ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

浅瀬石川ダム見学会(4月30日)

2016-05-06 14:00:00 | ダム見学会
4月30日に実施された青森県の浅瀬石川ダムの特別見学会に参加してきました。
事前にGWは東北のダム巡りをする計画だったので、浅瀬石川ダムの見学会がリリースされたらすかさず申し込みました。
申し込みをしたのは第3部、午後3時からの回で事前に1時間ほどダムを見て回り、見学会に参加しました。
 
まずは監査廊から
 
 
ゲートの巻き上げ機
 
たわみ計測系
 
クレストのラジアルゲート
 
ゲート操作室
 
排水施設
 
継目排水孔
 
コンジットゲートの操作室
 
コンジットゲート
 
実際にコンジットゲートの開閉操作を間近で見ることができました。
 
今回は主としてゲートやゲート操作を中心に約1時間半の見学会でした。
間近でコンジットゲートの開閉が見られるなど有意義な見学会で、ダム職員の皆さんからもダムの理解を深めてもらおうという熱意がよく伝わってきました。

浅瀬石川ダム

2016-05-06 12:30:00 | 青森県
2016年4月30日 浅瀬石川ダム
 
浅瀬石川ダムは左岸が青森県黒石市袋、右岸が同市板留の岩木川水系平川右支流浅瀬石川にある国交省都北地方整備局が直轄管理する多目的重力式コンクリートダムです。
浅瀬石川は八甲田山系に源を発し、洪水の際には流域に大きな災害をもたらしてきました。
これに対処するために戦後間もなく沖浦ダムが建設されましたが、人口増加による水需要が増大、さらにダムの能力を越える洪水の発生で沖浦ダムの能力増強の機運が高まりました。
そこで沖浦ダムの下流に国交省直轄ダムとして新たに建設されたのが浅瀬石川ダムで、浅瀬石川及び平川の洪水調節、不特定利水、青森県主要部40万人分の上水道供給、及び東北電力浅瀬石川発電所でのダム式水力発電を目的としています。
 
今回は4月30日の特別見学会に合わせて訪問しました。
 
黒石インターから国道102号を東に走り、黒石温泉郷を過ぎると浅瀬石川ダムが見えてきます。
ダム関連施設がピンク色で統一されているのがわかります。
 
前々日に試験放流が行われ導流部がまだ濡れたままです。
クレスト放流見たかったなあ・・・
 
発電所からの余水路。
 
天端です。
エレベーターや各種取水設備、機械室はリンゴをモチーフにしたピンク色で統一されています。
 
減勢工と発電所
 
ゲートもピンク色
 
左岸から
 
逆から減勢工と発電所
 
ずらっと並ぶピンク色の各種建屋。
 
ダム見学会の翌日にライトアップを見に再訪しました。
まるで放流してるように見えます。
 
ゲートは鬼の顔のように見えます。
放流がない静かなライトアップもなかなか乙なものです。
 
追記
浅瀬石川には洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0207 浅瀬石川ダム(0344)
左岸 青森県黒石市袋
右岸       板留
岩木川水系浅瀬石川
FNWP
91メートル
330メートル
53100千㎥/43100千㎥
国交省東北地方整備局
1988年
◎治水協定が締結されたダム

早瀬野ダム

2016-05-06 12:15:00 | 青森県
2016年4月30日 早瀬野ダム
 
早瀬野ダムは青森県南津軽郡大鰐町早瀬野の岩木川水系虹貝川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
津軽平野を南北に貫く平川流域の灌漑用水源を確保するために、農水省直轄事業で1985年(昭和57年)に竣工し、完成後は青森県農林水産部が管理を受託しています。
このダムの特徴はなんといっても上下両面に施されたアスファルトフェイシングです。
上流面のアスファルトフェイシングは時折見ることができますが、下流面もアスファルトフェイシングされているダムは他にはないんじゃないでしょうか?
上下流面ともアスファルトフェイシングを施した理由についてダム便覧では『水質が岩の劣化をもたらすことが判明、その保護対策として途中からアスファルトフェイシングを実施』と書かれていますが、それだけでは下流面もアスファルトによる遮水処理を行う説明としては不十分です。
1980年(昭和55年)の青森県公害調査事務所報によると、もともと当ダムの集水域及び原石山は黄鉄鉱を中心とした重金属含有率が高く、ダム建設に伴ってそれら重金属物質が水質を汚染するとともに、ロック材に使用された岩石からも重金属物質の流出が見られ、虹貝川下流域の水質悪化をもたらしました。
この対策として堤体上下流面を遮水処理することで堤体本体からの汚染水流出を防ぐとともに、放流水の中和処理や浸透水の中和処理、根本原因となった原石山や集水域の被覆処理による汚染物質の流出防止策が取られ、現在は環境基準を満たした水質を確保できています。
見た目はアスファルトフェイシングですが、これは上記のような事由によるものでダムそのものの遮水はセンターコア式ですので、型式はロックフィルダムとなっています。
 
大鰐町早瀬野地区から虹貝川に沿って町道を南下すると正面にアスファルトでのっぺりとした早瀬野ダムが見えてきます。
現在は下流面のアスファルトを塗りなおす改修工事が行われています。
左右でアスファルトの色が違うのがわかるでしょう?
 
取水設備からのトンネル式の導流路の吐口です。
 
工事中のため天端に入ることができません。
堤体からワイヤーにつないだローラーでアスファルトを固めるようです。
この日は休工でしたが、作業現場を見てみたいものです。
 
上流面
こちらもアスファルトフェイシングで天端近くだけコンクリート補強となっています。
 
水深が深いのか?湖面は深いグリーンとなっていました。
 
取水設備
 
ダム下流面もアスファルトフェイシングされた全国で見ても非常にめずらしいダムです。
改修工事は年内いっぱい続くようですがぜひ改修後に再訪してみたいものです。
 
追記
早瀬野ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たな洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0206 早瀬野ダム(0343)
青森県南津軽郡大鰐町早瀬野
岩木川水系虹貝川
56メートル
285.9メートル
13500千㎥/13000千㎥
青森県農林水産部
1985年
◎治水協定が締結されたダム

遠部ダム

2016-05-06 12:00:00 | 青森県
2016年4月30日 遠部ダム
 
遠部(とおべ)ダムは青森県平川市碇ヶ関久吉の岩木川水系平川にある青森県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、平川の洪水調節と安定した河川流量の維持・既得取水権へ用水補給を目的として1974年(昭和49年)に竣工しました。
当初はラジアルゲートを装備していましたが、2009年(平成21年)の再開発事業でゲートレス化されました。
 
国道282号線を小坂方面に走ると右手に遠部ダムが見えてきます。
ゲートレス化されましたがたが、かつてのゲート関連設備の一部が残り何ともユニークな形状になっています。
クレストの自由越流式洪水吐は改修により新設されたのでしょう、他とコンクリートの色が違っています。
 
 
バルブ放流口
機械室は建設当初のままですが、バルブ部分は交換されたようです。
 
導流壁もゲートレスに合わせてかさ上げされてます。
 
上流から
 
改修によるゲートレス化は今後も増えるんでしょうね。当然こういうダムも増えてくるんでしょう。
 
追記
遠部ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0202 遠部ダム(0342)
青森県平川市碇ヶ関久吉
岩木川水系平川
FN
43メートル
158メートル
1420千㎥/1120千㎥
青森県県土整備部
1974年
◎治水協定が締結されたダム

久吉ダム

2016-05-06 11:45:00 | 青森県
2016年4月30日 久吉ダム
 
久吉ダムは青森県平川市碇ヶ関久吉の岩木川水系津刈川にある青森県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
津刈川の洪水調節に加えて久吉ダム水道企業団を通じ平川市と大鰐町に上水道を供給しています。
計画建設段階では津苅ダムという名称でしたが、下流の津刈ダムと混同しやすいということでダム下流域地名を取って久吉ダムに改名されました。
 
堤頂長が300メートルを超える大きなダムで、下流は公園として整備されています。
 
ゲートは堤体の右岸側にあります。
 
堤体に取水設備 奥はインクライン。
 
天端
 
ダムのサイズに比べると小さな減勢工。
 
右岸から。
 
 
ダム湖(面影湖)
上流に久吉温泉があります。
 
 
追記
久吉ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0212 久吉ダム(0341)
青森県平川市碇ヶ関久吉
岩木川水系平川
FNW
57メートル
317メートル
6730千㎥/6070千㎥
青森県県土整備部
1995年
◎治水協定が締結されたダム

津刈ダム

2016-05-06 11:30:00 | 青森県
2016年4月30日 津刈ダム
 
津刈ダムは青森県平川市碇ヶ関の岩木川水系津刈川にあった灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1962年(昭和37年)に青森県の事業によって建設されました。
長く流域の灌漑用水源として運用されてきましたが、老朽化による決壊等の懸念から2011年(平成23年)に農水省の補助を受けた青森県の農業用河川工作物応急対策事業が採択され、2020年(平成32年)をめどにダム撤去事業が行われています。
非常に珍しいダム撤去事業を目の当たりにすることができました。
 
国道282号線から津刈川沿いに市道を東に進むと右手に撤去工事中のダムが見えてきます。
 
すでに洪水吐は削除されています。
 
工事中のため外から眺めるのみ。
 
今後堤体も除去されるようです。
 
 
計画では事業期間は2020年(平成32年)までとなっており、再び青森に行く機会があればこのダムの状況を見てみたいと思います。
 
0195 津刈ダム(0340)
青森県平川市碇ヶ関久吉
DamMaps
岩木川水系津刈川
1962年着工
2020年廃止

下湯ダム

2016-05-06 11:15:00 | 青森県
2016年4月30日 下湯ダム
 
下湯ダムは、八甲田山系に源を発し青森市内を貫通する堤川の洪水調節と利水のために建設された青森県営のロックフィルダムです。
県庁所在地を洪水から守るダムということで、堤高70メートル、堤頂長780メートルと自治体が管理するダムとしてはかなり巨大なロックフィルダムです。
 
青森市街から堤川に沿って県道122号を南下すると下湯ダムが見えてきます。
対岸に東北電力の発電所が見えますが、取水口はダム湖のさらに上流でダムとの関係はありません。
 
堤頂長780メートルを超える大きなロックフィルダム。
 
天端は立ち入り禁止。
 
右岸の洪水吐と取水設備を遠望。
 
左岸のインクライン。
 
今度はダムの下流に回り込んでみます。
クレスト放流を行っています。
 
洪水吐直下から
すごい迫力ですが、今年は積雪が少なかったためこれでも例年の3分の1程度の水量だそうです。
 
 
減勢工も波打っています。
 
 ロックフィルダムの洪水吐から河川維持用の薄い放流は見たことがありましたが、今回の激流とも呼べるような放流は初めて見ました。
しかも洪水吐間近で見れるのでかなりの興奮です。
一方天端が立入禁止だったのは残念です。
ダム湖上流には管理されていない露天風呂などもあるようですが、午後のスケジュールが詰まっていたのでスルーして次へと向かいました。
 
追記
下湯ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0213 下湯ダム(0339)
青森県青森市荒川字横倉
堤川水系堤川
FNW
70メートル
783.5メートル
12600千㎥/11000千㎥
青森県県土整備部
1988年
◎治水協定が締結されたダム

天間ダム

2016-05-06 11:00:00 | 青森県
2016年4月30日 天間ダム
 
天間ダムは青森県上北郡七戸町南天間館の高瀬川水系坪川にある農地防災・灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
農林省(現農水省)の補助を受けた青森県の灌漑排水事業及び防災ダム事業によって1970年(昭和45年)に竣工、管理は青森県農林水産部が行っています。
上北郡の八甲田北東山麓には清水目・和田・作田・天間と4基の補助治水ダム・農地防災ダムが並んでいますが、天間ダムのみ灌漑目的を併せ持っています。
 
みちのく有料道路を外れ、採石場脇の荒れた道を進むとダムの左岸に到着します。
天端は立ち入り禁止で左岸からダムとダム湖を眺めるしかありません。
 
 
天端は立ち入りできません。
1970年(昭和45年)竣工のダムですが、それ以上に古く見えます。
 
左岸上流側から
対岸に斜樋が見えます。
 
下流から川沿いの山道を500メートルほどっ進むと堤体直下に飛び出しました。
赤い3門のラジアルゲートが日差しに映えます。
導流部が濡れており、2~3日前までクレスト放流を行っていたようです。
 
真ん中のゲートだけ越流部の位置が高くなり、ゲートの大きさも小さいようです。
 
バルブ放流が行われています。
 
0198 天間ダム(0338)
青森県上北郡七戸町南天間舘
高瀬川水系坪川
FA
50.5メートル
202.8メートル
19584千㎥/18434千㎥
青森県農林水産部
1970年
◎治水協定が締結されたダム

作田ダム

2016-05-06 10:30:00 | 青森県
2016年4月30日 作田ダム
 
作田ダムは青森県下北郡七戸町の高瀬川水系作田川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
農林省(現農水省)の補助を受けた青森県の防災ダム事業によって1979年(昭和54年)に竣工し、管理は青森県農林水産部が行っています。
 
中部上北広域農道から家畜改良センター奥羽牧場の広い敷地を抜けダートの道を西へ進むと作田ダムへと到着します。
が、ようやく着いたダムは敷地全体立ち入り禁止で遠望するしか手がありません。
 
堤体左岸に洪水吐があるようです。
手前の赤い施設は取水設備か??
 
これが精いっぱい
 
管理事務所
 
ダムが見える場所を求めて下流からアプローチしますが、こちらも立ち入り禁止。
 
ダートの砂ぼこりの中を走りなんとかダムに到着しましたが、ガードが厳しく遠望するしか手はなし。
車がドロドロになっただけでした。
 
0205 作田ダム(0337)
青森県上北郡七戸町左組
高瀬川水系作田川
31.5メートル
257メートル
1282千㎥/1117千㎥
青森県農林水産部
1979年
◎治水協定が締結されたダム

和田ダム

2016-05-06 10:15:00 | 青森県
2016年4月30日 和田ダム
 
和田ダムは青森県上北郡七戸町山舘の高瀬川水系和田川にある農地防災目的のロックフィルダムです。
農林省(現農水省)の補助を受けた青森県の防災ダム事業により1996年(平成8年)に竣工し、管理は青森県農林水産部が行っています。
 
ダムは国道394号線沿いにあり、七戸から国道を西進するとダムが見えてきます。
 
下流から
堤高はありませんが、直線的な洪水吐がダムをきりっとしめて見せます。
 
左岸洪水吐からの導水路と、右岸取水設備からの導水路がダム下流で合流します。
 
ロックフィルは真っ黒。
 
減勢工
 
洪水吐
 
天端は立ち入り禁止
 
上流面もロックフィル
奥に取水設備があります。
防災専用ダムですが、清水目ダム同様結構な水位がありました。
 
0211 和田ダム(0336)
青森県下北郡七戸町山館
高瀬川水系和田川
44メートル
303メートル
3055千㎥/2695千㎥
青森県農林水産部
1996年
◎治水協定が締結されたダム

清水目ダム

2016-05-06 10:00:00 | 青森県
2016年4月30日 清水目ダム
 
清水目ダムは青森県上北郡東北町塞ノ神の二級河川野辺地川にある青森県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
野辺地川流域の農地防災を目的に農水省の補助を受けた県営防災ダム事業で建設された農地防災ダムで2000年(平成12年)に竣工しました。
管理は県土整備部が行っています。
上北郡は八甲田の火山堆積物で形成されており、いったん洪水が発生すると各河川では大きな被害が発生するため、四つの河川に農地防災ダムが建設されています。
 
国道4号から清水目川と名前を変える野辺地川上流に沿って町道を遡上すると、清水目ダムに到着します。
ダム直下は公園になっており、町営のオートキャンプ場も整備されています。
ダムの下流にはオレンジと水色のカラフルなつり橋がかかっています。
 
7門の自由越流式と2門のコンジットゲートがあります。
三角形の背の高い導流壁が特徴的。
 
天端は立ち入り禁止。
 
左岸から
導流壁をもっと見てみたいんですが?
 
右岸に展望台があり俯瞰できます。
 
やはり導流壁に目が行ってしまう。
 
治水専用ダムのため有効貯水容量はすべて洪水調節容量となりますが、堆砂容量や死水容量分だけ貯水されています。
 
追記
清水目ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流に洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0208 清水目ダム(0335)
青森県上北郡東北町塞ノ神
野辺地川水系野辺地川
33.5メートル
195メートル
2630千㎥/2120千㎥
青森県県土整備部
2000年
◎治水協定が締結されたダム

田の沢溜池

2016-05-06 09:45:00 | 青森県
2016年4月30日 田の沢溜池
 
田の沢溜池は青森県東津軽郡平内町松野木にある灌漑用アースダムで、1945年(昭和20年)に平内町の事業で建設され現在は一本松地区水利組合が管理を行っています。
県道から溜池まで車道が続いていますが、未舗装で路面状況もひどいため県道わきに車を止めて歩いて溜池に向かいました。
といっても距離にすればたかだか500メートルほどですが・・・
 
右岸に扇形の洪水吐があります。
 
洪水吐を挟んで。
 
奥に陸奥湾が見えます。
 
天端には轍があります。
関係者が軽トラで乗り付けてるんでしょう。
 
ダムの下には清水川にそって整然と整地された水田が続きます。
 
左岸の松林の中に斜樋があります。
ちなみにこの松林、マツタケ山のようです。
 
溜池としては大きな貯水池
背後は国有林です。
 
青森県ではダム便覧に掲載された数少ない溜池です。
津軽の旧木造町や金木町には多くの溜池がありますが、大半が堤高15メートル未満。
一方で、三八や東津軽はため池がほとんどないのですが、数少ない溜池の一つがダム便覧に載っているというのも面白いことです。
 
0187 田の沢溜池(0334)
ため池コード
青森県東津軽郡平内町松野木
小湊川水系小湊川
21メートル
205メートル
1174千㎥/978千㎥
一本松地区水利組合
1945年

浅虫ダム

2016-05-06 09:30:00 | 青森県
2016年4月30日 浅虫ダム
 
浅虫ダムは青森県青森市浅虫の浅虫川にある青森県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
浅虫温泉街を貫流する浅虫川は流路延長5キロの二級河川ですが、豪雨の際には水位が急増し市街地での洪水被害が頻発していました。
これを受け2002年(平成14年)に市街地直上に建設されたのが浅虫ダムです。
浅虫ダムは国交省の補助を受けて建設された補助治水ダムで、浅虫川の洪水調節と安定した河川流量の維持を目的としています。
洪水調節についてはダムと同時に建設された洪水吐トンネルにより直接青森湾に放流され、水をダムに貯め込むのではなく洪水吐トンネルで逃すというシステムです。
一方でダム建設地点地下には浅虫温泉の源泉となる地下水脈があり、これを保護するため基礎岩盤に打ち込まれた杭によってダム本体を支えるフローティング形式の重力式コンクリートダムとなっています。
また堤高9メートルとダムの要件を満たしていませんが、建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムのため堤高如何に関わらず河川法上のダムとなります。
 
堤高わずか9メートルの堤体と大きな減勢工
見た目はわかりませんが、このコンクリート堤体は基礎岩盤に打ち込まれた杭で支えられています。
 
減勢工を真横から。
 
右岸から
手前は河川維持放流路。
 
左岸側のトンネル式洪水吐。
洪水時は溢れた水がここから海に放流されます。
 
アングルを変えて
ここから見ると青土ダムのようなダム穴に見えます。
 
上流の貯砂ダム。
 
ダム下流側にあるモニュメントです。
羊のように見えますがカモシカだそうです。
 
こちらはホタル
ダム湖がホタル浅虫湖と呼ばれるようにホタルの名所です。
ただリアリすぎて、ゴキブリにも見えてしまう。
 
浅虫温泉を洪水から守るため洪水を洪水吐トンネルから海へ逃すという独特のシステムが採用されています。
また構造的にも浅虫温泉の泉質に影響を与えないよう地下水脈の維持に配慮した工法が採用されました。
 
(追記)
浅虫ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
0222 浅虫ダム(0333)
左岸 青森県青森市浅虫山下
右岸       浅虫内野
浅虫川水系浅虫川
FN
9メートル
215メート
300千㎥/170千㎥
青森県県土整備部
2002年
◎治水協定が締結されたダム

小泊ダム

2016-05-06 09:15:00 | 青森県
2016年4月29日 小泊ダム
 
小泊ダムは青森県北津軽郡中泊町小泊朝間の二級河川小泊川にある青森県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の小規模ダム事業である生活貯水池事業の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、小泊川の洪水調節、安定した流量の維持と既得取水権への用水補給、上水道用水の供給を目的として1996年(平成8年)に竣工しました。
津軽半島最北のダムで、本州では下北半島の川内ダムに次いで北から2番目のダムとなります。
 
小泊市街を過ぎ県道を東に向かうと小泊ダムに到着します。
なんとダムの下流は満開の桜に埋め尽くされています。
 
最果て感など微塵も感じさせないない華やかな眺め。
 
ダムサイトに上がってみます。
ここから見るとよくある自治体ダム。
 
天端と管理事務所。
 
漁業の町らしく天端にはイカや魚の絵が・・・
 
左岸から
 
小さなダム湖です。
 
減勢工。
 
ダム下流の公園を埋め尽くす満開の桜
直線じゃなく、うねった川の流れに合わせて植えてあるのが素晴らしい!!
 
津軽や下北といえばどうしても最果て感や暗いイメージが先行しますが、実際に目にした小泊ダムは下流を埋め尽くす桜がちょうど満開。
最果て感とは似ても似つかぬ華やかなダムです。
でもGWの土曜日の午後、桜が満開なのに人っ子ひとりいないのはなぜ??
 
追記
小泊ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
3004 小泊ダム(0332)
青森県北津軽郡中泊町小泊朝間
小泊川水系小泊川
FNW
33.5メートル
121.5メートル
400千㎥/340千㎥
青森県県土整備部
1996年
◎治水協定が締結されたダム

大湊第一水源地堰堤(大湊ダム)

2016-05-06 09:00:00 | 青森県
2016年4月29日 大湊第一水源地堰堤(大湊ダム)
 
旧大湊水源地沈澄池堰堤(大湊ダム)は明治42年(1909年)に竣工した旧帝国海軍専用の水道施設で石造の重力式アーチダムとなっています。
日本最古のアーチ式ダムともいわれ、堰堤の側面や底面も含めてすべて石貼となっており、国の重要文化財に指定されているほか、土木学会選奨遺産、近代土木遺産、近代水道百選にも選ばれています。
すでに現役は引退していますが、貴重な石貼りアーチダムということでダム便覧にも参考掲載されており、GWのダム巡りを青森県にしたのは大湊ダムを見るためといっても過言ではありません。
 
大湊ダム周辺は水源地公園としてきれいに整備され、GWはちょうど桜祭りの真っ最中。さほど大きくない駐車場に車を入れるのに苦労しましたが公園を訪れる人の大半はさくらが目当てで堰堤は人影もまばら、のんびりと堰堤を見学することができました。
 
融雪期に加え寒冷前線の通過で水量が多かったことから、越流を見ることができます。
全面石貼りを逆三角形に流れる水流が見事です。
 
右岸から
日本最古のアーチダムといわれています。
 
 
赤い管理棟の形状も歴史を感じさせます。
 
上流から
貯水池周辺に植えられた松と石造の堰堤、赤い管理棟とのバランスが素晴らしい
洋風建造物にも関わらず和のテイストに満ち溢れています。
 
 
下流から俯瞰
やはり松と似合います。
とにかくどのアングルから見ても美しいのです。
 
下流の施設もアーチ形状になっています。
 
公園は桜祭りの真っ最中。
ライトアップされる堰堤も見てみたかったなあ…
 
今回の東北のダム巡りを青森県にした目的の一つがこの大湊ダム。
あいにくの氷雨でしたが、空気が洗われ逆に石貼りの堰堤や苔の緑に深みを与えてくれました。
おまけに越流もしていてわざわざ最北の地まで足を運んだ甲斐がある素晴らしいダムでした。
 
S501 大湊ダム(0331)
青森県むつ市宇田町
W(取水終了)
GA
7.9メートル
26.5メートル
1909年竣工
1976年廃止