・・・ 短歌・新人賞への対策 ・・・
✿ まず賞を、そして急いで実力を、ふかく礼して花束を抱く 松井多絵子
2009年に角川短歌賞を受賞し、その後 現代短歌評論賞、北海道新聞短歌賞など受賞してまだ30歳そこそこの山田航、この賞男が 「短歌5月号」で「受賞のために工夫したこと」について書いている。今年の「角川賞」の応募者には大いに参考になるのではないか。
「私の受賞作は、一年かけて練り上げたものです。もっとも古い1首は、前年に落選を確認したその日に作りました。」とざっくばらんな山田航。その親切なアドバイスを要約してみる。
① 名歌ばかり集めなくてもよい。※ 角川短歌賞は連作50首である。
② 序盤10首と終盤5首に統一されたムードがあれば、全体を支配できる。
③ 同じ語尾パターンの繰り返しや、同じ単語の頻出は避ける。
④ 短歌の連作は小説ではないから起承転結にこだわらないこと。
⑤ 詩歌はストーリーではない。一貫性を避けた方がいい。
⑥ 心理描写の歌ばかりでは読者が退屈する。
⑦ 写生の歌、発見の歌を入れること。
⑧ 普段あまり詠まないタイプの人物を50首のなかに入れる。
⑨ 新人賞は完成度の低い作品も1割位入れるのも戦略。
⑩ 連作のタイトルは冒頭やラストの歌より中途半端な位置にあるものを。
受賞作品を決めるのは選考委員である。角川短歌の場合は4人。選考委員は投稿歌などの選歌に追われている先生だ。先生たちを退屈させる歌はダメ。⑦写生、発見の歌を入れること。は最も大切だと私はおもう。さりげない写生の歌や小さな発見のの歌は先生たちだってなかなか出来ない。「よく気が付いたもんだ」と思わせたらアナタは花束を抱ける、かもしれない。
近頃は男か女か分からない名前が多い。山田航は男性ですよ。
5月11日 松井多絵子
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