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「路上脱出ガイド」とは

2015-02-17 09:08:58 | 歌う

             ~ 「路上脱出ガイド」とは ~

   ❤ 閲覧室の隅に新聞読んでいるホームレスかもしれない瘦身   松井多絵子

 「路上脱出ガイド」 を置く図書館が増えているらしい。日中をここで過ごすホームレスが多いので、ガイドを見て自立へのきっかけを掴むようにとの計らいなのだ。区立日比谷図書文化館は2階図書フロアのトイレの個室内にガイドを置く。人の目が気にならない場所、これまでの配布は500部、「ガイド」は約50頁で仕事の相談先や生活保護申請方法がわかる。

 新宿区角筈図書館も出入り口近くにホームレス向けの生活支援情報のコーナー。「路上脱出ガイド」を置いている。ガイドを見て自立へ向かっている44歳の男性がいる。家業を手伝っていたが、折り合いが悪くなり、5年前に大阪市を出た。知人も仕事も家もない。ネットカフェーに泊り1日2千円で暮らした。所持金が1万円を割り込み、焦っていたときにカフェの棚にガイドが置かれていた。 「路上脱出ガイド」が。 彼は「ビッグイシュー」を頼り、1年3か月後には繁華街で店の立て看板を持つ仕事を得た。

 友人の暴走老女A子の口癖は、「勝ち組になるのは情報持ちと時間持ち。その次がお金持ち」、私もそう思う。「もっと早く知っていたら」と後悔することの多いこと、多いこと。ホームレスは時間はたっぷりあるのだ。自分に有利で安全な情報を集め稼ぎなさい。お金があっても投資で失敗したり騙される人が実に多い。時間があれば図書館こそ無料の楽園だ。新聞も週刊誌もタダ、しかも暖房の静かな部屋で朝から夕方まで過ごせる。でも月曜はダメ。

     ❤ 午前よりわれの書斎の図書館の22歳の啄木と会う

          今日は火曜日、午後は太宰治に会おうかしら区立図書館で。

                      2月17日   松井多絵子

          

         ◆  短歌情報 新刊歌集

 ♦ 相原由美歌集 『鶴見橋』 (不識書院・本体3000円)

     鶴見橋わたり真直の道を行くヒロシマの死者の影に添いつつ

 ♦ 田中濯歌集   『氷』 (角川学芸出版・本体2600円)

     おおおおうと朝焼けの部屋にわれの声死者の声すこし訛りある声 


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