えくぼ

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いま花ざかり・花ももの里

2014-04-26 14:07:27 | 歌う

           ✿「いま花ざかり・花ももの里」✿

✿あの世でもこの世でもなく福島の花ももの里に我を失う  松井多絵子

 4月24日10時、東京駅から山びこに乗り11時半に福島に来ていた私。桃の花咲く野がバスの車窓につづき、「花ももの里」に向かっていた私。なだらかな坂を上ってゆくと紅やピンク、白の花々が私にむけて押し寄せてくる。「見てよ、見てよ、早く見てよ」と花ももの花たち声が聞こえる。3月末から咲き続けている花たち。人間に見てもらいたいのだ。「キレイ」「キレイ」と声をかけて欲しいのだ。✿「花ももまつり」はあと1週間で終わってしまう。

 「花ももの里」は世界中から集めた40品種、約300本が栽培されているそうである。飯塚温泉観光協会が宇都宮大学農学部前教授・吉田雅夫の指導により栽培されてきたらしい。桃の花は中国で古くから愛され、中東をへてヨーロッパに。日本では古事記にも書かれ、桃には邪気を祓う力があると考えられていたようである。わが家の狭い庭に15年前に花ももの木を一本植えたが一度も咲かない。暴走老女A子はもう1本植えなければダメだと云う。オスの木とメスの木を並べた植えれば「紅いキレイな花が咲く」と。でも今ある木がメスなのかオスなのかわからない。メスの木とメスの木を植えても、オスの木とオスの木を植えても花が咲かないのだそうだ。専門家に聞いたら笑うかもしれない。A子の言葉を。

 「花ももの里」を去るとき私は出口の紅あざやかな花に「まだ枯れちゃダメよ」と云ったら
「枯れたくないわ」と花が応えた。わたしの口紅と同じ紅の花ももの花が。

 花ももの里を去り、バスで作並温泉へ。さくら、さくらの満開の温泉ホテルに泊る。

    朝、目覚めたときは我が家。昨日の山形のさくら、さくらは夢だったのかしら。

              4月26日  晴れ   松井多絵子