ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

平石川取水ダム

2016-05-23 13:00:00 | 新潟県
2016年5月21日 平石川取水ダム
 
平石川取水ダムは新潟県魚沼市大白川の信濃川水系破間川の破間川ダム下流約700メートル地点にある電源開発(株)が管理する発電目的の重力式コンクリート堰堤です。
平石川というのは破間川の旧名で、ここで取水された水は約2.3キロの導水路で電源開発末沢発電所に送られ最大1500キロワットの水路式発電を行います。
さらにその放流水は黒又第一ダムに送られます。
堤高が15メートル未満でダムの要件を満たしていませんが、破間川ダム訪問に合わせて立ち寄りました。
 
 
破間川発電所への道からダムを見ることができます。
右手がコンクリート主堰堤、左に取水用スクリーンがありその奥が沈砂池と余水吐、最奥が取水ゲートになります。
 
吊り橋からダムの全容が見えそうなので下ってみます。
 
ちょっと期待しましたが、やっぱり吊り橋は立ち入り禁止
見えそうで見えない。
主堰堤の右手は排砂ゲートになります。
 
沈砂池にも越流面らしきものがあります。
 
この放流は沈砂池からの余水吐です。
 
木が邪魔で越流面が見えません。
 
平石川取水ダム
新潟県魚沼市大白川
信濃川水系破間川
---メートル
---メートル
電源開発(株)
1958年

大羽谷内溜池(大芳賀ダム)

2016-05-23 11:15:00 | 新潟県
2016年5月21日 大羽谷内溜池(大芳賀ダム)
 
大芳賀(おおはが)ダムは新潟県魚沼市穴沢の信濃川水系穴沢川にある灌漑用目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1935年(昭和10年)に尾形原地区の事業により竣工と記されており、その後1993年(平成5年)に農水省の補助を受けた新潟県の溜池等整備事業で大規模な改修が行われました。
ダム便覧では大芳賀ダムとなっていますが、国土地理院地形図では『大羽谷内池』と記されており、竣工記念碑でも『大羽谷内ため池』となっています。
現地で話を伺った老人も『おおはがやち』とおっしゃっており、大芳賀ダムという名称は、改修の際に縁起のいい同じ読みの文字を当てたものと推察されます。
管理は魚沼市土地改良区が行っています。
なおダム便覧とため池データベースでは諸元が異なり、後者では堤高10.8メートルとダムの要件を満たしていません。
 
入広瀬から大芳賀ダムへ向かうのに多少手間取りましたが何とか到着。
ダム湖上流側に竣工記念碑がありました。
 
左岸から
ダム周辺のタニウツギが満開です。
 
上流面はコンクリート補強されています。
 
天端は車道になっているが軽四くらいが精一杯でしょう。
下流面は犬走りがあり二段になっています。
 
普通の溜池です。
 
右岸に洪水吐があり、天端の中央のに階段式斜樋があります。
 
洪水吐導流部
 
堤体の下に下りてみました。
ここから見るとアースダムらしい姿です。
 
ダムからの帰り、農作業をしていたご老人からいろいろ話を伺うことができました。
もともとは小さな棚田が続いていたが、土地改良事業で耕地整理がなされたこと、山向こうの守門岳の雪渓からトンネルで用水路が作られ引水してることなどを教えていただきました。
 
0733 大羽谷内溜池(大芳賀ダム)(0396)
ため池コード 152250030
新潟県魚沼市穴沢
信濃川水系穴沢川
15メートル(ため池データベース 10.8メートル
58メートル(ため池データベース 42メートル)
42千㎥/42千㎥(ため池データベース 35千㎥)
魚沼市土地改良区
1935年

薮神ダム

2016-05-23 11:00:00 | 新潟県
2016年5月21日 薮神ダム
     8月 6日
 
薮神ダムは左岸が新潟県魚沼市赤土、右岸が同市大倉沢の信濃川水系破間川にある東北電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
破間川では融雪による豊富な水量に着目して戦前より電源開発が進められ、薮神ダムは1941年(昭和16年)に日本発送電傘下の東北配電により薮神発電所の取水ダムとして建設されました。
ダムおよび発電所は1951年(昭和26年)の電気事業再編成により東北電力(株)が事業を継承、2016年(平成28年)には最大出力4500キロワットのダム式発電を行う第二薮神発電所が増設されました。
薮神ダムは戦時中の貴重な土木建築物としてCランクの近代土木遺産に選ばれています。
 
下流の三河沢橋から
年間300日放流が行われているとのことですが、この日は残りの65日だったようです。
 
6門のラジアルゲートで破間川を閉め切る、いかにも発電ダムといった体。
豪雪地帯ということでピア上は被覆されています。

ダム直前の下流側から
魚道を映したかったのですが木が邪魔になりました。
 
初回訪問時は第二薮神発電所を建設中。
 
右手に新設された薮神第二発電所への取水ゲート。(2016年8月6日)
 
上流から
左岸に薮神発電所への取水口。
 
取水口をズームアップ(2016年8月6日)。
 
(追記)
薮神ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0737 薮神ダム(0395)
左岸 新潟県魚沼市赤土
右岸     同市大倉沢
信濃川水系破間川
23メートル
98メートル
1857千㎥/671千㎥
東北電力(株)
1941年
◎治水協定が締結されたダム

広神ダム

2016-05-23 10:45:00 | 新潟県
2016年5月21日 広神ダム
 
広神ダムは新潟県魚沼市小平尾の信濃川水系和田川にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、和田川および破間川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、新潟県企業局広神ダム発電所(最大出力1200キロワット)でのダム式水力発電を目的として2011年(平成23年)に竣工しました。
ダム建設中の2004年(平成16年)に中越地震が発生、打設面にひび割れが発生するなどの被害がありましたが大過なく無事竣工しました。
 
ダムは国道352号沿いにあり、左岸ダムサイトにある管理事務所の前に大きな駐車場があります。
左岸上流側から
一見水位が低く見えますが有効貯水容量1070万立米のうち洪水調節容量が880万立米を占めるため、これが常時満水位となります。
 
天端は車道になっており、右岸側のトンネルを抜けて対岸の県道につながっています。
本来なら車両が通行できるようですが、トンネルの先で土砂崩れがあり通行止めになっています。
 
左岸から
 
減勢工と発電所
発電所は新潟県企業局が運営しています。
 
右岸から
 
クレストには自由越流式洪水吐が並んでいます。
左は選択取水設備。
 
ダム湖
ぱっと見は小さく見えますが、左右に屈曲していて奥に続いています。
 
下流からも何とか撮影することができました。
ダム前面にエレベーター棟、堤体中ほどにコンジットゲートが見えます。
 
建設工事中に中越地震が発生し竣工が危惧されましたが大過なく無事完成したダムです。
 
(追記)
広神ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

0793 広神ダム(0394)
新潟県魚沼市小平尾
信濃川水系和田川
FNP
80.5メートル
225メートル
12400千㎥/10700千㎥
新潟県土木部
2011年
◎治水協定が締結されたダム


神沢川砂防堰堤

2016-05-23 10:30:00 | 新潟県
2016年5月21日 神沢川砂防堰堤
 
神沢川砂防堰堤は新潟県長岡市山古志東竹沢の信濃川水系神沢川にある重力式鋼製セル型砂防堰堤です。
国道291号を走っていてたまたま見つけました。
2004年に発生した中越地震で震源に近い旧山古志村では各所で土砂災害が発生し、神沢川では斜面崩壊により川が塞がれ天然のダム湖が形成されました。
このため大雨の際に土石流が発生の危険性が高まり、これに対処するために建設されたのが神沢川砂防堰堤です。
緊急度の高い事案のため、施工期間が短期で済むセル方式が採用されたようです。
 
初めて見るセル方式の砂防堰堤
円筒型のセルが5基並んでいます。
 
まるで貯水タンクが並んでいるような眺め
 
中央のセルだけ少し低くなっており、ここから越流しています。
 
上流側から
手前が背の低いセルで、上から見るとマンホールの蓋のようです。
 
砂防堰堤周辺だけでもこれだけの地滑りの跡が残っています。

神沢川砂防堰堤
新潟県長岡市山古志東竹沢
信濃川水系神沢川
砂防堰堤
重力式鋼製セル型
14.5メートル
85.3メートル
国交省北陸地方整備局
2006年

頭無堤

2016-05-23 10:15:00 | 新潟県
2016年5月21日 頭無堤
 
頭無堤(かしらなしつつみ)は新潟県小千谷市ひ生の信濃川水系頭無沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1916年(大正5年)に木津耕地整理組合の事業で竣工と記されています。
現地看板では現在も管理者として木津耕地整理組合の名称が使われており、水利組合の管理のようです。
一方池の諸元についてはダム便覧とため池データベースでは大きな差異があり、後者では堤高は12メートルとなっています。
 
入口がわかりにくかったのですが、木津温泉の向かい側から延びる車道を登ってゆくと無事頭無堤に到着。
 
立ち入り禁止地帯に入らないようにして撮影します。
アースの堤体下流面は草ぼうぼうです。
見たところ堤高は20メートルもなく、ため池データベースの12メートルが妥当。
 
天端と貯水池。
 
土嚢が積まれているところが洪水吐になります。
ダム便覧では貯水容量は14万立米、対してため池データベースでは8万4000立米。
 
洪水吐からの小さな隧道
 
洪水吐導流部。河床には石が積まれています。
 
池の下流には昔ながらの小さな水田が続きます。
まるで高層湿原の池溏の様な棚田は芸術です。
 
ただの溜池ですが、ダムの下に続く小さな水田は美しく今なお貴重な水源なんだと実感しました。
整地された大きな水田よりも、ここのお米はずっとおいしそう。
 
0717 頭無堤(0393)
ため池コード 152080021
新潟県小千谷市ひ生
信濃川水系頭無沢川
20メートル(ため池データベース 12メートル)
35メートル(ため池データベース 56メートル)
140千㎥/140(ため池データベース 85千㎥)
木津耕地整理組合
1916年