ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

西郷ダム

2016-05-31 13:00:00 | 福島県
2015年12月15日 西郷ダム
2016年 5月29日 
 
西郷ダムは西白河郡西郷村鶴生にある灌漑用アースダムで、農林省の事業で1955年(昭和30年)に建設され阿武隈川上流土地改良区が管理を行っています。
 
白河から国道289号を甲子トンネル方面に向かい、雪割橋へ右折し白河高原牧場を抜けると西郷ダム右岸ダムサイトに到着します。
ダムサイトの駐車場からダム湖に沿って遊歩道になっています。
 
まるでペンションのようなかわいい建物。
管理事務所兼取水設備操作室です。
 
天端は立入禁止
ダムの向こう側は自衛隊の演習場。
 
上流面
雪が積もっているのでわかりにくいですがロックフィル。
 
水位が低いため斜樋が下まで現れています。
 
ダム湖(西郷貯水池)。
 
2016年5月29日 西郷ダム②
 
大内ダムから甲子トンネルを抜けて白河へ向かう途中、西郷ダムに立ち寄ってみました。
昨年12月以来二度目の訪問です。
 
西郷ダムの石碑
 
天端へ向かう遊歩道、
前回は雪でしたが今回は初夏、季節が違うと雰囲気も全く違います。
 
かわいい牛とミルクのペイント。
ダムの手前は白河高原牧場です。
 
取水設備の操作室。
 
上流面はロックフィル。
 
前回はダム湖がカラカラでしたが、今回はたっぷり。
 
堤体への立ち入りができず、見学ポイントは少ないのですがそれでも雰囲気のよさは抜群です。
桜か紅葉の時期にまた訪問したいダムです。
 
追記
西郷ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに9万1000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0489 西郷ダム(0126)
福島県西白河郡西郷村鶴生黒土
阿武隈川水系鳥首川
32.5メートル
220メートル
3299㎥/3064㎥
阿武隈川上流土地改良区
1955年
◎治水協定が締結されたダム

大内ダム

2016-05-31 12:00:00 | 福島県
2016年5月29日 大内ダム
 
大内ダムは福島県南会津郡下郷町大内の阿賀野川水系小野川にある電源開発(株)が管理する発電目的のロックフィルダムです。
オイルショックを契機に電力各社は火力偏重の発電体制を見直し、火力や原子力との連携が図れ余剰電力を有効利用できる揚水発電に着目します。
電源開発は建設省が阿賀野川上流に建設を決めた大川ダム建設事業に発電事業者として参加、1988年(平成元年)に同社3番目の純揚水発電所である下郷発電所が完成しました。
大内ダムは同発電所の上部調整池として発電所の稼働3年後の1991年(平成3年)に竣工し、下部調整池である大川ダムとの有効落差387メートルを利用して最大10万キロワットの純揚水式発電を行っています。
 
 
県道131号を大内宿に向かって南下し、氷玉峠を越えると大内ダムのダム湖が見えてきます。
天端は県道330号となっており車両が通行できます。
 
ダム下流面。
堤高100メートルを超える巨大ロックダムですが、堤体中央に建設残土が盛られ高さは感じません。
おまけに堤体には草が生えまるでアースダムの様相です。
 
下流に人気観光スポットの大内宿が見えます。
 
ダム湖
標高800メートルのダム湖はまるで高原リゾートの趣です。
 
右岸に洪水吐があります。
 
下流面です。
スキー場のゲレンデのみたい。
 
上流面
揚水発電の上部池ということで昼夜で水位が変わります。
 
洪水吐
奥に表面取水設備が見えます。
 
左岸に揚水発電の取水口がありますが、取水設備は水中にあり見ることはできません。
 
日本有数の揚水発電の取水口は水の中、洪水吐導流部や減勢工も立ち入ることはできませんが、標高800メートルのダムを吹き抜ける風はさわやかでまるで避暑地の装いでした。
平日しか開館していないためまだ入館したことのない下郷展示館ですが、機会があれば入館して下郷発電所や大内ダムにしてもっと学んでみたいと思います。 
 
追記
大内ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに洪水調節容量が確保されることになりました。
 
 0522 大内ダム(0428)
福島県南会津郡下郷町大内
阿賀野川水系小野川
102メートル
340メートル
18500千㎥/16000千㎥
電源開発(株)
1991年
◎治水協定が締結されたダム

無量溜池

2016-05-31 10:00:00 | 福島県
2016年5月29日 無量溜池
 
無量溜池は福島県大沼郡会津美里町旭無量阿賀野川水系館川右支流(河川名不明)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1906年(明治39年)に無量水利組合に事業で竣工と記されています。
福島県ため池データベースには『無量溜池2号』という名称で記載されていますが、こちらでは堤高は6.8メートルとなっておりダムの要件である15メートルには遠く及びません。
 
県道330号から右に道を取り、町道で無量旭地区に至ると左手に溜池の堤が見えてきます。
 
溜池まで道路が通じていますがダートなので歩くことにしました。といっても、たかだか100メートルほどです。
ダム便覧では堤高16メートルとありますが、どう見てもそんなにありません。
ため池データベースの6.8メートルが妥当でしょう。
 
天端は草ぼうぼう。
 
上流面。
 
洪水吐も草ぼうぼう。
イワベンケイの花が満開です。
 
田植えが一巡、梅雨を控えて貯水池の水位は低くなっています。
 
軽トラならここまで入れます。
地元の写真家が野鳥の写真を撮影されていました。
カワセミが見れるそうです。
 
右岸の階段式斜樋。
 
0460 無量溜池(0424)
ため池コード 074470023 
福島県大沼郡会津美里町旭無量
阿賀野川水系館川右支流
16メートル(ため池データベース 6.8メートル
60メートル
32千㎥(ため池データベース 55千㎥)/25千㎥
旭無量水利組合
1906年