植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

日展出品はやはり泥縄式か(笑)

2023年07月18日 | 篆刻
日展に(無謀で身の程知らずで)出品することにして2週間経過しました。個人出品の搬入日が10月10日なので、まだ3か月ほどあるのです。これをまだ3か月もある、と考えるかあと三月しかない、と思うかでありますが、初めてのチャレンジになるワタシにとっては、間違いなく後者であります。「ともかく出品に値する程度」の作品をなんとか間に合わせようと、焦る気持ちは抑えきれません。そもそもが何かに出品しようという気になって半月であります。それで納期に間に合わせようというのだから泥縄式もいいところです。

そこでとる作戦は、確率問題として「数打てば当たる」であります。まず、とにかく、たくさん彫って腕を磨くうちにたまたまでもいい作品が出来るはずだ、と楽観的に考えております。20本ほど彫って、その中から師匠などに見てもらって、一番評価が良かったのを選ぼうと思います。
これは試作品No6です(勿論仕上げもできていない粗彫りですが)


また、お金さえ出せば何点でも出品できるのですが、12千円の出品料に加えて、作品を額装するための額(パネル)が出品の数だけかかります。ワタシの場合は、どうせかすりもしない(入選など烏滸がましい)ものですから、1点だけ出品すれば当初の目的、つまり「日展に出品した(挑戦した)」という事実は達成できます。しかし、確率的には、仮に5%の入選率としたら、2点出せば10%になるという計算になります(笑)。くじ引きではないので、実際は幾つ出しても大差ありませんがね。

ヤフオクでも印を蒐集する時に、目利きである・お金に余裕があることがままならない場合、やはり確率に頼るしかないのです。「印材まとめて」とあるもので、割合良さそうな石が混じっている・篆刻家さんが制作したものがあるといった出品物なら、10個や20個内外の石には、値打ちものの良材が占める確率が高いのです。

そして、今一番悩ましいのが印材調達である、という問題にぶつかりました。ワタシはヤフオクで全く際限もなく印材を集めてまいりましたが、篆刻印としてニーズがある一辺2㎝角前後の印がほとんどであります。展覧会の事務局に確認したところ、印の大きさや形には制約がなく、ただ29×39㎝の額装・アクリル板(ガラス不可)に限定、一点当たり最大4顆まで押印出来るとの回答でした。しかし現実的には、最低でも4㎝、大きいものでは7~8㎝が主体のようです。篆刻の技術や芸術性を競うものなので、拡大してみなければ字が読めないような1~2㎝程度の印は相手にされないのですね。
なので下の写真のように6cm内外の大型印に彫っております。

数を多く彫って、その中から良さそうなものを1点か2点出品しようと考えたのですが、手持ちで大型印はそうそうは無いのです。正確には数はそこそこある(20個位)が、すでに彫られているので、①印面を潰して平らに磨く必要がある ②高さのある石ならば「糸鋸」で2㎝くらいにスライスする ③彫られている石の上部や側面を利用する、といった対処が必要になります。

いずれもなかなかの作業になります。大型の石に深く彫られたところが消えるまでまっ平にするのは「サンドペーパー」で力いっぱいやっても、時間と手間がかかります。電動のグラインダーを併用していますがこれは飛散する粉塵が体に悪い。

ではネットで篆刻用印材を買うか、と考えますね。実用品としての印材は基本的には大きさ(重量)に比例いたします。例えば普及品の青田石、2㎝角だと300円位ですが、高さを同じとしても6cm角ならば9倍の大きさになりますから、お値段も2,700円という計算になりますね。なかなかお高いのです。実際ネット検索したら、6,7cmの青田石だと3㎝ほどに薄くスライスされたものが最低でも3千円くらいであります。もし、やみくもに20個彫ったら、6万円!!!、これは無理ですね。
こうなると困った時のヤフオク頼みであります。ヤフオクにはたくさんの大型印が出回っています。ピンは「中島藍川」先生などの各種展覧会への出品印で、これは数万円で落札されていますが、それを潰して下手な印を彫るなどは問題外、愚挙ですね。なので「キリ」の、他の名もない人たちがワタシと同じように何かの展覧会・作品展用に彫ったものをまとめてか、未刻未使用品を落札する、というのが現実的です。実際はそうした石も上下彫られているのも多いのです。考えることは一緒ですね。

まだ、3か月(笑)時間はあるのです。いささか泥縄式ではありますが、定期的にヤフオクをチェックし、大型印をまとめて出品されているのを見つけて落札できれば、と思います。目安は1本千円かそこらですね。それまでは、今ある石の側面を利用して彫る、背の高い石を薄切りできないかやってみよう、と思います。電動のこぎりを買うか、いやいや、だったらヤフオクで中古品の電気鋸が安く買えるか?などと、本来の篆刻とはどんどん離れていきます。日展に出品するのは、印材を揃えるだけでも一苦労、大変な出費となります。そういう意味でもえらく大変なことなのであります。

コメント (2)
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