えくぼ

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嫌われる勇気

2014-04-23 13:55:40 | 歌う

            「嫌われる勇気」

✿くずれない女をくずしてみたくなるタルタルソースを作っているとき   松井多絵子

 私は優等生や良妻賢母は好かない。私がなることができなかったことも原因だが文芸に関わると善良な人間なんて嘘くさく思える。いつの間にか屈折した性格になっているのだろうか。そんな私が近頃の本の題名に驚く。「医者にかかると殺される」「親を捨てよう」など。
朝刊の▲「嫌われる勇気」~人はいま、この瞬間から幸せになれる。~※私は首を傾げる。

 不良老女のわたしでも人に好かれたいという思いは常にある。人の思惑など気にしないと云いながら大いに気にしている。誰にでも好かれることは無理でも、人に嫌われたくない。私だけでなく人は皆そう思っているだろう。それを承知で、こんな意表を突く題名の本を刊行したのではないか。<大反響!22万部突破!> 広告にはすでに読んだ人々の言葉。

 ▲アドラーの「他者の期待を満たすために生きてはいけない」という言葉が胸にひびく。とても100年前の思想とは思えない。(33歳・男性)

 ▲最後のページを読んで泣いてしまいました。こんなにも感動するとは。やっと探し求めていたものに出会えた気がします。(27歳・女性)

 ▲2児の母ですが「子供は叱ってはいけないし、ほめてもいけない」という言葉に八ッとした。子育ての悩みを根本から解決してくれ、自分に自信が持てた。(43歳・女性)

 自己啓発の源流「アドラー」の教えを基に 岸見一郎・古賀史健による著書らしい。100年前の漱石の「こころ」が今、朝日新聞に連載されている。人間の「こころ」は常に変わりないのか。私たちは嫌われないようにと心掛けるために、他者に構えて自分の本音を話さない。心の窓を開かない。そんな殻にこもった人間は魅力がなく、寄ってくる人も少ないのだ。加齢と共に私はステキな服よりも、着心地のよい服を着るうになった。友達も毛並の良さより、気のおけない、普段着で会える、ラーメンを一緒に食べるそんな友達がふえている。嫌われる勇気とは自分の弱点をさらけ出すこと、それが人に好かれるのだと私は思うが。

 ✿いまは静かにしているけれどそのうちに噴火するかも富士山、あのひと

      4月23日   晴れているけど雨が降るかも。 松井多絵子