ホームレス・黒猫のタンコ ⑭

食事を提供しているのに毎日緊張が走る。飛びかかって来るとは思えないが、吠えられると緊張する。私に隙が出るのは下を向いて餌をおくときだろう。用心のためにタンコとの距離を１m以上にしておきたいので一度追い払ってから餌を置いた、タンコは引き下がり止まって私を睨んでいる。その時、金網の外から子猫が一匹、二匹、三匹と庭に入ってきた。その中の一匹はタンコと私を無視して餌の皿に近づき汁を飲み始めた。すると他の二匹も皿に近づき飲み始めた。タンコを見ると私を睨むの止めて、子猫たちが食べるのを優しい顔つきで見つめている。











子猫と私、最初は私の顔を見るだけで飛び下がって逃げていたが、慣れてきたのか逃げなくなった。タンコとは仲良くなれそうにないが、子猫たちとは仲良くなれそうである。最近では私が座っている４０cmほどの所に餌を置いているが逃げないで食べている。手を差し伸べれば触れる距離である。子猫たちは一生懸命食事をしているので触れても大丈夫そうであるが、私が動くとタンコが睨む、私が手を差し伸べれば、子猫に危害を与えると勘違いして飛びかかってくるような気配である。頭を撫でるぐらいで噛み付かれてはたまらないので、手は出さないことにした。