私を若返らせるひと①岡崎裕美子
これ以上老化したくない私は、ビタミン剤だけでなく、コンドロイチンなどまで飲みはじめた。「体だけではない短歌だって」である。昨年9月末に第2歌集『わたくしが樹木であれば』を青磁社から刊行した岡崎裕美子は自己破壊願望が強そうだ。まずは彼女に頼って見よう。「うた新聞1月」の⚡今月のうたびと より
「屈葬」より七首
屈葬というを思いき汚れたる便器の横で湯に浸かりつつ
薄き布まといて戻る部屋ぬちに山手線の遠きざわめき
作為なき語を放たれて帰りたる我をしばらく包めよ地球
泥棒のごとき所作かも朝焼けのなかで我が家の鍵を外して
何をしていたのかと誰も問わずして静かに我を布団に寝かす
母に似た我を肯う夫といて母が嫌いと何回も言う
人間は体に種子を持つというならばわたしを素早く埋めよ
これ以上老化したくない私は、ビタミン剤だけでなく、コンドロイチンなどまで飲みはじめた。「体だけではない短歌だって」である。昨年9月末に第2歌集『わたくしが樹木であれば』を青磁社から刊行した岡崎裕美子は自己破壊願望が強そうだ。まずは彼女に頼って見よう。「うた新聞1月」の⚡今月のうたびと より
「屈葬」より七首
屈葬というを思いき汚れたる便器の横で湯に浸かりつつ
薄き布まといて戻る部屋ぬちに山手線の遠きざわめき
作為なき語を放たれて帰りたる我をしばらく包めよ地球
泥棒のごとき所作かも朝焼けのなかで我が家の鍵を外して
何をしていたのかと誰も問わずして静かに我を布団に寝かす
母に似た我を肯う夫といて母が嫌いと何回も言う
人間は体に種子を持つというならばわたしを素早く埋めよ