えくぼ

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長生きするために、その二

2013-04-18 13:47:04 | 歌う

            「長生きするために、その二」
                      ~木々に親しむ~

 わたしは木々に癒されると言ったら「キザだわねえ」。と暴走老女A子は言う。彼女は犬に癒されているが、犬を飼っているわけではない。隣家の番犬タローを見れば心が安らぐそうである。秋田犬のタローは贅肉がなく顔もきりりとして利口らしい。彼女の寝室から低いフェンスをへだてて三メートルの所にタローの小屋があり、夜も安心して過ごせるらしい。食事、運動、などの面倒をみることも、養育費も払うこともなく、A子はタローを彼女の犬にしている。

❤象の脚みたいなブナのたくましい幹にふれればひんやりとして  松井多絵子

 わが家から徒歩10分たらずのところに「ふれあい広場」がある。その中ほどに常にどかりと立っているブナの木。この木の下に立つとわたしも「どかり」とした気分になる。「なるようになるさ」というブナのひとりごとが聞こえる、ような気がする。地震などの際の仮の「避難所」に指定されているのだから、区が管理しているのだろう。このブナの木がわたしの狭庭の木だったら、剪定が大変、台風のときは気がもめる。A子のタローもわたしのブナの木も自分のものではないから気楽だ。所有することは手間や気苦労がともなう。老人は身軽なのが健康によいのではないか。

❤光線が縺れていたりまだ花のひらかぬ藤のしだれる枝に  松井多絵子

 スーパーへ行く途中にある数寄屋造りの家。その塀から藤の枝が垂れかすかに揺れている。もうじき黄金週間。そのころはこの細い枝はうすむらさきの小花をまとう。近寄ればわたしは優雅な女に。親しい木々はあたりに何本もある。今、新緑をひろげている神社の銀杏はわたしに話しかける。「あなたはまだ若いわねえ」 そうですよ。この銀杏の木は樹齢二百年ですもの。4月18日 午後の気温は23度 これから木々に会いに行きます。松井多絵子



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