全世界で1500万部突破し 全米で一番売れた本が映画化されたのだそうだ、タイトルが「ザリガニの鳴くところ」と言うので 、こいつは鳴くのか・・と思いながらこの映画を見た。
見終わってから それは茂みの奥深く人間どもは知らない生き物たちが自然のままに生きているところと言う意味を形容したのだと理解したが 古い1960年代の米国の田舎で沼地で一人暮らしする少女の話だ。村人からは 家族が居なくなり 沼の家に一人暮らしになり 村人から嫌われ遠避けられ 最後には殺人容疑で収監される、そんな事件も絡めた貧困と恋愛・社会問題を絡めた長編だが 沼の湿地の夕暮れなどの自然模写の映像が 今までになく素晴らしい。
地味なタイトルで、国内メデイァではあまり見かけず 私も出遅れていたが 作者はディーリア・オーエンズと言う女性作家で、若い時にアフリカで野生生活をし動物学者になっり 沼地の生物を書いた学術書はあるが 高齢になってから 初めて書いた小説だが 野生動物の中で暮らした経験を持たなれれば表せない 詩のような映像表現とかセリフにもそれがあった。WEBで調べると この本の翻訳本が出た年には 日本で本屋大賞とされている様なので知る人には評判の作品だったようだ・・本から読んだら、映像より深い面白さがあると思うので 早速 購入して読むつもりだ。
それにしても、欧米でそんなに人気なのに、国内ではあまり話題にも上がっていないのは 最近海外ニュースと比べても 焦点に違和感を感じるが 世界の中でも この国は少し違う現象が起きているのかも知れない。それは今の映画館ポスターを街で見かけても、漫画・アニメ・アクションCGの様な作品ばかりになり 本屋さんでも作家本と 漫画・コミック本はブースが分離され 夫々に違う人種の風景になっているし 映画の世界も 文学賞を取る様な作品は シアターではなくて 街中の小さな映画館が担当し客層の違う。家族が崩壊もあるが、世代とか趣向層が分断化してきたのは 本来世論を正しい方向に啓蒙したり論議させたのしてきた新聞・TVメデイアが 経済の下落で大衆に媚びた人気趣向(利益追求)になり 何もかもが生存競争となり 心ある人が離れ 結果として衰退が進んでいる。
私も映画は古い洋画とか時代劇を探しているが この映画は久しぶりに出会った良作だと思った。世界で1年半もランクインしたいる本など、ベストセラーと言えども聞いたことが無い。多くの人に見て欲しい作品だと思うが、タイトルが「ザリガニ・・」では「タイタニック」で大ヒットした映画と違い それに惹かれて見てくれる人は少ないので タイトル翻訳を直訳せずに別の表現にしたら良かったのかも。