ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

坪山ダム

2016-05-17 14:00:00 | 新潟県
2016年5月14日 坪山ダム
 
坪山ダムは新潟県十日町市坪山の信濃川水系曽根川にある農地防災・灌漑目的のアースフィルダムです。
十日町市の旧川西町では農地の大半が信濃川左岸の河岸段丘上に位置し、眼下の信濃川の水を得ることができずその水源は支流の小河川に依存せざるを得ませんでした。
1970年代より川西土地改良区管内の河川ごとにダム建設事業が順次着手され5基のダムが建設されました。
坪山ダムは農水省の補助を受けた県営坪山地区防災ダム事業で既存の坪山溜池を再開発しダム化、1997年(平成9年)に竣工しました。
完成後は川西土地改良区が管理を受託し99ヘクタールの農地に灌漑用水を供給するとともに、211ヘクタールの農地防災を担っています。
 
右岸に洪水吐があるのは松葉沢ダムと同じ構図です。
 
下流面
堤体を車道が斜行しています。
 
松葉沢ダム同様天端は立入禁止です。
 
上流面は石貼りコンクリート補強されています。
松葉沢で見られたダム名のペイントはありません。
 
 
右岸に洪水吐と斜樋が並ぶのは松葉沢ダムと同じです。
洪水吐に小さな切込みが入っています。
 
(追記)
坪山ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3117 坪山ダム(0384)
新潟県十日町市坪山
信濃川水系曽根川
FA
20.5メートル
94メートル
216千㎥/196千㎥
川西土地改良区
1997年
◎治水協定が締結されたダム

松葉沢ダム

2016-05-17 13:00:00 | 新潟県
2016年5月14日 松葉沢ダム
 
松葉沢ダムは新潟県十日町市上野甲の信濃川水系小海川にある農地防災・灌漑目的のアースフィルダムです。
十日町市の旧川西町では農地の大半が信濃川左岸の河岸段丘上に位置し、眼下の信濃川の水を得ることができずその水源は支流の小河川に依存せざるを得ませんでした。
1970年代より川西土地改良区管内の河川ごとにダム建設事業が順次着手され5基のダムが建設されました。
松葉沢ダムは農水省の補助を受けた県営松葉沢地区防災ダム事業で、既存の松葉沢溜池を再開発しダム化、2006年(平成18年)に竣工しました。
完成後は川西土地改良区が管理を受託し174ヘクタールの農地に灌漑用水を供給するとともに、181ヘクタールの農地防災を担っています。
 
ダムは国道252号沿いにあり、ダムに沿って駐車スペースもあるのでアプローチは簡単です。
 下流から
 
ちょっと長めの洪水吐導流部
 
下流面
雪国といえどもさすがに5月になると草が伸びてきます。
 
天端は立入禁止です。
 
上流面はコンクリートで補強され青い字で松葉沢ダムのペイントが施されています。
 
右岸の洪水吐
 
洪水吐の隣に斜樋があります。
 
(追記)
松葉沢ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3286 松葉沢ダム(0383)
新潟県十日町市上野甲
信濃川水系小海川
FA
24.5メートル
78メートル
171千㎥/157千㎥
川西土地改良区
2006年
◎治水協定が締結されたダム

城川ダム

2016-05-17 11:00:00 | 新潟県
2016年5月14日 城川ダム
 
城川ダムは左岸が長野県十日町市室野、右岸が同市福島の信濃川水系城川にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
城川は本流の渋海川との合流地点での洪水が多い一方、流域では上水道水源を深井戸や河川表層水に依存し安定した水源確保が求められていました。
県は新たに創設された建設省(国交省)の小規模ダム補助事業である生活貯水池事業を活用したダム建設に着手し1996年(平成8年)に竣工したのが城川ダムで、城川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得灌漑用水への補給、十日町市室野地区への上水道用水の供給を目的として運用されています。
 
下流から
堤高21.7メートル、堤頂長81.5メートルの小さなダム。


洪水吐はクレスト自由越流頂4門、自然調節式オリフィス1門のゲートレス。
もう少し寄りたいけどこの先は立ち入り禁止。


サイズはミニチュアですが、がっつりした導流壁が無骨さを際立たせています。


左岸ダムサイトの管理棟
職員の常駐はありません。


記念碑。


天端は徒歩のみ開放、と言っても対岸まで100メートルもありません。


減勢工と放流設備


総貯水容量はわずか29万7000立米。


上流面。


これで常時満水位
手前はフローティング式の取水設備。


 (追記)
城川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3009 城川ダム(0380) 
左岸 新潟県十日町市室野
右岸      同市福島
信濃川水系城川
FNW
21.7メートル
85.5メートル
297千㎥/269千㎥
新潟県土木部
1996年
◎治水協定が締結されたダム

留山ダム

2016-05-17 10:00:00 | 新潟県
2016年5月14日 留山ダム
 
留山ダムは新潟県十日町市松之山天水越の信濃川水系留山川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
当地は水利に乏しく小さなため池や小河川、渓流を水源とする天水田が大半で、干ばつが常習化していました。
このような状況を打開するため1980年(昭和55年)より農水省の補助を受けた県営かんがい排水事業松里地区が着手され、その灌漑用水源として1988年(昭和63年)に竣工したのが留山ダムです。
運用開始後は松里地区土地改良組合が管理を受託し約330ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。
事業の完了により当地区生産の米は「天水コシヒカリ」のブランドで高い評価を受けています。
 
当初南の津南側からアプローチしましたがダム湖への道がダートのため断念、北の天水越に回り込んでようやくダムに到着できました。
ダム下から
向って右手に洪水吐斜水路、堤高28.8メートル、3段の堤体はきれいに草が刈られています。


左岸から
ダム下の金属製蓋の下に調圧水槽があります。


左岸洪水吐脇の記念碑。


事業説明板。


横越流式洪水吐。


延長120メートルを超える長い斜水路。


洪水吐は石敷で護岸。


上流面もロック材で護岸
対岸に管理事務所と斜樋があります。


天端から
調圧水槽からは幹線水路で受益農地に導水されます。


総貯水容量42万5000立米の貯水池。


管理事務所
職員の常駐はありません。
豪雪地帯らしく落雪目的で屋根は傾斜


多孔式の斜樋。


天端標高は730メートル
文字通り山中に佇む水源といった風情です。
ダムへの道中に続く天水島や天水越の棚田の命の綱となるダムです。
 
0786 留山ダム(0379)
新潟県十日町市松之山天水越
信濃川水系留山川
28.8メートル
135メートル
425千㎥/418千㎥
松里土地改良組合
1988年