのでその準備が始まりました。

友人との晩御飯用のステーキ、BBQ用のカルビ・ロースなどの焼き肉用の牛肉、みんなで食べるカレー(次男の嫁さん特製)用のすね肉、しめて約4㎏、これを調達するのが懸案事項だったのです。いつも牛肉と言えば近郊にある「柏木牧場」と決めています。国産牛を実際に飼育しているものでそのお肉がそのままケースに並びます。「和牛の最高部位」の一つフィレ肉ですら100g1200円程度で買えます。鮮度が抜群で出所がはっきりしていてやわらかくて美味しくて、しかも安いのです。

問題が、本日オープンのアウトレットの施設のすぐそば、しかも、明日からGWということから、無茶苦茶な人出があってお肉をはたして買えるか?たどり着けるか?でありました。実は今朝8時から買いに行く予定だったのです。しかし昨日午後、早く買っておいたほうが安心だ、と15時過ぎに行ってきました。すでに昨日の段階で妙に車が多く、渋滞があちこちで起きていました。

心配に及ばず、お肉は売るほどありました(笑)。予定していた質量の牛肉をゲットして一安心であります。これからケーキを発注します。せがれの同級生が、お坊さんの息子で有名国立大学を卒業したのに、なぜかケーキ屋を開業しています。彼にデコレーションケーキを2台注文いたします。一つはたっぷりの生クリームを使ったフルーツケーキ、もう一つはチョコレートケーキがいいか。ちょっと前倒しですが、家内の誕生日用と「母の日」二種類で11人で食べるにはやや多いのですが、少ないよりはましです。

あのゴッドファーザーPARTⅡ、コルネオーネファミリーをつぶそうとするマフィア「ハイマン・ロス」がキューバのホテルの屋上で誕生パーティを催し、参加しているマフィアのボスたちにケーキを振舞う、あのシーンをやりたいのです。マイケルに「自分も年だから、これからは若い者に譲る」などと言い、給仕が持ってきたケーキが大きいので「もうちょっと小さいのを」という印象的なシーンでありましたな。

そんなわけで5/2を中心に
・食材をそろえみんなにうまいものを食べさせる。
・孫たちに「姓名印」を彫る
・大人6人には足代・お小遣いを用意する
・マイガーデンで、バラ園を見ながらお茶する。そのための掃除や椅子テーブルを揃える。

といったミッションが待っているのです。忙しくて気を使い、お金もかかる。大変な1週間になります。しかし、こんなことができるのは大層幸せで恵まれているのであります。感謝し、少しでも長く続けられることを願ってやまないのです。
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篆刻も印材集めも復活しました 

2023年04月27日 | 篆刻
度重なる自治会トラブルや、雑務の追われる欲求不満などで、創作活動が実質ストップしたのが半年前でありました。とても印刀を持つ気にもなれず、様々な忙しさで大好きな篆刻が出来なかったのです。

また、ヤフオクで印材を中心に蒐集していましたが、これぞレアな銘石と信じて、7万円という大枚をはたいて落札したものが「人造石」であったことにダメージをうけ、なかなか立ち直れませんでした。心労が重なって医者に安定剤を処方されるまでになっていましたが、自治会長を退任し、九州の兄のところに行って「プチ転地療法」がきっかけになったか、ずいぶん回復して気力が出てきたのです。

そして、先週から摸刻を再開いたしました。古の篆刻の達人・名篆刻家さんの作を、マネして同じような(寸分たがわずというのは無理です)印を模倣して彫り、その技法・刀法を学ぶ、という大変地道で有効な練習であります。しばらく遠ざかっていたので、ウオーミングアップにもちょうどいいのです。


呉昌碩さんや園田湖城さんなどの銘刻を、一人静かに模刻して、ゆっくりした時間に身を置くことの素晴らしさであります。彫りミスや仕上げなどは意に介しません。いずれ、これらは磨り潰して、再度別の印を彫るのですから、さほど時間をかけることもなくオリジナルと違ってもスルーします。

気分を変えて、オリジナルの自作印もすこしずつ彫りました。
左の二つの遊印は人に頼まれたので、もう少し丁寧に手入れをし、側款を入れてプレゼントします。

一方、ヤフオクですが、偽物をつかまされたショックが思いのほか大きく、2,3週間ほどまともに入札しなかったのです。今月に入って4,5件落札しましたが、誰も入札しない安物・怪しげな印ばかりでした。案の定届いた品物はひどい代物ばかりで、ほとんどがそこらに突っ込んでしまってどこに行ったか不明で、写真にもとれません(笑)
一応言葉で代弁すれば①田黄石に似せたプラスチック樹脂 ②篆刻には硬くて使えない「ラピスラズリ」 ③薄意(浮彫)があるものの、いささか下手な彫り(失礼)の駄石などであったのです。例えばこれ。


全然気に入らないので、だいぶ手入れして補刻いたしました。
心身ともに絶不調な時は、ざっとこんなものであります。まぁ一個当たり2千円程度なのでさほど腹も立ちません。

そして、篆刻を再開し、心の傷も癒えてきてヤフオクで落札したのが、この二件であります。
下のは5本で1,980円、書道をやっていた人の自刻印らしく4センチ角の「ばかでかい」印ばかりでありました。しかも、左の二つは紫色に着色しています。(素地は不透明な茶色の石)、竹野さんという方が使っていたようですが、基本的には印の価値はないので、彫は全部つぶして、大きい石は2,3個に切り離して使おうと思います。いずれにせよ一個400円ですから、損はありませんね。

先日届いたのがこれであります。落札額3980円なり。
箱には「福建寿山石微雕」とあります。これは福建省の寿山石に微彫(つまり薄意)を施しているという意味です。実は箱の裏には吴肖斌(ゴ ショウブン)さんという薄意作家の名前と住所連絡先が印刷されておりました。箱やそのラベルの様子から2,30年くらい前のものに見えます。

石は「高山凍」とみて間違いないです。印材の王様「田黄石」によく似た半透明で明るい琥珀色に、やや乳白色が混じるのが典型的な高山凍の特徴です。良材は田黄並みに扱われるくらい希少で美しい石であります。
表裏には丁寧な山河などの風景が描かれ、しかも一文字1ミリちょっとの大きさで漢詩が刻まれております。

作者さんが有名であろうがなかろうが、これを職業としていてこれだけの微細な技術を用いて時間をかけている印材であります。しかも自然石(たぶん水坑で採取している)の銘石を使っているのですから、人民元では安くても1000元位(日本円だと17千円くらい)で売られていたのではなかろうかと思います。

なんとなく潮目が変わった、やっと本来の自分が戻ってきたのだ、と実感しているのです。これに気をよくして昨夜、目をつけていた箱入りの未刻印数点に入札しました。出品者さんは、古美術商で古い書道具店からの委託品と思しき品を出品していました。ゴルフコンペが中止になった分の浮いたお金で、えいやとばかり落札したのが5点でありました。興味深いのがその石の種類、きちんと印材として一級品とされる名前が明示され、なおかつ定価のラベルも張られていたのです。

到着したら、子細に調べて本ブログで紹介いたしましょう。またテンションがダダ下がりにならぬことを願うばかりでありますが
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雨が降ると得した気分

2023年04月26日 | メダカ
待望の雨であります 恵みの雨です

本日は待望のゴルフコンペが中止になりました。長年勤務した金融機関のOBが集まる大コンペでしたが2回続けて中止になっています。日頃の行いの悪い先輩方も大勢いましたから、雨でも仕方ないかもしれませんね(笑)。この寒い中雨に濡れて風でも引いたら馬鹿らしいです。そうでなくても平均70歳以上の老人軍団ですから。

このところずっと降雨がなく、園芸をやる身にとっては降ってほしい、と思っていたのです。先輩方や事務局には悪いけれど、雨で中止というメールが届いたとき、「やった」とちょっと嬉しかったのが本音であります。しめた!一日儲かった、室内でやること=篆刻・書道の時間が取れた💖と得した気分になります。

バラにせよ野菜や果樹にせよ、成長する春の時期に土中の水分が無いのは困るのです。見かねてホースで水やりしても。「焼け石に水」実際に相当水やりした後土を掘ってみるとわずか数センチくらいしか湿っていないのです。雨の力自然の力には敵いません。今日一日降り続く予想ですからしっかりと公平にマーガーデンを潤わせてくれるのですから、ゴルフやコンペなどなくてもなんともありません。

このところ園芸と篆刻をメインにした日々が戻ってきましたが、やることや人に会うこと、片づけなければならない事柄が多く、5時起きで働いているのです。おりしもメダカの産卵や花屋さんへの納品という作業も加わりました。気温が上がってくるとメダカプールの水質が急激に悪化します。食欲旺盛になり産卵も始まります。繁殖させるための採卵・プール洗浄に加えて一念発起して3千匹ほどのメダカの「分別」に踏み切りました。オロチ系(黒)、ミユキ系(ラメ白)、赤めだかなどを外見でより分けて別々の容器に移し替えするのです。
メダカが何匹居るかは推計であります。一つの容器に入っているメダカの数をざっと数えればだいたい100~300匹育っています。15個のプールならば平均200匹として、少なくとも3000匹くらいはいるだろうとの推計が成り立ちます。これを全部チェックしながら選り分けるのは、地道ですが案外楽しいのです。

その目的は、花屋さんに納品するときの「ミックスメダカ」の構成の平準化(つまりどのセットも差が出ないように同じような混成にする)をはかり、簡単にパックを作れることが一つ。種別ごとに純正種を繁殖させるのがもう一つの目的です。今までは、わざと一つの容器にいろんな種類のメダカを入れて「新種」が偶然出てくるのを狙っていましたが、だんだん似たようなものが増えて、どれが混血の新種化も判別できなくなっているからです。本来メダカの繁殖は、一つの珍しい特徴を持った種類だけを純正種として育て、更にその中でも優れた特徴の個体をより出してそれ同士をまた掛け合わせる、という方法を繰り返して新種を生み出すのです。

これから、ちゃんと掛け合わせるメダカの組み合わせを計算し意図的に新種創出に取り組もう、というわけです。ワタシのオフィスの屋上には10数個のメダカプールがあって、ローテーションで水替えを行い1,2週間で新しい水になるようにしております。今はこれに孵化用の小さな容器が二つ加わりました。
毎年、この時期から7月くらいにかけて累計で100パックほど持ち込んでいると思います。1パックあたり7,8匹ですから1年で800匹ほどがワタシのもとから離れます。さらにメダカの寿命はいいとこ3年ですから、やはり数百は死んでいなくなるのです。

つまり、年間千匹以上のメダカを新たに育てなければ、数年後には屋上からメダカがいなくなるので、この時期には水替えの都度細かい目のざるを使って採卵する、産卵床を入れてそこに卵を産み付けさせる→別容器で孵化させ親メダカたちとは隔離する、という作業が欠かせないのです。

雨でなければ、その一連の作業をやるのですが、さすがに傘をさして雨の中でやることではありませんね。注意すべきただ一つのことが、大雨になりプールから水があふれメダカが逃走することだけです。今日は後で、分別したブランドメダカ用に3個の容器を買いに行きます。メダカは「保護色」という生まれつきの能力があり、周囲の環境に適合した色や模様に変わっていくのです。ですから黒メダカは真っ黒な容器、赤メダカは赤いケースに入れて育てるのです。

今日一日はガーデニングは忘れます。室内の多肉・観葉植物・非耐寒性植物などに水やりしたり管理する程度にとどめましょう。気力がだいぶ充実してきたので書道と篆刻三昧の一日にしたいと思います。

あー、一日得したなぁ
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