去年、誕生学とJAZZを一緒にやっているやすべーさんのお供で「玄牝」という映画を観に行きました。自然分娩を題材とした河瀬直美監督のドキュメンタリー映画で、これまでに観たことのないタイプの映画で新鮮でした。
今度は私の行きたい映画に付き合ってもらう番、ということで、最初「武士の家計簿」に行こうと思っていたんですが、何かのメディアでこの「ハーモニー」を知り、断然こっち!とわざわざ新宿の映画館までお付き合いしてもらいました。
あのですね、私が最初に映画館で観た映画は、中学生の時の「E.T.」で、それ以降30年の間に、レンタルも含め100本は観ていると思うのですが・・・。
今まで観た映画の中で、これほど泣いた映画はありません
それは私に子供がいること、音楽をやっていること、映画「天使にラブソングを」が大好きなこと、実話をベースにしていること、そして主演のキム・ユンジンが好きなこと・・・様々な事柄が合わさって、普通の人以上に泣いてしまったのかもしれませんが、それにしたって周りのみなさんも(やすべーさんも含め)泣いてらっしゃいました。映画館では泣くことをなるべくがまんするため、映画が終わった後、頭や顔が痛くなっていました。
男の人の理不尽な行動によって、罪を犯してしまった女性受刑者たちが、慰問で訪れた合唱団に感動して、刑務所の中で女声合唱団を作ろうとするお話。部分的には「天使にラブソングを2」のリメイク?と思われるところもあるほど似ていましたが、比較的コミカルな作りの中に、それぞれの登場人物の心情が丁寧に描かれていて、素晴らしかった。
刑務所内で出産し、1歳半というかわいい時期に養子に出さなければいけない母の悲しみ。長年罪を犯したことを娘に許されず、電話にも出てもらえない死刑囚。義父の仕打ちに抵抗し、誤って死なせてしまい、面会に来る実母を遠ざける若い女性。
心に悲しみを持ったそれぞれの女性たちが、歌うことによって少しずつ生きる希望と明るさを取り戻して行く。それがこの映画の最大のテーマだと思うのですが、見終わって一番印象に残ったのは「オモニ」「お母さん」の存在でした。
最後には娘との温かい時間を過ごして、刑に服するオモニ。若い女性もやっと最後にはお母さんと会って、お互いを許し合う。そして、キム・ユンジンと5歳になった子供を会わせてあげた養母も、クールに描いてはいるものの、実は心の広い優しいお母さんなんだと思いました。
2時間近い映画ですが、中だるみがなく、笑いもありつつひたすら泣けます。最初に流れるピアノ曲のメロディが「しゃぼん玉」と同じメロディなのにびっくりして、そこから涙腺が閉じることはなかったです
最近泣いてないわ、という方はぜひ!新宿バルト9で上映中です。