先に、家庭の自動化は炊飯器に組み入れた「サーモ・スタット」とタイムスイッチからだろう・・と書いた。タイムスイッチには小さな東芝製・交流モーターが原動機として使われ、これは周波数は完全同期しているので停電以外はとても正確。私はひょんな事から、このモーターを開発生産を担当することになった1965年頃の話だが、これには米GE社のPATが切れたので何処でも作れる様になった背景がある。発明者はワーレンと言うドイツ人科学者の名前をとって「ワーレン型モーター」と呼ばれたと当時の文献には書かれていた。現在は、理化学辞書にもWEBにも出てこないので忘れ去られてしまつたらしい。ヒシテリシス特性と言う磁性に対して軟鉄・鋼鉄の中間性質を持つ材質で座金を作り、それを簡単な二極固定子の交流磁界に入れると3600rpmで回転する・・と言う原理なので構造は難しいものではなかった。
当初、東芝と同じ ロータ素材はスェーデンのコバルト含有特殊鋼、歯車もドイツ製の歯切り盤で生産していたが、2年後にはロータは炭素を含有した3倍性能で価格は1/5の素材を三菱製鋼と協力して開発、歯切り盤も国産になり超合金ホブカッターを専門業者とタイアップし歯車加工コストが数分の一になった。改めて国内技術者の底力と執念、歯車設計・プレス技術・精密成形技術など沢山の事を学ばせて頂いた。そんな協力を得られた事でこの小さなモーターの商品力が一挙に高まり、民間用途でもいろいろな方面からも引き合いがあった。主用途は、工業用制御タイマーだったが、当然市場からも高評価も得られ コンピュータ・デジタル時代の到来まで 産業自動化の重要部品になっていった。メカニカル技術は、精密好きで追求し極める事が得意な日本人に合っていたのだろう。
日本人の技術力が発揮出来ないのは、目に見えない分野 例えば「電波・電子・宇宙」には弱いと思う。21世紀のデジタル時代になり、家電大手が世界に負け続けて経済も低調で先が読めない。スマホなどの技術創造力は外国企業には追い抜かれ、取り残された雰囲気もあるのだが、コンピュータの最後にはモーターがあり 操作も結局のところメカニカルか残されているので まだまだ勝敗は判らない。
精密な歯車で減速し、オイル封印した構造だが後半には低速シリーズも追加され 用途は主に、限時継電器と呼ばれた制御用タイマーとなりセンサーもコンピューターも無い時代、設定された時間に電気をオン・オフするだけの機能なのだが、プラグイン式の使い良さもあり「温度管理・圧力管理・容量管理・距離の設定」など生産・流通・サービスのあらゆる分野に使われた。想定していなかった洗車機・農業の米乾燥機など用途の広がりもありユーザーの知恵も加わった。メカニンル時代の小さなパーツで、寿命と言う弱点を持つこの「ワーレン・モーター」が縁の下で活躍していた歴史があった。

この写真は、後半の改良品の解体。歯車の大半は樹脂化されたが耐久性は3万時間音もなく回転する。生産は全て自動化され低価格・高品質な同期モーターだった。
当初、東芝と同じ ロータ素材はスェーデンのコバルト含有特殊鋼、歯車もドイツ製の歯切り盤で生産していたが、2年後にはロータは炭素を含有した3倍性能で価格は1/5の素材を三菱製鋼と協力して開発、歯切り盤も国産になり超合金ホブカッターを専門業者とタイアップし歯車加工コストが数分の一になった。改めて国内技術者の底力と執念、歯車設計・プレス技術・精密成形技術など沢山の事を学ばせて頂いた。そんな協力を得られた事でこの小さなモーターの商品力が一挙に高まり、民間用途でもいろいろな方面からも引き合いがあった。主用途は、工業用制御タイマーだったが、当然市場からも高評価も得られ コンピュータ・デジタル時代の到来まで 産業自動化の重要部品になっていった。メカニカル技術は、精密好きで追求し極める事が得意な日本人に合っていたのだろう。
日本人の技術力が発揮出来ないのは、目に見えない分野 例えば「電波・電子・宇宙」には弱いと思う。21世紀のデジタル時代になり、家電大手が世界に負け続けて経済も低調で先が読めない。スマホなどの技術創造力は外国企業には追い抜かれ、取り残された雰囲気もあるのだが、コンピュータの最後にはモーターがあり 操作も結局のところメカニカルか残されているので まだまだ勝敗は判らない。
精密な歯車で減速し、オイル封印した構造だが後半には低速シリーズも追加され 用途は主に、限時継電器と呼ばれた制御用タイマーとなりセンサーもコンピューターも無い時代、設定された時間に電気をオン・オフするだけの機能なのだが、プラグイン式の使い良さもあり「温度管理・圧力管理・容量管理・距離の設定」など生産・流通・サービスのあらゆる分野に使われた。想定していなかった洗車機・農業の米乾燥機など用途の広がりもありユーザーの知恵も加わった。メカニンル時代の小さなパーツで、寿命と言う弱点を持つこの「ワーレン・モーター」が縁の下で活躍していた歴史があった。

この写真は、後半の改良品の解体。歯車の大半は樹脂化されたが耐久性は3万時間音もなく回転する。生産は全て自動化され低価格・高品質な同期モーターだった。