碧い山・青い海

趣味の山登りとか、技術とネット情報を照合し個人メモに・・

2211- コンコルドの誤謬 (ごびゅう)

2022-11-28 | 日記

    最近は新刊本の速報を受けて、本屋さんに行っても電子本の発刊で紙の本は遅れるので いつも思いとは違う本を手にしてしまうのだが それも違う視点と言う意味では良いことだろう。

 撤退論と言う内田樹著を読んでみた。「撤退」は敗北・退却と言うマイナーな感じで人気はなさそうだが 「コロナの様な感染爆発(pandmic)、気象変動、AIによる雇用環境変化、人口減」が この国が直面している課題で歴史的な分岐点にあり生活様式の大転換を提案した貴重な内容だ。ここ数年50万人の毎年県単位で人口減少となり政府予想でも80年後は日本人口は1/3(4000万人)になるそうだ、労働不足を海外から受入れるにも この国は異邦人の受け入れ体制がない とか元気な企業は海外に移転し 弱い企業が存続出来るのは低金利政策だからと言う社会はどう考えても健全ではないだろう。

 バラ色の東京五輪も終わったのに、実は主要企業の金儲けに利用されスポーツ振興は蚊帳の外だった様で この様子では国の未来を作ると言う大阪万博も、リニア新幹線も、札幌五輪、原発再稼働にも 恐らく似た様な結果だろうと考えると憂鬱になる。大決断と言うと、1962年イギリスとフランスの共同開発でマッハ2の速度で飛ぶ、超音速旅客機があったが14年かけて実用化したが運行する程 赤字となり中断され 人類の夢物語は最大の失敗例として半世紀後の今も語られている。

 誤謬と言う意味はサンクスコストを惜しんで投資を続けてしまう事だそうだ。それまでに費やした資金や労力などの見返りを得ようとして、かえって損失が拡大すること。超音速旅客機の投資が巨額になり採算割れは確実と言う認識があったのにも関わらず中止が出来なかった事に因む・・コトバンクからの引用だが。

 昔は神や王の言葉が正しいとされたり、哲学者の言葉が正義として多くに理解されて行きすぎた競争は抑えられていたのに 現代の自由資本主義とテクノロジーでもっと便利に無駄のないと進んだ競争社会は,勝った者が正しいしかも便利だからそれが正しい方向だとなった。街の喫茶店が消え、コンビニ・コーヒーを立ち飲みするのが良いと言う具合に・・・。

 登山道を間違えて、山頂に行けず先へ先へと進む内に 戻ることも出来ない状態に似ているが 山なら今なら元の道に戻れるが、20年前に失われた10年と言われ 未だ大丈夫と20年・・30年を越えてしまい もうこの社会は戻り方も分からない・・コンコルドの様な大決断の覚悟は残っているのだろうか。

 未来を予感させたこのコンコルドは、今どうなったのだろうか


2211- 東京の喧騒

2022-11-17 | 日記

 先月東京郊外の住居から近くの都営住宅に移転した義兄の新居を訪ね 翌日はこれもコロナで行けなかった横浜郊外にある親戚にも会い 人間と犬数匹の元気な顔を見て安心して帰って来た。

 羽田に近いホテルに2泊し、3日目はのんびりと上野公園の博物館を見て帰って来たが 今回は昔 通勤していた新宿・渋谷・品川駅にも下車して変化した様子も確認してきた。朝のラッシュにも遭遇し、隙間なく密集したビルと50年前と変って電車の色は奇麗になったのに 相変わらずの通勤ラッシュ風景にはショックを受けた。都心に乗り入れる京王線とか小田急線・京浜急行の配置は変わっていないのだが、新駅が追加され乗り入れが複雑になり 駅前にあった小売店が無くなり高層建築が増え 店の多くは駅ビル改札の内部に並び 改札に入って食事をしていたら電車に乗ることを忘れそうになった。長い年月を経て、効率良い都市に改善が進んでいるだろうと期待していたが 逆に一極集中は進み その改善はされずに 複雑化するばかりで 身動きできない都市に変わってしまったらしい。郊外に住む身内が、出来るだけ都心には近づきたくない・・と言っていたのも理解できたし 仕事が無ければ住める場所ではないと思った。

 渋谷駅を下りてみたが目印の ハチ公の像は残っているらしいが 建物の裏側になり、品川駅も駅前から見えた御殿山も見えないし 高輪のボーリング場は残っていたが 外からは探せない風だった。仕事が早く終わった日には、品川から秋葉原街に部品を買いに通っていたが その好きなアキバも今はゲームと若者の街で10年前に興味を無くしたが  数年前お台場とかスカイツリーにも行ってその殺風景さに落胆したが この大都市は何処も仕事をする人の仕事場の様相が強くなったようだ。二日目の朝、震度3程度の地震があったが テレビ報道も無いのが不思議だったが 国内の事件・自然災害もこの都市は気にしない程忙しいのだ。現在が高度成長出来ているなら諦めても 経済は沈み高齢化と人口減の最中なのにこれは問題だろう。

 昔、同僚とビールを持って花見に行っていた上野公園だが 今回 久しぶりに行って 紅葉の下を歩く修学旅行とか観光客の多さで安心はしたが まだ東京に残されている 皇居・新宿御苑などの 静かな環境をもっと大切にしないと 過密過ぎのバランスの悪い都市に変わるのが心配だ。

 

 上野公園口の朝の風景

 国立博物館前の池


2211-秋六甲・紅葉谷

2022-11-07 | 山登り

   六甲山の紅葉谷コースが、この秋に3年振りに通行止解除したと言う記事を見た。数年前の秋とても奇麗だったので、西おたふく山から北側斜面の紅葉谷から有馬に下ることにした。

長い通行止めは登山道に散乱する落石や 崩れた登山道を谷を避けて尾根に迂回させる様子を知ると 荒れた登山道の修復には大量の材料を運び 工事しないと出来ない労力には感謝してしまう。肝心のこの谷間の紅葉は今年はブナ落葉ばかりでモミジ茶色で寒さが少し早く盛りは過ぎてしまったらしい。枯れ葉の道も悪くないが、又真っ赤な紅葉の谷間で コンロを出して休む機会はなかったが 河原で休憩したら 他のグループも仲間入りしてきて 紅葉は無くても多少は賑やかになった。

  住吉道の左岸から右岸道から登るコースは、登山者も少なくいつも静かだが ルートが不明瞭で人気がないのだが  恐らく地図で示されている渡渉点が水量が多過ぎて靴を脱がないと渡れないからだろう。私も地図で渡渉しようと試みて数回 失敗して3回目にヤマレコの登山者サイトで 渡渉ポイントを大平岩と言う崖下に下り 丸木橋をロープを使って渡ったと言う情報でこのルートを知った。同じコースでも季節でも 時々で雰囲気は変わるし 不明瞭ルートは雑草の少ないこの時期が一番楽なのだ。

 今回も西おたふくの標高800mからの熊笹の中を分けて登る尾根道から山頂のまでの紅葉が素晴らしかったし 純毛の登山シャツても暑くも寒くも無く マスクも外して思いきり山の空気を吸い込んできた。相変わらずゆっくり歩きなので、下山は予定した時間より1時間程遅れたが 明るいうちに下りた山間の温泉街なのに 何故か外国人人気スポットにされているらしく いつもの「銀の湯」で体調を整えていたら 隣で体を洗っていたのも英語を話す異人さんだったのは 為替の円安の影響なのかも知れない。

 温泉街を歩く客にも外人さんが多く 温泉饅頭屋にまで並んでいたが 私もお土産に数個を買って帰宅した。

 

  9:30  五助堰堤の湿地帯

 9:50 住吉道の朝

 11:30   西おたふく山頂アンテナ展望

 13:10 山頂道路沿い 極楽茶屋 南展望

 13:30 紅葉谷下山道

 16:10 有馬の源泉らしい