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軽井沢からの通信ときどき3D

移住して11年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

雲場池の水鳥(14)エクリプスー3/3

2021-10-29 00:00:00 | 野鳥
 9月下旬になり、エクリプス状態が終わり、繁殖期の美しい構造色の頭頸部と元の羽衣や明るい黄色の嘴を取り戻したマガモ♂であったが、撮影していてもう一羽別のマガモが混じっていることに気がついた。

 そろそろ渡りの季節が始まり、いちはやくマガモ♀がやって来たのかと思ったのであったが、よく見るとこのマガモはくちばしの色から判断すると♂であり、エクリプスと判断された。
 

繁殖期の羽衣に戻ったマガモ♂(左 エクリプス①)とともに泳ぐ、新たに加わったマガモ♂(手前 エクリプス②)。右奥はカルガモ(2021.9.25 撮影)

 雲場池に夏の間とどまっていたマガモ♂はすでに繁殖期の美しい羽衣に変っている。こちらをエクリプス①とすると、この新たに出現したマガモ♂はエクリプス②ということになる。

 このエクリプス②は、北から渡ってきたのであろうか、それとも軽井沢周辺のどこかで夏季を過ごし、雲場池に移動してきたのであろうか。これら2羽のエクリプスは換羽の進み方にかなり違いがあるので、私にはエクリプス②こそが、北方で換羽し、軽井沢に飛来したばかりのもののように思えるのだが。

 このエクリプス②を追ってみると、次のようである。この日は鳴き声をあげながらエクリプス①やカルガモの後を追うようにして泳いでいた。


雲場池に新たにやって来たエクリプス② (2021.9.25 撮影)

雲場池に新たにやって来たエクリプス② (2021.9.25 撮影)


雲場池に新たにやって来たエクリプス② (2021.9.25 撮影)

【9月30日】
 先ずエクリプス①のその後の様子から。すっかり繁殖期の美しい羽衣に変わっている。呼び名だが、次の写真まではエクリプス①を用い、その後はエクリプス①では誤解を招く恐れがあるので、マガモ①と呼称を変更する。

エクリプス①のその後(2021.9.30 撮影)


エクリプス①のその後(2021.9.30 撮影)

エクリプス①のその後(2021.9.30 撮影)

 次は、エクリプス②。9月25日との比較ではまだ変化がなく、羽衣は♀によく似た色と模様をしている。

エクリプス②(2021.9.30 撮影)

エクリプス②(2021.9.30 撮影)

エクリプス②(2021.9.30 撮影)

エクリプス②(2021.9.30 撮影)


エクリプス②(2021.9.30 撮影)

【10月3日】
 前回から3日後、この日撮影したエクリプスは頭頸部に変化が起きていて、羽衣も急に変化したのかと思ったが、よく見るとエクリプス②とは別な個体であることが判った。

 マガモの個体の識別は普通私には出来ないが、このエクリプスは嘴左横に黒点があることに気がついた。新たに加わったこの個体をエクリプス③と呼ぶことにした。

 エクリプス③の頭部はまだら模様が目立ち、撮影条件によってはみすぼらしい状態に見える。この日エクリプス②の姿はなかった。

新たに加わったエクリプス③(2021.10.3 撮影)

エクリプス③(2021.10.3 撮影)

エクリプス③(2021.10.3 撮影)

エクリプス③(2021.10.3 撮影)

エクリプス③(2021.10.3 撮影)

エクリプス③(2021.10.3 撮影)

 同日のマガモ①は次のようである。

繁殖期の羽衣に戻ったマガモ①(2021.10.3 撮影)

繁殖期の羽衣に戻ったマガモ①(2021.10.3 撮影)

繁殖期の羽衣に戻ったマガモ①(2021.10.3 撮影)

繁殖期の羽衣に戻ったマガモ①(2021.10.3 撮影)

【10月6日】
 この日は再びエクリプス②が雲場池に姿を見せ、エクリプス③と同時に観察することができたので、2羽は間違いなく別個体であることが確認できた。また、この日マガモ♀の姿も見られ、本格的に渡りが始まったことが感じられた。

 先ずマガモ①から。

すっかり繁殖の姿になったマガモ① (2021.10.6 撮影)

 続いてエクリプス②。

遊歩道から伸びた木に興味を示すエクリプス② (2021.10.6 撮影)


羽をひろげるエクリプス② (2021.10.6 撮影)


エクリプス②(左)とマガモ①(2021.10.6 撮影)


紅葉の始まった雲場池のエクリプス② (2021.10.6 撮影)

 次はエクリプス③。エクリプス②に比べると、羽衣も頭部も早めに繁殖期の姿に戻りつつあることが判る。

エクリプス③ (2021.10.6 撮影)


くちばしの左側に黒点の見えるエクリプス③ (2021.10.6 撮影)

 次は姿を見せ始めたマガモ♀。


マガモ♀ (2021.10.6 撮影)

 この後もしばらくは観察を続けたが、大きな変化がなかった。雲場池の紅葉も少しづつ進み、観光客の姿も増え始めた10月25日に、およそ1週間ぶりに出かけてみると、水鳥の数と種類が増えていた。

 マガモは30羽ほどに増えていて、既に繁殖期の羽衣になっている♂も多いが、中にはエクリプスも混じっている。キンクロハジロも群れになって泳いでいた。また、久しぶりにオオバンの姿も見られた。
 
【10月25日】
雲場池に戻って来た多くのマガモ(2021.10.25 撮影)

雲場池に戻って来たマガモたち(2021.10.25 撮影)

繁殖期の羽衣をとりもどしたマガモ♂(2021.10.25 撮影)

紅葉の反映する雲場池を泳ぐマガモ♀(2021.10.25 撮影)

新たに飛来してきたマガモ♂エクリプス(2021.10.25 撮影)

マガモのペア(2021.10.25 撮影)

マガモ♂エクリプス(左)とマガモ♀(2021.10.25 撮影)


キンクロハジロの群れ(2021.10.25 撮影)


オオバン(2021.10.25 撮影)

 この群れの中には見覚えのある、嘴に黒点のある個体が混じっていて、エクリプス③と確認された。

マガモ♂エクリプス③(手前)、マガモ♀(左)とマガモ♂(2021.10.25 撮影)

 これまで、図鑑で見ていただけであり、一度実際に出会ってみたいものと思っていたマガモ♂のエクリプスに思いがけず出会うことができ、初夏から秋にかけての変化の様子もある程度観察できた。さらに、おそらくは北で換羽し、渡ってきたであろうマガモ♂のエクリプスも加わり、両者の換羽時期の違いを確認できた。

 紅葉の時期を迎え、続いて多くのマガモや他のカモ類も戻ってきた。撮影した写真を見ると、これといった特徴のないエクリプス②は他のよく似たエクリプスに混じってしまい、判別がつかなくなったが、嘴左側に黒点のあるエクリプス③は特定できた。繁殖期の羽衣に戻るにはもう少し時間がかかりそうである。

 エクリプスの観察はこれで終了する。




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雲場池の水鳥(13)エクリプス-2/3

2021-10-15 00:00:00 | 野鳥
 渡りの季節が過ぎてからも、北に帰ることなく、雲場池に一羽だけ残ったマガモ♂は換羽してエクリプスの羽衣を見せてくれているが、その様子を前回に続いて見ていただく。

 この頃になると頭頸部の緑/青色の構造色の羽はすっかり抜け落ちている。

【6月30日】
雲場池に1羽残ったマガモ♂エクリプス(2021.6.30 撮影)

雲場池に残り、カルガモと一緒に泳ぐマガモ♂エクリプス(中央 2021.6.30 撮影)

 この後の夏期期間は、雲場池に出かけることもほとんどなく、記録も途絶えたが、50日ほど経過した8月19日に撮影した写真には、この1羽のマガモ♂エクリプスが写っており、継続して雲場池にとどまっていたことがわかる。

【8月19日】
雲場池に残り、カルガモと一緒に泳ぐマガモ♂エクリプス(左 2021.8.19 撮影)

雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.8.19 撮影)

雲場池のマガモ♂エクリプス(右 2021.8.19 撮影)

ショウブの葉を倒した寝床でくつろぐ雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.8.19 撮影)

ショウブの葉を倒した寝床でくつろぐ雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.8.19 撮影)

【8月26日】
雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.8.26 撮影)

ショウブの葉を倒して作った寝床でくつろぐ雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.8.26 撮影)

ショウブの葉を倒して作った寝床でくつろぐ雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.8.26 撮影)

【8月27日】
ショウブの葉を倒して作った寝床でくつろぐ雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.8.27 撮影)

 9月中旬に撮影した次の写真を見ると、頭頸部の構造色が少し戻り、頸から胸にかけての羽色も濃くなり、羽衣も変化しているのがわかる。くちばしの色も黄色みが増してきている。

【9月12日】
繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

繁殖期の羽衣に戻り始めた雲場池のマガモ♂エクリプス(2021.9.12 撮影)

 何かの理由で夏季の間も雲場池にとどまり、その結果、普通なら見ることができないようなエクリプス状態への変化の様子を見せてくれていた1羽のマガモ♂であるが、秋が近くなるにつれて、今度は次第に頸のあたりに緑/青色の構造色の羽色が混じるようになり、我々も見慣れた「青首」に戻りはじめた。

 そして、さらに10日ほど過ぎた9月25日に、突然繁殖期の羽衣に変化した姿を見せた。これが、あのエクリプス♂が変化した姿かと疑ってみたが、他にそれらしいマガモ♂もいないので、間違いないと思えた。

【9月25日】

美しい繁殖期の羽衣を取り戻したマガモ♂(2021.9.25 撮影)

美しい繁殖期の羽衣を取り戻したマガモ♂(2021.9.25 撮影)

 こうして、雲場池に1羽だけ夏の間もとどまり、繁殖期の羽衣からエクリプスに変化し、またもとの繁殖期の状態に戻るという一連の様子をみせてくれたマガモ♂であった。
 これで、雲場池のマガモ・エクリプスの観察も終わりになるかと思ったところ、思いがけないことが起きた。

 以下、次回。


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雲場池の水鳥(12)エクリプス-1/3

2021-10-01 00:00:00 | 野鳥
 水鳥にさほど関心のない方にとっては聞きなれない言葉かと思うが、表題の「エクリプス」というのは、カモ類などの種の♂に生じる羽衣の状態をさす言葉で、繁殖期終了後に換羽し、♀と同じような地味な羽衣の状態になることをこのように呼んでいる。
 マガモの場合、このエクリプスの状態は、秋になり日本に渡来したばかりのころ見ることができるとされる。

 エクリプス (eclipse)という語 は、ウィキペディアによると、「日食」や「月食」など天文現象における「蝕」を意味する英語とされ、ギリシア語で「姿を消す」、「力を失う」ことを意味する εκλειπσισ (ékleipsis) から、ラテン語を経て英語へ取り込まれたものである。

 なるほど、日本に飛来したカモ類が一時期♀だけのように見えることがあるというが、これは♂がエクリプスになっているためで、上記の「姿を消す」という意味とつながっていることが理解される。

 昨年、雲場池に飛来するマガモについて紹介したことがあるが(2020.4.7 公開)、その後1年を通じて観察していると、マガモは秋10月ごろになると姿を見せ始め、冬を過ごした後、5月には北に帰っていき、姿を消していた。

 2020年1月から2021年1月まで、1年間の朝の散歩時に見ることができた雲場池の水鳥は次のようであった(2021.1.15, 2021.2.5 公開)。


雲場池で見られる水鳥(2020.1-2021.1)

 この表からもわかるように、1年間を通じて雲場池で見られる水鳥はというと、カルガモだけで、マガモは5月中旬から10月中旬までは見ることができなかった。

 ところが、雲場池の散歩を始めて2年目の今年は少し様子が違った。5月半ばころになって、他のマガモの姿が見えなくなってしまっているのに、北に渡ることなく雲場池にとどまるマガモ♂が1羽いたのである。

【5月13日】

雲場池に1羽だけとどまるマガモ♂(手前、後はカルガモ 2021.5.13 撮影)


雲場池に1羽だけとどまるマガモ♂(2021.5.13 撮影)

 この♂のマガモは、カルガモと仲良く寄り添うようにして泳ぐ姿がその後も見られた。ただ、カルガモの雌雄は私にはこの写真だけではよくわからない。

【5月28日】
雲場池に1羽だけとどまるマガモ♂(右、左はカルガモ 2021.5.28 撮影)

雲場池に1羽だけとどまるマガモ♂(2021.5.28 撮影)

 初めのうちは、まだぐずぐずしているのかと思っていたが、6月になっても姿を見ることがあり、これは北に帰ることができない何か身体的な理由、例えば傷を負って飛べなくなったといった理由があるのだろうと思うようになった。

 そうしているうちに、このマガモ♂は次第に羽色が変化し、頭部から首にかけて見られていた美しい緑~青色の構造色が失われていった。この頃になってようやく、エクリプスとはこの状態のことかと気がついた。きちんと日を追って撮影していたわけではなく、変化していく様子を詳細には撮影できていないのだが、手元にある画像から変化の様子を紹介したい。

【6月21日】
頭頸部の構造色が消え、エクリプス状態に変化したマガモ♂(2021.6.21 撮影)

エクリプス状態に変化したマガモ♂(2021.6.21 撮影)

エクリプス状態に変化したマガモ♂(左、右はカルガモ 2021.6.21 撮影)

エクリプス状態に変化したマガモ♂(左、右はカルガモ 2021.6.21 撮影)

【6月26日】
エクリプス状態に変化したマガモ♂(2021.6.26 撮影)

エクリプス状態に変化したマガモ♂(左、右2羽はカルガモ 2021.6.26 撮影)

【6月28日】

マガモ♂エクリプス  1/10(2021.6.28 撮影)

マガモ♂エクリプス  2/10(2021.6.28 撮影)

マガモ♂エクリプス  3/10(2021.6.28 撮影)

マガモ♂エクリプス  4/10(2021.6.28 撮影)

マガモ♂エクリプス  5/10(2021.6.28 撮影)

マガモ♂エクリプス  6/10(2021.6.28 撮影)

マガモ♂エクリプス  7/10(2021.6.28 撮影)

マガモ♂エクリプス  8/10(2021.6.28 撮影)

マガモ♂エクリプス  9/10(2021.6.28 撮影)

マガモ♂エクリプス  10/10(2021.6.28 撮影)

 この頃になると、マガモ♂の羽衣はすっかり変わっていて、♀とよく似た姿になっている。冬撮影した雌雄の羽衣と比較すると次のようである

冬のマガモ♂(2021.2.8 撮影)

冬のマガモ♀(2021.2.8 撮影)


マガモ♂エクリプス  (2021.6.28 撮影)

以下次回。

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雲場池の水鳥(11)カルガモの子育てー2/2

2021-08-27 00:00:00 | 野鳥
 この日、これまでカルガモの母子のいた場所を順次探してみたが、姿は見つからなかったので少し心配になってきた。もしかしたらと、更に上流の道路を越えた私有地の池を見に行ってみると、そこに母子はいた。どういうわけか他の仲間と離れてどんどん上流に移動していくようである。

7月24日(道路を越えた私有地の池に移動していた)

雲場池の上流の私有地の池で餌を探すカルガモ母子(2021.7.24 撮影)


雲場池の上流の私有地の池でくつろぐカルガモ雛(2021.7.24 撮影)


キセキレイと出会うカルガモ雛(2021.7.24 撮影)


雲場池の上流の私有地の池のカルガモ母子(2021.7.24 撮影)


だいぶ成長したカルガモ雛(2021.7.24 撮影)


尾羽はまだ生えそろわないカルガモ雛(2021.7.24 撮影)

7月26日(撮影場所は24日と同じ)
雲場池の上流の私有地の池で餌を探すカルガモ雛(2021.7.26 撮影)

翼もまだ生えそろっていないことが伺えるカルガモ雛(2021.7.26 撮影)

雲場池の上流の私有地の池で餌を探すカルガモ母子(2021.7.26 撮影)

7月29日(再び道路の下流域に移動)

雲場池上流脇の草地で餌を探すカルガモ母子(2021.7.29 撮影)

急に成長したようにみえるカルガモ雛(2021.7.29 撮影)

雲場池上流の流れの中で餌を探すカルガモ雛(2021.7.29 撮影)

雲場池上流の流れの中で並んで餌を探すカルガモ雛(2021.7.29 撮影)


雲場池上流のカルガモ母子(2021.7.29 撮影)

8月1日(再び道路を越えて私有地の池に移動)
雲場池上流の私有地の池で餌を探す3羽のカルガモ雛と母親(2021.8.1 撮影)


雲場池上流の私有地の池で餌を探す3羽のカルガモ雛と母親(2021.8.1 撮影)


雲場池上流の私有地の池で餌を探す3羽のカルガモ雛(2021.8.1 撮影)

8月4日(撮影場所は1日と同じ)
雲場池上流の私有地の池で餌を探すカルガモ母子(2021.8.4 撮影)

すっかり大きくなった雛と母親(2021.8.4 撮影)


無事成長した3羽のカルガモの子供達(2021.8.4 撮影)

 この私有地の池からさらに上流の水源地の方に移動してしまうと、それ以上立ち入ることができないので撮影ができなくなるなと思っていたが、実際にこの8月4日を境にその後10日と12日に出かけた時も、親子の姿を見ることはなくなってしまった。かなり成長し、雛らしさも消え、若鳥の姿にまで無事成長していたので、もう飛べるようになっていたのかもしれないなどと思ったりした。

 この後、西日本では大雨が続いて、九州や広島さらには長野県内では岡谷市でも土砂災害や洪水が起きたというニュースが連日報道される中、軽井沢でも毎日のように雨が降り続き、一時は避難指示も発令されたが、幸い被害が起きることはなかった。

 散歩の方もしばらく中断を余儀なくされていたが、久しぶりに青空のみえた19日の朝、思い立って雲場池に散歩に出かけてみた。もしかしたらカルガモ母子を見ることができるのではという期待もあった。

 遊歩道を左回りにぐるりとひとまわりすることにしてして歩き始め、すぐに大きい池の中ほどで5,6羽のカルガモと珍しく一羽のマガモを見かけたが、カルガモの方はあの親子かどうか判らなかった。さらに進んで一番奥の私有地の池も覗いてみたが、ここにはカルガモの姿はなかった。
 
 母子はずっと上流域の水源地の方に行ってしまったのだろうと思いながら、今度は西側の遊歩道を通って戻っていくと、そこに4羽のカルガモがいた。行くときに通った東側の遊歩道からは建物の陰になり見えない場所であった。

8月19日


成長したカルガモの子供達と思える3羽(2021.8.19 撮影 )

 これはあの母子に間違いないと感じた。子供たちの方はすっかり成長してもう母親と区別がつかないまでになっていたが、仲良く連れ添って餌を探したり、つかず離れず泳ぐ様子は以前見た通りであった。雛は3羽全部が無事立派に成長していた。


羽づくろいする成長したカルガモの子供(2021.8.19 撮影 )


成長したカルガモの子供(2021.8.19 撮影 )


成長したカルガモの子供(2021.8.19 撮影 )


成長したカルガモの子供(2021.8.19 撮影 )

 母親も一緒にいた。ご苦労さんでした。
 

こちらは母親と思われるカルガモ(2021.8.19 撮影 ) 

 およそ1か月余になるカルガモの子育て観察も、無事成長した姿を確認できたので、この日で最後にしようと思う。
 


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雲場池の水鳥(10)カルガモの子育てー1/2

2021-08-20 00:00:00 | 野鳥
 雲場池のカルガモについて、以前本ブログで紹介したことがあるが(2020.6.5 公開)、昨年は雲場池で雛の姿を見ることはなかったので、ここでは繁殖をしていないのだろうと思っていた。

 しかし、今年7月9日の朝の散歩で、孵化後まだそれほど時間が経っていないと思われる3匹の雛を連れた母鳥に初めて出会った。

 池の奥にかかる橋の下には落差はそれほどではないが小さな堰が設けられており、上流からの水が流れ落ちるようになっていて、泡立っているのだが、はじめ母親と一緒に池で泳いでいた雛たちがその泡を見つけて、しばらくの間戯れるようにして遊んでいた。傍らには雛たちを見守る母親の姿があった。


雲場池の奥に架かる橋とその下に設けられている堰(2021.8.19 撮影)

 以下、この雛たちの写真を見ていただくが、撮影場所は図中に☆印で示している。

7月9日

雲場池で泳ぐカルガモ親子(2021.7.9 撮影)

雲場池のカルガモの雛(2021.7.9 撮影)

泡と遊ぶカルガモの雛(2021.7.9 撮影)

雲場池のカルガモの雛(2021.7.9 撮影)

 よくニュースで見るカルガモの母子の場合、雛の数はもっと多く、10匹前後はいたように思うが、今回は3匹と少なめである。カルガモは10個から14個の卵を産むとされているので、まだ若い母親で産卵数が少ないのか、何か事故でもあり、数が減ってしまったのかそれは分からない。しばらくの間様子を見て、3匹の雛たちがこの雲場池で無事成長していくことができるかどうか追ってみることにした。

 以下はこの日以降、朝の散歩時に撮影したカルガモの母子の様子を日を追って示したものである。最初にこの母子を見つけた雲場池の大きい池にはこの親子のほかに四・五羽のカルガモがいて、ショウブの葉を倒して作ったねぐらで一緒に休息する姿も見られたが、母子だけは次第に堰をこえて上流方向へと移動していった。

7月10日(撮影場所は前日と同じ)
ショウブの葉を倒してつくられた寝床でくつろぐカルガモ母子(2021.7.10 撮影)

ショウブの葉を倒してつくられた寝床で遊ぶカルガモ雛(2021.7.10 撮影)

ショウブの葉を倒してつくられた寝床でくつろぐカルガモ(2021.7.10 撮影)


寝床から出て泳ぎ出したカルガモ母子(2021.7.10 撮影)

7月11日(この日は堰を越え上流に移動)

雲場池のカルガモ母子(2021.7.11 撮影)

雲場池のカルガモ雛(2021.7.11 撮影)

雲場池のカルガモ雛(2021.7.11 撮影)

7月13日(再び堰の下流の池に移動)

雲場池のカルガモ母子(2021.7.13 撮影)

堰付近で遊ぶカルガモ母子(2021.7.13 撮影)

堰付近で餌を探すカルガモ母子(2021.7.13 撮影)

カルガモ雛(2021.7.13 撮影)

カルガモ雛(2021.7.13 撮影)

7月14日(再び堰の上流域に移動)
母親から離れて泳ぐ3匹の雛(2021.7.14 撮影)

母親から離れて泳ぎまわる雛(2021.7.14 撮影)

母親が近くに寄って来る(2021.7.14 撮影)

母親と一緒に泳ぐ雛(2021.7.14 撮影)

珍しく他のカルガモも近くにいた(2021.7.14 撮影)


池の中を自由に泳ぎ回る3匹の雛(2021.7.14 撮影)

 雲場池の堰からさらに上流に遡ると次第に幅が狭くなり清流がみられるようになる。この付近にも橋が架けられていて、これより上流になると川幅はさらに狭くなって小川の流れのようになる。流れの両側には草地が広がっているが、カルガモの母子はこのあたりに移動して、流れのある川で泳いだり草地に入って餌をついばんだりしている。3匹の雛と母鳥は元気な様子である。

7月16日(さらに上流に移動していた)


雲場池の上流にある2つ目の橋の付近で餌を探すカルガモ親子(2021.7.16 撮影)


周囲に気を配るカルガモ母(2021.7.16 撮影)

上流の浅い所で餌を探すカルガモ雛(2021.7.16 撮影)


上流の浅い所で餌を探すカルガモ母子(2021.7.16 撮影)

7月17日(撮影場所は前日と同じ)
上流に移動したカルガモ母子(2021.7.17 撮影)

流れの中で餌を探すカルガモ母子(2021.7.17 撮影)

上流脇の草地で餌を探すカルガモ雛(2021.7.17 撮影)

餌を探す雛を見守る母カルガモ(2021.7.17 撮影)

7月20日(撮影場所は17日と同じ)

上流脇の草地で餌を探すカルガモ雛(2021.7.20 撮影)


雛のそばであたりを警戒する母親(2021.7.20 撮影)


雲場池上流のカルガモ母子(2021.7.20 撮影)

 観察を続けていると無事成長するようにと願うようになるのだが、雛たちは天敵に襲われるようなこともなくすくすくと成長を続け、だいぶ大きくなってきた。ところがこの後、数日ぶりに現地に出かけたところ、親子の姿は見えなくなっていた。下流域に戻りあちらこちら探してみたがやはり見当らない。少し心配になってくる。

 以下次回。

 

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