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植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

河野隆先生のこと

2025年01月10日 | 篆刻
河野隆先生、といってもほとんどの人はピンときません。7年前のワタシもそうでした。
既に鬼籍に入られた「篆刻家」で、現代日本の篆刻界でも三指に入るような偉大な先生でありました。ワタシが、そのお名前を知り強く意識したのは、すでに亡くなられた後で、7年も前の事でした。享年69歳肺がんで他界されています。

かつて金融機関で上司だった方とのゴルフが、その上司がドタキャンしたのです。理由が「義理の兄が亡くなった」でありました。その時うっすらと記憶が残っているのは、その名前や大学の偉い先生で、日本でもトップの篆刻家と聞いたことでした。

その後、すっかりそのことは記憶の片隅に埋もれていたのですが7年前にワタシがひょんなことから篆刻を始めたのを機に、河野先生の名前を何度も耳にすることになりました。
詳しくは下のブログ記事に書きました。

どこでどうつながるかわからないものだ 河野隆さん - 植物園「 槐松亭 」
知れば知るほどその縁の深さ(勿論ワタシにとってだけの一方通行ですが)を感じるのです。
まず郷里が大分県と同郷、お名前が生きるの上に横一字が入る「隆」でワタシと一緒であります。
更に、ワタシがかつて通ったY国立大学の講師でありました。勿論時期は違いますが。それだけではありません。ワタシの住む平塚で、最も著名な篆刻家杉山煕雪さんが河野先生の直弟子であったのです。杉山さんには以前姓名印を依頼した縁で、何度も篆刻談義をいたしました。また知り合いの書道家さんは、河野先生と研修会でご一緒したとか。
とどめが次男の結婚式場、横浜の伊勢山皇大神宮で、その打ち合わせ会場が河野先生の篆刻作品 が常設されていたのです。

そんな縁の深い先生なら存命の時にお目にかかりご教授をお願いしたかったですね。皇大神宮にまだ展示されているなら近日中に観覧しに行こうと思います。


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石印材の代金がヤフオクから戻った

2024年12月28日 | 篆刻
このブログに何度も出てくる篆刻に関係する話題であります。ヤフオクで集めに集めた篆刻用の石が仕事部屋一杯になって、到底使いきれないと悟ったのです。そこで1年以上前から自分の保有する印材の中で、高そうなものをオークションに出していました。

そこからずいぶん経った先週、メールが入りました。差出人がYahoo!オークションの運営をしていると思しきLY Corporationからでありました。その用件と言うのが「ヤフオク」を利用して得た収益金が、そのままになっているので現金で振り込むかPAYPAYに移す、というもの。

その時頭に浮かんだのは「当然ながら」ネット界で蔓延しているインターネット詐欺や個人情報漏洩のことであります。うっかり相手の言いなりにリンク先へ行く、金銭や情報を盗まれるものの一つではないかと思ったのです。実際ワタシのメールボックスにも一定の割合でそれらしい怪しげなメールが届いていますから。

ではヤフオクの場合はどうか? ネットで検索するとLY CorporationはLINEヤフー株式会社 のこと。しっかりした会社のようです。ここからワタシの名指しでオークションの収益金を振り込むかどうしますか、ときたら信頼度は高いと言えましょう。そもそもワタシ、昨年秋から記憶力を大幅に無くしていて、オークションの事などすっかり忘れていたのです。おぼろげながら思い出したのが、石印材をオークションに出していたこと、新たに入札していないことでありました。お金はヤフオクの方で管理し、売り買いの決済はヤフオク任せだったのです。

「一定期間ご利用がない売上金は、所定日にYahoo!ウォレット受取口座に振り込み手続きを行います。」ときて信用したのです。現金にするかPAYPAYにするかは迷いましたが、すぐに現金が欲しいわけでも無く、そもそも忘れていたものですから、PAYPAYに入れたほうがかえって安心だろうと思ったのです。
そして12/27に売上金〇〇万円はPAYPAYにチャージしましたとメールが来ました。近いうちにネットで買い物をしてPAYPAYで払ってみようと思います。今度は忘れないでしょう。

え?いくら戻ったか?それは内緒です(笑)



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新婚夫婦用の姓名印が出来た

2024年12月20日 | 篆刻
一昨日、驚異の閲覧者増加で、UUが千人超えになりましたが、やはり予想通り、元に戻ってしまいました。昨日のUUは383名でブログの順位も328→2925位と下がっています。そうするとハッシュタグやキーワードが世の中のニーズに偶然合致したと言うのは間違いですね。もし、そうなら一日限定では無くて何日かは続くはずですもの。

まぁ、何かのはずみと言うか、想像できない何かが起きたという事で、これ以上追及するのはよそうと思います。

さて本日のお題は篆刻であります。病気やら忙しさにかまけてこの1年ほとんど篆刻刀を持つことがありませんでした。一度獲得した技術やノウハウが1年のブランクで失われたり後退することは少なかろうと思いますが、腕が錆びつくのは想像に難くありません。

今回高校生時代の同級生で、以前姓名印を彫って上げた友人から、後輩の結婚にあたってペアの印をプレゼントしたいという理由でワタシに依頼が来ました。その後輩と言うのはなかなかすごい経歴で、将来は政治家になるのだそうです。
 さすがに1年のブランクがあるので「受けられない」とは言えません。来年の2月が結婚式と言うので、二月ほど作成期間の余裕を貰って彫り始めたのです。案の定腕がなまっていることや予想以上に石が硬かったことから思うように彫れませんでした。石の種類は青田石の一種か。


やはり、原則として文字の太さを統一し滑らかさが基調にならなければなりません。数日かけてほったものの、これは人には見せられない。それで一から別の石を使って彫りなおしました。

それで仕上がったものがこれです。
これならなんとか人に渡せるレベルになりました。石の種類は杜陵坑か馬肉紅と思われます。因みに私の雅号は書道「嘉苑」、篆刻が「篩石」(しせき)であります。
 
これに印譜を添え、専用の布箱に収納して渡します。さて、そこで問題なのです。全く赤の他人から「有償で印を彫って欲しい」と言われたものの、幾らにするかなどという下世話な話はしておりません。

実費で言うなら、石代はおそらく専門店で買えば最低でも1本3~5千円位にはなるでしょう。持ち手側の飾り彫=紐がある石印材は、それだけの手間と時間がかかるものですから、質の悪い安物の石は彫りません。手が加わっていない直方体の石がすでに千円以上はするのです。

石選びができたらこれを印として彫るには、①字典から文字を拾い、篆書体の下絵を描く。②石に逆字で下書きする ③文字を彫る ④仕上げて銘を入れるという手順になります。これで順調にいけば丸一日、気持ちが乗らないとかミスする、彫りなおすなどの時間がかかるとヘタをすると1週間くらいかかります。内職と違って時給はナンボ?の世界ではありませんからどれだけ日時を要したかは値段に比例しないのです。

因みに7年前、ワタシが書道に取り組んでいた頃、印章店で24ミリ角「姓名印」を注文しました。箱入り紐つきで、3万円でありました。

さて、そのワタシの彫った印を、明日依頼主が取りに来ます。あぁ一本幾らにしたものか、悩ましいのです。
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久々の篆刻の注文が入りました

2024年12月16日 | 篆刻
約1年ぶりに篆刻のオーダーが入りました。篆刻とは、書(画)作品の署名欄などに押印する印のことで、これを彫ることを指します。その素材は概ね柔らかさのある石で、これを頑丈な鉄の柄で、丈夫な刃先がついた彫刻刀のようなもので削り、彫るのです。↓こんなものです。

彫る場合は篆刻専用台があって、これを使うときっちり固定でき、くるくる回す事も出来ます。無くても印は彫れますが、机に傷が入るし手指の怪我の心配もありますね。


さて、病んだせいもあって久しぶり(1年くらい)の篆刻であります。
今回は、以前彫って差し上げた方々で構成されるグループlineのメンバーからの要望でした。彼の友人(後輩)が結婚することになって、お祝いに奥方とペアの印をプレゼントしたいので、有料でペアで彫ってください、との希望でした。

 ブランクがあっていささか心配もありましたが、このままでは腕がなまるのでお受けしました。在庫の中から、紐(持ち手側の上部にある飾り彫)のある青田石ぽい印材を取り出して彫りはじめたのはいいのですが、石がやたらと硬く、刀が引っかかるのです。差し込んだ刃先を持ち上げると、表面にある部分が剥がれてしまうのです。せっかく下書き通りに彫っていてもあちこち線が崩れてしまいました。これです↓

なんとか二つ彫りましたがワタシからしたら、全くの不合格、これでは喜ばれませんね。
今までもお金は払いますと言われても、他の方にも実費程度(石代と送料・箱代)しか頂いていません。しかしながら、ちゃんと満足できる篆刻に仕上がらないと、例え無料でも人に提供する気にはなりませんね。

そこで、石を変えて彫りなおすことにしました。基本的な下書きは出来ているので彫りなおすのはいいとして、彫り易い柔らかい石だといいのですが。


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1年ぶりに篆刻に復帰できるぞ(^^♪

2024年12月06日 | 篆刻
ワタシは、かつてプロの篆刻家を目指し、約5年間必死に練習・摸刻を繰り返しました。指導者はいないので全くの独習独学であります。最初のうちは著名篆刻家、呉昌碩先生や徐三庚先生の作品集を摸刻し、次には練習でずいぶんな数の架空の姓名印を彫りました。その後、知り合いに片端から許可を得て印を彫り差し上げたのです。

ある程度彫れるようになってからは「書道チャット・グループline」のタダで彫りますと宣伝し、30人以上から作成依頼が来ました。そこで「槐松亭サロン」を立ち上げ、彫って差し上げた人で希望する方に加入してもらって今は18人のメンバーで、情報交換や作品の見せ合いなどをやっています。ここまでの印は、原則として無料、石代と郵送料ならば頂きましょう、として物品や銀行振り込みでわずかな報酬を貰うこともありました。

先日、そのメンバーの1人から依頼がありました。「自分の後輩が結婚する。結婚に際してMさん(ワタシ)の彫った篆刻印をプレゼントしたい。有償で彫ってくれないか」という内容です。ところが、このワタシ1年ほど前から鬱病等を患い、篆刻についても1年ほどのブランクがあるのです。最近では鬱病は回復期に入り、一進一退の症状を繰り返しています。なので、お安い御用と引き受けたのはいいものの、実際やってみないと分かりません、1年間のブランクが大きいのかどうかです。

期限は丁度一月あります。昨日具体的作業に入りました。ワタシの作業場はこんな感じです。

これが彫り始めるときには、石の固定器と篆刻刀が加わります。すっかり支度が出来てとりあえず下絵を描きました。今回二人分ですが、書道をやっている人たちではなさそうなので、ご主人は字の部分と枠が赤くなる「朱文」と奥さんには字の部分が白くなる「白文」にしようと思います。書道の世界では白文が姓名印になり、朱文は雅号印にするのが原則なのですが。
そして下書きがコレ。

この下書きをもとに石の底に「逆字」を墨(油性ペン)で書きます。字の太さをほぼ同じにするのがコツであります。さて、一発で一年のブランクが取り戻せるか。やってみないと分かりません。

有償と言っても、そんな事情が背景にあるので、厚かましくお金なんぞ貰えません、最大貰うとしたら実費程度頂くつもりであります。
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