- 松永史談会 -

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井上哲次郎日記(「巽軒日記」、明治26-29,40,41)

2014年01月30日 | 断想および雑談
井上哲次郎「巽軒日記」

『巽軒日記―自明治三三年至三九年―』128p ; 26cm

旧録、井上哲次郎自伝 / [井上哲次郎著] ; 島薗進, 磯前順一編纂
第31号 2013(平成25)年3月
表紙(目次・奥付)

論文・調査研究

工学系研究科建築学専攻所蔵 旧備品台帳(四)旧工科大学所蔵資料(角田 真弓)
東京帝国大学大学院特別研究生候補者の研究事項解説書
―昭和十八年度~昭和二十年度―〔完〕(小幡 圭祐・吉葉 恭行)
井上哲次郎『巽軒日記―明治二六~二九、四〇、四一年―』(村上 こずえ・谷本 宗生)

彙報
東京大学史史料室彙報


この日記には「心理百話」の著者:高島平三郎と「教育適用 俚諺心理百話 全」の著者:浦谷熊吉の名前が登場する。彼らの名前の登場の仕方に興味があって、さきほど井上哲次郎日記(「巽軒日記」、明治26-29,40,41)を読み終えたところ。『巽軒日記―自明治三三年至三九年―』128pの方は後日チェック予定だ。
浦谷熊吉はな、なんと259件の記載がある。高島は14件。これを分析すると高島平三郎の人柄・性格、井上と高島との関係および、それと井上と浦谷との関係の違いなどが何となく判ってくる。


こちらは教科書検定関連の教科書会社からの贈答品リスト, 日本酒1樽ではなくビール1ダースだったのもそうだが、鶏卵一箱だったとは・・・・
年賀状の数、年始の挨拶に訪れた来客の数など・・・・
井上の審査対象教科書は5万種超だったようだから、これは大変だ





今では贈収賄はご法度であるが、明治の代表的な御用学者:井上の周辺では莫大な贈答品が動いていたようだ。その後、桜井英治『交換・権力・文化』、みすず、2017を読むようになったが、桜井のように中世日本社会を贈答儀礼が肥大化した社会だった言われるとわたしなどはちょっと首を傾げたくなる。こんなんで我が国の歴史学研究は大丈夫なんだろうか。
井上の古希記念集「井上博士杖国集」昭和4年(出版者:浦谷熊吉)






祝賀会への出席者に下田次郎・高楠・富士川そして高島平三郎が。




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東京洛陽堂の創業当初の出版物

2014年01月30日 | 断想および雑談
高島平三郎・山本瀧之助は河本亀之助の同郷人。


西川光二郎の執筆したもの:「悪人研究」「実践道徳簡易入門」「地方青年の自覚」「英雄物語」
東京洛陽堂は社会主義者から転向した西川の生活支援を行ったことが判る。阿武信一は山口県生まれで広島県沼隈郡郡長経験者。「親と月夜」は洛陽堂からではなく、良民社(河本亀之助経営)から阿武信一編という形で出版された通俗的な修養関係の小冊子。柴田流星の「残された江戸」は名著として後年文庫本に。阿武は「君」、山口・西川・山本・柴田は「先生」付け。


「おめでたき人」は小説家武者小路の処女作。ベストセラーとなった一連の竹久夢二画集。
竹久は「先生」、武者小路は「君」呼ばわり。




仮称「子供の研究」は「児童学綱要」大正元年と改題。高島・元良は先生か「大家」。

日本青年の将来
リギヨル 著

[目次]
標題紙
目次
理想の必要 / 1
理想の定義 / 20
理想の実行 / 32
将来の準備 / 67
理想と人物 / 106
理想と事業 / 151
理想と栄養 / 203



石川弘「基督の青年訓」明治44、洛陽堂


基督の青年訓

石川弘 著



[目次]
標題紙
目次
偉人の短生涯 / 1
境遇と不平 / 15
青年と誘惑 (其一) / 37
青年と誘惑 (其二) / 48
青年と誘惑 (其三) / 61
奮闘の意義 / 79
奮闘の武器 / 96
失敗の青年 / 114
成功の青年 / 138
楽天生活 / 154
青年と家庭 / 168
墓畔の追恨 / 183
基督の箴言 / 203



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「心理講話 : 医家必読」啓成社、明治38

2014年01月30日 | 教養(Culture)
心理講話 : 医家必読

高島平三郎 著



[目次]
標題紙
目次
緒言
第一講
心理学の略史及び現状に就きて
第二講
識及び注意
第三講
感覚及び直観
第四講
記憶及び想像(上)
第五講(上)
記憶及び想像(下)
第五講(下)
思想(上)
第六講
思想(下)
第七講
感情(上)
第八講
感情(中)
第九講(上)
感情(下)
第九講(下)
動能(上)
第十講(上)
動能(下)
第十講(下)
個性

本書には心理学者としての駆け出し時代に医学者の富士川游・呉秀三(いずれも広島県出身)などの人間関係や学術面での支援があったことが判る。







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