えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

「在るひと」と「無いひと」

2017-08-16 13:53:58 | 歌う
▲新宿の都庁の地下のガレ一ジが寝室だなんて住処なき人の

昨日8月15日の「折々のことば」は

「あんたには在る。おれたちにはない。在るひとに、無いひとの気持ちは解らないよ」ある高齢のホ一ムレスの男性

鷲田清一の解説によるとこれは柳美里の小説「JR上野駅公園口」の「あとがき」からの引用。彼女は20年前の芥川賞受賞の時、「私は日本人でも韓国人でもない。家族もない。その「ない」ということを、書き続けける上で大切にしたい」と語っていた。

7年位前までは新宿などでホ一ムレスをよく見かけた。高層ビルの林立している新宿西口のビルの谷間で暮らす「無い人たち」、なかには以前は「在るひと」だったかもしれない。

震災や事故などで私たちはある日突然「無い」人になってしまうこともある。しかし若いときから高齢になるまで「無いひと」だっている。
「生まれながらに在り」そして「在るものを使いきれずに」この世を去ってゆく人も、蝉の鳴き声がさみしい頃となってきた。